憧れ(1話)




                私は、九番隊平隊員の

                平隊員の中でも、下から 1、2位を争う・・・
                とても情けない実力の持ち主・・・。

                仕事は、と言えば・・・雑用・・・。
                主に、掃除・・・いや、掃除しかやらせてもらえない・・・。
                書類整理すら、させてもらえない・・・
                要するに・・・「役立たず」である。

                護廷十三隊に入れた事は、何かの間違いだったのだろうか・・・?

                でも・・・
                やる気はあるし、努力も続けてきた・・・つもり。

                          ・
                          ・
                          ・
                          ・
                          ・


          隊員1:  ーー!
               仕事終わったら、また頼む。
               今日は、3人な。



                え・・・・・・・・・・・・



          隊員1: 何だョ!?
               何の役にも立たねぇお前が、唯一貢献できる仕事だろ!?


          隊員2: そうそう!
               俺達の憂さ晴らし相手。


          隊員3: 今日、スゲーむかついたんだョ。
               お前叩きのめしても、大して面白くねぇんだけど・・・
               「俺達より弱い奴がいる」って事で、少しは救われるんだョ。


          隊員1: じゃぁ、いつもの森の中な。
               遅れんじゃねーぞ。

                          ・
                          ・
                          ・
                          ・
                          ・


                私は弱い・・・・・・。

                だから、平隊員の中の何人かは、面白くない事があったり
                上官から怒られたりすると・・・

                決まって「訓練」と称して、私に「手合わせ」を申し込んでくる。
               
                私に勝つ事で、鬱憤を晴らしているようだ。

                その為、私はいつも傷だらけ・・・。

                あっ、でも・・・
                苛められてる訳ではない・・・と、私は思っている。

                だって・・・
                普段は皆優しいし・・・
                休みの日なんかは、誘ってくれて、一緒に出かける事もしばしば。

                全ては・・・私が弱いからいけないんだ・・・・・・。

                強く・・・なりたい・・・。
                でも・・・

                          ・
                          ・
                          ・
                          ・
                          ・

               〔 森の中 〕


                「訓練」は終わり、私は傷だらけで、その場に倒れた・・・。



          隊員1:  ・・・・・・
               お前、全然強くなんねぇなー。

               そろそろ・・・潮時なんじゃねぇ?


          隊員2: だな。

               毎日、毎日・・・掃除しかしねぇんだったら、隊員でいる意味ねぇぞ?
               早いとこ辞めて、故郷に帰った方が、身の為だョ。


          隊員3:  居なくなっちまうと、ちょっと寂しいけどな・・・。

               でも・・・
               ココには、お前の居場所はねーョ・・・。

               もぅ・・・諦めろ。


          隊員1: じゃぁな!



               ( 隊員達が去って行った )




                皆の言う通りだ・・・。

                そんな事は・・・私自身、嫌っていう程よく分かっている・・・。

                もぅ・・・辞めよう・・・。

                「護廷十三隊」という言葉に、しがみついていても・・・

                私に未来は無い・・・。




           恋次: 大丈夫か?



                えっ・・・?

               (  が、声のする方を見てみると・・・ )

                う・嘘・・・・・・
                阿・阿散井副隊長様・・・・・・?



           恋次: 「様」は、いらねーョ。

               それにしても・・・随分、派手にやられたなぁ・・・。
               お前・・・苛められてんのか?




                えっ・・・?

                あっ、い・いえ・・・訓練していただけです・・・。




           恋次: 訓練って・・・

               お前にとっちゃ、多少訓練になるかもしんねぇけど・・・
               奴らには、訓練にはなんねぇぞ?

               お前から、訓練頼んだとは思えねぇし・・・。

               それに・・・
               いくら訓練でも・・・女の顔、こんなに傷つけて・・・
               更に、置き去りにしてくってのは、どーかと思うけどなぁ〜?




                そ・それは・・・私が、弱いからで・・・・・・




           恋次: そんな事、奴らだって百も承知だろ?
               
               大体・・・今日が初めてじゃねぇんだし・・・。

               


                えっ・・・・・・・・・・・・?




           恋次: 前に一度、ココから帰るお前を、見かけた事あるんだョ。
               その時も、酷い怪我してたし・・・。

               ちょっと気になったんだけど、俺も急いでたし・・・
               他の隊のゴタゴタに、口出すのもなーって思ってさ・・・。

               お前・・・何番隊だ?




                わ・私は・・・
                九番隊の・・・ と申します。

                あ・あの・・・
                私は、大丈夫ですので・・・どうぞ、お戻り下さい。
                ご迷惑おかけしまして・・・申し訳ありませんでした。




           恋次: 檜佐木さんのところか・・・。
               じゃぁ・・話してみるか。




                えっ?




           恋次: 訓練にしても、こういうやり方は、良くねぇと思う。




                えっ?

                あっ・・・、い・いえ・・・・・・いいんです・・・。

                もぅ・・・いいんです・・・。




           恋次: 辞めんのか?




                ・・・・・・はい。




           恋次: そーか。

               やる気ねぇヤツ、引き止めようとは思わねぇけど・・・
               ちゃんと「自分の意志」で、決めたんだろうな?

               「あいつらに言われたから」とか、そんなんじゃねぇんだな?




                あ・あの・・・
                阿散井副隊長様は・・・いつから、ココにいらしたんですか?




           恋次: ん? 最初から。




                えっ?




           恋次: 正確には・・・
               お前が、この森に向かってくのを見かけて・・・付いてきた。

               この前の事があったんで、ちょっと気になってな。




                はぁ・・・・・・。




           恋次: あー・・・
               もっと前に止めてやろうかとも思ったけど・・・
               下手に俺が仲裁に入って、奴らに小言の一つでも言えば
               後で、お前に跳ね返ってくんじゃねぇかと思ってさ・・・。

               まぁ・・・
               奴らも、お前に悪さしようとか
               命にかかわる程の怪我、させようとしてねぇのが、分かったから
               途中で止めるのやめた。

               悪かったな。




                い・いえ・・・。

                あのー・・・でも、何で?

