片隅
( 下校時 )
あっ、
〜。
ん?
あー、なつみちゃん。
、少し時間ある?
うん、大丈夫だョ。
じゃあ、そこの公園で・・・少し話し・・・いいかなぁ・・・。
うん、いいョ。
・
・
・
なつみちゃん・・・どーしたの?
何かあったの?
えっ?
あぁー・・・、
と葉月の事。
え・・・・・・。
あ・あのさぁ・・・・・・。
手、つないでたのはね・・・別に・・・本当に何でもなくてさぁ〜・・・。
弁解なんていいョ。
別にその事を、どーこー言おうとは思ってないからさ。
えっ?
でも・・・はっきりは、させておきたいの。
何を?
は、葉月の事・・・好きなんだョねー。
えっ・・・・・・。
いや、別に・・・好きとかそーいうのじゃなくて・・・。
好きでもないヤツと、手なんかつなぐの?
え・・・・・・。
好きは・・・好きなんだと思う・・・。
何言ってんの?
自分の事でしょ?
うん・・・・・・。
でもね・・・好きになっちゃいけない人なんだョ・・・。
えっ?
だって・・・絶対、手が届かない人だしさぁ・・・
どー見たって・・・つり合わないでしょ・・・。
好きになんてなっちゃったら・・・
声聞きたくなったり・・・会いたくなったり・・・・・・
私には・・・辛いだけだもん・・・。
・・・。
だから、好きだけど・・・好きにはならないョ・・・。
でもさぁー・・・
私が見る限りでは・・・。
葉月だって、
の事を・・・好きなんじゃないの?
えーー、ありえないョー。
葉月君ってねー・・・・・・
ず〜っと想ってる人がいるんだって・・・。
えー?!
そーなの?
じゃあ何で、
と手なんてつないだりしてんのさー。
だから・・・
あれは、はぐれそーになったから、って言ったでしょ〜。
本当にそんな事くらいで「あの葉月」が手なんてつなぐのかなぁ〜。
「あの葉月」って・・・・・・。
だって・・・全然愛想なんてないじゃん。
きっと・・・あの時の相手が私だったら・・・・・・。
はぐれていなくなったって、気にもしないョ。
そんな事ないョ・・・。
葉月君って・・・凄く優しいョ。
花火大会の日だって・・・
本当は仕事入ってたのに、調整してくれてさぁ〜。
葉月が優しい・・・ねぇー・・・・、初耳だわ。
えー、なつみちゃん・・・
あんまり葉月君の事、悪く言わないでョ・・・。
そーだね。
の好きな人だもんね〜・・・悪かった。
あ・あのね〜・・・好きな人じゃないって・・・。
自分に素直になった方がいいョー。
絶対、葉月だって・・・まんざらでもないはずだからさぁ〜。
もー・・・からかわないでョー・・・。
とりあえず・・・
は葉月が好きで、結構うまくいってるって事だョねー。
えっ・・・
まぁ・・・好きかもしれないけど・・・
うまくなんて・・・いってないョ・・・。
だって、電話しあってるんでしょ〜?
で、忙しいのに、
が頼んだら時間作ってくれたって事は・・・
どー考えたって、お互い好きって事じゃん。
えっ・・・・・・。
は、そーいう事疎いだけだョ。
普通は、そーいうのは「付き合ってる」って言うんだョ。
まぁ、そこまでいってなくても・・・友達以上だョね。
とにかく・・・これだけは、はっきりさせておきたいんだけど。
何?
が好きなのは、葉月なんだョね。
他の人じゃないョね。
えっ・・・まぁ・・・
他には好きどころか、話す人もいないけどね〜・・・。
分かった。
頑張ってみなョ。
きっと、いい方向に向かうと思うからさぁ〜。
なつみちゃん・・・。
で、ここからが本題。
ん? 何?
は・・・姫条とは・・・知り合いなの?
えっ?
知り合いじゃないョ、名前と顔・・・知ってるくらいかなぁ〜。
声は・・・かけられたんだョね・・・・・・。
んー・・・、名前呼ばれたんだったかなぁ〜・・・。
でも、すぐに葉月君来たから、葉月君と一緒に帰っちゃったけど・・・。
えっ??
あんた達・・・一緒に帰ったりもしてるの?
じゃあ、もう決まりじゃない。
何が?
