福引



               〔 医療所近くの路上 〕


           修兵: あっ、あれ・・・ じゃねぇか?



           恋次: 本当だ。
               全力疾走で・・・何処、行くんだろ?



           修兵: ついてってみようぜ。



           恋次: あぁ。

                          ・
                          ・
                          ・
                          ・
                          ・

               〔 神社 〕


           恋次: 人気のねぇ神社に・・・何しに・・・?
               お参りでも、するのかな?



           修兵: お参りするのに、全力疾走で来るか?
               途中・・・転ぶんじゃねぇか、って思ってハラハラしたョ。



           恋次: そーだな。

               俺達からしてみたら・・・
               「随分遅い全力疾走」だけど・・・真剣に走ってたもんな。

               足・・・もつれそうになってたし・・・
               そんなに急いで・・・何しに神社に・・・?



           修兵: あっ!
               何だ、あの男・・・?



           恋次: あいつに会う為に、必死で走って来たのか?



           修兵:  がこんな所に、男を呼び出す訳ねぇから
               男に呼び出されたんだろうな・・・?



           恋次: あの野郎ー!
               俺が、話し付けてきてやる。



           修兵: ちょっと待て、恋次。
               少し、様子みよう。



           恋次: 嫌だね。
               あんなヤツと、話しさせる必要ねぇだろー?

               こんな・・・誰も居ねぇような所へ呼び出して・・・
               何するか分かんねぇぞ!?



           修兵: 俺達がココに居るんだ。
               あんなヤツに、指一本触れさせねーョ。

               盗み聞きは良くねぇけど・・・少し、話し聞いてみようぜ。



           恋次: でも・・・



           修兵:  ・・・いつになく、険しい表情してる・・・。
               何か、話そうと思って来たんだョ。

               自分で対処させる事も、必要だし・・・

               俺達が出ていったら、 は話したい事、話せなくなるだろ?
               ココに居れば、絶対守ってやれるんだから・・・なっ?



           恋次: 分かったョ。


                          ・
                          ・
                          ・


                あの・・・どーいう事ですか?

                こんな物・・・急に送ってこられても、困るんですけど・・・・・。




            男: この間、話したでしょ?

               福引で、温泉旅行当たったら、一緒に行きましょう・・・って。




                えっ?
                あー・・・、あの時の患者さん・・・。




            男: 「 副隊長と一緒に、温泉行けますように」
                って念じながら引いたら、当たったんですョ

                   『温泉旅行のペアチケット』

               だから、早速送らさせていただきました。

               ついでに、出発時間等、決めちゃいたかったんで
               「ココに来て下さい」って、一筆添えて。




                あ・あの・・・・・・
                私は・・・「一緒に行く」とは、言わなかったと思うんですが・・・?




            男: 「当たるといいですね」
               って、言ってくれたじゃないですか。

               それって・・・一緒に行ってくれるって事でしょ?




                い・いえ・・・そんなつもりじゃなくて・・・・・・




            男: もう、全て手続きは済ませてきました。

               同行者欄には・・・「 」って書いて・・・・・・

                ・・・さん?

               一緒に行ってくれますョね・・・?




                ・・・・・・ごめんなさい。
                一緒に行く事は出来ません・・・。

                私・・・貴方の事・・・殆ど知らないし・・・。
                勘違いさせてしまったのなら・・・申し訳ありません。
                誰か、他の方と行って、楽しんできて下さい・・・。




            男: そんなの・・・酷いじゃないですか。

               俺は・・・ちゃんと話しましたョ!?

                さんと、温泉行きたいって。
               当たったら・・・一緒に行きましょうねって・・・何回も。




                ご・ごめんなさい・・・。

                本心だとは、思わなくて・・・。

                社交辞令っていうか・・・
                よく、そーいう言い方するじゃないですか・・・?

