忘れてた・・・(後編)
〔 金曜日、夜
の部屋 (宝生との会話) 〕
副隊長〜、ちょっといいですか?
宝生さん? どうぞ。
( 宝生が、部屋に入った )
どーしたの?
あ、遅くにすいません。
今、親睦会の打ち合わせが終わって
送って来てもらったところなんです。
そーなんだ、お疲れ様。
明日、新年会だもんね〜。
遠出だから、大変だと思うけど、幹事よろしくね。
はい。
で・・・何か、問題でも?
えっ?
あー、違うんですョー。
もぅー、嬉しくて。
副隊長に、絶対話そーって思って。
何かいい事あったんだ〜。
はい。
親睦会の打ち合わせ、11番隊でやってたんですけどね〜。
そこに、恋次が来たんです。
恋次・・・が・・・?
はい。
で、温泉・・・一緒に行ってくれるってー。
やっぱり私の事、心配してくれてるんですョね〜。
今日は、近くに寄っても・・・全然怒らなかったし。
怒るかなぁ〜・・・って思って
少しずつ、近寄ってったんですけどね
ぴったりくっ付いても、何にも言わなかったんですョ〜。
嬉しかったなぁ〜。
そーなんだ〜・・・、恋次も・・・行くんだ・・・。
そー言えば恋次・・・温泉行きたがってたもんなぁ〜。
もしかしたら、疲れてるのかもしれないね・・・。
宝生さん・・・あんまり迷惑かけたら、ダメだョ。
恋次も、ゆっくりしたいんだろうからさ〜。
迷惑なんて、かけた事ありませんョ、私。
そーか、恋次・・・疲れてるのか・・・。
さっきも、全然元気なかったしなぁ〜。
私、ずっと付き添っててあげようかなぁ〜。
え・・・。
あのさぁ〜・・・、ほっといてあげた方が、いいと思うョ。
宝生さんに怒らないなんて、相当疲れてるんだろうからさぁ・・・。
何言ってるんですか。
そういう時こそ、好きな人が傍に居てあげるのが、一番効くんですョ。
あ、そー言えば・・・鳳君も、行くみたいですョ。
鳳君って、何故か・・・親睦会に登録してないんですけどね・・・。
恋次の「補佐」って事で、行くって言ってたなぁ〜。
隊違うのに「補佐」って・・・おかしいですけどね・・・。
まぁ、恋次の希望みたいだから、親睦会も了承してましたけどね。
そーなんだ〜。
はい。
あ〜、明日が楽しみだなぁ〜。
副隊長、寝坊しないで下さいね、朝、早いですからね。
・・・・・・はい。
では、失礼しました。
おやすみなさい。
ご苦労様、おやすみなさい。
( 宝生が、部屋から出ていった )
親睦会・・・恋次も行くのかぁ〜・・・。
まぁ・・・最初から、明日は温泉行く予定だったんだもんね・・・。
部屋も、とってあるし。
宝生さんとも、向こうで会っちゃうよりは
最初から一緒の方が、気が楽なのかもね。
宝生さん・・・迷惑かけないといいけどなぁ〜・・・。
でもなぁ〜・・・、あんまり恋次には、会いたくないなぁ〜・・・。
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〔 土曜日、朝 集合場所 〕
あっ、鳳君、おはよう〜。
鳳:
副隊長、おはようございます。
何か俺・・・急に行く事になっちゃって・・・よろしくお願いします。
こちらこそ、よろしくね。
恋次:
・・・・・・。
あ・・・・・・。
阿散井副隊長・・・おはようございます。
今回は、親睦会に同行していただき、ありがとうございます。
うちの子達が、ご迷惑おかけするかもしれませんけど
よろしくお願いします。
恋次:
・・・・・・、阿散井副隊長・・・って・・・・・・。
宝生: 阿散井副隊長〜、おはようございます。
これから二日間、ずっと一緒に居られるなんて〜〜。
幸せだなぁ〜。
恋次: お前は、幹事だろ?
個人的な事よりも、新年会の事を最優先して、考えろョな。
ホラ、11番隊の幹事のやつらんとこ、行けョ。
ずっと、あいつらと行動してなきゃ、ダメだろー。
この二日間、スムーズに事が運ぶように、しっかりやれョな。
宝生: はい・・・。
折角・・・恋次が一緒なのに・・・。
あっ、宝生さん
11番隊の幹事さん、呼んでるみたいだョ。
早く行った方が、いいョ。
宝生: あ、本当だ。
じゃあ・・・阿散井副隊長・・・また後で・・・。
恋次: ・・・・・・まぁ、幹事頑張れョな・・・。
宝生: はい。
( 宝生が、その場を離れた )
恋次: 鳳、悪いけど、あいつのフォローしてやってくれョな。
あいつは、ここに来てまだ日が浅いから
いろいろ不慣れな事も、多いだろーし。
安心して、頼れるヤツが、傍に居てやった方がいいだろーから。
傍に、付いててやってくれ。
鳳: ・・・はい、分かりました。
( 鳳が、宝生の所に行った )
阿散井副隊長・・・お気遣い、ありがとうございます。
恋次:
・・・、まだ、怒ってんのか?
