修兵 誕生日(後編)
〔 8月14日 修兵 誕生日 〕
( 夕方 十四番隊医療所 )
( 修兵が訪ねてきた )
すいません、
副隊長いらっしゃいますか?
お約束された方ですか?
はい。
では、こちらにどうぞ。
あの〜・・・。
はい、何か?
副隊長が自室に呼ばれるお方ですので・・・
お話・・・しても大丈夫かと思うんですけど・・・。
はい。
副隊長・・・阿散井副隊長と何かあったんでしょうか・・・?
えっ?
昨夜・・・阿散井副隊長、お見えになったんですけど・・・
お帰りになる時、様子が変でしたので・・・。
それに・・・
はい・・・。
副隊長・・・ずっと泣かれてたみたいで・・・
気持ちの部分なのか・・・それとも・・・・・・・
叩かれたみたいで・・・
口の中、相当切れて・・・痛みのせいなのか・・・
朝から何も召し上がれませんし・・・
いつも元気なお方なので・・・皆心配しているので・・・。
分かりました・・・。
話していただけるか分かりませんが・・・聞いてみます・・・。
副隊長、お客様がお見えになりました。
はい、どうぞ。
( 修兵が部屋に入った )
( 修兵と目が合い・・・ )
あいつ・・・殴ったのか?
えっ?
あぁ・・・、何でもないョ・・・。
俺が・・・こんな事頼んだから・・・。
違うョ・・・修兵のせいじゃないの・・・。
私と・・・恋次の考え方の違い。
修兵も悪くないし、恋次も悪くないョ・・・。
でも・・・。
ごめんね・・・。
せっかくのお誕生日なのに・・・。
こんな顔に傍にいられたんじゃ、台無しだョね・・・。
修兵・・・もう帰った方がいいョ・・・。
帰れないョ・・・(そんな
残して・・・)
あぁ・・・、そーだったョねー・・・。
帰ったら、捕まっちゃうか〜。
じゃあ、この部屋使ってョ。私、医務室にでも行ってるからさぁ〜。
(
が修兵の横を通り抜けようとした時、修兵が行くてを遮った )
修兵?
やっぱり俺のせいだ・・・。
恋次に話してくる。
えっ?
止めた方がいいョ・・・、ダメだョ・・・。
いや、いくら恋次でも許せない。
殴るなんて・・・。
他は、全て俺が悪くて・・・ヤツに殺られても・・・
を殴った事だけは、謝らせるョ。
そんな事いいョ。
殴ったって言ったって
きっと恋次にしてみれば、ちょっと触ったくらいだろうし・・・。
それに・・・こうなったのって・・・
私が勢い余って、余計な事言っちゃったからなんだもん・・・。
恋次は別に悪くないんだョ・・・。
もう・・・恋次にも嫌われちゃったし・・・
会う事だってないから・・・
だから・・・行かなくていいョ。
・・・。
俺だって副隊長なんだぜ。
そりゃー、恋次は強いョ・・・。
でも、あいつともいい勝負は出来るんだ。
このまま黙ってるなんて・・・俺には出来ないョ・・・。
行かないで・・・。
そんなに心配するなョ、大丈夫だ。
恋次、連れてきてやるョ、ここで待ってろョな。
( 修兵が部屋から出ていった・・・ )
どうしよぅ・・・。
・
・
・
・
・
〔 恋次の副官室前 〕
( 全部話す必要はねーョな・・・
ここで、必要以上ごたごたしてもしょーがねーしな・・・
まだ
にすら気持ち伝えてねーんだ・・・
あいつに話す必要、ねーョな・・・。 )
恋次・・・いいか?
あぁ。
( 中に入る )
お前かぁ・・・。
えっ?
あいつに何したんだョ。
あ・あぁ・・・。
その前に言っとくけど・・・
副隊長は、何も悪くねーからな。
殴った事は謝れョな。
あいつに会ったのか?
あぁ・・・今・・・会ってきたョ・・・。
何で殴ったりなんか・・・。
可愛い顔が台無しじゃないか・・・。
可愛い?
そーだョ。
お前・・・可愛いんだろ、あの子。
お前から見て可愛いんなら、俺から見たって・・・
きっと吉良から見たって、可愛いんだョ。
そんなに強く叩いたつもりねーけどなぁ〜。
お前なぁ〜。
口ん中、相当切れて・・・朝から何にも食べられないだぜ。
相手考えろョ。
しかも・・・自分の好きな子殴るなんて・・・。
誰のせいでそーなったと思ってんだョ。
そーだな・・・悪かった・・・。
でも・・・
言い訳じゃねーけど・・・俺・・・別に何もしてないぜ・・・。
今日・・・俺、誕生日だろ・・・。
で、うちの女の子達がパーティーやるって言ってきたんだ。
・・・そんな気分じゃなかったんだョ・・・。
断ってもしつこくて・・・
もう約束した子がいるって言っちゃったんだ・・・。
で・・・名前・・・出しちゃったんだョ・・・。
他に思い浮かばなくてさぁ・・・。
その後、
副隊長の所に謝りに行ってさぁ・・・。
今日・・・・・・・・
会う事になったんだョ・・・。
俺はどう思われてもしょーがねーけど・・・
副隊長は、別に会いたくて会うってんじゃないんだョ・・・。
俺が・・・逃げ回るの大変だろーって・・・。
ただ・・・それだけだからな・・・。
それだけじゃねーだろ。
えっ?
