メロディー(2話)
〔 下校時 〕
あっ、梁太郎〜!
今、帰り?
随分、遅いんだね〜?
梁太郎: 試合が近いからな。
試合って、いつ?
応援に行くョ。
喜多: 「エヘン!」
?
君には、遊んでる暇はないはずだが?
梁太郎: 誰だ? こいつ?
喜多: こ・こいつとは何だ!?
あっ、喜多君・・・ごめんね。
梁太郎は、ちょっと言葉悪いところあるけど、悪意はないから。
喜多: ( 「りょうたろう・・・・・・
りょうたろうって・・・
確か、
のカバンに付いてるキーホルダーに
書いてあった名前・・・Ryotaro・・・・・・」 )
喜多君? どーかした?
喜多: い・いや・・・別に・・・。
紹介するね。
彼は、土浦梁太郎君。私の幼馴染み。
で、こちらは・・・
喜多君。
連弾を、一緒に弾いてくれる事になったの。
喜多: どーでもいい事だけど・・・
このデカい奴・・・
の彼氏か?
ち・違うョ・・・、幼馴染みって言ったでしょ?
梁太郎には・・・彼女いるもん。
梁太郎って・・・凄くモテるんだョ。
幼馴染みとしては・・・ちょっと鼻が高いかな〜。
喜多: フン。 そーか。
あっ、確か・・・
喜多君の家って、向こうだョね?
私は、こっちだから・・・
じゃぁ、また明日ね。
喜多: 遅くなったから・・・送って行くョ。
梁太郎: 結構です。
俺達、家近いんで。
( 梁太郎が
の手を掴み、早足で歩き出した )
梁太郎・・・・・・
あっ、喜多君・・・ありがとう〜。
また明日ね〜。
( 無言のまま歩き続け、
の家の近くまで来た時・・・ )
梁太郎?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
梁太郎・・・どーしたの?
怒ってるの?
何で、男なんか選んだんだョ?
えっ?
連弾の相手・・・。
あ〜・・・。
選んだっていうか・・・たまたま偶然かな?
お前・・・
あんな男が好みなのか?
えっ!?
ち・違うョ・・・。
これから試験の日まで・・・
毎日のように、狭い練習室で・・・
あいつと二人っきりになるんだろ?
梁太郎・・・変な事考えないでョ・・・。
喜多君はね・・・
普段は分からないけど、音楽に関しては、凄く真面目に取り組んでるの。
今、二年のピアノ専攻の中では、一番の実力者なんだョ?
じゃぁ・・・
良い点が取りたくて、あいつを選んだのか?
何で、そんな事言うの?
そりゃ・・・私も、ピアノを演奏する端くれとして
技術や、感性の優れた人と、一緒に弾いてみたいと思うョ・・・。
でもね・・・
私が、本当に一緒に弾きたかったのは・・・梁太郎なんだョ?
私は、喜多君より梁太郎の方が、上手いと思ってる。
梁太郎の弾くピアノの方が・・・ずっと、ずっと好き。
俺は・・・
テストとか、コンクールとか・・・
そーいうものには、一切係わりたくないんだ・・・。
分かってる・・・。
でも・・・
梁太郎と弾きたかったんだもん・・・。
小さい時は、毎日のように一緒に弾いてたじゃない・・・。
私が一人で弾いてても、いつの間にか梁太郎が隣に来て
私の下手なピアノに合わせて、一緒に弾いてくれたじゃない・・・。
私は、そんな梁太郎に憧れて・・・
梁太郎のように上手くなりたいと思って・・・
一生懸命練習したんだョ。
今でも、その気持ちは同じ。
梁太郎に、少しでも近づきたい・・・。
梁太郎と同じレベルで、一緒に弾けたらな〜って・・・。
まだまだ・・・
ううん・・・、一生無理な事だけどさ・・・。
梁太郎みたいな才能・・・私には、無いからね・・・。
練習でなら・・・
一緒に弾いてやってもいいぜ?
えっ!?
本当に??
あぁ。
ただ・・・
喜多って奴と俺とじゃ、弾き方・・・全然違うだろうから
俺と弾いても、本当の練習にはならないと思うけど・・・・・・。
ううん。 そんな事ない。
梁太郎〜、ありがとう!
(
が、梁太郎に抱きついた )
お・おい・・・、やめろョ・・・・・・。
俺達・・・もうガキじゃないんだから・・・・・・。
あっ、ごめんね・・・。
(
が離れた )
小さい時は・・・
嬉しい時とか、悲しい時・・・何かっていうと梁太郎に抱きついて・・・
いつでも、私の傍に梁太郎が居て・・・
梁太郎は、私だけのものなんだ・・・なんて、思ってた。
ごめんね・・・。
こんな事したら、梁太郎の彼女に怒られちゃうね・・・。
梁太郎は今・・・その人のものなんだもんね・・・。
何、勘違いしてんだか知らないけど、俺・・・彼女なんていないぞ?
