お花見(後編)
〔 お花見場所で、二人寄り添って横になっている 〕
・
・
少し・時が経ち
・
・
(
が目を覚ますと、目の前には・・・ )
ん・・・?
キャッ!!!
目、覚めたか。
少しは、良くなったか?
そ・そんな事より・・・
れ・恋次・・・、か・顔が・・・近すぎるョ・・・・・・。
あぁ、そーだな。
今にも、くっ付きそーだな。
「そーだな」じゃなくて・・・もっと離れてョ。
ん?
だって、
がくっ付いてきたんじゃねーかョ。
えっ??
嘘だね、そんなの。
嘘じゃねーョ。
が、抱きついてきたんだぜ。
その証拠に・・・
の方が、俺にしがみついてんだろ?
手、見てみろョ。
えっ・・・?
あっ・・・・・・・・・・。
お前・・・
殺されるだ何だって、言ってたから
そんな様な「夢」でも見たんだろ〜?
可愛い、しがみつき方じゃなかったからなー。
見ろョ、ココ。
お前に引っ掻かれたんだぞ。
首筋に「引っ掻き傷」なんて、格好悪ぃョなー。
「見ろョ」って・・・恋次の顔しか、見えないョ・・・。
私も、手離したんだから・・・恋次も離してョ。
傷・・・酷い?
治してあげるから・・・。
ヤダね。
折角、
がくっ付いてきたんだからな。
この距離までは、OKって事だョな。
え・・・・・・。
「接触」まで、「もうちょい」ってとこだったョなー。
本当、惜しかったョ。
が、もうちょっと勢いよく、抱きついてくりゃな〜。
「接触」って・・・?
の唇と、俺の唇。
今は、
が一生懸命離れようとしてるから
ちょっと距離、出来てきたけど・・・。
さっきは、本当に「あと一歩」・・・。
間に、指一本入るか、入らねーか位の距離だったぜ。
何であそこで・・・寸止めするかなー・・・・・。
俺・・・かなり辛かったぜ・・・。
ちょっと動けば、触れそーな距離で・・・ずっと我慢させられて・・・。
我慢なんて、する事ないでしょ?
突き放すなり、引っ叩いて起こすなり、すれば良かったじゃない。
私なんかに、抱きつかれて・・・
ずっと嫌な思いさせちゃって・・・ごめんね。
「接触事故」が起こらなくて、良かったね。
我慢しなくていいなら・・・
今からでも、事故らせてもらうぞ。 いいのか?
えっ・・・? 事故って・・・・・・・
あっ・・・、恋次も私の事・・・引っ掻くの?
仕返しが、したいなら・・・いいョ・・・。
恋次に引っ掻かれたら・・・痛いだろうなぁ〜・・・・・・。
・・・・・何言ってんだョ。
俺が、
を傷付けて・・・どーすんだョ・・・。
まぁ・・・俺から
に、何かする事はねーョ。
「唇の接触事故」も・・・俺が加害者になる事は、ねぇな。
が、OK出してくれりゃー別だけどな。
俺は・・・ひたすら「待つ」のみだョ。
あっ、でも・・・今回一つだけ、いい事見つけたなぁー。
が寝る前に、怖い話とかすりゃーいいんだョな。
そーすれば・・・
が、抱きついてくるだろ?
自然と事故も、発生するって訳だ。
えっ? 何言ってんの・・・?
私はそんなに、いつも・いつも、引っ掻いたりしないョ。
あっ、そーだ。
傷、見せて。 すぐに治すから。
いいョ、治さなくて。
やっと、回復してきたんだろ?
力なんて、使う必要ねーョ。
それにこの傷・・・
が抱きついてきた時の、傷だからなー。
ずっと消えないで、残っててくれても、いいくらいだョ。
引っ掻き傷くらいなら、力なんて殆ど使わないから、治してあげるョ。
あ・・・・・・・・
「あげるョ」・・・じゃなくて・・・治させて下さい・・・。
ごめんね・・・、引っ掻いちゃって・・・・・・。
いいョ、このままで。
さてと、
も元気になった事だし。
少し、飲まねーか?
