見回り

               ( 夜、恋次が訪ねて来た )


                あっ、恋次・・・久しぶりだね。

                そーだな〜。

                忙しいの?

                ん?
                あぁ・・・明日、祭りだからなぁ〜。
                その関係で、いろいろとやる事多くてョー。
                今、やっと解放されたってところだな。

                そーなんだ・・・、ご苦労様。

                あぁ。

                明日も警備みたいな事・・・やるんでしょ?

                あぁ・・・そーだけど・・・。
                まぁ、副隊長はみんな、会場に設置されたテントに集まるくらいで
                何かあったら、動き出すって感じだけどな。

                ふ〜〜ん・・・・・・・。

                何だョ・・・。

                ん・・・・・・・・・・。
                私って・・・やっぱり使えないんだね・・・。
                何にも出来ないしね・・・。
                何か・・・無能なんだなぁ〜って・・・つくづく思うョ・・・。

                何言ってんだョ。

                だって・・・
                今、恋次だって・・・
                「副隊長はみんな」って言ったじゃない・・・。
                私は・・・その中には入れないんだもん・・・。
                やっぱり、無能なんだョ・・・。

                 は・・・
                14番隊は・・・発足の趣旨が違うだろ。
                基本的に、外での活動は一切禁止な訳だし・・・。

                それに・・・ は、無能なんかじゃねーョ。
                すげー力があんじゃねーか。
                変な事、気にすんなョ。

                でも・・・。

                気にすんな。

                そんな事より・・・
                 は、明日祭り行くのか?

                えっ?
                あぁ・・・皆で行くけど・・・。

                じゃあ、テントに来いョ。
                何にもないようだったら、一緒に周れるからさぁ〜。

                えっ・・・でも・・・。

                何だョ。

                うん・・・、一応・・・親睦会だから・・・。
                一人で抜ける訳にはいかないと思う・・・。

                親睦会って・・・例の、11番隊とのやつか?

                うん・・・。

                やつらと一緒に行くのか?

                そーだけど・・・。

                お前、副隊長なんだから、そんなの断れョ。
                もう、1回出たんだしョー・・・。
                いちいち付きあう必要ねーョ。

                うん・・・。
                でも・・・私、仕事ないの知ってるし・・・。
                「必ず来てくれ」って、うちの子達に言ったみたいで・・・。
                暇なのに、断る訳にもいかないでしょ・・・。

                分かった
                明日、仕事入れてやるョ。

                えっ?

                とにかく、仕事だから行けねーって
                お前んとこの、女の子に言っとけョ。

                で・でも・・・
                私・・・何にも出来ないけど・・・。

                そんなの、気にすんな。
                何やるかは、明日教えにくるから。
                そーだなぁ〜・・・
                夕方前には来るから、ここにいろョ。 いいな。

                うん・・・。

                それから、「親睦会」誘われたら、すぐ俺に教えろョな。

                えっ・・・でも・・・。
                私に教えに来るのって・・・結構ギリギリなんだョ・・・。
                「副隊長、明後日空いてますョね〜」って感じでさぁ〜。
                それに・・・
                そんな事、いちいち仕事中の恋次のところに、教えに行くなんて・・・。

                仕事中でも、当日でも、俺がいなけりゃ、置手紙でも
                何でもいいから、必ず教えろ、いいな。

                うん・・・分かった・・・。

                じゃあ俺・・・もう1度、スケジュール確認しに行ってくるから。
                明日な。

                あ・・・うん。
                何か私・・・迷惑かけてない?

                全然。
                じゃあな。

                うん、おやすみなさい。

                          ・
                          ・
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               ( お祭り当日、恋次が来た )

                もう、皆出かけたのか?

                うん。
                お祭り行く前に、どっかで宴会みたいのやるって
                早くから、出かけて行ったョ。

                そーか。
                あー、 の仕事だけど・・・。

                うん。
   
                暗くなってから俺と一緒に、この辺の見回りする事になったから。

                えっ?

                何だョ。
                不満か?

                そーじゃないけど・・・。
                見回りって・・・
                私・・・ただの足手まといになるんじゃないの?

                そんな事ねーョ。
                よろしく頼むぜ。

                うん・・・。

                大丈夫だョ。
                疲れたら、おんぶでも抱っこでもしてやるからさぁ〜。

                な・何言ってんの?

