憧れ(4話)




               〔 六番隊 副官室 〕


               ( コンコン )


                九番隊の と申しますが、阿散井副隊長様へ書類をお届けに参りました。




               入れ。




               (  が中に入った )




                失礼します。




               よぅ! 元気そうじゃねぇか。
               怪我は・・・治ったのか?




                はい。

                その節は・・・大変お世話になりました。
                阿散井副隊長様には、感謝してもしきれません・・・。




               その感じじゃ・・・「辞める気」は、失せたみてぇだな?




                あっ・・・、はい・・・。
                もう少し・・・頑張ってみようかと・・・。




               おぅ、頑張れ。

               で・・・
               檜佐木さんとは、話せるようになったのか?




                はぁ・・・先程少し・・・お話したのですが・・・・・・

                檜佐木副隊長は・・・勘違いされていて・・・
                阿散井副隊長が、私の事を・・・気にしてるって・・・。




               ん?

               あー、そうだろぅなぁ〜。

               俺も・・・少なからず、お前の人生に関わった気がする。
               ココ「辞めるか、辞めねぇか」ってのは、大問題だからな。

               だから・・・気になるんだョ・・・、お前の事が・・・。




                ありがとうございます・・・。

                でも・・・
                檜佐木副隊長は・・・そーいう「気になる」じゃなくてですねぇ・・・

                えっと・・・




               俺が に「好意以上の感情を持ってる」・・・だろ?




                はぁ・・・、申し訳ありません・・・。




               当たらずとも、遠からず・・・・・・




                は?




               な・何でもねぇ。

               まぁ・・・そー思われても、仕方ねぇんだョ。

               俺さぁ・・・
               檜佐木さんが、 の名前知ってた事が、どうにも気になって・・・。

               探り入れるつもりで・・・

               「 って、どんな奴ですか?」とか・・・
               「 って、仕事出来る奴ですか?」とか・・・

               檜佐木さんが・・・
               お前の事を、どれくらい知ってるのか確かめようと聞いてるうちに・・・
               段々とエスカレートしちゃって・・・

               「 って、可愛いですョね?」とか・・・
               「 ・・・男いるんスか?」
               「もしかして、檜佐木さんの好みですか?」
               「今度3人で、何処かに行きませんか?」

               なんて、口走ってて・・・

               「これじゃまるで・・・俺が、 の事好きみてぇだなぁ?」って・・・
               自分でも思った。




                そ・そんな事、聞いたんですか?




               あぁ。

               でも、檜佐木さん・・・
   
               「知らねぇ」か、完黙決めて、何も答えてくんねぇ・・・。

               だから余計・・・俺は、質問ばかりする破目になって・・・・・・。




                あ・当たり前じゃないですか・・・。

                檜佐木副隊長が、私の事なんて知ってるはず・・・
                ないじゃないですか・・・。




               でも・・・、変なんだョな〜・・・?




                何がですか?




                が、俺の事好きだって言ったんだし・・・
               いつもの檜佐木さんなら、俺が「そんな事」聞く前に・・・

               「よぅ、色男。この間「あの後」・・・どうしたんだ?」とか・・・

               檜佐木さんの方から、からかってくるはずなんだけどなー・・・。

                の事は・・・何一つ言おうとしねぇ・・・。




                それは・・・
                私の事なんて、知りもしないし、全く興味もないからです。

                阿散井副隊長・・・
                もぅ、檜佐木副隊長に私の事聞くの・・・止めて下さい・・・。

                阿散井副隊長にも、ご迷惑が掛かります。




               迷惑なんかじゃねーぞ?
               どっちかって言うと・・・興味津々ってとこだけどな。

               あぁ、その書類か。
               お前・・・ちょっと手伝ってけョ。
               時間あるんだろ?
               晩飯奢ってやるから・・・なっ?




                い・いえ・・・
                お手伝いはしますけど、奢っていただく訳には・・・。




               そー固いこと言うなって。
               早く仕事片付けて、美味いもん食おーな!




                はぁ・・・。




               何だョ。
               もっと、嬉しそうな顔しろョ!?
               仮にも、お前が好きな相手だろ? 俺は・・・?




                そ・それは・・・・・・、すいません・・・・・・。




               謝られると、傷付くなぁ・・・・・・。

               まぁ、いい。
               そこに座れ。

               俺が目を通して、お前に書けそうなのがあったら回すから。




                はい。




               (  が椅子に座った )




               ん・・・?
               お前・・・頭・・・まだ、傷残ってんな・・・・・・。




               ( 恋次が の髪を掻き分け、傷を見た )




               やっぱりあの時・・・四番隊に連れてくべきだったかなぁ・・・?
               自分じゃ治療し難いもんな・・・。




                いえ、大した怪我じゃありませんから。




               ( 恋次が の頭に手を置いたまましゃがみ、 と目の高さを合わせた )




               怪我は、甘くみねぇ方がいいぞ。
               自己判断は、危険だからな。




                はい・・・。




           修兵: 阿散井。




               ( 修兵が部屋に入ってきた )




           恋次: 檜佐木さん・・・何スか?




