携帯

               〔 放課後  〕


                もー、氷室先生ったら人使い荒いんだから〜。
                何で私が、1−A の資料まで運ばなくちゃいけないのョー。
                しかも、これ重いし・・・。
                だいたい普段は、他の教室に入っちゃダメ〜ってうるさいくせに
                こういう時だけ「教卓の上に置いてきなさい」って・・・
                なんなのョね〜・・・全く。


               (1−Aの教室前)
               
                (コンコン) 一応 ・・・誰もいないと思うけど・・・
                (ガラガラー)失礼しますョー。資料置かせてもらいま〜す。

                「ドサッ」 あー、重かった〜。
                これでいいんだョね〜。この後は、私は知りませんからね〜。
                さっ、退散、退散っと・・・

               (ドアの近くまで行った時・・・)

               おい!

                ・・・ん? 何か聞こえたかなぁ〜?

               

                えっ? (教室を見回すと・・・)
                あっ・・・、葉月君・・・。
                も・もしかして・・・また起こしちゃいました?
                す・すいません・・・。(うゎー、ついてないなぁ〜)

               お前・・・全然変わってないな。
               うるさくて、ドジなトコ。

                えっ、・・・はぁー・・・すいませんです・・・。
                (変わってないって・・・だって、入学式からまだ何日も経ってないのに
                 変われるはずないじゃない・・・。
                 人間はそう簡単に変われないんです!
                 だいたい・・・ドジって何ョ・・・。)

                (うっ・・・・・葉月君がこっちに来る・・・)

                ご・ごめんなさい・・・。

               これ、渡しとく。

                えっ、あ、はい・・・。(何だろー、この紙 ・・・)
                あの、中見てもいいですか?

               あぁ。

                んー?
                (数字が書いてある・・・090・・・何か携帯の番号みたいだなぁ〜
                 何だろ〜・・・)

               俺の携帯。

                はぁ、そーですか〜。
                エーーっ?
                葉月君の携帯の番号ですか?

               あぁ。

                ???
                (何なんだろ〜・・・もしかして、私からかわれてる?)

               火曜と木曜以外なっ。

                ・・・はぁ。

               じゃあ、俺行くから。
               気をつけて帰れョ。

                ・・・はい。 さようなら・・・。
                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
                          ・
                          ・
                          ・
                な・何だったんだろ〜・・・。
                ちょっと整理。
                これは・・・葉月君の携帯番号・・・って言ってたョね〜。
                で、火曜と木曜以外って・・・事は・・・
                普通で考えると、火曜と木曜以外にかけてこいって事だョね〜・・・。
                でも・・・何で葉月君が?
                やっぱりからかわれてるんだョね〜・・・。
                よりによって、2回も昼寝の邪魔しっちゃったからなぁ〜。
                あ〜ぁ・・・ついてない・・・。
                今日は木曜だから・・・しょーがない、明日わざと引っ掛かって
                かけてみるか〜・・・。
                          ・
                          ・
                          ・
                現在、金曜の夜9時。
                うー・・・、緊張するけど・・・
                1回引っ掛かれば、葉月君の気もすむョね〜・・・。
                仕方ない! (ピ ピ ピ・・・)

                もしもし〜。

               もしもし。

                (うっ、女の人だ・・・、やっぱりからかわれてたんだ・・・)
                あのー、葉月君は?

               あなた、どちらの方?

                えっ、あ、はい。はばたき学園1年の と申します。
                あ、あの、もう結構です、すいませんでした〜。 (ピッ)


                うゎ〜、女の人が出たョー・・・。
                何か、大人の人みたいだったけど・・・。
                しかし・・・葉月君も・・・こんな事しておもしろいのかなぁ〜?
                次・・・どんな顔して会えばいいのか、分かんないョー・・・。
                          ・
                          ・
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                          ・
               (月曜の朝、登校中)

               おい!

