修兵へのプレゼント



               〔 八月上旬のある日 ・ 恋次の副官室 〕


               ( コンコン )



                 ですけど。

               ・・・・・・・・・・・・
               ・・・・・・・・・・・・

                あれ?
                恋次、いないのかなぁ〜・・・?



               ( 恋次が の背後に、そっと近づき・・・ )



           恋次:  何か用か?



                「キャッ」

                れ・恋次・・・・・・びっくりさせないでョ・・・・・・。



           恋次:  びっくりさせようと思って、気配消してきたんだ。

                まぁ・・・
                 には、そこまでしなくても、気付かれねぇと思うけどな。




                どーせ私は、鈍いですョ!



           恋次:  そんな事、言われなくても「よ〜〜く」分かってるョ。

                「用」あるんだろ? 入れ。



               ( 二人が、副官室に入った )



           恋次:  で・・・・・・、何だ?



                うん・・・。

                恋次・・・温泉行ってもらえないかな?



           恋次:  嫌だ。



                え・・・・・・



           恋次:  お前とじゃねぇんだろ? 行くの・・・。
                お前と以外は、行かねーョ。



                恋次・・・お願い・・・。



           恋次:  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

                誰と行けっていうんだョ?




                ん・・・?

                修兵と・・・。



           恋次:  ハァ??

                何で俺が、あいつと温泉行かなきゃなんねぇんだ?

                ヤダね。
                野郎二人で、温泉なんて・・・気色悪ぃョ。




                恋次・・・・・・
                お願い、行ってもいいでしょ?

                予約するの、大変だったんだョ・・・?
                やっと、とれたの・・・。

                私は、仕事で行けないし・・・・・・

                お願い・・・、恋次・・・?




           恋次:  お・お前・・・
                まさか・・・修兵と二人で、温泉行くつもりだったのか?

                どーいうつもりだ!?

                何考えてんだョ?




                修兵と、温泉行くつもりなんてないョ。
                最初から、恋次に行ってもらおうと思って・・・。



           恋次:  ハァ?

                何で??




                修兵・・・もうすぐお誕生日でしょ?



           恋次:  あー・・・、そーいやぁ・・・そーだな。




                プレゼント・・・どうしようか、考えてさ・・・。
                でも、何あげていいか分からなくて・・・・・・。




           恋次:  それで、温泉か・・・?




                うん。

                疲れもとれるし・・・いいかなぁ〜?って思って・・・。

                でも、一人じゃつまらないでしょ?
                だから・・・「恋次と」・・・って思ったんだけど・・・。

                ねぇ、恋次・・・
                お願い・・・、修兵と温泉に・・・行って?




           恋次:  断わる。

                あっ、俺が断わったら・・・ が行く訳じゃねーョな?




                うん・・・、私は、仕事だから・・・。




           恋次:  なら、俺は行かねぇ。

                あのなぁー・・・
                修兵だって・・・「俺」プレゼントされても、喜ばねぇぞ!?




                え・・・・・・


               (  の目から、涙がこぼれた )


                ・・・そーだね。
                私からのプレゼントなんて・・・嬉しくないョね・・・。




           恋次:  そーじゃなくて・・・・・・




                でも・・・、一生懸命考えたのに・・・
                「何がいいかなぁ〜?」って・・・・・・

                もたもたしてたから、最初は部屋とれなくて・・・

                理由言ったら・・・
                宿の人が、わざわざ他の人に、日にち変えられないか、聞いてくれて・・・ 

                それでやっと・・・
                やっと、一部屋とれたんだョ・・・。




           恋次:  お前・・・温泉宿まで、行ってきたのか?




                うん・・・。
               
                あと・・・変わってくれた人にも、お礼に行ったし・・・
                いろいろ・・・大変だったんだョ・・・。




           恋次:  一人で、うろちょろするな!
                危ねぇだろー!




                だって・・・
                私の周りの人達に相談したら・・・
                修兵にバレちゃうかもしれないし・・・

                一応、プレゼントだから・・・
                修兵には、ちゃんと用意出来てから、話したかったし・・・。

                恋次は・・・最近、忙しそうだったから・・・

                だから、恋次にも・・・
                修兵の為に、行ってもらうってだけじゃなくて
                「温泉で、ゆっくりしてもらいたい」っていう気持ちもあったし・・・。

                でも・・・
                恋次は、私の頼みなんて、聞いてくれないんだョね・・・。

                修兵も・・・
                私からのプレゼントなんて・・・いらないんだョね・・・。

                私・・・バカだね・・・。
                二人の気持ちなんて、全然分かってない・・・。

                二人にとっては、私なんて・・・
                ただの、厄介な知り合いなだけなんだもんね・・・。

                私の空回り・・・。
                断わられるなんて・・・考えもしなかった・・・。




           恋次:  ・・・泣くなョ。

                まぁ・・・
                違う意味で、お前は俺達の気持ち・・・分かってねぇけど・・・。

                修兵には、一人で行ってもらえ、・・・なっ?

