花火大会
( 下校時 なつみちゃんとの会話 )
・・・。
ん?
何? なつみちゃん。
あのさぁー・・・。
私・・・好きな人、出来たんだョねー・・・。
えー!!
そーなんだ〜。
うん・・・。
でさぁ〜・・・
土曜日、
と二人で行こーって言ってた花火大会なんだけどさぁ・・・。
うん。
誘ったら「一緒に行ってもいい」って言ってくれたんだ・・・。
一緒でもいい?
うん。
いいョ〜、良かったね〜。
うん。
でもさぁ〜、3人っていうのもちょっとね〜って思うんだョねー・・・。
えっ?
私と姫条・・・あ、姫条っていうんだけどさぁ〜・・・
が、二人で話したりすると、
一人になっちゃうじゃん・・・。
あぁ、別にいいョ・・・大丈夫だから。
あー・・・でも、邪魔かぁ〜・・・。
気が利かなくてごめんね・・・。
いや、そうじゃなくてさぁ〜。
だって、あんなに前から「一緒に行こうね」って決めてたんだし・・・
とも一緒に行きたいからさぁ〜。
うん・・・。
も・・・誰か誘ってきなョ。
えーー・・・無理だョー・・・。
そんな事ないョ。
クラスのヤツ、片っ端から誘っていけば、誰かしら捕まるョ。
片っ端からって・・・。
大丈夫だョ、あんた結構可愛いし・・・
いくらでも一緒に行きたいってヤツいるョー。
またそんな事言って・・・。
あっ、もうこんな時間・・・私ちょっと急がなくちゃ。
じゃあ、頼んだョ〜、絶対誰か誘って来てね〜〜。
一人で来たら、絶交だからねーー。
( そんな事を言いながら、なつみちゃんは走って行ってしまった )
もーー・・・。
勝手なんだから・・・。
どーしョー・・・、片っ端からって言われたって・・・
滅多に男の子となんか話さないんだもん・・・
いきなり
「私と一緒に花火大会行きませんか?」
なんて・・・言えないョー・・・。
どーしョー・・・。
( その時、ふと葉月君の顔が頭に浮かんだ )
無理だョね・・・。
葉月君、忙しそうだし・・・。
いや、忙しくなくても・・・私と花火大会なんて、行ってくれる訳ないョね・・・。
・
・
・
・
・
( 夜
の部屋 )
あーー、もう・・・どーしョーー。
どうせ、当てもないし・・・
断られて当たり前なんだから、かけてみようかな・・・葉月君に。
( ピピピ )
あっ、もしもし、葉月君?
あぁ。
あ・あのさぁ〜・・・今、ちょっと話しても平気かなぁ?
いいけど・・・何だ?
あ・あ・あのさぁ〜・・・・・・・・・。
やっぱりいいです・・・。(む・無理だョ・・・葉月君誘うなんて・・・)
ん?
いえ・・・あの・・・すいませんでした・・・。
何か用、あるんだろ。
言ってみろョ。
でも・・・。
言ってみろ。
はぁ・・・。
あのね・・・、土曜日って・・・花火大会でしょ・・・。
そうみたいだな。
で・・・葉月君と一緒に行けたらなぁ〜・・・なんて・・・。
あっ、でもいいの・・・無理に決まってるから・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ご・ごめんなさい・・・。
本当に気にしないで・・・、誰か誘うから・・・。
誰か誘うって?
えっ?
あ・あのね・・・。
友達と二人で行く予定だったんだけど
その子、彼氏?かどーか分かんないんだけど
とにかく、男の子連れて来る事になって・・・。
で、3人じゃおかしいから、誰か誘ってこいって言われて・・・。
あっ、でも・・・気にしないで・・・。
葉月君が無理なのは・・・分かってて・・・・・・・。
ごめんなさい・・・分かってるのに・・・かけちゃって・・・。
俺がダメなら、誰誘うんだ?
えっ?
うん・・・・・・・。
なつみちゃんに言われたように
明日、クラスの子片っ端から誘ってみるョ・・・。
誰か・・・行ってくれる人・・・いると思うから・・・。
ダメならもういいョ・・・、花火大会行かないから・・・。
あっ・・・ごめんなさい・・・愚痴みたいになっちゃって・・・。
もうちょっと、待ってくれないか?
えっ?
