誕生日


               〔 夜、 の部屋 (水曜日) 〕


               ( ピピピ ・・・)

 
                あっ、もしもし・・・葉月君?


                か?


                はい。
                あのー・・・・・・
                今度の日曜日って・・・忙しいですか?


               日曜日って・・・16日か?


                はい。


               ごめん、仕事・・・入ってる・・・。


                えっ・・・、あ・・・そーですか・・・。


               すまない。
               

                あー・・・いえ・・・。
                すいませんでした・・・。


               じゃあ。


                はい・・・おやすみなさい・・・。

               ( ピッ )




                葉月君・・・誕生日も仕事なんだ・・・・・・大変だなぁ〜・・・。
                プレゼントは一応用意したけど・・・いつ渡そーかなぁ・・・。

                こーなると、日曜日って・・・ネックだョね・・・。
                普段の日なら、学校で渡せるのに・・・。
               
                月曜日でいいかなぁ〜。
                一日遅れの・・・誕生日祝い・・・。
                しょーがないョね・・・。
               
                お祝いって言っても・・・プレゼントも大した物じゃないし・・・。
                それに・・・
                私に祝われても・・・
                葉月君、嬉しくないョね・・・きっと・・・・・・。

                          ・
                          ・
                          ・
                          ・
                          ・

               〔 下校時、なつみちゃんとの会話 (金曜日) 〕


                、葉月ってそろそろ誕生日なの?


                えっ?


               昨日の夜さぁ〜、スタジオの前通ったんだョねー。
               そーしたら葉月がいて、その周りにいっぱい女の子達がいてさぁー。
               で、皆プレゼント渡してたからさー。

               まぁ、普段でもプレゼントは貰うんだろうけど・・・。
               昨日のは、もの凄い数だったからさぁ〜。
               誕生日なのかなぁ〜って思ってさぁ〜。


                うん。
                今度の日曜日、10月16日が葉月君の誕生日なの。


               やっぱりそーなんだ〜。
               プレゼント貰っても「ニコリ」ともしないのに
               よく、あんなに人気があるもんだョねー。
               とことん無愛想だもんねー、葉月って。


                なつみちゃん・・・・・・。


               あっ、ごめん ごめん。
                の好きな人だもんねー、悪かった。
               で、日曜日は葉月とデート?


                えっ?
                な・何言ってんの・・・、デートだなんて・・・。
                あ・あのねー・・・
                私と葉月君は、全然そんなんじゃないんだから・・・。


               照れなくたっていいって。
               葉月・・・ からのプレゼント、楽しみにしてるんだろうねー。


                そんな訳ないでしょ・・・。
                それに・・・・・・
                日曜日・・・・・・
                葉月君仕事だから・・・プレゼント渡せないんだもん・・・・・・。


               えっ・・・、そーなんだ・・・。
               それはちょっと残念だね〜。
               でも、好きな人からのプレゼントは、いつ貰ったって嬉しいって。


                好きな人の訳・・・ないでしょ〜。
                もう、そんな事言うのやめてョね・・・。
                なつみちゃんの方こそ、姫条君とはどーなのョ?


               え・・・。
               「特に進展なし」ってところかなぁ・・・。
               あいつの本心って・・・どこにあるのか分からなくてねー・・・。

               そーいう面で言うと、葉月の方がずっと素直で分かりやすいョね。


                えっ?


                にだけ優しくて、笑顔向けるんでしょ〜。


                そんな事ないョ・・・。
                なつみちゃんが、知らないだけだョ・・・葉月君の優しさを・・・。


               わーー、ごちそう様〜〜。
               ラブラブなお二人は、羨ましいョー。


                またそんな事言って・・・。
                全然違うからね。
                いい加減にしてョね。


               いい加減どころか
               誕生日終わったら、もっと仲良くなってるョねーー、きっと。


                なつみちゃん・・・。


               じゃあ、またね〜。


                うん・・・またね・・・。

                          ・
                          ・
                          ・

                なつみちゃん・・・いつも言いたい事言って・・・・・。

                でも・・・葉月君・・・いっぱいプレゼント貰ってるんだ・・・・・。
                そーだョね〜・・・・・・。

                どうしようかな〜・・・。
                私のプレゼントなんて・・・本当に大した物じゃないしなぁ・・・。
                私から貰っても・・・嬉しくないだろうし・・・。
                さらに・・・誕生日当日には・・・渡せないんだもんなぁ〜・・・。