腹も減ってきたョな。
何か、食おーぜ。
うん・・・。
あっ、ちょっと待って。
ん?
恋次の顔に、桜の花びらが、何枚かくっ付いてるョ。
取ってあげるね。
あぁ。
(
が、恋次の頬に手を添えた )
でも・・・
には、花びらなんてくっ付いてねーョなー・・・。
俺だけか?
そーだョ。
恋次は、花びらにもモテるんだね。
え・・・・・・
あーーーーーーーー、もしかしてお前・・・・・・・・・
( 恋次が、
の手を掴んだ )
この手・・・・・・
ヘヘヘ〜、治療完了〜。
もう、大丈夫だョ。
お前・・・、余計な事するなョ・・・・・。
俺はこの傷・・・気に入ってたんだョ。
もう一度引っ掻け!
ちょっと強めに、跡が残るように、しっかり引っ掻けョな。
えっ・・・? 何言ってんの・・・?
もう、二度と引っ掻いたりしないから・・・多分だけど・・・・・
許してね・・・。
早く何か食べようョ。
洒落たお酒・・・だっけ?
少し・・・飲んでみたいなぁ〜。
恋次〜〜。
(
が恋次に、ぴったり寄り添った )
えっ!?
な・な・何だョ・・・・・・?
夢でね、恋次が私を、助けてくれたの。
現実も・・・恋次がいるから、大丈夫だョね?
えっ?
あー、
には俺がついてるから、絶対大丈夫だョ。
誰にも、指一本触れさせねぇ!
それは、本当だけどさー・・・
でも、
は・・・命なんて狙われてねーからな。
その点についての心配は、全くいらねーぞ。
うん。
恋次と居れば、大丈夫。
あぁ。
そーだな。
ずっと・・・一緒に居ョーな。
約束だぞ。
うん。
よし。
何か俺達・・・いい感じじゃねーか?
このまま一歩・・・踏み出してみねーか?
俺と
の・・・全ての距離をなくして・・・
二人が一つになって・・・
の全てが、俺のものに・・・・・
恋次〜、お腹すいたョーー。
えっ・・・!!!???
そーいえば・・・
忙しくて、昨日から何も食べてなかったんだ・・・。
恋次〜、おにぎりあるかなぁー?
中味は、何でもいいからさー。
は・・・・・・食い気が先かぁ・・・・・・。
ん?
何も入ってないのでも、いいョ。
あっ、その前に・・・ちょっとお水頂戴。
喉、渇いちゃった。
は・・・ムードもへったくれも、ねぇなー・・・。
腹・・・減ったのか?
うん。
じゃあ、食うか。
( 二人が起き上がった )
ほら、水。
ありがとう〜。
あ〜ぁ・・・。
何か・・・いつも・・・あと一歩って感じなんだョなー・・・。
その「あと一歩」が・・・とてつもなく、長いんだ・・・。
恋次? コレ食べていい?
あぁ。
何でも、好きな物食えョ。
うん。
( パクッ )
美味しいョ〜。
恋次も食べれば?
言われなくても、食うョ。
あー、ホラッ、酒もあるぞ。
どんなに酔っ払っても、ちゃんと部屋まで送り届けてやるから
飲みたいだけ、飲めョ。
恋次の背中は、魔法の背中だね〜。
こんなにいっぱい「食べ物」や「飲み物」が出てきてさー。
魔法でも何でもねーだろー。
重い思いをして、俺が背負ってきただけじゃねーかョ。
まぁ、
と俺の食い分だからな、苦痛なんかじゃねーし・・・
お前の好きそうな物選ぶのも、楽しかったョ。
恋次・・・、ちょっと洒落たお酒って・・・どれ?
