6月12日(前編)



               〔 恋次の副官室 〕


               ( コンコン )



                 ですけど。



               おぅ! 入れ。



               (  が、中に入った )



                恋次・・・・・・・・・・・・



               丁度良かった。



                あのさぁ・・・・・・6月12日って・・・・・・・・・・・・



               俺さぁ・・・急に、明日から現世に行く事になって・・・



                えっ・・・・・・・・・・・・



               急に決まったからさー・・・
               後で、 の所に、言いに行こうと思ってたんだ。

               助かったョ。
               色々準備で、忙しいからな。



                うん・・・・・・そうだね・・・・・・。

                恋次?



               ん?



                それって・・・・・・「大きい仕事」?



               えっ?
               あー、全然。
               これっぽっちも危険じゃねーから、心配なんていらねーぜ。

               今回は、調査で行くだけなんだョ。
               まぁー・・・俺にしちゃ、退屈・・・・・・
               いけねぇ、こんな事言ったら、不味いョな。

               まっ、そーいう事だ。



                そーなんだ・・・・・・。

                でも・・・気をつけてね。
                何が起こるか、分からないし・・・・・・。



               おっ、
                が心配してくれるなんて、任務冥利に尽きるってもんだ!




                ・・・・・・私はいつでも・・・恋次が心配だョ・・・・・・。

                ココに訪ねて来て・・・恋次が居てくれると・・・
                それだけで安心・・・なんだョ・・・・・・。




                ・・・・・・。

               何か俺達・・・まるで恋人同士のようだな。
               いっそこのまま、恋人同士に・・・・・・・・・・・・

               ・・・・・・

               どうした?




                恋次がいつも、危険な仕事してるのは、分かってるけど・・・
                それでも現世は・・・・・・私には、凄く遠いぃなぁ・・・って。



               (  の目から、涙が溢れた )



               バ・バカ・・・、何、泣いてんだョ・・・。



               ( 恋次が を、抱きしめた )



               俺は、心配いらねーョ。
               心配なのは、 の方だ。

               今回の任務は、危険じゃねぇけど、日数はかかるんだョ。

               俺が居ない間・・・気をつけるんだぞ。
               変な男が近寄ってきても、無視しろョ。




                ・・・・・・うん。




               元気出せョ。
                がそんなんじゃ・・・
               危険な任務の時に・・・言って行けなくなるだろー・・・。

               いつも言ってるけど・・・
               俺達は、「殺るか、殺られるか」だ。

               お前も、ココの一員なんだし・・・その位、分かってるだろ?




                ・・・・・・うん。




               元気出せって!

               俺は絶対、殺られるようなドジ踏まねーョ。

                残して、殺られるような真似・・・絶対しねぇから。




                恋次・・・・・・。




               心配してくれるのは、嬉しいけど・・・もっと俺を信用しろ。

               伊達に副隊長、張ってねぇぞ。

               そんなに、柔でも弱くもねーョ。

               俺の心配より、自分の心配しろ、なっ!?




                うん・・・・・・。



               (  が顔を上げ、恋次が の涙を拭った )




               泣き虫!

               でも・・・・・・嬉しかった・・・。




                恋次・・・。
                じゃぁ・・・気をつけて、行って来てね・・・・・・。

                失礼しました・・・。




               あっ、ちょっと待てョ。

               お前・・・6月12日がどうのって、言ってなかったか?
               何かあるのか?・・・その日・・・?




                えっ?
                ううん・・・何でもないョ・・・・・・。



               そーか?
               何かあるなら、言ってみろョ。

               俺は、帰って来れねーけど・・・必要なら、誰か女でもつけてやるョ。




                大丈夫。

                じゃあね・・・。




               送ってやれなくて、すまねーな・・・。
               気をつけて帰れョ。




                うん。

                          ・
                          ・
                          ・
                          ・
                          ・

               ( 6月12日  養成所に向けて出発 )



                鳳君・・・ごめんね。
                私の付き添いなんて、頼んじゃって・・・。



               いえ、俺は・・・
                副隊長の、お力になれるなら、喜んで。

               でも・・・本当に、いいんですか?

               阿散井副隊長に何も言わないで、教官に会いに行くなんて・・・。
               後で知れたら・・・きっと、もの凄く怒られますョ・・・?




                うん・・・。
                多分、怒るョね・・・恋次・・・。

                何で、そんなに怒るんだか、分からないけど・・・
                私が、何かすると・・・すぐ、怒るんだもんね・・・。




               それは、当然ですョ。

               俺がもし、 副隊長の「彼」だったとしても・・・
               きっと、同じように怒ると思います。

               心配なんですョ・・・、 副隊長の事が・・・。




                彼?




               あっ・・・、すみません。
               失礼な事・・・言いました・・・。




                ううん、そんな事ないけど・・・、彼かぁ〜・・・・・・。




               会いたいですか? 阿散井副隊長に・・・・・・。




                えっ? 何で・・・?




