蛍(前編)



               〔 薬屋からの帰り道  鳳との会話 〕



                鳳君?



               はい、何ですか?



                鳳君は・・・「蛍狩り」行くの?



               えっ?
               蛍狩りって・・・・・・あの、特別会場のですか?



                うん。

                蛍がいっぱいいて、一番綺麗な場所が・・・
                わざわざ区切られてるなんて、酷いョね・・・・・・。



               そうですね・・・。
               あそこは、カップルだけしか、入れないんですョね・・・。



                うん・・・。
                相手がいない人は・・・見れないんだもんね・・・。

                まぁ、カップルって言っても、友達でいいんだけどさぁ〜・・・。

                それでもね・・・
                私みたいに、誰からも誘ってもらえないような者にとっては・・・
                綺麗な蛍見るのも・・・ハードルが高いって事だね・・・。



               えっと・・・・・・
               阿散井副隊長は?



                えっ?



               一緒に、行かないんですか?



                恋次は・・・・・・
                多分、自分の隊の子と・・・行くんじゃないのかなぁ〜・・・・・・?



               えっ??



                コレ・・・。



               (  が鳳に、手紙を渡した )



                今日・・・
                鳳君の事、外で待ってた時ね・・・・・・
                六番隊の女の子達が「阿散井副隊長からです」って・・・
                渡しに来てくれたの。



               俺が読んでも、いいんですか?



                うん。
                用件が、書いてあるだけだから。



               ( 鳳が、手紙を読んだ )



               コレって・・・・・・
               本当に、阿散井副隊長が書いたんでしょうか?



                えっ?



               「蛍狩りは、お前とは行かない。六番隊の中から、優秀な子選んで行くから」

               なんて・・・
               阿散井副隊長だったら・・・絶対、書きませんョ?



                そうかなぁ〜?

                可愛い子でも・・・見つけたんじゃないの?



               有り得ません。



                あっ、きっと・・・
                「好きな人」と行くんだョ。

                で、言うのが恥ずかしいから、こんな風に書いたんじゃないの?



               「好きな人」って・・・・・・

               阿散井副隊長が好きなのは・・・ 副隊長でしょ?




                え・・・・・・・・・・・・

                鳳君って・・・まだ、あの噂・・・信じてるんだ・・・・・・。

                まぁ・・・恋次が、

                「俺と付き合ってる事にしておけば、安全だから」って・・・
                言ってくれてるんだもんね・・・。
                私が、否定しない方が・・・いいのかな?




                副隊長?



                ん?

                あ・あぁ・・・ごめんね。
                とにかく、恋次は・・・誰かと蛍狩り、行くんだョ・・・。
                きっと・・・・・・・。



               そうなんですか?



                うん。



               じゃあ・・・
                副隊長は、蛍狩り・・・どうするんですか?




                んーー・・・・・・、どうしようかなぁ・・・・・・。

                行きたいけど・・・
                一緒に行ってくれる人がいないから・・・無理かな・・・。

                鳳君は、行くんでしょ?




               俺は・・・そういう事には、縁がないんで・・・・・・。



                そうなの?

                鳳君・・・格好良いし、優しいし・・・、モテそうだけどなぁ・・・?

                うちの隊の子達だって・・・
                「鳳君、好きな人さえいなければなぁ〜」なんて、言ってるョ?




               そ・そんな事ないです・・・。
               俺なんて・・・全然ダメですョ・・・・・・。



                「好きな人」には、言ってみたの?



               えっ?



                「蛍狩り、行きませんか?」って?



               い・いえ・・・・・・。
               とても・・・俺からは・・・・・・。



                そーなんだ・・・。
                好きな人がいても、大変なんだね・・・・・・。



               そう・・・ですね・・・、苦しいです・・・・・・。



                じゃぁさー・・・・・・
                一緒に行く・・・? 蛍狩り。



               えっ!?
               いいんですか?



                うん。
                鳳君が、良ければね。



               俺は・・・・・・
                副隊長と行けたら、こんなに嬉しい事はないですけど・・・。



                そんな大げさな・・・。
                じゃあ、一緒に行こうね。



               はい。



                あ・・・、でも・・・
                他に、一緒に行きたい人が出来たら、断わってくれていいからね。



               俺は・・・
                副隊長と・・・一番行きたいですけど・・・・・・。

               でも多分・・・
                副隊長は・・・阿散井副隊長と行く事になるような、気がします。

               あの手紙は・・・絶対おかしいですから・・・・・・。

                          ・
                          ・
                          ・
                          ・
                          ・

               〔 その日の夜、 の部屋 〕


                、入ってもいいか?



