修兵と



               〔 夜、14番隊医療所 修兵が訪ねてきた 〕


               すいません、 副隊長いますか?

               
                あ、修兵。
                どーしたの? 今日は一人なんだ〜。


               えっ・・・。
               別に俺は、恋次とペアじゃねーからな。


                まぁ・・・そーだけど・・・。


                ・・・、ちょっと外で話せないか?
               そこの広場ででも・・・。


                うん、いいョ。

                          ・
                          ・
                          ・
                          ・
                          ・


               ( 広場 )


                修兵・・・、どーかしたの?


               ん?


                元気ないし・・・・・・。


               今日さぁ・・・・・・部下・・・何人も・・・失ったんだ・・・。


                えっ?


               俺が・・・・・・
               俺が・・・あと少し早く行ってやれば・・・・・・
               こんな事にはならなかったのに・・・・・・。


                修兵・・・。


               俺のせいなんだ・・・。
               俺の見極めが甘かった・・・。
               こんなんじゃ・・・副隊長・・・失格だョな・・・。


                え・・・・・・。


               でも・・・誰も俺を責めない・・・。
               「予想以上に相手が強かっただけだ、仕方なかったんだ」って・・・。


                私には・・・そーいうのは、よく分からないけど・・・でも・・・
                きっと、修兵のせいなんかじゃないョ。
                全てを把握するなんて・・・無理な事だョ・・・。


                ・・・・・・
               それじゃぁ、俺には副隊長は無理って聞こえるぞ・・・。


                えっ?
                そんなつもりじゃないョ・・・。
                修兵は立派な副隊長だからね。


               それって・・・何の根拠もないだろ〜・・・。


                えっ・・・・・・。


               ごめん・・・。
                に絡むつもりなんて、全くないんだ・・・。

               ただ、現実として・・・
               今、俺は副隊長だから・・・
               隊長の前でも、そして・・・全ての部下の前でも・・・
               弱音を吐く訳にはいかないんだ・・・・・・。

               自分の中では・・・反省はしている・・・。
               でも、皆の前では・・・強くいなきゃ・・・いけないんだョ・・・。

               誰の前でも・・・弱い自分は見せられないんだ・・・。
               俺がこんな姿見せられるのは・・・ だけなんだョ・・・。


               ( 修兵が を抱きしめた )


                修兵・・・・・・。


               何も言わなくていいから・・・傍にだけ・・・居てくれ・・・。










           恋次:  何やってんだョ。


                えっ? 恋次・・・?


           修兵: 恋次には、関係ねーだろ。


           恋次:  離れろョ。


           修兵: お前の指図は受けねーョ。
                は、お前のもんじゃねーんだからな。


                れ・恋次・・・、どーしてここに居るの?


           恋次:  今、お前んとこ行ったんだョ。
                そーしたら・・・「修兵と出て行った」って言われたから・・・。
                ちょっと探したら・・・こんな所で・・・・・・。

                 、さっさと離れろョ。


                うん・・・。
                修兵・・・恋次、何か誤解してるみたいだから・・・。


           修兵: 誤解じゃねーんだョ。


                えっ?
                あ・あのさぁ〜・・・でも・・・放して・・・。


           修兵: やだョ。


                修兵・・・・・・・。


           修兵: ・・・分かったョ・・・・・・。
               恋次に言われたからじゃねーからな。


               ( 修兵が を放した )




                恋次・・・
                あ・あのさぁ・・・別にこれは・・・何でもないからね・・・。


           修兵:  、恋次にいちいち説明する事なんてないんだぜ。
               恋次は勘違いしちゃってんだョ。
               まるで、 が自分のものみてーにさー。


           恋次:  何だと!


           修兵: そーだろ〜?
                はお前の事なんか、好きでも何でもねーんだョ。
               何かあると恋次の所に行くのは、ただの慣れみたいなもんで
               よく行くから、行きやすいだけなんだョ。
               一人で他の隊舎入っていくのって、最初は勇気いるからなー。


           恋次:  てめー!


                あ・あのさぁ・・・・・。
                ケンカ・・・しないで・・・。


           修兵: 俺はもともと、恋次とケンカするつもりなんてねーんだョ。
               俺達が争って解決する問題じゃねーんだからさ。

               だけど、恋次はしょーがねーョな〜〜、すぐ怒ってさぁー。
               大体、恋次だってよく一人で の所に行ってんだろ?
               今だって「行ってきた」って言ってたじゃねーかョ。

               俺が と会ってて、何が悪いんだョ。
                、帰ろーぜ。
               恋次の顔なんて、見てたくねーョ。




                恋次・・・・・・。
                あのさぁ・・・、何か用・・・あったの?