                やっぱり、あげるのやめようかなぁ〜。
                それよりも・・・貰ってくれるかも分からないしね〜・・・。
                あーー・・・どーしョ〜〜・・・。

                          ・
                          ・
                          ・
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                          ・

               〔 夜、 の部屋 (土曜日) 〕

               ( 携帯が鳴った )


                あっ、葉月君からだ。


                もしもし・・・。


                ・・・?


                あ、はい。


               今から・・・ちょっと出てこれるか?


                えっ?


               お前の家の側の公園。


                あ・・・、はい。 大丈夫ですけど。


               じゃぁ、待ってる。


                えっ?
                あのー・・・葉月君、公園にいるんですか?


               あぁ。


                えーー!?
                あ・あのー・・・じゃぁ、すぐ行きますから。


               


                はい。


               ゆっくりでいいョ。
               走ると、転ぶからな。


                え・・・、はぁ・・・・・・。


               じゃあ。


                はい。

               ( ピッ )




                走ると転ぶって・・・
                私、転んだ事なんてないけどなぁ〜・・・少なくても、葉月君の前では絶対。

                あっ、そうだ。
                プレゼント・・・・・・、あー・・・でもなぁ〜・・・・・・。
                う〜〜〜ん・・・、どーしョー・・・・・・。
                とりあえず、持って行ってみョーっと。

                          ・
                          ・
                          ・

               〔 公園 〕


                あっ、葉月く〜ん。

               ( 全速力で葉月君に走りより、あと2、3mのところで・・・・・・
                 見事に石につまずき・・・
                 そのまま、葉月君の腕の中へ・・・
                 思いっきりダイビングしてしまった・・・。 )

                痛ッ・・・・・・。


               大丈夫か?


                あ、は・はい。
                でも、足がちょっと・・・・・・・・・

                えっ??
                あーーーーー・・・・・・・

               (  私・・・葉月君に・・・抱きついてるの・・・?
                  嘘でしょ〜〜〜・・・。
                  じゃあ・・・、私の背中に回ってるこの手は・・・・・・
                  葉月君の・・・手・・・?なの・・・・・・?  )


               凄く痛むのか?


                えっ?
                あー・・・いえ、全然。
                もう、治まりました・・・。

                そ・それより・・・す・すいませんでした・・・。

               ( 葉月君から離れようとした時・・・逆に・・・強く抱きしめられた )


               だから、走るなって言っただろ。
               本当、変わらないョな。

               ( 葉月君が手を放した )


                あ・あの・・・・・
                本当にすいませんでした・・・・・。
                葉月君は・・・大丈夫ですか・・・?
                どこか痛かったり・・・してませんか?


               俺より、あの袋の中味が重症だろうな。


                えっ?

               ( 葉月君が見た方を見てみると・・・・・
                 プレゼントが・・・転がっていた・・・ )


               勢いよく、飛んでったもんな。


                あー・・・・・・プレゼントが・・・・・・。

               ( 取りに行こうとした時 )


               俺が取ってくるョ。
               足・・・痛いんだろ?


                えっ・・・・・・。





               ほら。


                すいません・・・。

                あー・・・、壊れちゃったかなぁ〜・・・。


               中・・・何が入ってるんだ?


                木で出来たオルゴールなんですけど・・・。
                ガラスや陶器じゃないから、外見は大丈夫だと思うんですけど・・・。
                どーかなぁ〜・・・・・・。


               オルゴール?


                はい。
                ちょっと小さいんですけど・・・
                蓋のところに、凄く可愛い猫の絵が彫ってあって・・・
                葉月君・・・猫好きだって言ってたから・・・・・・・・
                あっ・・・・・・いえ、あのー・・・・・・。


               俺にくれるのか?