今・・・返事出来ないんだ。
はぁ・・・。
明日の夜、かけるから。
はい・・・。
じゃあ。
あ、はい・・・おやすみなさい・・・。
( ピッ )
葉月君・・・考えてくれるのかなぁ〜・・・。
とりあえず・・・待つしかないョね・・・。
・
・
・
・
・
( 次の日 学校で )
あっ、
!
あー、なつみちゃん・・・。
誰かゲット出来た?
えっ?
まだだョ・・・。
私さぁ、ちょっと何人かに、それとなく話しふってみたんだけど
と行ってもいいって子、結構いるョー。
えっ?
そーなの?
うん。
誰がいいかなぁ〜・・・うーんとね〜〜。
あ・あの・・・なつみちゃん?
ん?
あ・あのさぁ〜・・・
その・・・明日まで待ってくれるかなぁ〜・・・決めるの・・・。
えっ?
何で?
うん・・・。
一応ね、聞いてみた人がいるんだけど・・・
今日の夜、返事くれる事になってるの・・・。
へぇ〜、
にもそんな人、いるんだ〜。
そんな人って・・・一応聞いてみただけだョ・・・。
ふ〜ん・・・、怪しいなぁ〜。
怪しくないの!
とにかく、明日まで待ってね。
了解。
へへへ、
の好きな人って、どんな人かなぁ〜・・・楽しみ!
あ・あのね〜・・・別にそーゆうのじゃないの。
それに・・・多分無理だと思うし・・・。
じゃあ、明日教えてね〜。
うん・・・。
・
・
・
・
・
( 夜
の部屋 )
( 携帯が鳴った )
あっ・・・葉月君からだ・・・。
( ピッ )
もしもし。
か?
はい。
土曜日。
はい。
俺、行くョ。
えっ?
大丈夫なの?
あぁ・・・。
やり繰りちょっと大変だったけど
何とか、都合つけたから。
葉月君・・・
ごめんね・・・、無理言っちゃって・・・。
。
はい。
ごめんねじゃないだろ。
えっ?
謝られても、嬉しくない。
えっ? あー・・・。
えっと・・・
葉月君、ありがと〜・・・一緒に行けて嬉しいです。
お前、それじゃぁとって付けたみたいだな・・・。
・・・あの・・・ありがとう〜。
あぁ。
じゃあ。
はい・・・おやすみなさい。
おやすみ。
( ピッ )
うゎっ・・・葉月君と花火大会だなんて・・・。
何か夢みたい・・・。
花火じゃなくて、葉月君に見惚れちゃいそうだョ。
あー・・・でも、なつみちゃん・・・いろいろ言うだろ〜なぁ〜。
私の方はいいけど・・・
葉月君に迷惑かけないようにしなくちゃね〜。
とりあえず決まったから、なつみちゃんに携帯しとこうかな〜。
( ピピピ )
もしもし、なつみちゃん?
?
うん。
あのね、花火大会来てくれるって。
おー、やったじゃん。
で、誰なの?
の好きな人は?
好きな人じゃないけど・・・
1−Aの葉月君。
えーーー!!! 葉月???
うん・・・。
何、あんた達できてたの?
な・何言ってんの・・・。
そんなんじゃないって、言ってるでしょ。
なつみちゃん・・・
あのね・・・本当に何でもないから・・・。
私をからかうのはいいけど、葉月君には・・・変な事言わないで。
無理にお願いしたんだから・・・。
無理でも何でも、あの「葉月」がOKしたなんて・・・。
結構葉月も、
の事好きだったりして。
なつみちゃん・・・お願いだから、変な事言わないで・・・。
はいはい。
まぁ、そっちはそっちで仲良くやんなョ。
じゃあ、またね〜。
うん、おやすみ。
( ピッ )
フゥーー。
やっぱり携帯にしといて良かったョ・・・。
明日会って話したら・・・もっと突っ込まれちゃうだろうしね〜・・・。
それにしても・・・なつみちゃん、大丈夫かなぁ〜・・・。
変な事言ったりしたら、葉月君怒っちゃうョ・・・。
でも・・・なつみちゃんも好きな人と一緒なんだし
人の事どころじゃないョね。
あー・・・何か・・・ドキドキしてきた・・・。
今から緊張して、どーすんだろ〜・・・私ってば・・・。
・
・
・
・
・
( 花火大会 待ち合わせ場所 )
じっとしてられなくて・・・ちょっと早めに来ちゃったけど・・・。
なつみ:
。
早いねー。
あっ、なつみちゃん〜
(振り返り、なつみちゃんを見て・・・その隣を見てみると・・・)
あっ・・・(あの人・・・この間の・・・)
なつみ: あっ、これ姫条。
姫条: これって・・・なんやねん。
ちゃん、また会えたなぁー。
なつみ: えっ? 姫条・・・
の事知ってるの?