両想いがだョ。
えっ・・・・・・、違うョー・・・・・・。
絶対違うからね、もう変な事言わないでね。
ま・まぁ・・・今はそれはおいといて・・・。
な・何か・・・何言おうとしたか・・・分かんなくなってきちゃったョ。
じゃあ・・・結論だけ言うからね。
うん。
姫条には、近寄らないで。
えっ?
たとえ、話しかけられたとしても、無視して。
どーしたの?
姫条・・・・・・
今、
に興味持ってるんだョ。
えーー、嘘だョ・・・そんなの。
まぁ・・・あいつはそーいうヤツなんだけどさぁ〜・・・。
姫条・・・押し強いし・・・
あんたは無防備なところあるから・・・
だから・・・絶対無視し続けて。
うん・・・それは分かったけど・・・
でも・・・考えすぎだョ・・・なつみちゃん・・・。
こんな事言ってる自分が情けないけどさぁー・・・。
でも・・・
私・・・姫条の事・・・好きなんだョねー・・・。
なつみちゃん・・・。
は、葉月の事だけ見てなョね。
まぁ・・・こんな事言わなくても・・・
そっちは、いい感じみたいだもんね・・・。
羨ましいョ・・・。
えー・・・全然そんなんじゃないョ・・・。
でも、今日話せて良かったョ。
ちょっと心配だったからね〜・・・。
が・・・姫条の事・・・好きになっちゃったら・・・って思ってさぁ。
全然心配いらなかったねー。
には、葉月がいるんだもんね〜。
えっ・・・
まぁ・・・姫条君の事は、絶対大丈夫だけど・・・。
さっさと、葉月の胸に飛び込んじゃえばー。
また・・・そんな事言って・・・。
あー、なつみちゃん・・・。
葉月君には、絶対変な事言わないでョね。
分かった、分かった。
じゃあ、帰りますか〜。
うん。
・
・
・
・
・
( 夜、
の部屋 )
やっぱり、なつみちゃんに誤解されちゃったョね・・・。
なつみちゃん・・・葉月君に何にも言わないといいけど・・・。
でもなぁ〜・・・何か言いそうだョねー・・・。
一応、葉月君に話しておこうかなぁ〜。
電話・・・してみよ〜っと。
( ピピピ・・・ )
もしもし、葉月君?
か?
はい、今・・・ちょっと大丈夫?
あぁ。
あのね・・・
やっぱり・・・なつみちゃんに誤解されちゃったみたいでさぁ・・・。
もしかしたら、なつみちゃん・・・
葉月君に、変な事言ってくるかもしれないからさぁ〜・・・。
変な事?
うん・・・。
私と・・・葉月君が・・・付き合ってるみたいな事を・・・。
俺と
が・・・?
あっ・・・ご・ごめんね・・・。
すご〜く否定しといたんだけど、信じてもらえなくてさぁ〜・・・。
あ・あのさぁ・・・
もっとちゃんと言っておくけど・・・
でも・・・なつみちゃんがもし何か言ってきても、気にしないでね・・・。
本当にごめんなさい・・・。
俺たち・・・仲良く見えたんだ・・・。
えっ?
あっ・・・ごめんなさい・・・。
やっぱり、手つないじゃったのって・・・まずかったみたいで・・・。
、明日・・・一緒に帰らないか?
えっ?
あ・・・、はい。
話しは、明日な。
はい、すいませんでした・・・。
じゃあ。
おやすみなさい。
( ピッ )
葉月君・・・怒っちゃったかなぁ・・・。
明日・・・何て謝ろう・・・・・・・・。
・
・
・
・
・
( 待ち合わせの場所 )
葉月く〜ん
何だ、また走ってきたのか?
葉月君の後姿が見えたから、追いかけたんだけど・・・・・・
葉月君・・・歩くのも早いね〜。
の走るのが、遅いだけじゃないのか?
え・・・、そーかもしれません・・・。
冗談。
今日は・・・臨海公園に行ってみないか?
はい。
・
・
・
・
・
( 臨海公園 )
もうすぐ、夏休みだな。
そーですね〜。
葉月君・・・旅行とか行くんですか?
行かない。
もしかして・・・お仕事ですか?
それもあるな。
大変ですね・・・。
仕方・・・ないな。
は・・・どーなんだ?
はぁ・・・。
特に予定もないし・・・・・・
「ボーッ」として終わっちゃうんですョ・・・夏休みなんて・・・。
そうか。
はい。
俺・・・・・・誘ってもいいか?