俺が、悪かったョ・・・。
でも・・・完全に忘れてた訳じゃ、ねーんだョ。
あの時・・・あの瞬間だけな・・・・・・
お前の口から「デート」って言葉が出て・・・・・・
頭ん中、真っ白になっちまってさぁ・・・・・・。
本当に悪かったョ・・・。
機嫌・・・直してくれョ・・・・・・。
阿散井副隊長は、最初から忘れてました。
じゃなきゃ、5週間後の予定・・・聞く訳ないでしょ?
冗談で誘ったから・・・
どーでもよかったんですョ、私とのデートなんて・・・。
恋次: それは、違うョ。
冗談でも・・・どーでもよくも・・・ねーョ。
俺は、
とデートしたくて・・・お前と会いたくて・・・
いつも、頭も・・・心も・・・いっぱいなんだョ・・・。
あの時は・・・本当に混乱してて・・・・・・
あ、出発みたいですョ。
では、私は・・・うちの子達と行きますから。
恋次:
・・・。
( 恋次が、
の手を掴んだ )
恋次: 一緒に・・・行こう?・・・・・・なっ?
疲れたら、おんぶでも、抱っこでもしてやるし・・・
何でも、お前の言う事・・・聞くョ。
だから、一緒に行ってくれョ・・・お願いだからさぁ・・・。
え・・・・・・。
恋次: いいョな。
一緒に・・・行こう!
え・・・・・、まぁ、いいけど・・・。
じゃあ・・・手、離してョ。
恋次: 手ぐらい、つないでても・・・いいじゃねーかョ。
俺達、最後尾だし。
誰も、気にしちゃいねーって。
それでも嫌。
別に、仲いい訳でもないのに、変だョ。
恋次:
・・・、俺達・・・仲いいだろ?
少なくても俺は・・・
の事が、大好きだし・・・。
私は、何とも思ってないョ、阿散井副隊長の事なんて。
うちの隊に、親切にして下さる
六番隊の、優しい副隊長様って思ってるからね。
早く離してョ、誰にも見られないうちにさー。
恋次: お前さぁ〜・・・。
そんなに俺の事苛めて・・・楽しいか?
こんなに、謝ってんじゃねーかョ。
これ以上、どー謝れってんだョ。
言ってみろョ。
その通りにしてやるから。
私の事からかって、笑ってるのは、阿散井副隊長の方でしょ?
別に、謝って頂かなくても、結構ですから。
私がバカだったんだョ・・・・・・。
阿散井副隊長が言ってる事、全部鵜呑みにしちゃって・・・。
「デートしよう」なんて・・・
からかわれてるのに・・・信じちゃって・・・。
仲だって・・・いいのかなぁ〜って思ってたけど・・・
全然違うじゃない・・・。
阿散井副隊長にとって、私なんて・・・どーでもいい存在なんだョ。
あの後、日が経つほど・・・
考えれば、考えるほど・・・心が痛んだョ・・・。
阿散井副隊長の事・・・・・・
ずっと信じて・・・ついて来たつもりだったのに・・・。
恋次:
・・・。
そーだョ。
俺が悪いんだョ。
そー認めてるだろ?
お前とのデート忘れるなんて・・・
本当は、有り得ねー事なんだョ。
でも、あの時はさぁ・・・・・・
急に、温泉中止になって・・・
何とか、次の約束取り付けようと思って・・・。
もう、その事で・・・
俺の思考回路が、全て埋まっちゃったんだョ・・・。
俺が、忘れてたのは・・・事実だけど・・・
それと、俺の気持ちとは、全然別なんだョ。
悪かったョ。
本当に悪かった、ごめん。
の事傷つけちゃって・・・最低だョな、俺。
もう、これ以上・・・謝り方が分かんねーョ、どーしたらいい?
腹でも切るか?
どーしたら、お前の気持ちは、治まるんだョ・・・。
どーしたら・・・
前の様に・・・俺の事、信じてくれるんだョ・・・・・・。
もぅーー、恋次はすぐに乱暴な事・・・言うんだから・・・。
私の目の前でお腹切ったって・・・無駄だからね。
私が・・・何が何でも、助けるから・・・・・・。
恋次:
・・・、今・・・「恋次」って・・・・・・。
それって・・・許してくれたって・・・事か?