ん?
あー、コレ。
この時期だけの、数も少ねぇ限定品。
「桜のお酒」ってやつだ。
飲んでみるか?
うん、少しだけね。
いっぱい飲めョ。
この酒、特に女には人気あるみてーだし
中々、手に入んねーんだぜ。
俺は、こっちのでいいから、お前に全部やるョ。
酔っ払ったっていいじゃねーか。
後は全部、俺が面倒見るョ。
ありがとう・・・。
でも私・・・お酒は、飲まないようにしてるの・・・。
だから・・・少しだけ・・・。
えっ?
そーいえば・・・
お前・・・宴会でも、殆ど酒飲まねーョなぁ・・・?
飲めねー訳じゃねーんだろ?
もしかして・・・酒乱なのか?
分かんない・・・。
お酒って・・・一度にそんなに飲んだ事ないから。
え・・・、じゃあ何で・・・?
私の「治癒能力」ってね・・・アルコールに弱いの。
お酒飲んじゃうと・・・力が集中出来なくなってきてね・・・
治療が、出来なくなっちゃうんだ・・・。
まぁ・・・軽い傷くらいなら、治せるけど・・・
それじゃぁ・・・しょーがないでしょ?
そして・・・量を飲めば飲む程、力へのダメージが大きくなって
中々元に戻らなくなっちゃうの・・・。
そーなのか・・・。
でも・・・
酒飲もうなんて時は、宴会だったり、今日みたいに休みの日だったり
仕事中じゃねーだろー?
朝まで飲み明かそーってんじゃねーなら、問題ねーんじゃねーのか?
私が、ココに居られるのは、「治癒能力」があるから・・・。
ただ・・・それだけ・・・。
たとえ一時でも「治癒能力」が使えなければ・・・
私がココに居る「存在価値」は・・・ないんだョ・・・。
居ても、何の役にも立たない・・・無意味な存在だね・・・。
そんな事言うなョ!
ここに居る誰しも、自分の力が使えなきゃ困るョ。
それは、
に限った事じゃねーョ。
「価値がねぇ」とか「無意味」だとか・・・二度と言うな!!
そんな事言われたら・・・・・・
俺は、どーすりゃいいんだョ・・・・・・。
は・・・・・・
俺にとっては、「絶対的存在」なんだぞ。
世の中にある全ての存在の中で・・・
何よりも価値ある、大切な存在・・・・・・。
俺が唯一「己」よりも大切な・・・俺の全て・・・生きる力なんだョ。
恋次・・・・・・・・・。
酒は・・・飲まなきゃいいんだろ?
お前、自分で管理出来てるし。
うん。
じゃあ・・・この「桜の酒」も止めとくか・・・?
んーー・・・・・。
私・・・少し飲んでみたいな。
お酒の味なんて、よく分かんないけどさ・・・
桜の下で、「桜のお酒」・・・恋次と二人で飲んでみたいな。
そーか。
じゃあ・・・コレ。
( 恋次がお猪口を
に渡し、お酒を注いだ )
ありがとう〜。
あっ・・・・・・・!
( 桜の花びらが、お猪口の中に落ちてきた )
可愛いね〜。
あぁ。
やっぱりお前は、笑顔の方が可愛いョ。
お前の笑顔が曇らねーように、俺も頑張るからさー
お前はそーやって、いつも輝いててくれョな。
恋次も一緒に飲もーョ。
恋次には・・・お猪口なんかじゃなくて、もっと大きいのないかなぁ〜?
あっ、そこに・・・お椀みたいなのがある。
え・・・、これか?
うん、それそれ。
これじゃ・・・風情も何もねーじゃねーか・・・・・。
一応・・・綺麗な猪口、借りてきたんだぞ。
うん。
このお猪口・・・綺麗だョね〜。
道理でね〜、恋次のじゃないと、思ったョ。
何だと!