えっ?
特に、何処行く訳でもないけど・・・
お前の話し・・・聞いていたい・・・。
はぁ・・・。
構いませんけど・・・話しって・・・
くだらない事しか話せませんけど・・・。
行きたい所・・・あったら言えョ。
俺・・・連れてってやるから。
あ・・・はい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
葉月君?
俺・・・・・・。
はい・・・。
よく喋ってるな・・・。
自分でも・・・不思議だ・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
あー・・・
そー言えば・・・なつみちゃんの事ですけど・・・。
気にしなくていいョ。
えっ?
俺は・・・気にしない。
はい・・・。
でも・・・ご迷惑かけて・・・すいません・・・。
迷惑なのか?
えっ?
は・・・迷惑か?
えっ・・・いえ・・・全然。
私は、迷惑だなんて・・・そんな事・・・全くありません。
俺も同じだ。
もう・・・この話しはいいョ。
はい・・・。
海・・・綺麗だな。
えっ?
夏の日差しで・・・輝いてる。
あ、本当に・・・キラキラしてますね〜。
葉月君って・・・海行ったりするんですか?
ん?
あー・・・日焼けしちゃいけないのかなぁ〜って思って・・・。
一緒に行くか?
えっ?
海。
いいんですか?
あぁ。
わ〜〜、海かぁ〜〜。
お前・・・海好きなのか?
えっ・・・あー・・・好きって言うか
夏には、1度は行きたいじゃないですか〜。
しかも葉月君と一緒に行けるなんて・・・夢みたい。
。
はい。 ( 葉月君の顔を見上げた瞬間 )
( パチッ )
痛っ・・・。
夢じゃないだろ?
葉月君・・・デコピンなんて酷いですョー・・・。
いい音・・・したな。
もぅー・・・。
今度、仕返ししますからねー。
いいぞ。
お前にとどけばな。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
どーした?
あー・・・いえ・・・。
言ってみろョ。
葉月君の目って・・・凄く綺麗ですョね〜・・・。
そーか?
はい。
色も特徴あるし・・・他に・・・いないと思うんですけど・・・。
ん?
あ、いえ・・・。
どこかで・・・・・・
どこかで・・・見た事ある気がして・・・・・・。
あっ、すいません・・・。
きっと・・・気のせいですョね〜・・・。
・・・。
はい・・・。
俺は・・・
お前の「目の色」も「掌の感触」も・・・・・・「ドジ」なところも
忘れた事・・・・・・ない。
えっ?
あ・あの・・・。
あー・・・葉月君は、頭すごくいいから・・・
ここ何ヶ月間かの事くらい、全部頭にインプットされてるんですョね〜。
でも・・・出来れば・・・
「ドジなところ・・・」っていうのは・・・
忘れてもらいたいけど・・・・・。
無理だな。
そーですか・・・。
俺・・・最初・・・
ちょっと焦りすぎたかもしれない・・・。
えっ?
何をですか?
ゆっくり・・・待つョ。
えっと・・・。
俺の顔にも・・・目にも・・・・・・
見覚え・・・あるんだろ?
えっ?
あーー、「思い出してくれ」ですョね〜・・・・・・すいません。
私・・・記憶力・・・ないからなぁ〜・・・。
の中にも・・・・・・
の中の・・・何処か片隅にでも・・・・・
俺がいるって・・・信じてるから・・・。
いやー、片隅どころか、ほとんど葉月君だら・け・・・・・あっ・・・
私・・・な・何言ってるんだろー・・・・・・。
あ・あの・・・・・・な・何でもありませんからね〜・・・。
忘れて下さい・・・・・・。
俺、一度聞くと・・・忘れないけど。
・・・・・・・・・・・・・・・・。
もっと・・・一緒の時間作ろうな。
えっ?
お前・・・おもしろいから。
はぁ・・・。
海、楽しみだな。
はい。
思い出は・・・これから作ればいいのかも・・・な。
えっ?
俺・・・送ってくョ。
はい。
fin 2005,9,28 up
あとがき
設定としては、「花火大会」直後となっております。
現実の季節とは・・・離れてきましたが・・・
こちらは、このままゆっくり進むという事で・・・。
久々の「王子夢」・・・
なかなか感情移入できなくて・・・
もっと、もっと頑張らねば・・・ってところですね〜・・・。