                「当たったら、一緒に行こう」とかって・・・・・・。




            男: そんな・・・・・・。

               じゃぁ・・・改めて・・・・・・

                さん・・・・・・

               俺と一緒に・・・温泉・・・行って下さい、お願いします。




           修兵: 残念だったな。



            男: えっ?

               檜佐木副隊長・・・・・・
               阿散井副隊長も・・・・・・?



           修兵:  は、俺と行く事になってるんだョ。

               ほら、コレ。



               ( 修兵が男に、当たった宿泊券を見せた )



            男: あ・・・、コレは・・・・・・



           修兵: 俺も当たったんだョ、福引。

               悪いな。
                は、俺と行く事になっててさー。



            男: そ・そーなんですか・・・?



           修兵: どーしても、横取りしたいって言うんなら、決闘受けて立つぜ。

               どーする?



            男: い・いえ・・・・・・

               知らなかったので・・・
               あ・あの・・・、失礼します・・・・・・。



               ( 男が、走り去って行った )



           恋次: 修兵・・・
               そんなの当たったなんて、言ってなかったじゃねぇか?



           修兵: そりゃそーだろー。

               恋次に黙って、 と二人で温泉行こうって、思ってたんだからさ。

               バレちゃしょうがねーョな。

                、俺と温泉行こうな!?




                二人共・・・どうして、ココに居るの?




           恋次: 俺が何処に居ようと、俺の勝手だろ?

               そんな事より・・・
               何でこんな所に 、一人で来たんだョ!?

               男に呼び出されて、のこのこ一人で来るヤツがあるか!!




                だって・・・
                「宿泊券」入ってたから・・・早く返した方がいいと思って・・・。




           恋次: もし・・・



               ( 恋次が を、抱きしめた )



           恋次: こーやって、抱きつかれたら・・・どーすんだョ!?
               お前じゃ、抵抗出来ねぇだろー。



               (  が恋次に、もたれ掛かった )



           恋次: ・・・ん?




                怖かった・・・・・・。




           恋次:  ・・・・・・。

               呼び出されたって、行く事ねぇんだからな!
               いや、絶対行くな!!
               そんなの、放っときゃいいんだョ。



           修兵: そうそう。

               呼び出された所に行く前に、俺の所に来いョ・・・なっ?




                うん・・・。

                でも・・・修兵が居なかったら、どーするの?




           修兵: 俺が戻るまで、待ってろ。
               一人で会いに行っちゃ、絶対ダメだ。



           恋次: 俺の所でも、いいんだからな。




                うん・・・。

                恋次・・・?




           恋次: ん?




                さっきの人に、宿泊券返すの忘れちゃったんだけど・・・?




           修兵: じゃぁ、俺と行こう。



               ( 修兵が の手を握り・・・ )



           修兵: 恋次、離せョ。



           恋次: 何処行くんだョ?



           修兵: 手続きしにだョ。

               温泉行くのにさ、
               「いつ行くのか、誰と行くのか」幾つか書類に書かなきゃなんねーんだョ。

               ついでに「その券」、係りのヤツに、渡しておけばいいョ。
               さっきのヤツに、返しておいてくれ、ってさ。



           恋次: じゃ、離さねぇ。
               お前と温泉には、行かせねぇから。



           修兵: それは、恋次が決める事じゃねぇだろ?

                が・・・
               死んでも俺と行くの・・・嫌だって言うなら、諦めるョ。

                ・・・・・・
               俺と行くの・・・嫌か?




                え・・・・・・・・・・・・




           恋次: 嫌だってさ。



           修兵:  ・・・・・・。

               さっきのヤツにも、言っちゃっただろ?
               「俺と一緒に行く」って・・・。

               行かねぇと・・・騙した事になるし・・・・・・。



           恋次: 汚ねぇぞ!

               そーいう言い方したら、断われなくなるだろー!