                ずっと見てらしたんですョね?




           恋次: そーだな〜・・・?
               何でだろうなぁ〜?

               よく分かんねぇ。
               とりあえずは、お前が気になった。




                はぁ・・・・・・。




           恋次: 自分の意志で辞めんだな?




                えっ?

                は・はい。




           恋次: 後悔も未練も、何もねぇんだな?




                未練・・・ですか・・・・・・。




           恋次: 何だ・・・、好きな男でもいるのか?




                えっ?

                い・いえ・・・別に・・・そんな御方は・・・おりません・・・。




           恋次: ふ〜〜ん。
               で、そいつは、同じ隊のヤツか?

               白状しろョ。




                ・・・・・・はい。

                あ、でも・・・
                好きとか、そんなんじゃなくて・・・
                ただ・・・憧れてる・・・憧れてただけです・・・。




           恋次: そーいうのを「好き」って言うんだョ。




                「好き」だなんて・・・とんでもない・・・。




           恋次: 何でもいいけど・・・
               未練あるなら、ハッキリさせてった方が、いいんじゃねぇか?

               どーせ辞めてくんだ。

               振られたら、振られたで、サッパリして去って行けるぜ?




                ふ・振られるって・・・あのですね〜・・・・・・。




           恋次: あ、悪ぃ。

               恋が実る可能性も50%あるョな。




                そうじゃなくて・・・
                告白なんて・・・とても、とても・・・・・・。

                まだ、一度も・・・お会いした事ないし・・・
                同じ隊舎にいるはずなのに・・・すれ違った事すら、ないんです・・・。




           恋次: どっちだ?




                えっ?




           恋次: 隊長か副隊長・・・どっちに惚れてんだ?




                えっ・・・?
                な・何で分かるんですか?




           恋次: だって・・・
               顔、見た事もねぇヤツに、惚れてんだろ?

               会った事なくても、大体の事が分かるっていったら・・・
               隊長か、副隊長しか、居ねぇじゃねーか?




                はぁ・・・、そーですね・・・。




           恋次: で・・・・・隊長に惚れてんのか?




                えっ!?

                いいえ、ち・違います!




           恋次: ふ〜〜ん・・・、やっぱりな〜。




                あっ!・・・・・・・。

                あ・あの・・・
                惚れてるんじゃなくて・・・憧れてた・・・だけです・・・。

                もぅ・・・いいんです。




           恋次: じゃぁ、行くか!



               ( 恋次が を、抱き上げた )



                えっ?

                阿散井副隊長様・・・、私・・・歩けますから・・・。




           恋次: 何言ってんだ。
               起き上がれもしねぇくせに。




                そんな事ないです・・・。




           恋次: 強がるな。

               俺達・・・仲間だろ?
               頼れる時は、頼っていいんだぜ。
               手、貸せねぇ時もあるけどな。




                で・でも・・・・・・




           恋次: 会わせてやるから、悔いの残んねぇように、話してこいョ。

               出来れば・・・
               こんな傷だらけじゃねぇ時の方が、いいんだろうけど・・・
               しょうがねーョな。




                会わせるって・・・?




           恋次: お前んとこの、副隊長にだョ。

               会いたいんだろ?




                い・いえ・・・、いいです。

                会いたくなんて・・・ないです・・・。




           恋次: 辞めちまうんだろ?

               今逃したら、二度と会えねぇかもしんねぇぞ?




                いいんです・・・、会えなくて・・・。

                会う気があるなら、とっくに会いに・・・・・・
                じゃなくて・・・、「見に」行ってます。

                そんな勇気・・・なかったんです・・・。

                「会いたい」なんて思ったこと・・・一度もありません。




           恋次: 好きなヤツに、会いたくねぇ訳ねぇだろ?

               弱いくせに、強がるな。

               会えば・・・
               かえって寂しくなるかもしんねぇけど・・・
               顔くらい、頭に焼き付けてけョ。

               ずっと・・・好きだったんだろ?




                阿散井副隊長様・・・・・・。




           恋次: 「様」は、やめてくれ。

               友達同士なら、「様」なんて付けねぇだろ? 普通。




                と・友達だなんて・・・・・・




           恋次: 俺と友達じゃ嫌か?




                そ・そーじゃなくて・・・ですね・・・
                今日、初めてお会いしたんですし・・・それに・・・・・・
                身分というか・・・地位が、違い過ぎますから・・・。




           恋次: そんなもん、関係ねーョ。
               俺、お前と話してて違和感ねぇもん。

               お前の論理でいくと・・・
               副隊長は、副隊長以外とは、友達にも・・・恋人にも・・・
               なれねぇじゃねーか。

               俺ん中じゃ、お前は友達だョ。
               任務以外で、知り合ったんだし・・・
               一緒に、任務する事だってねぇんだから。




                で・でも・・・・・・




           恋次: 辞める時は・・・教えに来いョ。

               黙って行くんじゃねぇぞ。




                はい・・・。




           恋次: じゃぁ、行くか。

               九番隊隊舎へ!

                                                         To be continued                 2006,11,23 up

 

戻る

 

あとがき

無謀にも・・・修兵連載夢を、始めてしまいました。
完結出来るか、心配ですが(汗)頑張りたいと思っています。

九番隊東仙隊長健在・・・という事になっております。

「1話」には、修兵現れず・・・すいません。

長文、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
お時間ありましたら、また遊びに来て下さいませ。