それだけなら、隠す必要ねーじゃねーか。
俺がマジで問い詰めたんだぜ。
その辺の男だって怖ぇーって思ったはずだョ。
実際・・・あいつだって怖ぇーって言ってたしなぁ。
今のだけなら、そこまでして隠す必要あんのか?
俺が・・・
恋次には言わないでくれって・・・言ったんだ・・・。
出来れば、お前とゴタゴタしたくなくて・・・。
( 恋次が思いっきり修兵を殴った )
ごめん・・・。
名前出した時点で、覚悟は出来てるョ。
お前の好きなようにしてくれ。
お互い・・・謝る相手が違うだろ・・・。
そーだョな・・・。
でも、今更だョな・・・。
どの面下げて会いに行けってんだョ・・・。
何かっこつけてるんだョ。
俺は・・・その内ちゃんと謝りに行くから・・・
お前はすぐ行けョ。
行けねーョ。
もともと好かれちゃねーけど・・・
昨日・・・決定的に嫌われたからな・・・。
( 今度は修兵が恋次を殴った )
分かっちゃねーのはお前の方だョ。
あの子・・・
殴られたのは自分のせいで、恋次はちっとも悪くないって言ったんだぜ。
お前がいらないんなら・・・俺がもらうぜ、いいのか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
冗談だョ。
でも・・・今、どう思ったんだョ。
別にいいか? 俺の女になっても・・・。
いいわけねーだろ。
じゃあ、行けョ。
( 黙って恋次は出て行った )
これでいいんだョなぁ・・・。
今ここで横からかっさらっても・・・後味良くねーし・・・。
やりあう時は・・・真っ向勝負だ。
・
・
・
・
・
(
の部屋の前 )
・・・。
れんじ?
あぁ・・・、入ってもいいか?
あ・・・うん。
( 恋次が部屋に入った )
修兵は?
修兵?
えっ?
お前ら、いつからそんな関係になったんだョ。
そ・そんな関係って・・・、別に関係なんてないョ。
そ・それより・・・修・・九番隊副隊長は?
あいつがそんなに心配か?
当たり前だョ・・・。
だって・・・恋次「殺る」って言ってたじゃない・・・。
私はこれでも・・・命を助ける側だもん。
恋次は、私の事「甘い」って思うかもしれないけど・・でも・・・
何を言われても、私には「命」は大切なんだョ。
九番隊副隊長は?
怪我してるなら、私すぐ行くョ。
大丈夫だョ。
何にもしてねーから。
悪かったなぁ・・・。
もう会わねーなんて言っときながら、のこのこ現れてョー。
( 恋次が頭を下げた )
すまなかった・・・引っ叩いたりして・・・。
お前に手あげるなんて・・・最低だョ・・・俺。
れ・恋次?
やめてョ。
ねぇー、頭上げてョ。
・・・。
俺、どーしたらいい?
許しちゃもらえねーだろうけど・・・
どんなに嫌われても・・・
お前の傍から離れられねーョ・・・。
じゃあ、頭上げてョ・・・お願いだから。
こんなんじゃ、話せないョ・・・。
れんじ・・・。
( 恋次が頭を上げた )
ごめん・・・。
痛そーだなぁ・・・。
とっとと治してもらえばいいのに・・・。
あのねー・・・。
たとえこんな傷だって、治すにはかなりの力が必要なの。
そんなにダメージ負わなくてすむのは、私と隊長くらい・・・。
私は自分じゃ治せないし・・・。
申し訳ないけど・・・私こんなんだから、今日は休ませてもらってるから
殆どの治療、隊長にやってもらっちゃってるんだョ。
だから・・・隊長にだって頼めないでしょ〜。
恋次達みたいに戦うのも、大変なのは凄く良くわかるョ。
でも、私達だって・・・結構大変なんだョ。
が大変なのは・・・良く分かってるョ・・・。
すぐ、ぶっ倒れるもんなー。
皆も同じだョ。
恋次・・・、話しってどーなったの?
あぁ・・・九番隊副隊長と・・・。
あいつが全部話してくれたョ。
お前・・・前から修兵の事、知ってたのか?
知らないョ。
昨日初めて会ったんだもん。
それで「修兵」か? 何のためらいもなく・・・。
ためらいって・・・
だって・・・
「恋次の事恋次って呼んでるんだから、俺の事修兵って呼んでくれ」って・・・。
あいつ、そんな事言ったのか?
うん・・・。
お前さぁ〜・・・、それって・・・
お前が昨日隠してた事よりも、もっと言って欲しくない事なんじゃねーの
修兵にとってはさぁ〜。
えっ?
恥ずかしいって事だョ。
まぁ、お前らしくていいか・・・。
あっ!
な・何だョ。
あのさぁ・・・。
(
が机の方へ行き、何か持ってきた )
これ、どーしョ〜・・・。
ん?