                恋次?
                いいョ。


               ( 恋次が、部屋に入った )



                、明かり消せ。



                えっ? 何で?



               いいから消して、俺の隣に座れ。



                うん・・・。



               (  が、明かりを消した )



                うゎっ・・・、、真っ暗だ・・・。
                目が慣れないと、何も見えないョ・・・・・・。



               (「ドン」)



                あっ・・・・・・・。

                恋次・・・ごめんね・・・、蹴っ飛ばしちゃった・・・・・・。



               いいョ、ここに座れ。



                うん・・・。



               じゃあ・・・いくぞ!



                ん・・・??



               「じゃ〜〜ん」



                あっ、蛍だ〜。



               あぁ。
               どーだ? 気に入ったか?



                うん。
                綺麗だね〜。
                何で光ってるのかなぁ・・・? 不思議だね?



               え・・・・・・
               まぁ・・・その辺の詳しい事は、俺には分かんねーけど・・・・・・
               お前に、見せてやろうと思ってさ。



                ありがとう〜、恋次。



               あぁ。

               蛍狩り行けば、見れるんだけどな。
               「一足お先に」って、感じだな。

                ・・・・・・
               蛍狩り・・・行くだろ?




                うん。

                恋次は、誰と行くの?




               え・・・・・・・・・・・・・?

                は・・・誰と行くんだョ?




                鳳君。




               え・・・・・・・・・・・・。




                私なんて、誰も誘ってくれないでしょ?
                だから・・・思い切って、誘っちゃった。




               何で!!!

               何で、鳳なんだョ!?

               誘うんだったら・・・まずは、「俺」だろ??

               いや、男なんて、誘わなくていいんだョ。
               お前には、俺がいるだろー!




                だって・・・
                恋次は、「六番隊の優秀な人」と、行くんでしょ?




               ハァ??




                あれ?・・・違った?
                「綺麗で、可愛い人」だったっけ?

                とにかく、六番隊の人と・・・行くんでしょ?
                自分で手紙くれといて、何言ってるの?




               手紙?




                うん、今日・・・くれたでしょ?




               知らねーョ、そんなの。




                えっ・・・?

                でも・・・六番隊の女の子達が
                「阿散井副隊長からです」って・・・持って来てくれたョ?




               えっ!?




                「お前とは行かない」って・・・ハッキリ書いてあったからさぁ・・・

                だから、鳳君誘ったんだけど・・・
                鳳君・・・迷惑だったかなぁ〜・・・・・・?




               迷惑だな。

               あぁ、絶対迷惑だ。

               後で俺が、断わってくるョ。




                え・・・・・・・・・・・・
                私は・・・蛍狩り行くな、って事・・・?




               俺が、連れてってやるョ。

               ・・・って言うか・・・・・・

               一緒に・・・行こうな。




                だって恋次は・・・・・・




               その手紙は、俺が書いたんじゃねーョ。

               俺も忙しいから、手紙で連絡取る事もあるけど・・・

               「お前とは行かない」・・・なんて、絶対書かねーョ。

               まして・・・
               お前断わって、他のヤツと出かけるなんて
               天地が引っ繰り返っても、有り得ねぇからな。




                れ・恋次・・・?




               ん?




                何か・・・「音」聞こえない?




               えっ? 別に・・・。




               (  が恋次に、ぴったり寄り添った )




                恋次・・・・・・段々近くなってるョ・・・・・・。




               そーだな。



                でしょ?



               あぁ。  と俺の距離がな。



                何言ってるの?
                恋次・・・聞こえないの?



               えっ?
               何にも、聞こえねーぞ?

               そんなに恥ずかしがらなくても、くっ付きたきゃ、くっ付けョ。
               真っ暗だしな。
               俺、何されてもいいぞ。




                何言ってるの・・・・・・・・・・・・



               (「ゴロゴロゴローーーーー」)



                キャッ!