えっ?
だって・・・
中学の時、彼女がいるって・・・噂で聞いたョ?
で、高校入っても・・・
告白されても、全員断ったって・・・。
そうそう、一年の時のバレンタインデー・・・
学内の子からは、誰からもチョコ受け取らなかったって・・・。
だから・・・
中学の時の人と、学校違っちゃったけど、まだ付き合ってるのかな?
って思って・・・。
中学の時は・・・すぐ別れた・・・。
相手には悪かったけど・・・
最初から、好きな訳じゃなかったから・・・
そいつと居ても、楽しくなかったし・・・。
一年のバレンタインデーは・・・
俺が・・・好きな奴がくれたら・・・
そいつからだけ、受け取ろうと思って・・・・・・
でも、ダメだった・・・。
は・・・
誰かにチョコ・・・あげたのか?
私?
私は・・・
梁太郎にあげようと思って、前の日に一生懸命、手作りチョコ作ったの。
それなのに・・・14日の日、朝起きたら凄い熱で・・・
病院に行ったら「インフルエンザです」って言われて
一週間、学校休む事になって・・・
結局、あげそびれちゃった・・・。
でも・・・
あげても、受け取ってもらえなかったね・・・。
そ・そーだったのか!?
全然知らなかった・・・、そんなに学校休んでたなんて・・・。
うん・・・。
高校入ってから・・・
科が違うせいもあるけど・・・
疎遠になっちゃったもんね・・・。
梁太郎言う所の「ガキ」じゃないから・・・
仲良し小好しって訳にもいかないし・・・
久しぶりだね、こんなに梁太郎と話しするの・・・。
高校入ってから・・・じゃないだろぅ・・・・・・?
もっと前から・・・
俺は、
に避けられてると思ってた・・・。
えっ!? 何で?
だってお前・・・
俺に、何の相談もなく・・・
俺とは別の中学に、行っちゃったじゃねーかョ・・・。
俺は、
が別の中学行くっていうの・・・
小学校の卒業式終わった後、自分の親から知らされて、初めて知ったんだ。
あれ? そーだったっけ?
お前なぁ・・・・・・。
あっ、私・・・譜読みしなきゃならないんだった。
じゃぁ・・・梁太郎・・・
今日は、一杯話せて・・・嬉しかった。
またね・・・。
あぁ。
・
・
・
・
・
〔
の部屋 〕
梁太郎・・・
何度も話そうとしたんだョ・・・?
6年生になった頃から・・・
「私、梁太郎と違う中学校行く」って・・・。
言えば、梁太郎が・・・
「ダメだ。一緒の所に行こーぜ」って
言ってくれるんじゃないかと思って・・・。
でも・・・
私が、言おうと思った時に限って・・・
梁太郎は、他の女の子の相談受けてたり、用事手伝ってあげてたり・・・
梁太郎・・・
面倒見良いから、必ず誰かの頼み聞いてあげてて・・・。
ずっと、梁太郎は私だけのものだと思ってた・・・。
いつも梁太郎は、私の傍に居て・・・
私が困ってたら、助けてくれて・・・
遊ぶのも、勉強も、ピアノも・・・いつも一緒で・・・。
それなのに・・・3年生になった頃から・・・
梁太郎は、他の女の子から頼られると、すぐにそっちに行っちゃって・・・
同時に私が困ってても・・・
「
のは、あとで見てやるから待ってろ」って・・・。
私が、梁太郎の最優先じゃなくなった・・・。
梁太郎は私よりも、他の女の子に対してのが、優しくなっちゃった・・・。
あんなに一緒に居たのに・・・
「一緒に帰ろう?」って私が言うと・・・
「俺は、あいつと図書館寄るから、
は先に帰れ」・・・・・・
「今度の日曜日、梁太郎の家で一緒にピアノ弾こう?」って言うと・・・
「俺、あいつらと出かける約束しちゃったから、また今度な」って。
梁太郎は、私のものじゃないんだ・・・。
私にとって、梁太郎は特別だけど・・・
梁太郎にとって私は・・・
特別でも何でもない、ただのその他大勢の一人にすぎない
って事が分かってきて・・・。
そーしたら・・・
梁太郎と一緒に居る時が、辛くなってきちゃって・・・
梁太郎が、他の女の子と居ると・・・
もっと、もっと辛くなってきちゃって・・・。
だから、決めたんだ。
「違う中学校に行こう」って・・・。
でも、本当は・・・とめて欲しかった・・・・・・。
梁太郎と・・・離れたくなかった・・・。
To be continued 2007,5,10 up