ホワイトデー(前編)



               〔 3月14日 恋次の副官室 〕


               ( コンコン )


                 ですけど。


                おぅ・・・・・お前かぁ・・・・・入れョ・・・・・。


               (  が、中に入った )


                恋次・・・? どーかしたの?


                えっ・・・? 別に・・・。


                ならいいけど・・・何か、いつもと違う気がするけど・・・。


                そんな事ねーョ。
                まぁーなー・・・・・
                後で、お前の所・・・行こうと思ってたからさ。

                お前の方から、来たんで・・・ちょっとな・・・。



                ん?
                来ちゃ悪かった?
                忙しいの? なら・・・帰るけど・・・。



                そーじゃなくてさー・・・。
                まだ、心の準備が出来てねーっていうか・・・・・・
                何て言って・・・渡そうか・・・・・
                ハァ・・・・・。



                えっ?



                何でもねーョ。

                お前は、何の用だョ。
                何か・・・いっぱい持ってるけど・・・・・。



                うん・・・。
                これさぁ〜・・・、恋次にあげるョ。


                えっ?


                お菓子。
                何だか知らないけど、いっぱい貰っちゃって・・・。
                食べきれないからさぁ・・・、良かったら、食べてね。



                貰ったって・・・、ちょっと見せてみろ。



                うん。

                はい。


               (  が、大きな袋を、恋次に渡した )



                お前・・・これ・・・、ホワイトデーのプレゼントじゃねーかョ。

                どれも、これも、ハートだらけで・・・・・。

                えっ!?

                ・・・・・「I Love You」・・・何だョコレ!

                ・・・・・「あなたの事が、大好きです」・・・ふざけるな!!

                ・・・・・「俺と、付き合って下さい」・・・バカ言ってんじゃねーぞ!!!

                ・・・・・「俺の  へ」・・・誰だ!こんな事書いてるヤツは!!!!


                ったく!!
                どいつも、こいつも!




                ホワイトデーは、関係ないと思ったけど・・・
                そんな事、書いてあったんだ。

                皆、ふざけてるんだね〜。
                でも、痛い出費だョね〜・・・どれも、高そうなお菓子だしね〜。



                ふざけてるってなー・・・
                今日は、ホワイトデーだぞ。

                皆、真面目に、本気だろー。



                え・・・、だって・・・・・
                私、バレンタインに・・・誰にもチョコレートあげなかったョ・・・。
                だから、お返しなんてくれる人・・・いないはずだもん。

                あっ・・・
                きっと皆・・・
                誰から、義理チョコ貰ったか、分かんなくなっちゃったんだね・・・。

                それで私にまで、間違ってお返ししてくれちゃったんだョ。




                そんな訳ねーだろー!

                皆・・・お前の事「好きだ」って、書いてあんじゃねーかョ。

                まぁ・・・普通は、チョコのお返しの日なんだろーけど・・・
                男からの「告白の日」であっても、おかしくねーからな・・・。




                告白??
                私に・・・?

                「ない、ない」、そんなの絶対「ない」ョ。




                何が「ない」だョ。
                こんなに貰っといて・・・。

                貰ったのって・・・これで全部か?



                えっ?
                あっ、そーだ。 あのさぁ〜・・・・・・




           修兵: 恋次、入るぞ。


               ( 修兵が、中に入った )


           修兵: あーー・・・、やっぱり居た・・・。



                あっ・・・、修兵。
                誰か、探してるの?


           修兵: あのなー、「居た」って言ったら「 」の事だろー?
               
               今、お前の所に、行ってきたんだョ。
               そーしたら・・・
               何処かへ、出かけた・・・って言われたから・・・
               もしかしたら、「ここ」かなぁ〜って思ってさ。



                え・・・、そーなんだ・・・。
                ごめんね。



           修兵: いや、謝る事じゃねーけど・・・
               何してんだョ?


           恋次:  こいつが貰った、ホワイトデーのプレゼント・・・


               ( 恋次が、修兵に袋を見せた )


           修兵: えっ!?
               そんなに・・・・・?



                ホワイトデーかどうかは、分かんないけど
                いっぱい貰ったから、恋次にあげようと思って。


           恋次:  分かんなくねーだろー・・・。

                「付き合ってくれ」とか・・・
                「俺の  」・・・なんて、書いてるヤツまでいて・・・。



           修兵: 俺の ・・・って・・・
               そんな事、書いてるヤツいるのか!?
               何処のヤツだ!?
               呼び捨てするなんて、100年早ぇーョ!!



           恋次:  100年? そんなに甘くねーョ。
                永遠に、呼ばせねーョ、「 」なんてな。
                大体・・・俺だって・・・「俺の」なんて言えねーのに・・・
                後で調べて、厳重注意だ!



           修兵: 恋次が「注意」で、終わらせられるのか?


           恋次:  え?


               ( 恋次と の、目が合った )


           恋次:   の手前・・・そー言ってるだけだョ。
                注意って言ったって・・・
                体に覚えてもらう注意ってのも、あるんだョ!



