お化け屋敷(前編)




               〔 恋次の副官室 〕


               ( コンコン )


                 ですけど。



               入れ。



               (  が、中に入った )



                恋次・・・?



               ん?



                明日の夜さぁ・・・・・・
                一緒に、「お化け屋敷」・・・行かない?



               「お化け屋敷」って・・・
               あの、期間限定で開催されてる、有志イベントのか?



                うん。

                「お化け屋敷」・・・カップルじゃないとダメなんだって・・・。
                男同士とか、女同士じゃ、入れてもらえないんだってさ。
                だから・・・・・・




                が、行きてぇなら、行くけど・・・
               お前・・・怖ぇんじゃねーか?

               お前・・・怖がりだし・・・
               ココの「お化け屋敷」は、スゲェ怖ぇぞ?




                恋次・・・行った事あるの?




               客として、行った事はねぇけど・・・
               何年か前に、「お化け」やった事がある。

               「お化け」側は・・・
               絶対、怖がらせてやろうと思って、心血注いで「お化け」になりきるから
               子供騙しのレベルじゃねぇぞ?

                は、行かねぇ方がいいと思うけどなぁー。




                そんなに怖いの?




               あぁ。
               俺が言うんだから、間違いねーョ。




                でも・・・
                恋次が一緒なら、大丈夫でしょ?




               大丈夫だけど・・・

               俺が入って行ったら、「お化け」やってる連中・・・
               俺の事、驚かそうと思って、普通より張り切ると思うんだョな〜。

               俺は・・・怖くも、驚きもしねぇけど・・・
               一緒に居るお前には・・・どーかなぁ〜・・・?

               あんまり、お前怖がらせる事は・・・
               出来れば、したくねぇからなー・・・。




                じゃぁ・・・いいや。

                恋次と行って、慣れておこうと思ったけど・・・
                恋次と行くと・・・
                凄く怖くなっちゃうんじゃ・・・練習にならないもんね・・・。




               練習って・・・・・・

               お前・・・・誰かと、行くのか?




                うん。
                親睦会でね。

                相手は・・・
                当日、くじで決めるから、誰になるかは、分からないんだけどね。




               お前・・・、怖いの苦手だろ?

               嫌いな事に・・・無理に参加する事、ねぇんだぞ?

               止めとけョ・・・、「お化け屋敷」なんて・・・。




                えーーーーーー

                そりゃ・・・怖いけどさぁ・・・・・・

                行ってみたいな・・・、「お化け屋敷」・・・・・・。




               分かった。
               俺と行こう。

               親睦会は、断われ。 いいな!?




                恋次と行くと・・・怖いんでしょ?




               入る前に、言っとくョ。
               パートナーが、スゲェ怖がりだから、加減しろってさ。

               それでいいだろ?

               親睦会は、止めとけ。
               絶対行くな!




                うん・・・、分かった。

                じゃぁ・・・明日の夜、「お化け屋敷」の前でね。




               了解。
               会場まで、気をつけて来いョ。




                うん。
                じゃあね。




               あぁ、またな。

                          ・
                          ・
                          ・
                          ・
                          ・

               〔 翌日の夜 ・ お化け屋敷前 〕



                あっ、恋次〜〜・・・・・・、早いね〜。



               ん?
               裏工作、しといたからさ。
               怖くしねぇようにって。




                恋次・・・
                もしかして・・・恋次も怖いんでしょ〜?




               バカ言うな!
               俺はこんなの、怖くも、興味もねぇんだョ。

               ただ・・・
                が、どーしても来てぇっていうから、仕方なく・・・。



               ( 恋次が、 の手をとり・・・ )



               行くぞ。

               みんな作り物だからな。
               あんまり「キャー キャー」わめくなョ!




                作り物だって、怖く作ってあるんだから、怖いョ・・・。

                怖くなきゃ、「お化け屋敷」じゃないでしょ・・・?




               ブツブツ言ってんじゃねぇ!

               途中で止まったり、もたもたしてたら、その場に置いてくからな。




                え・・・・・・




               ( 二人で手をつないで、お化け屋敷に入った )




                れ・恋次・・・・・・
                真っ暗だね・・・・・・・・・・




               当たり前だろ。
               明るいお化け屋敷なんて、聞いた事ねーョ。

               ただ暗いだけだ。
               そんなに警戒しなくても、大丈夫だョ。




               ( 「トントン」誰かが、後から の肩を叩いた )



           係員: すみません・・・、コレ・・・・・・



               (  が振り向き・・・ )



 
                「キャーーーーーーーーーーッ!」 ( 恋次にしがみ付いた )



           係員: えっ?
               あ・あの・・・?



               何だ?



           係員: あ、はい。

               この方が、「コレ」を入り口で落とされたので・・・
               出てくるまで、待っていても良かったのですが・・・
               ないと不安かなぁ〜?と思いまして・・・。




               ん・・・?

