花火大会

               〔 花火大会当日 十四番隊医療所 〕


                副隊長〜、本当に一人で大丈夫ですか?
               私、一緒に残りましょうか?

                ううん、大丈夫だから。
                私の事なんて気にしないで、皆で楽しんできてね。

               でも・・・顔色悪いし・・・相当お疲れみたいだし・・・。
               ここのところ激務でしたからね〜・・・。

                大丈夫、大丈夫!
                一人でゆっくり休んでるから。
                それより、隊長の事宜しく頼みますョ。
                隊長も一緒に出かけるなんて、そうそうないんだから。

               はい。
               では・・・行ってきます・・・。

                はい、いってらっしゃい。

                (フゥーー
                 今日は花火大会なんだけど・・・私にはもう動く力が残ってないョ・・・。
                 皆には悪いけど、一人でゆっくり休ませてもらうからね〜)
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               〔 花火大会 会場で 〕

               ( 恋次・吉良・修兵 の会話 )


           吉良: あれ?あそこの一団・・・十四番隊じゃね〜?

           修兵: おぉ、そーみてーだな。
               隊長も一緒じゃねーか。

           吉良: 副隊長・・・いねーみたいだなぁ〜・・・。
               なぁ恋次。

           恋次: ん?
               何で・・・俺にふるんだョ・・・。


               (吉良と修兵が目を合わせ・・・)

           吉良: ちょっとあいさつに行ってくるからさぁー。
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           修兵: 副隊長さん、具合悪くて寝てるらしーぜ。

           吉良: 全員花火大会来ちゃったから、一人っきりだってョー。

           恋次: だから何だョ。

           吉良: 行ってやれば?

           恋次: 何で俺が・・・。

           修兵: ほんじゃ、俺が行ってやっかなぁ〜。

           恋次: な・何でお前が行くんだョ・・・。

           修兵: 同じ副隊長同士、親睦を深めておくってーのもいいかと思ってさぁ〜。

           吉良: おぉ、それいーョな。
               じゃあ、修兵行ってやれョ。

           恋次: ちょ・ちょっと待てョ・・・。
                は具合悪くて寝てんだろー・・・。
               そんな所に・・・知らねー男がきたら・・・・・・

           修兵: お前が困るんだろ〜。

           吉良: 早く行ってやれって。

               ( 恋次、何も言わず走り去って行った )
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               〔 十四番隊 医療所 〕

               (ガラガラガラ・・・)

               何だョ、開けっ放しかョ・・・無用心だなぁー・・・。

               (中に入ると、医務室に明かりが点いている)

               (ガラガラ・・・ドアを開けると・・・)


                どうかされましたか?
                なるべく、詳しく症状を言って下さい。

               (振り向くと)

                れ・れんじ・・・。
                どーかしたの?
                具合でも悪いの? それとも怪我?

               それは、こっちのセリフだ。
               寝てんじゃねーのかョ。

                えっ?

               十四番隊のやつらが、お前は具合悪くて寝てるって言ってたんだョ。

                あっ、そーなんだ〜。
                具合悪い訳じゃないから、大丈夫だョ。

               何処が大丈夫なんだョ・・・死人みてーな顔しやがって・・・。
               誰か来たら起こしてやっから、寝てろョ。

                大丈夫だって、ちょっと疲れてるだけだから。
                それより・・・
                本当に恋次は何処も悪くないの?

               ねーョ。

                じゃあ、もうすぐ花火始まっちゃうから、早く行きなョ。

               えっ?

                好きな子、誘ってるんでしょ。
                待ってるョ、きっと。

               誘ってねーョ。

                えー? どーして?

               今の今まで、巡回やらなんやらで、予定がさっぱりたたなかったからな・・・。
               でも・・・
               誘っても、ダメだったみてーだし・・・。

                そーなの?

               あぁ・・・。

               お前は・・・どーなんだョ・・・。
               ヤツから誘われなかったのか・・・?

                ん・・・。
                昨日、誘いに来てくれたんだけど・・・
                昨日は今より調子悪かったから、断ったの・・・。

               そうか・・・・・・。
               残念だったな・・・・・・。

                恋次?
                やっぱり元気ないみたいだねー・・・。
                ちょっといい?

               (恋次の手をとった)


               な・なんだョ・・・。



                う〜ん・・・。
                右肩の傷がちょっと気になるけど・・・
                その他は特に悪いところないみたい・・・。

               そんな事、分かるのか?

                まぁね、これでも一応、医療班の副隊長だからね〜。

                あっ、その右肩・・・治してあげようか?


               何言ってんだョ。
               お前・・・フラフラじゃねーか。
               これ以上、力なんか使えねーだろー。

                ・・・でも・・・。

               無理すんな。
               こんな傷、何でもねーから。
               ・・・ありがとな。

                ・・・何にもしてないョ・・・。

               いや・・・今ので十分だョ・・・。

               お前・・・本当に寝てなくて大丈夫か?