               恥ずかしがらなくても、いいですョ。

               そうですョね〜・・・・・・。
               今日、6月12日は・・・「恋人の日」ですからね・・・。

               阿散井副隊長と会えないのは、残念だと思いますけど・・・
               だからって・・・教官と会う事は、ないんじゃないですか?

               俺は、反対だなー。
                副隊長が「恋人の日」に、教官に会いに行くのなんて・・・。




                恋次・・・・・大丈夫かなぁ〜・・・・・・?
                怪我とか・・・してないといいけど・・・・・・。




               本当に「好き」なんですね・・・、阿散井副隊長の事・・・。

               羨ましいなぁ〜・・・。
                副隊長に、こんなに想われてるなんて・・・・・・。




                えっ?




               阿散井副隊長なら、大丈夫ですョ。
               ちょっとやそっとで、どうにかなるお方じゃ、ありませんから。

               それに、今のところ・・・
               現世で、怪我人が出たっていう情報は、入ってませんし。

               それよりも、心配なのは・・・ 副隊長の方ですョ・・・。

               今夜、教官と二人で会ったりして・・・本当に大丈夫なんですか?
               あの人も・・・結構ギリギリのところまできてるし・・・・・・
               二人で会うのは、危険なんじゃないですか?




                恋次は・・・大丈夫だョね・・・・・・?




                副隊長・・・・・・。
               阿散井副隊長の事しか・・・頭にないんですね・・・・・・。

               なのに何で・・・教官に会いになんて・・・・・・。

                副隊長、やっぱり戻りましょう!
               教官になんて会っちゃ、ダメですョ。




                えっ?

                鳳君・・・教官の事・・・嫌い?
                でもね・・・、私には、大切な人なんだョ。

                私が、今の能力持てたのも・・・教官のお蔭だし・・・。
                だから・・・
                私が、副隊長でいられるのも・・・教官がいたからなんだもん。




               そうかも知れませんけど・・・。

               でも・・・・・・
               そういう事と・・・男女間の事は、分けて考えるべきじゃないですか? 

               今回の教官からの呼び出しは・・・
               表向きは「仕事」って事になってますけど・・・
               実際は・・・違いますョね・・・・・・?

               ただ、教官が・・・ 副隊長に会いたいだけ・・・。
               「恋人の日」を、 副隊長と二人で過ごしたいだけ・・・
               のように、思いますけど・・・。




                鳳君・・・、考え過ぎだョ・・・。

                教官はね・・・
                「14番隊に入ってもいい」
                って言ってる人がいるから、会ってみないか?
                って、言ってきてくれただけだョ・・・。




               それは・・・分かってますけど・・・。

               でも・・・
               6月12日を、指定してきて、その日以外はダメだなんて・・・
               どー考えても、おかしいですョ・・・。

               それに俺・・・
               もう1つ、引っかかってるんですけど・・・・・・。




                ん?




               今日、泊まる部屋です。




                部屋?

                あっ・・・、ごめんね。 嫌だった?
                向こうが用意してくれた部屋・・・1つだけなんだョね・・・。

                嫌なら、着いてから交渉してみるョ。
                多分・・・もう1部屋くらい、何とかなるョ。




               そーいう事じゃなくて・・・
               どー考えても、おかしいでしょ?

               教官は、 副隊長の事が、大好きなんですョ?

               それなのに・・・
               付き添いが、「男」だって知ってて
               部屋を1つしか用意してないなんて・・・。

               今晩、 副隊長は・・・教官に、会いに行くんですョね?




                えっ?
                うん・・・、話しがあるんだって・・・。




               教官の部屋に、行くんですョね?




                うん・・・。
                部屋に来てくれって・・・。




               教官は、今晩・・・
                副隊長を、帰さないつもりなんじゃないですか?

               そうとしか、思えません。




                鳳君・・・・・・。
                別に教官は、私の事なんて・・・・・・・・・・・・




               まだ、そんな事言ってるんですか!?

               いい加減、俺でも怒りますョ!

               大体・・・夜・・・
               男の部屋に行くって・・・どーいう事か、分かってますか?

               教官だって、部屋に来てくれたら・・・勘違いしますョ・・・・・・。
               そのーー・・・・・・・・・・・・・
               「いいんだな」って・・・・・・。




                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




               失礼な事言って・・・すみません・・・・・。
               後で、処分でも何でも受けます。

               でも今回は・・・・・・
               俺、引きませんョ。

                副隊長を、教官の部屋には、行かせません。
               仕事の話の時は、俺が必ず同席します。
               俺と同じ部屋っていうのは・・・不味いので・・・
               俺は、廊下で見張りをします。

               いいですね!!




                え・・・・・・




               阿散井副隊長・・・前に言ってました。

                副隊長を守る為なら・・・
               遠慮せずに、ガツンと言ってやれって・・・。

               俺は、あなたを守りたい・・・。
               大好きなあなたを・・・・・・。




                鳳君・・・・・・。

                                                     To be continued                   2006,6,11 up  

 

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