誕生日のプレゼント。
別に、大したもんじゃないけど・・・。
渡さなくていいョ。
えっ?
でも・・・、せっかく買ったのに・・・。
渡すな。
( 恋次が、
の手からプレゼントを取った )
俺が処分しとく。
処分って・・・捨てちゃうの?
あぁ・・・。
悪いけど、捨てる。
買いに行くの大変だったのに・・・。
恋次・・・まだ怒ってるの?
そーじゃねーョ。
まぁ、お前に分かれって言っても、到底無理だろうからな・・・。
何ョそれ。
いんだョ。
それとも・・・修兵の事・・・好きにでもなったのか?
えっ?
な・何言ってるの?
昨日会ったばっかりなんだョー・・・。
前にも言っただろ・・・時間は関係ねーって・・・。
大体、修兵の方は・・・(きっと・・・そーなんだョな・・・)
大丈夫かなぁ〜?
何が?
九番隊副隊長さん・・・。
パーティーやだって言ってたから・・・。
やっぱり好きなんじゃねーか・・・。
そうじゃなくて・・・。
私に頼みにくるなんて、よっぽど嫌だったんじゃないかと思ってさぁ〜。
恋次の友達でしょ・・・。
いつも恋次にはお世話になってるし・・・。
私で出来るなら、力になってあげたかったんだもん・・・。
1つだけ言っておく。
俺とあいつは、全く別だからな。
ん?
俺の為にあいつに何かしてやるんだったら
あいつも俺も迷惑だ。
言ってる事が、よく分かんないョ・・・。
だろーなぁ・・・。
俺の為って思ってくれてんなら・・・俺に何かしろョ。
あぁ・・・別に変な意味じゃねーぞ。
お前に説明すんの、難しいんだョ・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
あいつの事は、気にすんな・・・
いくらでも、逃げ道あるからョー。
うん・・・。
そんな事より・・・。
俺の事・・・許してくれんのか?
許すって?
昨日の事だョ。
俺・・・結構きつく言ったし・・・。
(
の顔をじっと見つめて )
・・・可愛い顔、台無しにしたからなぁ・・・。
恋次・・・笑わせないでョ・・・笑うと痛いんだから〜。
あーあ。
こんなヤツ、修兵にくれてやりゃぁよかった・・・。
ん?
恋次、修・・九番隊副隊長に何かプレゼントしたの?
バーカ、やるかョ。
それより、修兵でいいョ。
あいつの前で「九番隊副隊長」なんて言ったら
まるで俺が言わせたみたいになるじゃねーか。
んーーー。
訳分かんないョ・・・。
私が「修兵」って呼ぶと、何か関係あるのかって言うし・・・。
ないんだろ。
あいつ・・・何にもしなかったんだョなぁ?
何にもって?
だから・・・・・・・・・・・・・。
お前って・・・本当に厄介だョなー。
まぁ、あいつを信じるョ。
でも・・・
何で昨日・・・お前泣いたんだ?
泣くような事、何にもねーじゃねーか・・・。
だから散々勝手に泣いてるって言ったでしょ〜。
信じなかったのは、恋次なんだからね〜。
お前が勝手に泣くなんて・・・
信じろっていう方が無理だョ。
何か・・・心が重かった・・・。
別に・・・ただ会うだけだったから、何でもないんだけど・・・
恋次に・・・何にも言えないのが・・・苦しかった・・・。
自分でもよく分かんないョ・・・。
本当にあの時・・・訳分かんなかったの・・・。
・・・。
俺・・・お前の傍にいてもいいか?
えっ?
だって、私の事嫌いなんでしょ?
もう、会わないって・・・。
俺が「嫌い」だなんて、いつ言ったんだョ。
何回も「嫌い」って言ったのは、
の方じゃねーかョ。
昨日の事なんて、よく憶えてないもん。
そうですか。
じゃあ、何にもなかった事にしていいんだな。
あぁ・・・・・・・・。
その・・・・・・・・。
引っ叩いた事は・・・消えねーョなぁー・・・本当にごめん・・・。
もう、謝らなくていいョ。
全部忘れよう・・・昨日の事は・・・。
( 恋次が
を「ギュッ」と抱きしめた )
れんじ・・・痛いから・・・頭押さえないで・・・。
やだね。
少し我慢しろョ。
恋次はやっぱり、凶暴だョ・・・。
そんなの、今分かったのか?
痛いって・・・。
が小さ過ぎるんだョ。
そ・そんな事言われたって・・・。
恋次って、身長いくつ?
188
高いね・・・。
とは30cm以上差がありそーだなぁ。
うん・・・。
が目の前にいると、見えねーョ。
えっ? そーなの?
バーカ、 そんな訳ねーだろ〜。
目の前にいたら・・・
( 恋次がさらに強く抱きしめた )
い・痛いョ・・・。
もう、離さねーョ。
やだョ。
何でだョ。
だって・・・痛いんだもん・・・。
って・・・本当、可愛いョなぁー。
fin 2005,8,14 up
修兵、お誕生日おめでとう〜☆