憧れ(10話)





               〔 修兵の副官室 〕



               ( コンコン )


                檜佐木副隊長・・・まだ、いらっしゃいますか・・・?




                ・・・か?




                はい。




               入れ。



               (  が、副官室に入った )



                失礼します。




               どーした?




                あ・あのー・・・・・・
                鍵を・・・
                ココの鍵を、返すの忘れてしまいまして・・・申し訳ありませんでした。




               鍵・・・か・・・・・・。



               (  が鍵を渡そうと、下を向きながら修兵に歩み寄った )



                それから・・・・・・

                長い間・・・お世話になりました・・・。

                私、 は・・・
                今日限りで、九番隊隊員を辞する事に決めました。




               ・・・はっ??

               ・・・辞める??

               ココ辞めてどーするんだ?
               六番隊にでもいくのか?




                い・いえ・・・
                私なんか・・・どこの隊でも、いらない筈ですから・・・。




                ・・・・・・?

               辞めたいのか?




                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




               んーーーーー・・・・・・。

               自分で決めたのか?



               (  が頷いた )




               なら・・・やり直せ。

               礼儀がなっとらん。

               そーいう事は、きちんと俺の顔・・・目を見て言え。




                辞めたく・・・ありません・・・。


               (  が、顔を上げた )




               何故・・・泣く・・・?

               自分で決めたんじゃないのか?

               阿散井と・・・何かあったのか・・・?




                何もありません。
                阿散井副隊長は、関係ありません。

                私が・・・弱いから・・・・・・
                何の役にも立たないから・・・・・・。




               辞めたくないんだな?




                ・・・はい。




               「辞める」と言ったり、「辞めたくない」と言ったり・・・
               何が言いたいのか、よく分からんが・・・

               辞めないでくれ・・・。

               俺の前から、姿を消す事は・・・許さない・・・。




                えっ・・・??

                で・でも・・・
                私は、戦力外なんじゃ・・・?




               はっ・・・??




                3人・・・戦力外通告するんじゃ・・・?

                その1番目に・・・私の名前が・・・・・・




               見たのか? 俺の書類・・・?




                いえ・・・。




               だョな。
               まだ、隊長にすら報告してない。

               でも、その3人には・・・
               総括の後、納得がいくまで話しはしてきた。

               気持ちの良い仕事じゃないが・・・これも俺の役目の一つ。

               十分配慮して・・・話してきたから・・・
               外に洩れるような事は、無かった筈だが・・・?

               何故知ってる?

               しかも、ニセ情報を?




                え・・・

                今・・・ココに来る途中・・・
                上官の方々が、話してらっしゃるのを聞いてしまって・・・。




               お前の名前を言ってたのか?




                はい・・・。
                一人目は、 で決定・・・って・・・。




               後でそいつら探して、厳重注意しておく。
               それで・・・いいか?




                注意だなんて・・・。




               辞めないな?




                いいんですか?
                私が残っても・・・?




               俺が質問してるんだ。

               辞めないな?




                ・・・はい。

                ありがとうございます・・・。
                私・・・頑張ります。

                あっ・・・そーだ・・・。 鍵・・・・・・




               それは・・・お前が持ってろ。




                えっ?




               この部屋の中の事も・・・色々やってもらう事にしたから・・・
               一々、鍵渡すの面倒だろ?

               任務の時は、首から提げとけ。

               いつでもココに・・・入れるように・・・。




                で・でも・・・
                副官室には、重要書類とか・・・色々ありますし・・・

                私・・・自信ありません・・・。




               スパイでもする気か?




                い・いえ・・・、そんなんじゃなくて・・・

                紛失っていうか・・・




                は、そんなにだらしないのか?




                自分で無くすのではなくて・・・




               誰かに取られる・・・か?




                はい・・・。

                申し訳ありません・・・。
                私から物を取るのなんて・・・簡単な事ですし・・・

                大事な副官室の鍵・・・もし、取られて悪用されてしまったら・・・。




               大丈夫だ。

               誰も、 が副官室の鍵を持ってるなんて、思うまい。
               これは・・・俺と だけの、大切な秘密。
               阿散井にも、言うなョ。




                はい・・・。



               そんなに心配するな。

                は大体、九番隊隊舎内に居るんだ。
               外敵から襲われる心配も、殆どないし・・・
               俺の目も・・・届いてるから・・・。




                はい・・・。




               それでも、ココの鍵を持つという事は、重要任務の一つだ。

               お前に任せる。

               いいな?




                はい。




                ・・・・・・



               ( 修兵が、 の持っている包みを、じっと見つめた )




                あ・・・、こ・これは・・・・・・




               団子なんて・・・
               色気の無いプレゼントだな・・・、阿散井のヤツ・・・・・・。

                ・・・
               阿散井・・・怒ってたか?




                いえ・・・
                「檜佐木副隊長は、演習で何かあったんだろう?」って。




               そーか・・・。




                檜佐木副隊長・・・?




               何だ?




                あ・あのー・・・

                気晴らしに・・・

                今度のお休みの日・・・

                何処かに出掛けませんか・・・?




               俺の事、誘ってるのか?




                え・・・

                えっと・・・・・・




               デートの誘いか?




                ・・・って、阿散井副隊長が・・・・・・・・・




               えっ!?




                阿散井副隊長が、仰ってまし・・・た・・・・・・。




               阿散井が?

               俺と出掛けたいって?




                はい・・・・・・。

               ( 「 どーしよう・・・、嘘ついちゃった・・・ 」 )




               あいつと出掛けても、気は晴れないけどな・・・。
               かえって、気が滅入る。

               しかし・・・
               先程の事もあるし、ココで断われば・・・この先、支障を来たすかもしれん。

               阿散井は・・・二人でって言ってたか?




                はっ?




                も一緒か?




                い・いえ・・・、私は・・・・・・




               阿散井から、誘われてないのか?




                はい・・・・・・

                あ・あの・・・、檜佐木副隊長?




               ん?




                阿散井副隊長は・・・
                檜佐木副隊長は、忙しいだろうからって・・・
                無理にとは・・・言ってませんでした・・・・・・

                ですから・・・
                お断りなされては?

                わ・私が・・・丁重に、お断り申し上げて参りますから・・・・・・。




               いや、俺・・・あいつに聞いてみたい事があるんだ。

               お前の事・・・どー思ってるのか・・・ハッキリ聞いてみたい。




                えっ!?

                わ・私の事なんて・・・何とも思ってませんから・・・。




               何とも思ってなかったら・・・
                を心配して・・・俺に食ってかかったり・・・
               わざわざ・・・団子まで買って来ないョ・・・。

               重要な事なんだ。
               ハッキリさせときたい。

                が・・・
               阿散井を大好きで・・・・・・

               阿散井も、 を・・・・・・心から愛してるなら・・・・・・


               俺には・・・どーにもならないからな・・・。


               このイライラを無くす為には・・・
               ハッキリさせなきゃならない事なんだ・・・。


               それを聞いたからって・・・
               俺の気持ちが変わる訳でもないんだろうけどな・・・・・・。




                ど・どーしよう・・・・・・。

                                                                  To be continued        2007,6,15 up

 

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