                えっ?・・・あっ、は・葉月君・・・。

               良かった・・・捉まって・・・。

                はっ?

               ここ通ると思って、待ってたんだ。

                えー? 何でですか〜? まだ、怒ってるんですか?

               怒る?
               俺がか?

                はぁ・・・、違うんですか?

               お前が言ってること、よく分かんない・・・。
               俺・・・謝ろうと思って・・・。

                えっ?

               携帯・・・出られなくてすまなかった・・・。

                えっ?

               金曜日・・・。

                はぁ・・・。

               急に仕事が入って・・・。

                仕事って・・・あ〜、モデルのですか?

               あぁ。

                えっ・・・?じゃあ、あの時出たのって・・・。

               マネージャー。

                えっ・・・そーだったんですか・・・。
                私てっきり・・・。

               ん?

                あっ、いいえ・・・何でもないです・・・ごめんなさい。

               何でお前が謝るんだ?

                えっ・・・あ・・・そーですョね〜・・・。
                (からかわれたと思ったなんて言えないョ〜)

               お前って・・・やっぱり変わってないな。
               見てて面白い。

                お・面白いですか?・・・私。

               あぁ。
               顔の表情とかコロコロ変わるし・・・・・・さらにドジ。

                ド・ドジって・・・私、葉月君の前で・・・何かやらかしましたっけ・・・?

               俺の事、死んでると思ったんだろ? 入学式の日。

                あーー!
                う〜・・・・ん・・と、えっと・・・それはですね〜・・・
                ・・・・・ごめんなさい・・・。

               面白いやつ。

                (あ〜〜ん・・・返す言葉もないョ〜)

               また、かけてこいョ・・・携帯。

                えっ? いいんですか?

               あぁ。
               出れない時は、ごめんな。

                あっ、はい。
                あ・あのー・・・葉月君?

               なんだ?

                えっと・・・何て言ったらいいのかよく分からないんですが・・・
                何で私と・・・しゃべってくれるんですか・・・じゃないか・・・
                う〜んと、何で携帯の番号教えてくれたんですか?

                と話たいから。

                えっ? な・何で・・・?

               何でだろうな・・・お前考えろョ。

                ??? わ・私がですか?

               あぁ。
               よく考えて・・・思い出してくれ。

                ??? な・何を思い出すんですか?

               そんなの、自分で考えろ。

                えーーっ・・・そ・そんなぁ〜・・・。

               

                えっ、あ、はい・・・。

               これがヒントだ。

                えーっ・・・わ・分かりませんョー・・・。

               (あの頃は、ず〜っとこう呼んでただろ〜)

               もう、着いたな。
               今度、一緒に帰るか?

                えっ?・・・・・は・はい。

               お前、驚いてばかりだなぁ〜。
               やっぱり、変だ。

                えっ・・・じゃなくて・・・(何て言えばいいのョー)

               じゃあな。

                あ、はい。(またね〜とか言っていいのかなぁ〜?)

               電話・・・しろョな。

                は・はい。
                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

                あー、行っちゃった〜・・・。
                自分で考えろって・・・訳がわかんないョ・・・
                確か・・・「思い出してくれ」って言ってたョね〜。
                何を思い出せばいいんだろ〜・・・分かんないョーー。
                葉月君と初めて会ったのは、入学式の日だから・・・
                何かあったけ〜?
                うー・・・分かんない・・・。
                今度会ったら、もう1回聞いてみようかなぁ〜。
                うん、そーしよ〜っと。
                でも・・・葉月君・・・私の事待っていてくれたんだ〜。
                何か・・・嬉しいなぁ〜。
                よく分かんないけど・・・私と話したいって言ってたし・・・
                深く考えなくてもいいョね〜。
                もしかしたら・・・友達とかになれるかも〜。
                うん。 チャンスだよね〜〜、頑張ろ〜〜っと!

                               fin                                          2005,7,23 up

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