           修兵: ある訳ねーだろ。
               あいつの心配なんて、する事ねーョ。
               今日は・・・・・・
               せめて今日は・・・・・・
               俺の方、向いてくれョ・・・・・ ・・・・・・。


                修兵・・・・・・。


           修兵: じゃあな、恋次。

                          ・
                          ・
                          ・
                          ・
                          ・

               ( 帰り道、修兵との会話 )


                ・・・・・・。
               もう、恋次ばっかり頼るの・・・やめろョ。


                えっ・・・・・・。


               俺じゃ・・・ダメなのか?
               俺って・・・そんなに頼りねーのか?


                そんな事ないけど・・・。


               恋次の事・・・好きな訳じゃねーんだろ?


                え・・・・・・
                恋愛感情は・・・ないと思うけど・・・・・・
                でも・・・好きだョ、恋次の事。


               えっ・・・・・・。
               まぁ・・・そりゃー、何するにも一緒って感じだしなぁ・・・・・・。
               嫌いな訳・・・ねーだろーけど・・・。

               でもそれは・・・俺も一緒じゃ・・・ねーのか?


                えっ?


               俺の事は・・・どーなんだョ・・・。


                修兵の事?


               あぁ。
               恋次よりも・・・頼りねーか?
               俺よりも・・・恋次の方が・・・いいのか?


                え・・・・・・
                そんな事、考えた事ないョ・・・。
                私は・・・修兵にも頼ってるし・・・。
                どっちがいいなんて・・・私の言える事じゃないでしょ〜・・・?

                私がもっとしっかりしてれば・・・
                二人に頼らなくても済むようになれれば・・・いいんだけど・・・。


               それは全然違うだろ〜・・・。
               俺も恋次も・・・ に頼られるのが、嬉しいんだからさぁー。

               ただ・・・
               恋次一人を頼るのは・・・やめとけョな。
               好きなヤツにしょっちゅう来られりゃ、誰だって勘違いするョ。

               今のところ・・・俺と恋次って・・・差はねーんだろ?



                差?


               どっちの方が好きとかさぁ〜。


                え・・・、うん・・。


               じゃあ、俺のところにも、ちゃんと頼ってこいョ。
               恋次より劣ってるとは、思ってねーからさぁー。


                うん・・・・・・。
                修兵・・・少し元気出てきたみたいだね〜。


               えっ?


                いつもの修兵と同じだからさぁ〜。


               あー・・・。
               恋次の邪魔のせいで、それどころじゃなくなっちゃったからなぁ〜・・・。

               まぁ・・・
               「俺に頼れ」なんて言ってる本人が、あの様じゃ・・・しょーがねーョなー。

               まだ、気持ちの整理は出来てねーけどなぁ・・・。
               でも・・・ の為には、強くありてーからなぁ〜。
               考えるべき事は考えて、ちゃんと復活するョ。


                うん。


               しかし・・・
               恋次のせいで、損した感じだョなぁー。
               復活する為に・・・もう一度・・・抱きしめていいか?


                えっ?
                こんな道の真ん中で?


               別に構わねーと思うけど。


                え・・・・・・。


                も、そーいう事は気にすんだ。


                だって・・・人通ってるじゃない・・・・・・。


               人いなきゃいいんだ。


                そーいう訳じゃないけど・・・・・・。
                修兵・・・もう元気だから、必要ないでしょ・・・?


               何が?

           
                ・・・抱きしめるなんて・・・。


               これは・・・無理に元気にしてるだけなんだョ。
               じゃあ、あそこの路地な、誰も人いねーから。


                え・・・・・・、でも・・・・・・。


                は医療班なんだから、心のケアもしてくれョ。
               俺・・・かなり参ってるのは・・・事実なんだからさぁー。


                でも・・・・・・。


               そんなに嫌か?


                え・・・、嫌じゃないけど・・・・・・・。


               ( 修兵が を抱きしめた )


                修兵・・・あ・あの・・・・人が・・・・・・・。


               暗くて誰だか分かんねーョ。
                はすっぽり収まっちゃってんだから。


                え・・・、でも・・・・・・。


               本当は、もっと強引でもいいんだろうけどなぁ〜・・・。
               でも・・・
               恋次がそーしない・・・そー出来ないように・・・
               俺も・・・
               自分の気持ちを、押し付けるような事は、したくないし・・・
               とても、出来ないョ・・・。



                あ・あのさぁ・・・・・・
                やっぱり・・・まずいョ・・・・・・。


               じゃあ、路地に行くか?