えっ?
あ・・・、間違えた。
阿散井副隊長・・・
私は、自分で自分の事傷つける様な人、大嫌いだからね。
恋次:
・・・、無理すんなョ、恋次でいいョ。
で・・・、許してくれんのか?
え・・・
別に私・・・最初から、怒ってなんていないョ。
だから、許すも何もないでしょ?
恋次: いや・・・、怒ってたョ・・・。
すげー怖い顔してたしな。
目なんか、つり上がってたもんな。
え・・・、そんな顔・・・してないョ・・・。
だって・・・怒ってなんて、いなかったもん・・・。
恋次: そーか?
怖かったぞ、お前。
俺なんかより、ずっと怖ぇーんじゃねーのか?
の方が。
え・・・・・・。
恋次: 嘘だョ。
でも・・・
お前の可愛い顔曇らせたの・・・俺だもんな・・・・・・。
本当に悪かったョ・・・、ごめんな。
( 恋次が、
の手を「ギュッ」と握りしめた )
あ・・・恋次、手離してョ・・・。
恋次: 嫌だね、絶対離さねーョ。
嘘つき。
さっき、何でも言う事聞くって、言ったくせに・・・。
恋次: えっ?
あー、そんな事、まだ憶えてんのか・・・。
嘘じゃねーョ。
何かして欲しいんだったら、何でもしてやるョ。
「何かする方」はな。
恋次・・・・・。
他に、手なんてつないでる人・・・いないョ?
恋次: だから何だョ、いいじゃねーかョ。
俺だって、こんなガラじゃねーの、分かってるけどさー。
でも・・・他のヤツに、どー思われよーが、関係ねーョ。
今は、
と・・・手つなぎてーんだョ。
ここ何日か・・・・・
ずっと・・・遠い存在だったからなー・・・、お前。
・
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・
・
・
( 温泉宿到着 )
恋次:
・・・、お前・・・一人だろ?部屋。
えっ?
そーだけど・・・。
恋次: その部屋・・・俺がとっといたんだョ・・・。
皆と一緒の部屋だと、会いにくいだろうと思ってさ。
え・・・、そーなんだ・・・。
こーいう場合って・・・やっぱり「ありがとう」なのかなぁ〜・・・。
恋次: そんな事、どーでもいいョ。
それより・・・
荷物置いたら、すぐ俺んとこ来いョな。
えっ? 何で?
恋次: 何でって・・・・・
それは・・・
と一緒に居てーからだろー・・・。
その為に、来たんだからさー。
宝生: あっ、阿散井副隊長ーー。
あのー・・・、お部屋どちらですか?
私、荷物置いたら、すぐ行きますから。
恋次: えーー、何で?
宝生: 何でって・・・・・
それは・・・阿散井副隊長と、一緒に居たいからですョ。
恋次: 何か・・・どっかで聞いたようなセリフだなぁー・・・。
宝生: 阿散井副隊長・・・凄くお疲れなんですョね〜・・・。
だから、私がマッサージしてあげますョ。
マッサージは、
副隊長よりも私の方が、ずっと上手ですからね。
時間かけて、心を込めて、してあげますからね。
恋次: え・・・・・・
あのさぁー・・・俺は、遠慮しとくョ。
あ、俺じゃなくて・・・鳳のが疲れてるみてーだから
鳳にさぁー、愛情いっぱい込めて、マッサージしてやれョ。
鳳はこの二日間、お前の為だけに来てんだからさー。
鳳: え・・・・・・、俺もマッサージは・・・・・・
恋次: して欲しいョな!!
鳳: え・・・・・・、はい・・・・・・。
恋次: ホラ、鳳疲れてんだョ。
時間かけて、してやれョな。
そーだなぁ〜・・・、皆の居る所じゃ、やりにくいだろうから・・・
じゃあ・・・俺の部屋使っていいョ。
コレ、鍵な。
( 鳳に鍵を渡した )
鳳: あのー・・・阿散井副隊長〜・・・。
一緒に居て下さいョ・・・。
恋次: え・・・
いや、邪魔しちゃ悪いからさ。
俺の事は、気にすんな。
適当に、どっか行ってるからさー。
もし良かったら、その部屋・・・お前ら二人で、泊まっちゃってもいいぞ。
あ〜、それがいいョな。
そーしろョ。
俺は、どーにでもなるからさ。
鳳: 阿散井副隊長・・・変な事、言わないで下さいョ・・・。
いくら、阿散井副隊長の命令でも・・・それは、出来ませんから。
宝生: 鳳君、疲れてるの?