姫条: 当たり前やろ。
こない可愛い子、俺が知らんはずないやろ。
なつみ: ふ〜ん。
でも、
にはちゃんと彼氏いるから、姫条には無理だョ。
な・なつみちゃん・・・彼じゃないって・・・。
なつみ: 今日はそういう事にしといて。
なつみちゃん・・・。
姫条: 何、こそこそやってんねん。
なつみ: 何でもないって、それより葉月、遅いね〜。
姫条: 葉月?
ちゃんの彼って・・・葉月なんか?
なつみ: そーだョ。
姫条じゃ、とても勝てないって。
あー、きたきた。
葉月君、ごめんね・・・。
来るの大変だったでしょ〜・・・。
葉月: いや・・・、待たせたか?
姫条: これはこれは・・・
王子様は遅いお出ましでー。
葉月: 姫条・・・。
( 何か・・・険悪なムードが・・・そー言えば、前の時も・・・
この二人って、仲悪いのかなぁ〜・・・。
葉月君誘っちゃって、悪いことしちゃったなぁ〜・・・。 )
なつみ: じゃあ、行くョ。
( なつみちゃんが歩き出した )
なつみ: 姫条、早く。
( 私達は、なつみちゃん達の後を歩いた・・・少し離れて )
凄い人だね〜。
そーだな。
はぐれないようにしないとね〜。
( 私は「なつみちゃん達と」のつもりで言ったんだけど・・・
葉月君が・・・何も言わず、手をつないでくれた・・・嬉しいけど )
は・葉月君・・・あの・・・まずいんじゃないの?
何が?
えっと・・・手なんかつないじゃさぁ〜・・・。
なつみちゃん達に見られたら、何言われるか分かんないョ・・・。
は・・・困るのか?
えっ?
い・いえ・・・私は全然困らないけど・・・。
葉月君が・・・その・・・
変な噂にでもなったら、困るんじゃないかと思って・・・。
俺も、気にしないョ。
えっ? でも・・・。
( 手は離される事なく・・・ )
なつみ: この辺でいいか?
( なつみちゃんが、ビニールシートを敷き始めた・・・
少し屈んで・・・なつみちゃんの「目」に飛び込んできたものは・・・
私と葉月君の、しっかりつながれた「手」で・・・ )
あ・・・あのね、あのね・・・これは何でもないの・・・
はぐれそうになったから・・・あの・・・。
( 何て言ったらいいのか・・・
でも、なつみちゃんから返ってきた言葉は・・・
予想外の優しい言葉だった・・・ )
なつみ:
・・・良かったね。
その手、離しちゃダメだからね〜。
えっ? あ・あの・・・。
なつみ: 姫条、手伝ってョ・・・ほら、そっち。
( しかし・・・姫条君は、じっと葉月君を睨みつけていて・・・ )
私、ちょっと手伝ってくるね。
( と言って、手を離し・・・シートを敷く手伝いをした )
姫条: 葉月。
( 姫条君が、葉月君の方へ歩み寄って行った )
姫条: お前、ほんまに
ちゃんと(ここまで言いかけた時)
なつみ: 姫条〜、こっちこっちー。
早くこっち来てー、花火始まるョ〜。
姫条: 俺、負けへんからな。
( 敷かれたビニールシートに
姫条君、なつみちゃん、私、葉月君の順に座った )
葉月君・・・どーかしたの? (凄く怖い顔してる・・・)
いや、別に。
( 花火が上がった )
うゎ〜〜、綺麗だね〜。
そうだな。
( 何か・・・視線を感じる・・・。
葉月君の方を見てみると、葉月君が、じっと私の顔を見ていた・・・。
目と目が合い・・・ )
葉月君・・・花火つまらない?
ん?
あんまり、見てないみたいだから・・・。
そんな事ないョ。
本当に?
あぁ。
だけど・・・俺・・・。
えっ?
(
が嬉しそうに花火見てる顔の方を・・・見ていたい・・・ )
あ・あのさぁ〜・・・。
なんだ?
う〜んと・・・葉月君・・・。
どーした?