                恋次・・・
                皆・・・冗談だと思うからさぁ・・・注意なんて、しなくていいョ。



           恋次:  冗談なんかじゃねぇって。

                まぁ、仮に冗談だとしても
                お前を、呼び捨てにしてるってのは、許せねーからな。

                自分の身の程ってやつを、しっかり分からせとかねーとな。




                あっ・・・
                私が、恋次にお菓子あげちゃったって、言わないでョ・・・?

                こんなに、食べきれないから、あげたんだけどさぁ・・・
                でも・・・
                くれた人は、いい気分じゃないと思うから・・・。



           恋次:  その辺は、 の悪い様にはしねーから、心配すんな。



                うん・・・。

                あ・・・、そーいえば修兵・・・私に何か用?



           修兵: え・・・

               あぁ・・・まぁ・・・用って言えば、用だけど・・・。



           恋次:  「コレ」くれたやつらと、同じ用件だろ。



                えっ?
                同じ用件って・・・何?



           恋次:  だから、さっきから言ってんだろー。
                今日は、ホワイトデーなんだョ。



                うん、そーだけど・・・・・・それが、どうかしたの?



           修兵:  に、プレゼント渡しに行ったんだョ。



                えっ? 誰が?



           修兵: 誰がって・・・
               俺に、決まってんだろ!!



                えっ? 何で・・・?



           修兵: だから・・・・・・

               ホワイトデーだからな・・・、プレゼントしようと思ってさー。



                え・・・?
                だって・・・私、修兵にチョコあげてないョ・・・?



           修兵: そーだけどさー・・・・・。

               あーー・・・・・、何か今の一言・・・胸に突き刺さったなぁ・・・。

               俺の事なんて、好きじゃねーって・・・言われたみたいだョ・・・。




           恋次:  好きじゃねーんだろ? なぁ、



                え・・・・・・・



           修兵: もう・・・いいョ・・・。
               それ以上、何も言うな。

               とにかく俺は・・・
                にプレゼントしたいから、する。
               それだけだョ。
               受け取って・・・くれるョな?



                うん・・・いいけど・・・・・、何で?



           修兵: 何で?って聞かれたら・・・・・・・

               「 が好きだから」以上。



                え・・・・・・??



           修兵: 話は・・・後日、ゆっくりするョ。

               じゃぁ・・・コレ・・・な。
               気に入ってくれたら・・・嬉しいけど・・・。


               ( 修兵が、 にプレゼントを渡した )



                ・・・うん、ありがとう〜。
                開けてみてもいい?



           修兵: う〜〜〜ん・・・・・、帰ってからに、してくれョ・・・。
                だけに・・・一番最初に見て欲しいんだ。
               ここじゃあ・・・恋次もいるし・・・。



                うん。



           修兵: 恋次も渡せョ。
               お前、まだ渡してないんだろ?



           恋次:  え・・・、俺は・・・後でいいョ・・・。


           修兵: 二人っきりには、させねーからな。


           恋次:  分かってるョ。

                それより・・・
                ・・・、さっき何か言いかけたョなー。
                修兵来た時にさー。



                えっ?
                そーだったっけ・・・?



           恋次:  お前が貰ったプレゼントって、これで全部か?



                ん?

                あっ、そーだ。

                あのさぁ〜・・・
                お菓子じゃない物も、貰っちゃったんだけどさぁ・・・
                どーしたら、いいのかなぁ〜?

                ちょっと、高そうだし・・・返した方のが、いいのかなぁ〜って思って。



           修兵: まぁ・・・バレンタインの、逆バージョンってところだからなー。
               貰ってやっても、いいんじゃねーか?

                だって・・・
               バレンタインにプレゼントしたのに、それを返されたら、嫌だろ?

               だからといって
               バレンタインにプレゼント貰ってくれたからって
               「自分の事好きだから、貰ってくれた」とも、思わないだろ?



                まぁ・・・そーだけどさぁ〜・・・。



           恋次:  どんな物貰ったんだョ?



                う〜んとね〜・・・・・アクセサリー。
                凄く綺麗だけど・・・高そうだなぁ〜って思って・・・。



           修兵: アクセサリーかぁ・・・。
               「力」入ってんなー。



           恋次:  返すのも、めんどくせーし・・・
                貰っちゃうのは、構わねーと思うけど・・・
                そんなの・・・身に着けんじゃねーぞ。

                ネックレスか、何かだろ?
                ハート型とか・・・2つ併せると、1つの形になるやつとか・・・。



                えっ?
                恋次・・・何で分かるの?



           修兵: 恋次も、散々物色したんだろー?
                に・・・「何やろーかなぁ〜」ってさ。



           恋次:  うるせー!

                とにかく、そんなのは、絶対身に着けるな!!

                あー・・・、
                やっぱり、 が持ってるってだけでも、いい気しねーなぁー。

                 、俺が返してきてやるョ。
                親睦会のヤツか?