                だって、結構歩くぜ。

                歩くのくらい出来ます。

                じゃあ、俺おぶってもらおうかなぁ〜。

                え・・・、それは無理だョ・・・。
                恋次・・・背高いし・・・。

                冗談だョ。
                何本気にしてんだョ。
                まぁ、心配すんな。
                こっちの方じゃ、何にも起こらねーと思うし・・・
                起きても、俺がいんだから大丈夫だョ。

                うん・・・。

                暗くなってからって、まだ結構時間あるけど・・・
                恋次は、会場に戻るの?

                ん?
                あー、俺はもう、今日はあっちには行かなくていいんだョ。
                後は、 と一緒にいりゃぁいいだけだ。
                11番隊、様々かもなー。

                えっ?

                何でもねーョ。


               ( ガラガラ  修兵が入って来た )


           修兵: 恋次、どーいう事だョ。

           恋次:  何が?

           修兵: 今、予定表見たら・・・
               お前のところに「14番隊副隊長と見回り」って書いてあったんだョ。

           恋次:  読んで字のごとくじゃねーかョ。
                今日の俺の仕事は、 と見回りする事になったんだョ。
                それがどーかしたのか?

           修兵: お前が、申し出たんだろ。
               本来、 は見回りとか出来ねーんだろ。
               戦ったりできねーんだからョ・・・。
                引っ張り出すのは、おかしいんじゃねーのか?


           恋次:   、気にすんな。
                悪いけど・・・お茶か何か入れてきてくんねーか?


                あ・・・・・・。

                うん・・・・・。




           修兵: 何が「気にすんな」だョ。

           恋次:  お前・・・
                あいつが気にしてる事言いやがって・・・。

           修兵: えっ?

           恋次:  お前の言う通り、 は見回りだとか警備だとかは出来ねーョ。
                でもなぁ〜・・・
                今日、あいつ以外の副隊長は、全員招集されてんだぜ。
                 が、どんな気持ちでいるか・・・
                言われてみれば、お前にも分かんだろ。

           修兵: ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

           恋次:   のやつ・・・
                昨日・・・自分は使えねーし、無能だって・・・・・・。

           修兵: そんな事・・・・・・・。

           恋次:  あぁ。
                まぁ、それだけだったら、見回りまでさせる必要なかったんだけどョー。

           修兵: ん?

           恋次:  あいつ・・・
                11番隊のやつらと祭り行くって言ったから・・・。

           修兵: えっ?
               親睦会ってやつか・・・。

           恋次:  あぁ。
                自分に仕事ないの分かっちゃってるから、断れねーって・・・。
                だから、無理やり危険じゃねー仕事入れたんだョ。

           修兵: そーだったんだ・・・。

           恋次:  お前なぁー
                 の前で、あんまり軽率な口利くなョな。
                俺の事「 の気持ち考えねー」とか何とかぬかしやがって。
                お前の今日の一撃、 には効いたぜ。

           修兵: ・・・そーだな・・・。

           恋次:  あー、でも・・・下手に謝んない方がいいぜ。
                傷口、大きくする可能性あるからな。

           修兵: あぁ・・・分かったョ・・・。

           恋次:  それにしても・・・頭にくるョなー。

           修兵: ん?

           恋次:  11番隊のやつらだョ。
                副隊長に「顔出せ」なんて、よく言うョなー。

           修兵: そーだョなー。
               ちょっとおかしいョなー。

           恋次:  おかしい?

           修兵: あぁ。
               だって・・・いくら が怖くないって言ったって、副隊長なんだぜ。
               遊んだり、騒いだりすんのに、上官なんて誘うか?

           恋次:  いや・・・絶対誘わねーョなぁー。

           修兵: だろ。
               きっといるんだョ。
                の事、気に入ってるヤツが。

           恋次:  鳳か?

           修兵: いや、ヤツは会いたいんだったら、一人でちゃんと会いにくるんじゃねーのか?

           恋次:  それもそーだなぁ。



                お待たせしました。
                ごめんね、何にもないんだけど・・・。

           恋次:  あぁ、いいョ。

           修兵: ありがとう。

           恋次:  なぁ、

                ん?

           恋次:  お前んとこの女の子に、ちょっと聞いてみてくんねーかなぁ〜。

                えっ? 何を?

           修兵:  の事、親睦会に連れてきてくれって言ってるの誰か?ってさぁ〜。

                えっ?

           修兵: あー・・・俺らが聞いたって言わないでね。

                うん・・・でも、何で?

           恋次:  いいから、聞いといてくれョ。

                うん・・・。

                そー言えば
                修兵・・・そろそろテントに行かなくていいの?