ホラ、ちゃんとお椀持って。
(
がお椀に、桜のお酒を注いだ )
あっ、ちょっと待ってね。
この辺には・・・あんまりないなぁ〜・・・。
(
が敷物から出て・・・戻ってきた )
はい。
(「ドサッ」)
(
が、恋次のお酒の入っているお椀に、桜の花びらをいっぱい入れた )
な・何だョ、コレ・・・・・・。
桜の花びらだョ。
それは、分かってるけどョー・・・。
こんなにいっぱい入れたら、酒飲めねーだろー。
しかも・・・お前、どっから拾ってきたんだョ・・・。
土やゴミも入ってるぞ。
そんなの、気にしない、気にしない。
気になるョ!!
こーいう時って・・・やっぱり「乾杯」?
恋次?
え・・・
んーーーーー、じゃあ・・・一応・・・「乾杯」〜・・・・・・。
あっ、美味しいョ、コレ。
そんなに強くないし・・・いい香だね〜。
お前なぁ・・・・・
これじゃ、高い酒が台無しじゃねーか・・・・・。
俺も、猪口に注ぎなおして、飲むかな。
あーーーーー、恋次・・・・・。
折角、私が注いだのに・・・・・・。
それ捨てたら、もう恋次とは、一生口利かない。
えーーーーー・・・・・・・・・・
だって・・・これじゃ飲めねーだろー・・・・・・。
酒味わうってよりも・・・
花びら食うって感じだもんなー・・・しかも・・・土、ゴミ入りのな。
恋次、早く飲みなョ。
私は、もうお酒はお仕舞いだから、後は全部恋次のだョ。
あっ、もっと花びら持ってこョーっと。
でも・・・あんまり桜の花びら、落ちてなかったなぁ・・・。
まだ、咲いたばかりだから、散ってないんだョね〜・・・。
古そうな花びらとか、他の花でもいいか。
よく分かんない葉っぱとかでも、いいョね?
ちょっと行ってくるね。
!!!!!
もう、いらねーョ!
ちょっと待て!
そんな物入れられたら、酒・・・飲めなくなっちまうだろーーー。
ーーーーー!!!!!!
(
が、見えなくなった・・・ )
もぅーーーーー、勘弁してくれョ・・・・・。
あっ、そーだ。
今のうちに、コレ・・・捨てとくか。
花びら残ってるとバレるから・・・埋めとくとするか。
何で俺・・・こんな事しなきゃなんねーんだョ・・・。
あ〜ぁ・・・、高い酒が・・・・・・。
あっ・・・、このお椀が、いけねーんだョな。
コレもついでに、埋めとくか。
恋次〜、いろいろ持ってきたョ。
あれ? お椀は?
食った。
えっ?????
お前が注いでくれた酒飲まねーと、口利かねーんだろ?
だから、お椀には酒がついてるから、食った。
え・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
もう酒はいいから・・・静かに花見・・・しようぜ。
ここに座れョ。
うん。
(
が恋次の隣に座り、恋次が
の肩に、手をまわした )
・・・・・
静かだなぁ・・・・・。
うん・・・・・。
・・・・・
綺麗だね〜・・・。
あぁ・・・・・。
・・・・・
今が、ずっと続けばいいのになぁ・・・・・。
そーだね・・・・・。
・・・・・
恋次がずっと・・・傍に居てくれるといいのになぁ〜・・・・・。
えっ!!!???
fin 2006,3,30 up
あとがき
満開の桜の下で、恋次と昼寝・・・してみたいですね〜(笑
恋次とヒロインちゃん・・・結構いいところまでは、いくんですけどね〜・・・
相変わらず、ヒロインちゃんは・・・「我が道を行く」でありまして〜。
惜しいようで・・・全然惜しくなかったりも、するのであります〜(意味不明・・・汗
長文、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
お時間ありましたら、また遊びに来て下さいませ。