憧れ(8話)
〔 修兵の副官室 〕
(
が修兵を待っていると、恋次が入ってきた )
よぅ!
そんな所に突っ立ってねぇで、座って待ってろョ。
怪我してんだろ?
いえ・・・怪我なんて・・・。
ちょっと擦り剥いただけです。
阿散井副隊長・・・檜佐木副隊長に御用ですか?
なら私は、席を外しますけど・・・?
いや・・・
俺はお前に、コレを渡そうと思って・・・
ほら、団子だ。
(
が包みを受け取った )
お前一人残されて、落ち込んでんじゃねーかと思って買ってきたんだ。
あとで食えョ。
あ・ありがとうございます。
まぁ・・・俺が心配しなくても
檜佐木さんが、十分気に掛けてくれてるみたいだし・・・
仲良くなれて、良かったな・・・
・・・・・・。
あっ・・・済まん・・・。
檜佐木さんが、お前の事「
」って呼んでたんで
俺もつい・・・「
」・・・って・・・。
いえ・・・
私は、何と呼んでいただいても結構ですけど・・・
仲良くなんて無いです。
ハッ!
な・何だ?
あ・あの・・・・・・
申し訳ありませんが・・・コレは、受け取れません・・・。
何で?
命令違反になってしまいます・・・。
既に、違反を犯しておりますが・・・。
違反?
はい・・・。
私・・・阿散井副隊長と会ってはいけない事に・・・・・・
はぁ?? 何だそれ?
誰がそんな事言ったんだョ?
檜佐木さんか?
はい・・・。
呆れたなー・・・。
自分の部下が、俺の事好きなのが・・・
そんなに気に食わねぇのか?・・・あの人・・・。
あ、いや・・・
お前は、俺の事・・・好きな訳じゃねぇけどな・・・
そーいう事になっちまってんだろ?
はい・・・、申し訳ありません・・・・・・。
でも・・・
檜佐木副隊長の事を、悪く言わないで下さい。
こーなったのは、全て私が悪くて・・・。
私・・・
檜佐木副隊長とお話出来るようになって・・・浮かれてました。
任務中なのに・・・
頭の中は、檜佐木副隊長で一杯になっちゃって・・・
怒られて当然です。
ただ、檜佐木副隊長は・・・
私が阿散井副隊長の事を、好きだと思っていらっしゃるので・・・
「俺と会うな」・・・か・・・。
でも、任務って・・・掃除だろ?
毎日、毎日、掃除だけなんだろ?
はい・・・。
それじゃなぁ・・・
何も考えずに、ただ黙々と掃除しろっていうのは・・・酷だョな。
好きな奴の事考えて、「ボー」っとしてたとして・・・
その場で怒るのは、分かるけど
「会うな」っていうのは・・・どーかと思うけどなぁ・・・。
大体、
は俺の事好きじゃねぇし・・・
俺に会えなくても、何の罰にもなんねぇじゃねーか?
はぁ・・・。
その団子は、受け取ってくれ。
は、俺に会っちゃいけなくても、俺が
に会うのは自由だ。
俺の自由を束縛する権利は、檜佐木さんにはねぇから。
で・でも・・・・・・
・・・ごめん。
( 恋次が、
の手から包みを取った )
そんな事したら・・・
お前・・・大好きな檜佐木さんから、怒られちまうもんな。
俺の親切押し付けられても・・・
嬉しいどころか、迷惑だョな・・・。
今日のところは、退散した方が良さそーだな。
あ・あの・・・
本当に、私の為だけに・・・ココにいらしたのですか?
あぁ。
が心配で・・・
の為だけに来た。
演習外されたりするのって、結構きついもんな。
の沈んでる顔が、頭から離れなくて・・・それで・・・な・・・。
修兵: 阿散井・・・・・・
( 修兵が、部屋に入ってきた )
修兵: 何してる?
「今日は帰ってくれ」って、言った筈だが・・・?
恋次: 檜佐木さん・・・
すいません、勝手に副官室入っちゃって・・・。
ただ・・・
に団子買ってきたんで、それだけ渡そうと思って。
修兵: 俺は・・・
意地悪や嫌がらせで、
を演習に連れて行かなかったのではない。
俺を悪者にして、同情をかう様な真似は、よしてくれ。
恋次: 俺は、そんなつもりは無いですョ?
俺が、
の心配しちゃいけませんか?
「俺に会うな」って、何なんですか?
意地悪だとは、思いませんけど・・・
演習連れて行かなかったり、好きな奴に会うなって言ってみたり・・・
檜佐木さん・・・ちょっとおかしいんじゃないですか?
は、檜佐木さんの私有物じゃないんですョ?
俺は・・・
檜佐木さんよりは、
の苦悩分かってるつもりですからね。
一人の女として・・・
気にかけて・・・会いに来て・・・
どこが悪いんスか!?
『 バシッ 』
( 修兵が、恋次を殴った )
あっ!!!
恋次: 痛ッ・・・
・・・・・・
この一発は、勝手に檜佐木さんの副官室に入ったって事で
甘んじて受けましょう。
でも、次は無いですョ?
やるんスか?
修兵: ・・・悪い。
出てってくれ。
恋次: ・・・分かりました。
は、連れて行きますからね。
( 恋次が、
の手を掴んだ )
えっ・・・、で・でも・・・檜佐木副隊長が・・・・・・
恋次: 今日の檜佐木さん・・・らしくねぇ・・・。
何があったか知らねぇけど・・・一人にさせた方がいい。
檜佐木さん・・・ちょっと頭冷やした方がいいっスョ?
じゃぁ・・・。
( 恋次が、
を連れて出て行った )
修兵: みっともねぇな・・・・・・。
阿散井に嫉妬・・・か・・・?
俺の空回りじゃねぇか・・・。
最初から、
は阿散井が好きで・・・
阿散井も・・・多分
を・・・・・・。
俺の入る隙間なんて、初めからこれっぽっちもない。
終わり・・・だな。
の好きな奴の事を、
の目の前で殴った俺の事なんて・・・
が、好いてくれる訳ないョな・・・。
・・・
俺は、どーしたらいいんだョ・・・?
誰に・・・どこにこの気持ちをぶつければいいのか・・・
お前に言いたいけど・・・
お前の重荷には、なりたくない。
だからといって・・・
と阿散井の仲を、喜ぶ事なんて絶対出来ない・・・。
阿散井には、悪いけど・・・
自然に矛先は、阿散井に向けられる・・・。
・・・・・・
俺じゃ・・・ダメなのか・・・?
To be continued 2007,5,3 up