じゃあ、少しだけ・・・マッサージしてあげるからね。
荷物置いてから、すぐに行くから・・・待っててね。
鳳: え・・・・・・。
恋次: 何だョ、いい感じじゃねーかョ。
鳳・・・フリーなんだろ?
この際だから、あいつと付き合っちゃえョ。
お似合いだと思うけどな〜〜俺は。
鳳: 阿散井副隊長・・・・・・。
あの子・・・俺に押し付けて、酷いですョ。
恋次: 何とでも、言ってくれ。
あいつの事は、お前に任せたからさ。
じゃあ、よろしく頼むな。
恋次・・・・・・。
鍵渡しちゃって・・・恋次は、どーするの?
恋次: 決まってんだろ。
の部屋に、泊まるョ。
えっ・・・、それは、まずいョ・・・。
恋次: 大丈夫だョ、分かりゃしねーって。
最初の計画では、俺の部屋に、一緒に泊まろうって思ってたのが
の所に、なっただけだからな。
早く部屋、行こーぜ。
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・
〔
の部屋 〕
恋次・・・・・・。
やっぱり、一緒の部屋に泊まるっていうのは・・・良くないョ。
大丈夫だって。
今日は、新年会だろ。
皆、宴会で、浴びるほど酒飲むだろうし
他人の事なんて、気にしちゃいねーって。
俺らは、早々に切り上げて、一緒に温泉入りに行こーな。
あ・・・、お前・・・水着持ってきたか・・・?
え・・・、一応・・・練習用のは、持ってきたけど・・・。
まぁ・・・今回は、それでしょーがねーな。
恋次は?
水着・・・持ってきたの?
持ってきたョ。
が、「着なくていい」って言うんなら、着ねーけどな。
こんなの、一々はくの・・・めんどくせーからさ。
ダメだョ、ちゃんと着てね。
おっ!
温泉一緒に入る気には、なってんだ。
え・・・・・・。
宴会まで、まだ時間あるしなー・・・、散歩でも行くか?
え・・・、寒いからいいョ・・・。
もう、十分歩いてきたし。
何だョ。
そんなんなら、結局・・・部屋から出ねーって事だろーー。
だったら、一番最初の計画で・・・
「二人で温泉に来る」って事で、良かったんじゃねーかョ。
あれが中止になったお陰で
俺は・・・・・・
に、謝り続ける事になったんだぞ!
え・・・、でも、二人で来てたら・・・・・・
やっぱり気持ちが、落ち着かなかったと思う・・・・・・。
バレたらどーしよう〜〜とか、思っちゃってさ・・・。
ま、そーだョな。
今の方が、気が楽だョな。
うん。
あっ、そーだ。
5週間後だけどさぁー・・・、どっか行こーぜ?
よく考えたら・・・
明日帰ったら、5週間後までは、ゆっくり会えねーって事だろ?
まぁ・・・そーだけど・・・。
じゃあ、5週間後は、決まりでいいョな。
え・・・・・・。
私・・・恋次とは、出かけないって・・・決めたんだもん・・・。
えーーーーー、まだ、そんな事言ってんのかョ・・・・・。
もう・・・散々、謝っただろ〜???
まだ、不満なのか?
そーじゃなくて・・・
これは・・・私が決めた事だもん。
自分で決めた事位・・・ちゃんと守らないとさー・・・。
それは、決めた基準が、間違ってるからな!
守るんなら、こっちを守れ!
「俺以外の男とは、絶対、誰とも出かけない」
それとも・・・・・・
俺と出かけんのって・・・死ぬほど嫌か・・・?
えっ? 嫌じゃないョ。
なら、決まりな。
俺とだけは、デートするんだぞ。
他のヤツは、一切ダメだからな。
え・・・、それって・・・どーいう基準なの?
それは・・・・・・
それは、「
の事が好き」な基準だョ。
俺は、世界一「
の事が好き」だからさー・・・
だから・・・
俺とだけ、デートしてもいいんだョ。
俺は、誰にも負けねーぜ、「
の事が好きだ」って事はな。
俺は、世界一
が好きで・・・
世界一・・・・・・
から愛されてぇーって、思ってる男だからさ。
fin 2006,1,20 up
あとがき
結構すんなり「仲直り」しちゃいましたね〜(笑)
まぁ、ヒロインちゃんは・・・恋次にデート忘れられて
ちょっぴり、がっがりしてただけですからね〜。
長文、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
お時間ありましたら、また、遊びに来て下さいませ。