                えっと・・・
                全部返した方が、いいかなぁ〜?
                ハートとかじゃないのも、あったけど。



           修兵: 幾つ貰ったんだョ・・・アクセサリー。



                え・・・、う〜〜〜〜ん・・・・・・。

                ネックレスはね〜・・・
                ハートとか、併せるタイプのは・・・7、8個だったかなぁ〜。
                その他のはね〜・・・、3個あったョ。



           恋次:  ・・・・・そんなに・・・貰ったのか・・・。

                お前・・・
                俺らの、知らねーところで・・・
                愛想、振りまいてんじゃねーだろーなーーー?



                えっ?



           修兵: 愛想なんて、振りまかなくても
               このまま居れば、それだけで十分可愛いョ。

               副隊長だけど・・・適度に頼りねーし・・・

               俺達以外には、あんまり強く出れねーみてーだから
               何か言われる度に、アタフタしてんだろーし・・・。

               ちょっと手・・・差し伸べてやりたくなるような・・・
               見てて・・・ほっとけねー可愛さ・・・持ってるからなー。



           恋次:  まぁ・・・俺も・・・・・
                一目惚れみてーなもんだしなー・・・・・。

                可愛げ全くなくて・・・
                全然可愛くねーはずなのに・・・
                どーいう訳か・・・
                惹かれるものが、あったんだョなー・・・。


               ( 恋次と の、目が合った )



                何・・・?



           恋次:  未だに、分かんねーんだョ。
                 の・・・どこが、いいのかなぁ〜ってさ・・・。

                全然、分かんねーョ。

                分かんねーのに・・・・・

                 は・・・俺の一部・・・いや・・・・・
                全てになっちゃってんだョなー・・・。



                えっ?



           修兵: とにかく、その10個か11個で、全部なんだろ?
               俺と恋次で、返してくるか?


           恋次:  そーするか。



                全部返した方がいい?


           修兵: 返すんなら、全部の方がいいョ。
               何人かのだけ、持ってたら
               そいつは、「自分には気がある」って思うかもしんねーし。



                うん・・・。
                じゃあ、指輪も返した方がいいね。


           恋次:  指輪!!!???


           修兵:  ・・・、指輪なんて貰ったのか?



                うん・・・。
                教官がね・・・送ってきたの・・・。



           恋次:  あいつかー。

                菓子程度なら、しょーがねーとも思うけど・・・

                指輪となると・・・・・
                絶対、受け取らせる訳にはいかねーなー。

                 、今から俺が、返してきてやるョ。



           修兵: いや、俺が返してくるョ。
               俺・・・まだ、そいつに会った事ねーし・・・
               どんなヤツか、見てみたいからな。



                えっ?
                わざわざ行かなくても、送り返せばいいんじゃないの?



           修兵: 会ってみたいんだョ、教官に。

               ちょっと、「あいさつ」しとかねーとなー。

                には、俺がついてるから、「どうぞ、ご心配なく」ってな。



                でも・・・
                今から行って・・・すぐ戻ってくるんでしょ?
                遠いいし・・・大変だョ・・・。



           修兵: 大変じゃねーョ。

                には、「俺がいる」って・・・宣言してきてーんだョ。
               教官・・・結構、しつこそーだろ?
               宣戦布告してくるョ。



                宣戦?



           修兵: そう、宣戦。

               でも、戦おーって訳じゃないから
                は、何も心配する事、ないからさ。

               あ・・・、指輪・・・ の部屋にあるんだろ?
               勝手に、部屋に入って持って行くけど・・・いいョな?



                うん。
                机の上に、置いてあるから。



           修兵: 了解。

               じゃあ、行ってくるョ。

               あぁ・・・ホワイトデー・・・・・・
               出来れば後日・・・やり直してーな〜。
                に、言いたい言葉・・・あるからさ・・・。

               今日のところは、恋次に譲るョ。
               恋次より、教官の方が・・・危険みたいだからな。



           恋次:  譲るって、何だョ。

                大体・・・
                ここは、俺の副官室で、 は、俺に会いに来たんだからな。

                俺の方こそ、今日はお前に譲ってやるョ。
                教官と、しっかり話してこいョ。
                ヤツが、下手な真似しねーように、そこら中、釘刺してこいョな。



           修兵: 分かってるョ。

                ・・・、じゃあな。

               あ・・・、必要以上に、恋次に近寄るなョ。

               恋次は、安全だとは思うけど・・・
               今日は、ホワイトデーだし・・・男は、男だし・・・・・。

               いつ何時・・・理性が崩れねーとも、限らねーからな。



           恋次:  お前は、一言余計なんだョ。
                さっさと、行ってこいョ。



           修兵: じゃあ恋次・・・精精、頑張れョな。
               お前の気持ちが、すこ〜〜〜しだけでも、 に通じるといいけどな〜。

               多分・・・絶対・・・100%、無理だろうなぁ〜。
               そろそろ、諦めたらどーだ?
                の事は、俺に任せてさ。



           恋次:  うるせーなー!!
                とっとと出てけ!!


           修兵: はいはいっと。


               ( 修兵が、出て行った )


           恋次:   ・・・
                修兵と二人でなんて・・・会うなョな。

                後日のホワイトデーなんて・・・なしだからな! 

                                                        To be continued                       2006,3,10 up

 

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