                あ、うん。
                大丈夫だョ。


               ( いきなり恋次が を抱き上げた )


                な・何?
                恋次・・・ちょ・ちょっと・・・下ろしてョ・・・。


               ( そのまま外へ出た )


                恋次・・・何処行くの?
                ねぇ・・・歩けるから・・・下ろしてョー。

               あんまり暴れるな。
               落とすぞ!

                恋次・・・。
                          ・
                          ・
                          ・

               この辺なら良く見えるぜ。

                えっ?


               ( 花火が上がった )

                あっ・・・花火・・・。

               おぉ。
               会場まで行かなくても、十分見えるだろ。

                うん。
                あ・・・でも・・・れんじー・・・下ろしてョ・・・。

               じゃあ、あの辺に座るか?

                うん。

               気分悪くなったら、すぐ言えョな。

                うん、ありがと〜。
                          ・
                          ・
                          ・

                ごめんね・・・。

               ん?

                本当は恋次だって、好きな子と花火見たかったでしょ・・・。
                それなのに・・・
                私・・・恋次に甘えてばかりだね・・・。

               そーなのか?
               俺・・・ に甘えてもらってるって思った事、1度もねーけどなぁ〜。
               もし・・・ が甘えてくれてるんなら・・・
               俺、すごく嬉しいョ。

                えっ?

               俺で良けりゃ、もっと甘えろョ。
               我がままでも何でも聞いてやるぜ。

                ダメだョ恋次。
                そういう言葉は、好きな子に言ってあげないと・・・。

               そーだな・・・。
               今なら・・・何でも言えそーだけどョー・・・
               でも・・・俺が何言っても、笑われてお終いだろうなぁ・・・。

                恋次?

                はさぁ〜・・・俺の事、どー思ってんだョ・・・。

                えっ?
                恋次の事? どーって・・・。
                う〜ん・・・
                凄く強くて・・・皆から信頼されてて・・・頼りになって・・・・・・・

               ・・・もういいョ。
               ・・・花火見ようぜ・・・。

                あ、うん。
                綺麗だね〜。

               そーだなぁ〜。

                連れてきてくれた恋次に感謝だね〜。
                今度なんかお礼しなくちゃね〜。
                何か欲しい物ある?
                あっ・・・あんまり高くないのにしてね。

               いらねーョ。

                遠慮しなくていいョー、何かあるでしょ〜。


               じゃあ・・・
               もう少し・・・俺に優しくしてくれ・・・。

                えっ?
                優しくって・・・どーすればいいの?

               だから、いいョ・・・。
               変な事言ってごめんな・・・。

                あ・あのさぁ・・・。
                私、恋次の為なら何でもするョ。
                だから・・・もうちょっと分かりやすく言ってくれないかなぁ〜・・・。

               何でも・・・お前、そんな言葉軽々しく言うなョ・・・。
               その気持ちだけで嬉しいョ。
               もう、この話はやめョーぜ・・・。

                で・でも・・・。

               そろそろ帰るか・・・。


               ( 恋次が立ち上がり、 も立とうとしたが・・・
                 ふらついて、恋次の腕の中に倒れこんだ・・・)


                あっ・・・ご・ごめん・・・。

                れ・ れんじ・・・?


               少し・・・このままでいさせてくれ・・・。

               ( 恋次が優しく抱きしめた )


                れんじ・・・。
                何かあったの?
                今日はあんまり元気なかったもんね・・・。


               好きなヤツに、俺の気持ちが伝わらねー・・・。


                えっ?
                あ・・・そーなんだ・・・。


               何を言ってもかわされそーだしなぁ・・・。
               すぐ・・・手の届く範囲にいるのに・・・
               目の前にいるのに・・・届かねーんだョ・・・。


                れんじ・・・。
                あっ、でも・・・断られた訳じゃないんでしょ?
                なら・・・
                焦らないで、ゆっくり話していけば、きっと通じるョ・・・恋次の気持ち。



                ・・・・・。
               俺・・・お前離したくねーョ・・・。


                えー・・・離したくないって・・・。
                で・でも、ずっとここにいる訳にはいかないでしょ〜・・・。



               (フゥー・・・)
               お前らしい返事だな・・・。
               やっぱりお前・・・手強ぇーョ。

                ・・・?


               ( 恋次が を抱き上げた )

                れ・れんじ・・・。
                歩けるから・・・下ろしてョ・・・。

               何言ってんだョ。
               さっき倒れこんできたじゃねーかョ。

                あれは・・・急に立ったから・・・。

               それとも、わざと倒れこんできたのか?

                わ・わざとって・・・そんな訳ないでしょ〜・・・。


               あー・・・、
               俺の腕ん中、お前だけの特等席にしといてやるからさぁ、
               いつでも、倒れこんでこいョ。
               わざとでも、大歓迎だぜ!

                わ・わざとじゃないって・・・。

                の事は、俺が必ず受け止めてやる。
               何があっても、俺の命にかえても守ってやるョ。
               だから・・・・・・

               ( だから・・・お前も俺の気持ち受け止めてくれ・・・ ・・・)

                                                                                      fin            2005,8,8 up

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