うん・・・やっぱり・・・いいです。
言えョ。
でも・・・きっと葉月君、怒るから・・・。
言ってみろョ。
あのね・・・
葉月君と姫条君って・・・仲・・・良くないの?
( 一瞬、顔が険しくなったが・・・ )
良くはないな・・・。
そーなんだ・・・。
それがどうかしたか?
えっ?
あぁ・・・何か葉月君に悪い事しちゃったかなぁ〜って思って・・・。
あんまり会いたくない人って、いるもんね・・・。
ごめんね・・・誘っちゃって・・・。
何で謝るんだ?
俺、
と花火見る為に来たんだ。
別に、あいつに会いに来た訳じゃないから。
うん・・・。
いいのか?
えっ?
花火・・・終わっちゃうぞ。
あっ。
( 言われて、見上げると・・・
盛大に花火が打ち上げられている。
そろそろフィナーレなんだなぁ〜って、すぐに分かるくらい夜空を煌かせていた。 )
うゎぁ〜〜、凄いね〜。
そーだな。
( 花火が終わり、ビニールシートを素早くかたした )
なつみ: じゃあ、ここで解散にしョ〜。
うん。
なつみ: あっ、葉月・・・ちゃんと
の事送ってあげてョ。
葉月: 俺、お前に命令される覚えないけど。
な・なつみちゃん・・・。
姫条: ほな、俺、送ってったろか?
( 一瞬の静寂 )
姫条君は、なつみちゃんを送ってあげて。
姫条: そやかて、
ちゃん一人で帰すわけいかへんやろ。
なつみ: 姫条・・・。
葉月: 帰るぞ。
( 葉月君が私の手を掴み、歩き始めた )
あっ、なつみちゃん・・・またね〜。
なつみ: ・・・えっ・・・あぁ・・・またね・・・・・・・。
・
・
・
姫条君、大丈夫かなぁ〜・・・。
ちゃんとなつみちゃん、送ってってあげてるかなぁ〜。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
( うゎっ・・・葉月君・・・怒っちゃってるみたい・・・ )
あ・あのさぁ〜・・・。
送らなくてもいいからね。
葉月君・・・疲れてるだろうし・・・。
そんな事言うな。
えっ?
お前、俺に気、遣い過ぎだ。
で・でも・・・。
いいから・・・一緒に帰ろう。
うん・・・。
・
・
・
(
の家の前 )
( 葉月君・・・何にもしゃべらなかったなぁ〜・・・
どーしョー・・・、何て言ったらいいんだろ〜・・・。 )
葉月君・・・今日はありがとう〜。
でも・・・ごめんね・・・。
何か、嫌な思いさせちゃったみたいで・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
( ど・どーしョ〜・・・本当に怒っちゃったみたいだ・・・ )
あ・あの・・・葉月君・・・?
着いたな・・・
の家。
あ、うん。
送ってくれて、ありがとう〜。
俺・・・ここに着いた時・・・。
花火が消えた時と同じ気持ちになった・・・。
ん?
俺・・・
ちょっと・・・怖くなった・・・。
が・・・また、消えるんじゃないかって・・・。
えっ?
俺・・・何か変だな・・・。
( な・何て言ったらいいんだろ〜・・・ )
じゃあ、俺、行くから。
あ、うん。
葉月君、本当にありがとう〜。
今日はとっても楽しかった。
あぁ・・・俺もだ。
また、誘えョな。
うん。
おやすみなさい。
おやすみ。
( 葉月君が見えなくなるまで、後姿を見送った )
そー言えば、さっき葉月君変な事言ってたなぁ〜・・・。
「また消える」とかって・・・。
どーいう意味なんだろ〜・・・。
あー・・・そんな事より・・・
なつみちゃんに、勘違いされちゃったなぁ〜・・・。
やっぱりまずいョね〜・・・手なんてつないでたら・・・。
いろいろ言われそうだなぁ〜・・・。
覚悟しとかなきゃね・・・。
fin 2005,8,26 up
あとがき
連載ではないのですが、少しずつ前の話しと
繋がりが出来ちゃってます(汗
で・・・
前の話しと、今回のとでは
時期が空き過ぎちゃってますが
(「掌」は春頃で、今回は夏になっちゃってます)
あまり気にしないでいただけるとありがたいです。
何となく、3人(恋次、ツバメ、珪くん)同じお題で
書いてみたいなぁ〜って考えて・・・
「花火大会」になってしまったので・・・
まぁ、そんな感じです。