           修兵: えっ?
               あー、いいんだョ。

           恋次:  何で、そろそろ集まんじゃねーのか?

           修兵: 俺も、こっちの見回りにまぜてもらったからさー。

           恋次:  えっ・・・嘘だろー?

           修兵: 嘘じゃねーョ。
               お前と二人になんかさせるかョ。

                見回りって・・・私達と一緒って事?

           修兵: そーだョ。
               見回るには、まだちょっと早いョな〜。
               そーだ、このままじゃ は、全く祭り会場見ない事になっちゃうョなぁ〜。
               まだ何にも始まってないけど、今から二人で行ってみるか?

                えっ?

           恋次:  何言ってんだョ。
                 、ちょっと早いけど、もうすぐ見回り行くからな。
                遊びじゃねーんだから、浮ついた気持ちでいんじゃねーぞ。

                あ・・・はい。

           修兵: 恋次・・・言い方がきついョ・・・。

           恋次:  うるせー。
                お前、祭り見たいんなら、一人で行ってこいョ。
                見回りには、参加しといた事にしてやるから。

           修兵: やだね。
               お前の方こそ、早く見回り行きたいんなら、一人で行ってこいョ。
               予定表にだって「陽が落ちてから」ってなってんだからさぁ。
               恋次さんは、仕事熱心だからね〜。
                、ちょっと会場行ってみよーョ。

           恋次:  修兵ー。

           修兵: 何だョ。

                あ・あのさぁ〜・・・。
                まだ見回るには、早いんでしょ・・・。

           修兵: うん、全然ね。

                だったら・・・
                恋次がよかったら、3人で会場行ってみよーョ。
                恋次・・・ダメ?

           恋次:  えっ・・・。
                 が行きたいんなら・・・一緒に行くョ。

           修兵: こんなやつ、ほっといていいのに。
               すぐ怒るしさぁー。

           恋次:  もう1度言ってみろ。

                恋次?


               ( 恋次が修兵の胸座を掴んだ )


                もー・・・やめてョ。
                どーしてこうなっちゃうの?
                やっぱり私・・・親睦会に行ってくる。
                見回りは、二人で行ってきてね。
                どーせ私なんか・・・何の役にもたたないんだから。
                じゃあね。 ( と言って、走って外へ出て行った )


           恋次:  えっ?

           修兵: えっ?

               何やってんだョ。早く手、放せョ。

           恋次:  ん?
                あぁ・・・でも、後で憶えとけョ。

           修兵: お前が、独り占めしようとするから、悪いんだョ。

           恋次:  そんな事言ってる場合じゃねーョ。

           修兵: ん・・・そーだな。


               ( 二人共、走って を追いかけた )


               ( この二人の足に敵う訳もなく、すぐに追いつかれて・・・ )


           恋次:   、ちょっと待てョ。 ( 恋次が後ろから手を掴み )

           修兵:  、止まれョ。 ( 修兵が前に回りこんで、 を止めた )


           恋次:  悪かった。

           修兵: ごめんな。


                何ですぐにケンカするの?


           恋次:  んーーー・・・・・・・。

           修兵: 俺が大切なものと、恋次が大切なものが・・・一緒なんだョ・・・。

               でも・・・その大切なものって・・・1つしかなくてさぁ〜・・・。

               だから・・・どーしても・・・・・・。


           恋次:  自分だけのものにしたいから・・・・・。


                ・・・そーなんだ・・・。

                でも・・・ケンカはやめてね・・・。
                二人共、強いんだからさぁ〜・・・
                ちょっとしたケガじゃすまなくなっちゃうョ・・・。

           恋次:  あぁ・・・すまない・・・。

           修兵: できれば・・・ケンカなんてしたくないョ・・・。

               でもな、 ・・・。
               俺も、恋次も・・・真剣なんだョ。
               命・・・落とす覚悟も出来てるんだョ・・・。

               まぁ・・・ケンカで落とすんじゃなくて・・・
               大切なもの・・・守る為に落としたいけどなぁ・・・。

           恋次:  そーだな・・・。
                なるべく・・・手の出るようなケンカはしねーようにするョ。
                口喧嘩は・・・なくならねーと思うけどな・・・。

           修兵: あぁ。
               手は出さねーようにするからさ・・・。
               少しのケンカは、許してくれョ。


                ケガしないなら・・・いいけど・・・。


           恋次:  あぁ・・・
                 が嫌な事は、しねーって決めてるから・・・約束するョ。

           修兵: 俺も、約束するョ。


           恋次:  でも・・・何で親睦会なんだョ・・・。
                いつもなら・・・部屋に閉じこもるじゃねーか・・・。

           修兵: もしかして・・・気に入ったヤツでもいんのか?