                え・・・・・・。


               嘘だョ。
               放したくねーのは、山々だけど・・・・・・。


               ( 修兵が を放した )


               ごめんな。


                うん・・・・・・。


               でも・・・
                は、良く効く心の薬だから・・・
               また何かあったら、よろしく頼むわ。


                頼むって・・・?


               今と同じ事。
               もうちょっと甘えてくれれば、もっと良く効くんだけどなぁ〜。


                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


               無理なのは、分かってるョ。




               ( 医療所前 )


               付き合ってくれて、ありがとな。


                うん。
                元気出してね。


               あぁ。 じゃあ・・・。


                うん、またね。






                恋次・・・どーしたかなぁ〜・・・。
                もう帰っちゃってるョね〜・・・。
                でも・・・広場近いし・・・ちょっと見てこようかな。






               ( 広場 )


                あー、やっぱりもういないや。
                当たり前だョね〜。


            ?: 一人で夜のお散歩?


                えっ?


            ?: 俺達と一緒に遊ぼーョ。


                あー・・・いえ、すいませんけど・・・。


            ?: お前に断る権利はないんだョ。

               14番隊かぁ〜、じゃあ楽勝だな。

               そーだョな〜。
               他の隊の副隊長じゃ、手も足も出ねーけどなぁ〜。




           恋次:  何が楽勝なんだョ。


            ?: うるせーな、俺達の獲物・・・・・・・・・・・・・。

               阿散井副隊長・・・・・・・・・。


           恋次:  獲物ってどれだ?


            ?: いや・・・何でもありませんから・・・・・・。


           恋次:   、こっちに来い!


                恋次・・・・・・。


            ?: え・・・・・・・
               あ・あのー・・・阿散井副隊長のお知り合いですか・・・・・・?


           恋次:  そーだョ。


            ?: あの・・・・私たち・・・何もしていませんから・・・・・・。


           恋次:  明日、俺んとこに来いョな。
                来たら、命だけは助けてやるョ。


            ?: え・・・・・・・。


           恋次:  来なかったらどーなるか、想像出来んだろ?
                俺の事、甘く見んなョな。


            ?: 滅相もございません。
               阿散井副隊長を甘く見るなんて・・・とても・とても、そんな事・・・。


           恋次:  分かったら、さっさと消えろ。
                あー、めんどくせーから全員一緒に来いョな。


            ?: は・はい・・・、分かりました・・・。
               失礼します・・・。







                何やってんだョ、お前は!!


                え・・・・・・・・・・・。


                「夜一人で出歩くな」っていつも言ってんだろー。




                ごめんなさい・・・・・・。


                何しにこんな所に来たんだョ。
                俺がいなかったら、どーなってたか分かってんのか?


                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


                全く、何考えてんだか・・・。


                恋次・・・まだ居るかなぁ〜って思って・・・・・・。


                えっ?


                さっき・・・何か変な感じだったから・・・・・・。


                お前に心配される程、俺は落魄れちゃいねーョ。


                ・・・・・・・・うん。
                助けてくれて、ありがとうございました・・・じゃあ・・・・・・。


               ( 恋次が の手を掴んだ )


                「一人になるな」って言ってんだろー、分かんねーヤツだなぁーー。



                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



                大丈夫か?
                怖い思い・・・したんだもんな・・・。
                別に、 が悪い訳じゃねーんだョな。

                でもなぁ〜
                あーいう輩は、いなくなんねーんだョ。
                だから、自分の身は自分で守れるようにしとかなきゃなんねーだろ?


                うん・・・・・・。


                 の場合は、一人で出歩かないようにするしかねーんだョ。
                俺の心配なんてしなくていいから、自分の事を考えろョな。


                うん・・・。
                恋次・・・ずっとここに居たの?


                えっ?
                あぁ・・・・・、あっちで座ってたョ。
                見たくねーもん見せられちゃったかたらな・・・、かなりショックでな。


                見たくないものって?


                 が・・・・・・・
                修兵に抱きしめられてるところだョ。


                えっ?
                でも・・・あれは別に・・・そんなんじゃなくて・・・。


                どんな理由でも、見たくねーもんは見たくねーんだョ。


                でも本当にあれは・・・・・・。
                修兵・・・今日、部下失ったって・・・・・・・。
                凄く心・・・・・・痛んでて・・・・・・それで・・・・・・。


                えっ?
                そー言えば、随分殺られたって聞いたけど・・・・・・
                あいつのところだったのか・・・・・・。


                うん・・・・・・。


                まぁ・・・気持ちは・・・凄く分かるけど・・・・・・。
                それとこれとは、また別問題だからな。


                えっ?


                あいつ・・・・・・何か、言ってきたか?


                「何か」って?