                 からのプレゼントだから、一人でも喜んで行くョ。
                俺なんか付いてねぇ方が、絶対嬉しいって。






           修兵: 恋次〜、さっきの書類だけど・・・・・・


               ( 修兵が入ってきた )


           修兵: 2ヶ所不備があって・・・・・・・・・・・・

                ・・・?

               泣いてるのか・・・?




                修兵・・・・・・ 


               (  が修兵に抱きつき、号泣した )




           修兵: ど・どーした?

               まさか・・・恋次に何かされたのか?


               (  が、首を縦に振った )




           恋次:  えーー!!??



           修兵: 恋次ーー、貴様・・・・・・



           恋次:  い・いや、俺は何にもしてねーョ。



           修兵: 何にもしてねーのに、こんなに泣くか?



           恋次:  それは・・・
                 が、お前の誕・・・・・・




                恋次、言わないで・・・・・・




           修兵:  ・・・・・・
               俺に・・・言えねぇ様な事・・・されたのか?



               (  が、首を縦に振った )



           修兵: 恋次!!
               事と次第によっちゃ、許さねぇぞ!!



           恋次:  事も、次第も、何もねーョ。
                俺が、 泣かせる様な事・・・すると思ってんのか?



           修兵: 現に、泣いてんじゃねぇかョ。



           恋次:  まぁ・・・
                こいつ泣き虫だから、目から涙流す事は・・・よくあるョ。

                でも・・・
                本当の意味で・・・
                傷つけて、泣かせた事なんて、一度もねぇし・・・
                俺は、絶対しねぇ。




                恋次は・・・
                私の事、よく傷つけてるじゃない・・・、「鈍い」とか言って。




           恋次:  え・・・
                確かに・・・それはあるけどさぁ・・・・・・

                今は、そーいう事を、言ってるんじゃなくてな・・・



           修兵: 強引にキスしたり・・・それ以上の事したり・・・
                を手込めにして、身体も心も、傷つけるって事だな。



           恋次:  修兵・・・言い方、露骨・・・。



           修兵: ハッキリ言わなきゃ、 には分かんねぇだろ?

               でー・・・

               恋次に・・・何かされたのか?




                え・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




           恋次:  何で、そこで止まるんだョ!

                俺は、何にもしてねぇだろ??




                意地悪・・・されたの・・・。

                一生懸命頼んでるのに・・・・・・
                出来ない事じゃないのに・・・・・・
                嫌だって・・・・・・・。

                恋次は・・・私の頼みは、聞いてくれない・・・・・・。




           修兵: 俺には・・・言えない事なのか・・・?

               言ってくれれば、俺が力に・・・・・・



           恋次:  お前の、誕生日の事だ。




                あっ・・・恋次・・・・・・



           恋次:  もう、いいだろー・・・、日も迫ってるし。



           修兵: 俺の・・・誕生日?




                うん・・・。

                修兵には、全部準備整ってから、言いたかったんだけど・・・

                でも、恋次が・・・
                修兵は、私からのプレゼントなんて欲しくないから
                あげなくていいって・・・。




           恋次:  そんな事、言ってねぇだろーー!




                言ったでしょ? 「嫌だ」って・・・・・・



           修兵: 恋次!!



           恋次:  誤解だって。




                誤解じゃないでしょ・・・?

                恋次は・・・「断わる」って・・・、修兵は、喜ばないって・・・。




           修兵: 恋次・・・
               お前、俺が居ない所で・・・そんな事言ってんのか?



           恋次:   からの「プレゼント」が、何だか知ってて言ってんのか?



           修兵: 知る訳ねぇだろー。

               でも、何にせよ・・・
               俺が、 からの「プレゼント」喜ばねぇはずはねぇ。

               それは、恋次だって分かってんだろ?



           恋次:  「俺」だぞ?



           修兵: ハ?



           恋次:   が、修兵にプレゼントしようとしてんのは・・・

                「俺」だぞ?



           修兵: 「俺」って・・・・・・?



           恋次:  「俺」だョ。



           修兵: 「恋次」?



           恋次:  あぁ。

                修兵・・・、誕生日に「俺」もらって、嬉しいか?
                正確には・・・俺と一緒に過ごしたいか?