           修兵:  ・・・、まだ居たのか。




                は・はい・・・、すいません・・・・・・。




           恋次: 謝る事はねぇだろー。

               俺が手伝い頼んだだけですから。




           修兵: 仕事してるようには見えないけどなー?




           恋次: まだ、傷が残ってたから、見てただけですョ。

               檜佐木さんが、 を俺の所に寄越したんでしょ?

                が俺の事・・・好きだって知ってて・・・
               そして俺が・・・
                に惚れてんじゃねぇか?って・・・思いながら・・・。

               なら・・・
               俺達が、仲良〜く語り合ったり・・・
               それ以上の行動起こしても・・・至極当たり前なんじゃないっスか?




           修兵: ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




                阿散井副隊長・・・・・・




           修兵:  ・・・、今は任務中だ。
               少しは弁えろ。

               他の隊の手伝いしてる余裕なんて、お前にあるのか?
               そんな時間あるなら、自分を鍛えることを考えろ。




                はい・・・。




           恋次: それはないんじゃないっスか?

               俺達別に・・・周りに恥じるような事、何もしてませんし・・・

               わざわざ自分で仕向けといて・・・「弁えろ」って・・・。




                阿散井副隊長・・・
                申し訳ありませんが・・・これで、失礼させていただきます・・・。

                あの・・・、お手伝い出来なくて・・・・・・




           修兵:  ・・・。




                はい。




           修兵: 俺も戻るから・・・・・・

               一緒に・・・・・・

               帰ろう・・・・・・。




                はい・・・。




           恋次: まるで、嫌がらせですね。

               で、何しに来たんですか?




           修兵: この書類の署名・・・阿散井だけ抜けている。




           恋次: あっ、すいませんでした。
               じゃぁコレ・・・書いて、俺が出しておきますから。




           修兵: それから・・・
               お前が言ってた事だが・・・・・・。




           恋次: は?




           修兵: 何処に行く気だ?




           恋次: ・・・?
               何がですか?




           修兵: 3人で・・・
               何処かに行こうって・・・・・・。




           恋次: あー、何処でもいいっス。
               檜佐木さん・・・行く気になったんスか?




           修兵: 阿散井が、誘ってきたんだろ?
               しつこく・・・しつこく・・・。




           恋次: まぁ・・・そーですね。

               じゃぁ・・・そのうち、3人で何処かに行きましょう。

                ・・・行きたい所があったら言えョ。
               お前が行きたい所に行こうぜ。




                えっ・・・・・・・・・・・・・

                そ・そんな・・・
                わ・私は・・・行きたい所なんて・・・な・ないです。




           恋次: 考えとけョ。




                はぁ・・・・・・。




           恋次: 檜佐木さん・・・
               本当は、この後・・・俺と 一緒に飯食う予定だったんですけど・・・
               檜佐木さん、連れて帰るなら・・・
                に飯奢ってやって下さいね。




                えっ!!??

                い・いえ、とんでもない・・・。
                檜佐木副隊長・・・あの・・・・・・




           修兵:  ・・・腹減ってんのか?
               まだ、時間早いぞ?




                い・いえ・・・
                お・お腹なんて、全然空いてません。

                空いてたとしても・・・
                檜佐木副隊長と一緒になんて・・・とても、食べられません・・・。




           修兵: ん?




                あっ! な・何でもありません・・・。




           恋次: 美味いもん食わせてやって下さいね。

               檜佐木さんと一緒なら・・・何食っても美味いか・・・。




                い・いや・・・
                何食べても、味なんて分からない・・・と思いますけど・・・。




           修兵: 俺とじゃ・・・美味くねぇか・・・・・・。

               まぁ、そー言うな。

               阿散井・・・?




           恋次: 何スか?




           修兵: お前・・・ の事・・・・・・

               いや、いい。

               失礼した。

                、帰るぞ。




                はい。




               ( 二人が、部屋から出た )




           修兵: ・・・・・・何しに来た? か・・・・・・。


               決まってんだろ!


               すぐに帰って来ねぇから・・・


                を迎えに・・・・・・


               阿散井から取り返しに・・・・・・


               俺は、来たんだ。

                                                            To be continued             2006,12,28 up

 

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