                ・・・告白とかさぁ〜・・・・・・。


                え・・・、何言ってんの?
                そんな事、言うはずないでしょ・・・。


                そーか・・・。


                うん。
                恋次・・・やっぱり勘違いしてるョ。
                修兵は・・・今日は、心が・・・辛かっただけなんだもん・・・。


                あのなぁ〜
                そーいう時に「会いたい」って思う相手ってのはなぁー・・・。
                まぁいいや。
                修兵もお前には、下手な事しねーもんなぁー。


                あのさぁ〜・・・恋次・・・。


                ん?


                手・・・放してョ・・・。


                えっ?
                あぁ・・・でも・・・・・・
                放すとお前・・・どっか行っちゃいそうな気がしてなー。


                えー、何処にも行かないョ。
                後は帰るだけだもん。


                そーじゃなくてさぁー・・・・・・。

                今日、医療所行った時・・・いなかっただろ〜・・・。
                しかも・・・修兵と出て行ったって・・・・・。
                その時点ですでに・・・・・・心が揺れたんだ・・・・・・。

                そして・・・探して・・・ここに来たら・・・・・・。

                お前・・・・・・修兵の腕の中にいて・・・・・・。





                だからそれは・・・何でもないって・・・。


                それは、今分かった事だろ〜。
                でもなぁ〜・・・・・・
                どんな理由があっても・・・受け入れることなんて・・・出来ねーョ

                ここに一人残されて・・・・・・・・・。
                もしかしたら・・・ が・・・
                俺の手の届かないところへ・・・行っちゃうんじゃないかって・・・・・。

                動く事すら・・・出来なかったョ・・・・・・。



                何処にも行かないョ?


                場所じゃなくて・・・心が・・・だョ・・・。


                心?


                あぁ。
                 が・・・
                修兵の事・・・好きになっちゃうんじゃないかって・・・さぁー・・・。


                えっ? 何で?


                だって・・・理由分からずに、ここに来てみたら・・・・・・
                お前・・・おとなしく抱きしめられてたんだぜ・・・・・・。
                あれ見たら・・・誰だって、そー思うだろ〜・・・。


                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


                まぁ、そこの部分は違くて良かったけど・・・・・。
                でも・・・あの光景は、二度と見たくねーなぁー。

                俺にこんな事言う権利は、ねーんだけど・・・。
                何をしよーが、 の自由なんだけど・・・。
                でも・・・、とりあえず言っとくョ。
                後悔だけは、したくねーからな。



                ん?



                他の男に抱きしめられたり・・・するなョな。

                俺以外の男には、どこも触らせるな。

                他のヤツと、出かけるのも・部屋に入れるのも、絶対禁止だからな。

                どんな理由があってもだぞ。



                え・・・でも・・・
                うちの隊にも、男の人はいるしさぁ〜・・・隊長もそーだし・・・。
                仕事で、一緒に出かける事もあるからさぁ〜・・・。


                14番隊はいいョ。
                俺の気持ち知ってるし・・・誤解もしてくれてるからさぁー。
                 の事、抱きしめよーとするヤツなんて、いねーだろ?


                そんな人いないョ。


                14番隊以外のヤツ、全てだからな。


                うん・・・。
                でも・・・俺以外って・・・・・・
                何で恋次はいいの?


                えっ・・・・・・、それは・・・・・・。
                嫌だったら・・・断れョ。


                断ったってダメでしょ?
                手・・・放してくれないじゃない・・・。


                嫌・・・なのか?


                嫌じゃなくて、痛いョ。


                あー・・・ごめん・・・力、入ってたョな・・・・・・。
                じゃあ・・・・・・
                手・・・貸せョ・・・。


                何で?


                何でって・・・・・・。
                 と・・・手つなぎてーんだョ、悪ぃか?


                悪くはないけど・・・。


                ほら。


                うん・・・。


                 の手って・・・本当に小せーョなー。


                恋次の手が、大き過ぎるんだョ。


                この手で、ちゃんと を守ってやるからさぁー。

                あ、でも・・・
                絶対一人で出歩くなョな。
                その場に居なきゃ、助けらんねーんだからな。



                うん。


                それから・・・
                修兵にも、必要以上に近づくなョな。
                まぁ・・・これは、ちょっと約束違反だけどな・・・。


                えっ?


                何でもねーョ。
                とにかく、俺以外には近づくな。


                えーー。


                それから・・・・・・・


                まだあるの?

                                    fin                                       2005,10,24 up

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あとがき

とうとう、修兵に抱きしめられてしまいましたね〜(笑)
しかも・・・恋次に見られてしまうなんて・・・。
恋次の心配事は増える一方・・・です。

長文、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
お暇がありましたら、また遊びに来て下さいませ。