           修兵: え・・・・・・



           恋次:  誕生日に・・・俺と温泉行きてぇか?

                二人で温泉入って・・・
                同じ部屋に泊まって・・・
                ず〜っと二人っきりで・・・・・・



           修兵: 勘弁だな。



           恋次:  だろ?




                修兵・・・・・・



               (  が、再び泣き出した )



           恋次:  ほら、お前だって、泣かせたじゃねぇかョ。



           修兵: あ・・・・・・

                ・・・・・・

               あのな、 からのプレゼントは、凄く嬉しいョ。

               でも・・・「恋次」ってのはなぁ・・・・・・。



           恋次:  俺だって、お断りだ。



           修兵: 恋次じゃなくて・・・
                と行きてぇなー、温泉。



           恋次:  それはダメだ。

                 は、仕事だし・・・
                暇だとしても、 は行かせねぇ。

                何があっても、 を「プレゼント」にはさせねぇからな。



           修兵: 「プレゼント」で、貰おうなんて・・・思ってねーョ。

               俺が招待する。

                からの「プレゼント」は、喜んで受け取る。
               恋次は、いらねぇから・・・俺一人って事でな。

               で、俺が行く温泉に、 を招待する。

               仕事は・・・代わってもらえるように
               俺が、14番隊の隊長さんに、頼み込んでみるョ。

               隊長さん・・・物分りいいし、ダメとは言わねぇだろー。



           恋次:  じゃぁ・・・俺も行く。



           修兵: 恋次はいらねぇ。



           恋次:  俺は、「 からのプレゼント」だろ?
                 のプレゼント、断わるのか?



           修兵: 恋次・・・



           恋次:   、3人で行こうな。




                え・・・でも・・・

                小さい部屋しか、とれなかったから・・・3人じゃ狭いョ・・・。




           恋次:   一人増えたって、どーって事ねーョ。

                狭い部屋に、俺と修兵・・・二人っきりの方が、よっぽど怖いョ。




           修兵: 恋次・・・
               少しは、気・・・利かせろョ。

               狭い部屋に、俺と 二人っきり・・・
               最高の、誕生日になるだろ?



           恋次:  残念でした。

                あくまでも、お前へのプレゼントは、「俺」だからな。

                優しくしてやろうか?



           修兵: アホ!

               あ〜ぁ・・・・・・、喜んでいいんだか、何だか・・・・・・。


               あっ、恋次・・・
               この書類の不備・・・今すぐ直しとけ。



           恋次:  ん?

                あー、悪ぃ。

                すぐ直すけど・・・お前ら、早く離れろョ!
                俺の副官室で、いつまでもくっ付いてるんじゃねぇ!!



           修兵: これも、誕生日プレゼントの一環。
               大目に見ろって。



           恋次:  何か、ムカツく・・・・・・。

                また、間違えそうだ・・・。



               ( 恋次が書類を、書き始めた )





           修兵:  、ありがとう。

               まだ、実感湧かねぇけど・・・
               俺・・・ からプレゼント貰えたんだョな・・・?

               プレゼントを、考えてくれてる時・・・
                の頭の中には、俺しか居なかった・・・んだョな?

               嬉しい・・・。




                何がいいか、分からなくて・・・。




           修兵:  が選んでくれた物なら、何でもいい。

               何貰っても・・・言葉だけでも、嬉しい。




                修兵・・・・・・




           恋次:  はい、そこ!!

                そんなに見つめ合うな!

                顔、近過ぎ!




           修兵: うるせぇな!

               お前は、仕事に集中してろ。

               今度間違えたら、朽木隊長に報告するからな!



           恋次:  えっ・・・

                そ・そんな事言われたって・・・気が散るんだョ。

                 、ちょっとこっち来て、手伝え。



           修兵: 俺達は、もう誕生日モードに入ってんだョ。
               邪魔するな。



           恋次:  誕生日モード?
                何だそれ?

                 、茶でも淹れてくれ。



           修兵: 朽木隊長、呼んで来るかなぁー。

               「おたくの副隊長、重要書類書き間違えるなんて
               たるんでるんじゃないですか?」って、言ってみるかな〜?



           恋次:  何だョ・・・意地、悪ぃなぁ・・・・・・。



           修兵: 嫌なら、黙って間違えねぇように、書類書いてろ。



           恋次:  分かってるけど・・・・・・
                ムカツく・・・・・・。



               ( 恋次が再び、書類を書き始めた )




           修兵:  、何か強烈な薬湯・・・ねぇかな?



                強烈?