                えっと・・・
                一応・・・お誕生日のプレゼント・・・だったんですけど・・・。
                壊れちゃったかもしれないし・・・・・・。
                こんなの・・・欲しくないですョね・・・。


               可愛いんだろ?


                えっ?
                はぁ・・・可愛いですけど・・・。


               あそこに座るか。


                あ・・・はい。




                えっ!?

               ( 葉月君が を抱き上げ・・・・・・・・・ベンチに下ろした )


                あ・あの・・・すいません・・・・・・・。

               
               それ。


                えっ?


               開けて見てもいいか?


                あ・・・、はい・・・いいですけど・・・・・・。

             


               
               可愛いな。


                はい。
                凄く可愛くて・・・
                見つけた時に、絶対葉月君のプレゼントにしようって思ったんですけど・・・。
                でも・・・葉月君・・・こんなの好きじゃないですョね・・・。

               ( 葉月君がオルゴールの蓋を開けた )


               綺麗だな、音も曲も。


                はい・・・。


               無事だったな。


                えっ?


               どこも壊れてないぞ。


                あー・・・そーみたいですね〜・・・。




                、サンキュ。


                えっ?


               お前も・・・何か言う事・・・あるだろ?


                えっ?
                あっ。
                えっと・・・・・・。
               
                葉月君・・・、一日早いけど・・・

                お誕生日おめでとう〜。

                あのー・・・それ、受け取ってもらえるんですか・・・?



               俺の為に、買ってくれたんだろ?


                そーですけど・・・。


               大切にするョ。


                は・はい。


               明日・・・・・・。


                えっ?


               会えれば良かったんだけどな・・・。
               俺だけの撮影じゃなくて・・・どーにもならなかった・・・。


                あー・・・はい。
                大変ですョね・・・。


               俺・・・この仕事・・・、ずっと苦痛だった・・・。


                ・・・・・・はい。


               笑えって言われても・・・笑えなくて・・・。


                あー・・・・・・。


               でも・・・
                と出会ってから・・・少し変わったんだ。


                えっ?


                の顔を思い浮かべると・・・自然と頬が緩んでくる・・・。
               顔だけじゃない・・・
               どんな仕草でも・・・声でも・・・・・・。

               瞳を閉じれば・・・
               あの頃の思い出が・・・鮮明に蘇って・・・・・・
               走れば・・・必ず転んでたもんな。



                葉月君?


               足・・・大丈夫か?


                あ、はい。 大丈夫です。


               じゃあ・・・帰るか・・・。


                あ・あのー・・・
                葉月君・・・何か用でもあったんじゃ・・・・・・・。

               ( 葉月君が立ち上がり、 も立ち上がった )


               歩けるか?


                はい。

               (  が2、3歩 歩き・・・止まり・・・振り返ろうとした時・・・

                 葉月君が・・・後ろから、 を抱きしめた )



                えっ!?


               ただ・・・会いたかった・・・。

               



                、お前と出会えて・・・本当に良かった。

               誕生日なんて・・・ここずっと、何もない普通の一日と変わりなかった。
               一日前だとか、後だとか・・・そんな事、気にもしなかった。


               自分の誕生日に「一緒にいたい」「本当は・・・明日がいい」なんて・・・
               そんな事・・・俺が・・・思うなんて・・・。

               
                ・・・
               俺は・・・お前と一緒に歩んで行きたい。
               俺の人生(みち)を・・・お前の笑顔で、照らしてくれ・・・。

                                     
                                                                            fin              2005,10,15 up

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あとがき

これだと・・・「誕生日」ではなく・・・
「誕生日一日前」ですョね〜・・・(苦笑)
まぁ・・・気になさらないで、下さいね・・・。

今回は、ちょっぴりスキンシップ多目の王子でしたが
「誕生日」という事で、大盤振る舞いしていただきました(笑)

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

では・・・心を込めて

『珪くん、お誕生日おめでとう〜☆』