               じゃぁ、俺が預かっておく。



           係員: はい、では・・・。




               悪ぃな。
               何の変装もしてねぇのに、「キャー」なんて言われて。



           係員: あ、い・いえ・・・。

               確か・・・
               阿散井副隊長とご一緒の方は、凄く怖がりだとお聞きしてましたので。

               だから、この御守・・・
               早く渡してあげた方がいいかなぁ〜?って思いまして、来たんですけど
               かえって驚かせてしまったみたいで・・・。




               「暗い」ってだけで、怖がってるからなー・・・。

               「お化け屋敷なんて止めとけ」、って言ったのに 
               「行きてぇ」って、うるさくてな・・・。

               迷惑かけたな。



           係員: あ、いえ・・・。
               では・・・お気をつけて・・・。



               あぁ。



               ( 係員が去った )



               御守って・・・・・・暗くてよく見えねぇなー・・・・・・。

               ん・・・?

               「悪霊除け」・・・・・・。


                ・・・
               お化け屋敷に「悪霊除け」は、必要ねぇだろー・・・?


               

               もう、大丈夫だ。




                え・・・、で・でも・・・お化けが・・・・・・




               お化けじゃねーョ。

               お前が落とした御守、拾って持って来てくれただけだ。

               ほら、「御守」。




                え・・・・・・



               (  が、御守を見て・・・ )



                あっ・・・
                それ、落としちゃったから、お化けが出たのかな・・・?




               ・・・
               お前なぁ・・・・・・

               顔・・・見たんだろ?
               振り返って、確認してから「キャー」って言ったョな?




                顔なんて、見てないもん。
                振り返ったら「何か」居たからさぁ・・・お化けだと思って・・・。




               「何か」って・・・
               お前・・・失礼だぞ?




                だって、お化け屋敷だもん。
                「何か」居たら、普通お化けだと思うでしょ?




               基本的に間違ってねぇか?
               「お化け」なんて、居ねーョ。
               人形か、細工か、変装してるだけだぞ?




                恋次は、分かってないなー。
                本物は、そういう中に紛れ込んでるんだョ。

                あっ、その御守かして。
                それ持ってないと・・・やっぱり危ないからね。




                ・・・・・・・・・・・・・




                大丈夫だョ。
               
                私が、この御守持ってる限り・・・
                一緒に居る恋次も、安全だからね。




               あのなー・・・




                あっ、恋次・・・
                あそこ・・・何か居た・・・・・・




               ん?




                ほら・・・、あそこ・・・・・・



               (  が、恋次の胸に顔を埋めた )




               何にも居ねーョ・・・。
               映写機で、何か映し出してるんだョ。

               お前・・・やっぱり無理だろ・・・?
               今なら、入り口すぐそこだから・・・・・・
               なっ? 戻ろう?




                えーーー・・・・・・嫌だョ・・・。
                まだ、入ったばかりだもん・・・。




               入ったばかりで、これじゃ・・・しょーがねーだろ・・・?

               「怖くするな」とは、言ってきたけど・・・
               固定設置されてる物までは、撤去してねぇんだからさー・・・。




                お化け・・・出るの?




               ・・・・・・

               出るョ、いっぱいな。
               ただし、人形だぞ。




                人形に乗り移ったお化け?
                そーいうのって・・・一番怖いんだョね・・・。

                髪の毛が自然に伸びたり・・・目から、血の涙流したり・・・・・・




               やってらんねーョ!

               帰るぞ!



               ( 恋次が を抱きかかえ、入り口から出た )



           係員: あっ、あの・・・大丈夫ですか?




               ん?
               あー、さっきの・・・。

               大丈夫なうちに、引き返してきた。



           係員: そーですか・・・。




                、さっき御守拾ってくれたヤツだぞ。
               礼、言っとけ。




                うん・・・。

                あの・・・ありがとうございました・・・。
                お蔭さまで、恋次も怖い思いしなくてすみました。



           係員: えっと・・・・・・




               気にしなくていいョ。
               こいつの思考回路、普通じゃねぇから。



           係員: はい・・・。



            ?: 阿散井副隊長ーーーーー!



               ( 恋次と が、声のする方を向いた )




                で・・・・・出た・・・・・・・・・・・・・・・・・・



               (  が、気を失った )




               あーぁ・・・。
               お前・・・その格好で、出てくるなョ・・・。



            ?: あれ?
               気・・・失っちゃったんですか・・・?

               でも・・・、おかしいなぁ〜・・・?

               俺が居る所までは、お化けなんて出ないはずなんスけどね〜・・・。

               阿散井副隊長が、お化け屋敷に入ったって聞いたから
               定位置で、待ってたんですけど、中々来ないんで・・・
               どーしたのかな〜?って思って、順路逆行して・・・そーしたら
               入り口まで、たどり着いちゃったんで、出てきてみたんスけどね。

               何が怖かったのかなぁ〜?




               お前だョ。



            ?: えっ?




               お化けの格好したお前を、今、ココで見て、気絶したんだョ。



            ?: えっ?




               こいつには、お前が本物のお化けに、見えたんだろ?



            ?: えーーー??

               だって・・・
               「阿散井副隊長〜」
               なんて、笑顔で呼びながら、近寄ってくるお化けなんていませんョ?




               お化け自体、居ねぇだろ。



            ?: まぁ・・・そーですね・・・。



           係員: 阿散井副隊長・・・?




               ん?



           係員: あのー・・・
               あちらに、救護テントがありますので・・・
               そこで、休ませてあげては、いかがでしょう・・・?

                                                                  To be continued          2006,9,8 up

 

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