           修兵: あぁ。
               飲んだ瞬間に、眠りに落ちて・・・
               2、3日は、目が覚めない・・・とか・・・

               飲むと、すご〜く気分悪くなるとか・・・

               恋次には・・・辛さで攻めても、いいかもな。




                えっ??




           修兵: それを・・・
               温泉に出かける直前に、恋次に飲ませれば・・・

               流石の恋次も、身動きとれなくなって、行けなくなるだろ?




                え・・・修兵・・・?



           修兵: 俺の誕生日なんだからさぁ・・・・・・
               俺の意見が通っても、いいんじゃねぇか?

               俺は・・・ と二人で行きたい。

               傍に居てくれるだけでいいから・・・
               誕生日・・・二人っきりで・・・居たいんだ・・・。




                じゃあ・・・恋次にそー言えば?
                薬湯飲ませるなんて・・・・・・




           修兵: あいつに言っても、通じねーョ。

               それとも は・・・

               俺と恋次・・・大喧嘩させたいか?
               どちらかが・・・命落とすような・・・・・・。




                えーーー!?

                な・何で??

                そんなの嫌だョ。
                喧嘩は、ダメだからね。




           修兵: じゃぁさー・・・
               ここはやっぱり、薬湯頼みで・・・・・・

                が恋次に・・・
               「疲れてるんでしょ? コレ飲むと元気になるョ!」
               とか言えば、恋次は絶対飲むし・・・

               飲んで、体がおかしくなったら・・・
               「あっ、間違えた・・・ごめんね・・・」って言えば・・・
               許してくれるョ。




                えー・・・・・・
                わ・私のせいにするの・・・?

                何か、怖いョ・・・。
                恋次・・・絶対怒るって・・・・・・。




           修兵: 大丈夫だョ。
               恋次は、 のした事なら、何でも許してくれるからさ。

               この後、俺が医療所まで送って行くからさ・・・
               一緒に「いい薬湯」探そうな。




                そんな事して・・・いいのかなぁ〜・・・?




           修兵: いいの、いいの。

               恋の戦いは、厳しいんだから。




                恋の戦い?




           修兵: そう。

               好きな子を、自分のものにする為には、何でもする。
               まぁ、程度の加減はあるけどね。

               躊躇して、負けちゃったら・・・終わりだからさ。

               そして、目当ての子に対しては
               チャンスがあれば、一気に攻め込む・・・んだけど・・・

                に対しては・・・
               攻めきれねぇのが現状なんだ、俺も・・・恋次も・・・。




                ん?
                攻める・・・って・・・・・・
                私と、喧嘩するの? 何で??

                私が、負けるに決まってるから、しなくていいョ。




           修兵: 喧嘩じゃねぇけど・・・

                は、強過ぎるんだョ・・・。
               俺も、恋次も・・・手も足も出ねぇ・・・。





           恋次:  よし! 終わった!
                これで、完璧だ。

                 ・・・、こっち来いョ。

                俺も・・・もうすぐ誕生日だし・・・
                俺と「誕生日モード」入ろうぜ。


                修兵、ほらョ!
                これで、間違いねぇはずだ。
                これ持って、さっさと帰れ。




           修兵: じゃぁ・・・ 、行こう。



           恋次:  えっ!?
                行くって?



           修兵:  にさぁ〜・・・
               「よく効く薬湯」探してもらおうと思って。

               なっ? 




                え・・・・・・うん・・・・・・。

                じゃぁ・・・ね・・・、恋次・・・・・・。




           恋次:  あ・あぁ・・・。
                また来いョ。



           修兵: ほら、行くぞ。


               ( 修兵が、部屋から出た )




                恋次・・・・・・


               (  が、恋次に寄り添った )


                ごめんね・・・・・・。



           恋次:  えっ?




                体に・・・負担のかからないのにするから・・・。

                じゃぁ・・・・・・。




           恋次:  ハァ??

                何言ってんだョ・・・?




                おい!


                 !!


                ちょっと待て!


                お〜〜い・・・・・・。

                                                                     fin                           2006,8,17 up

 

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あとがき

もしかしたら・・・修兵と二人で温泉へ〜・・・?

いえいえ・・・
多分、きっと・・・どんなに強い薬湯飲まされても
恋次は、くっ付いて行ったはずです!(笑

長文、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
お時間ありましたら、また遊びに来て下さいませ。

(ご注意:ここでは、修兵を先輩扱いしておりません。ご了承下さいませ。)

最後に・・・
遅れてしまいましたが・・・
修兵 ♥ お誕生日、おめでとう〜☆