                何ですぐ、そーいう事言うのかなぁ〜・・・。

           恋次:  心配だからだョ。

                部屋入ったって・・・「入るぞ」って、入ってくるじゃない・・・。

           修兵: 恋次・・・お前、嫌がる事してんじゃねーかョ。

           恋次:  あれは・・・
                いつも・・・緊急事態の時なんだョ・・・。
                今だって・・・もし、 が部屋入ったら・・・お前だって入ってくだろー。


           修兵: まぁ、とにかく
               お祭り会場見て、暗くなったら見回り行こうな、3人で。

           恋次:  何だョ。
                都合悪くなると、すぐ話し変えやがって・・・。

                 、今走って疲れたろー。
                おぶってやろーか?


                結構です。


           修兵: よく言った。
               疲れたら俺に言えョな、我慢しなくていいからな。


                そこまでひ弱じゃないもん。
                見回るのに、おんぶや抱っこされてる人なんていないでしょ〜。
                それじゃぁ、見回りする側じゃなくて、助けてもらった人みたいじゃない。


           恋次:  ふ〜〜ん。

                結構大口たたくようになったじゃねーか。
                じゃあ何かあったら、俺達二人の事、ちゃんと助けろョな。

                えっ?

           修兵: そーだな。
                に先頭歩いてもらうか。

           恋次:  後ろの方がいんじゃねーか?
                後ろからの敵の方が、危ねーからな。
                 に、後方守ってもらおーぜ。

           修兵: おぅ。
               決まりな。
               よろしく頼むぜ、
               俺ら二人の命、任せるからョ。

                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

           恋次:  返事はどーした?

           修兵: こっちは、命預けんだぞ。


                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん。

           恋次:  何だョ、頼りねーなぁ〜。
                本当にこんなヤツに、命預けて大丈夫か?

           修兵: 俺らの命も、今日限りって事か・・・。
               遺書でも、書いとくか・・・。


                あ・あのさぁ〜・・・・・・。


           恋次:  何だョ。

                ・・・うん・・・。

           修兵: 怖いのか?

                えっ・・・・・・・
                怖くはないけど・・・・・・・

                自信はないョ・・・・・・・・。


               ( 恋次・修兵 大爆笑〜 )


           恋次:  自信ねーのか。

                うん・・・。

           修兵: それじゃぁ、困るョ・・・。

                ・・・・・・・・・・・・うん。


           恋次:   は、本当に可愛んだョな〜。

           修兵: 本当だョなぁ〜、最高だョ。


           恋次:  まっ、自信なくても、お前に命預けてる事に変わりねーからさ。

           修兵: そうそう、ちゃんと後ろから、見守ってくれョな。



                ・・・・・・・うん。


           恋次:  元気ねーし、弱音吐いたから、罰でも与えるか?

                えっ?

           修兵: そーだな。
               こっちに不安与えてんだもんな。

                罰って・・・。

           恋次:  何にする?

           修兵: おんぶと抱っこ嫌なんだョなー。

           恋次:  そーみたいだなぁ。

           修兵: じゃあ見回りの時、1時間ずつするってのはどーだ?
               そーすれば、見回りの最初から最後まで、 は歩かなくて済むぜ。

           恋次:  それいいな。

           修兵: じゃあ、決まりな。

                えっ・・・。
                だって・・・後ろ歩くんでしょ?

           修兵: それは、この次にしてもらうョ。

           恋次:  次までに、少し鍛えとけョ。

                鍛えるって・・・・・。

           恋次:  やる気あんなら、いくらでも教えてやるョ。

           修兵: そーだな。
                は、ちょっと危なっかしいから、護身術くらい覚えといてもいいかもな。

           恋次:  そーだョな。
                俺ら厳しいから、覚悟しとけョな。


                ・・・・・・・・・・・・うん。

           恋次:  お前、やる気あんのか?

                えっ・・・・・・・・・・。

           修兵: 自信ねーか。

                ・・・・・・・・・・・・うん。


           恋次:  あんまり苛めても、可哀そーだな。

           修兵: あぁ、十分可愛いとこ見れたし・・・罰もいただけたし。

           恋次:  少し暗くなってきたなぁ・・・
                急いで会場見て・・・

           修兵: 後は、楽しい見回りだな。

                                                      fin                                                   2005,9,7 up

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