               (  が恋次に、抱きついた )



               今日は、随分積極的だなー?



                えっ?

                ち・違うョ・・・、雷・・・、雷が・・・・・・。




               だって、スゲー遠いぞ?



                遠くない・・・、すぐ近くだョ・・・・・・。
                落ちたらどうしよぅ・・・・・・。



               そーだな。
                は、雷に狙われてるみてーだから、ずっと俺にしがみついてろ。

               俺は、雷に嫌われてるから、俺には落ちてこねー事になってるから。




                えっ・・・?
                恋次って・・・そんな力もあるの?



               まーな。



                じゃぁ・・・「音」聞こえなくなるまで・・・こーしてていい?



               どーするかなー?
               あんまり 甘やかしても、 の為になんねーしなぁ〜。



                え・・・・・・、恋次・・・・・・・・・・・・?



               しょうがねーなぁ〜。

               じゃあ・・・、気乗りはしねーけど・・・



                うん・・・。



               本意じゃねーけど・・・



                うん・・・。



               明日まで俺の体、貸してやるョ。



                え・・・・・・
                「音」が、聞こえなくなるまででいいョ・・・。



               我がまま言うんじゃねーョ。
               俺は、中途半端は、嫌いなんだ。
               必要ねぇなら、俺は帰る。
               雷・・・落ちなきゃいいけどなぁ〜〜〜。



               (「ゴロゴロゴローーーーー」)



               あっ、段々 に近づいてきたな、雷。

               じゃあ俺は、お役御免って事で。




                えっ・・・
                れ・恋次・・・、帰らないで・・・・・・・。



               だって、雷止んだら・・・帰れってんだろ?
               いつ止むか、分かんねーしさー。
               夜中に「帰れ」って、追い出されてもなぁ〜・・・・・・。

               ほら、「蛍」置いてってやるから、蛍にでも、助けてもらえ。




                恋次・・・・・・・・・・・・

                一緒に居て・・・?




               いつまで?




                ・・・

                明日の・・・朝まで・・・。




               んーーーーー。

               まぁ、俺も忙しい身だけど・・・仕方ねぇなー。




                恋次? 帰らない?




               あぁ。




                ありがとう・・・。

                じゃあ・・・、隊長に許可取ってこなくちゃ。
                「恋次が泊まる」って・・・。




               後にしろョ。
               今、俺から離れると・・・危ねぇぞ。
               何せ、雷は・・・ を狙ってるんだからな。




                え・・・・・・・・・・・・



               (「ゴロゴロゴローーーーー」)



               ほらな。
               今回は、緊急事態だし・・・事後報告でも、いいんじゃねーか?
               明日の朝、俺が隊長に話すョ。
               別に、やましい事する訳じゃねーし・・・構わないと思うけどなー。



                そうかなぁ・・・?



               それとも・・・・・・するか? 隊長に、言えねぇ様な事。

               なら、後でバレたら問題になるから
               事前に「泊まる」って、宣言してきた方がいいョな。




                恋次・・・・・・、ふざけないで。
                すぐそーやって、からかうんだから・・・・・・。




               からかってねーぞ。

                が、「朝まで一緒に居て」って、誘ってきたんだろ?




                誘った訳じゃないでしょ・・・?




               さっきからず〜っと、抱きついて離れねぇし。
               俺も少しは、応えてやんねーと悪いかなぁ〜って思うし。




                思わなくていいョ。

                抱きついてるのは・・・
                恋次が、雷を寄せつけない体だからでしょ?



               そんな事・・・信じてんのか?



               (「ゴロゴロゴローーーーー」)



                キャッ!



               (  が、蛍の入ってる籠を倒した )



               あーぁ・・・。
               蛍・・・逃げちゃったぞ?



                え・・・?

                あ・・・、本当だ・・・・・・。

                恋次・・・、ごめんね・・・。
                折角、捕まえてきてくれたのに・・・・・・。




               いいョ。
               次は、一緒に蛍狩り行って、「蛍の光」満喫しような。



                うん。

                あっ、恋次の頭に、蛍が止まってる。
                その蛍・・・恋次の事が、好きなのかな?




               えっ・・・?

               蛍じゃなくて・・・お前は、どうなんだョ・・・?

                                                                      To be continued                     2006,7,6

 

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