                、行かなくていいからな。



           修兵:  ・・・・・・

               分かった。
               まだ時間あるから・・・少し考えてみてくれ。

               今は・・・「その券」だけ返しに行こう。




                うん・・・。



               ( 恋次が を離した )




           恋次:  ・・・
               さっきのヤツに言ったのは、修兵が勝手に言ったんだから
               考えなくていいからな。




                うん・・・。

                修兵・・・?




           修兵: ん?




                あのさぁ・・・・・・
                恋次と二人で行くのはダメなの?




           修兵: え・・・・・・・・・・・・

               だって・・・コレは、俺が当たったんだぞ・・・?

               何で、俺が当てた券で・・・
                と恋次が温泉になんて・・・・・・・・・・・・




                私じゃなくて、修兵と恋次。




           修兵: ハ?????




                恋次・・・相当、疲れてるみたい・・・。
                体力落ちてるし・・・。

                怪我も・・・酷くはないけど、してるし・・・・・

                怪我は、私が治してもいいんだけど・・・
                温泉行けるなら・・・それの方が休まるから・・・・・・。

                だから・・・
                恋次を、連れてってあげて? 




           修兵: 断わる。



           恋次: 俺も、断わる。

                には悪いけど・・・修兵と温泉なんて、行けねーョ。
               今のお前の気持ちだけで、十分だ。
               ありがとな。




                何で?
                二人・・・いつも、仲良いのに・・・?




           修兵: あのなぁ・・・
               「仲良い」にも、いろいろあってな・・・

               今回の温泉は・・・
               福引で「カップルで温泉にご招待〜」っていうのなんだ。




                うん。




           修兵: 仲間同士で、休みに温泉行くってのとは・・・
               ちょっと趣旨が違うんだョ・・・。




                うん・・・・・・??




           修兵: さっきも言った通り・・・
               書類に記入しなきゃなんねぇ事があって・・・

               同行者・・・カップルの相手だな、
               それは、絶対書く事になってるんだョ。




                うん・・・。




           修兵: その、同行者欄に・・・
               恋次の名前なんて書いてみろ、変な誤解されんだろー?




                ん??




           恋次:  には難しいんだョ。


               
               俺と修兵は、カップルじゃねぇからな。

               仲は良くても・・・好き合っても、愛し合ってもいねぇんだ。




                そんなに気にしなくても・・・・・・




           修兵: 気になる!




                私と行っても・・・変な誤解されるじゃない・・・?




           修兵:  との誤解なら、大歓迎!




                よく分かんないけど・・・

                修兵は・・・
                本当は、誰か誘おうと思ってたんでしょ?

                私の事助けようと思って・・・
                咄嗟に「私と行く」って、言っちゃったんだョね・・・?




           修兵: 俺は・・・
               最初から、 と行くつもりだったョ。

                以外とは、行かねぇ。




                えっ?

                私の事なら、気にしなくていいョ?

                「嘘つき」って言われてもいいからさ。

                あっ、修兵は・・・
                私が無理に頼んで、嘘ついて貰った・・・って言うから、安心して。




           修兵: どーしても・・・・・・

               一緒には、行ってくれないのか・・・・・・?




                修兵・・・・・・
                私を、連れて行ってくれるの?




           修兵: 一緒に行きてぇ・・・ と・・・・・・。




                じゃぁさー・・・・・・

                4人で行こうョ?




           修兵: 4人??




                うん。

                修兵と私と・・・
                あと、私が恋次と、恋次の好きな人を招待して・・・
                4人で。




           修兵: それは無理だな。
               4人・・・ってのは・・・・・・。




                どーして?

                あっ・・・・・・・・・・・・
                修兵・・・ごめんね・・・・・・。

                修兵と恋次って・・・同じ人、好きなんだョね・・・。




           修兵: それも、そーだけど・・・

               今の の提案だと・・・4人には、ならないんだョ・・・。

               3人・・・って事だな。




                そーだョね・・・。
                二人が好きな人誘う訳には、いかないョね・・・。

                好きな人取り合って、喧嘩になっちゃったりしそうだもんね。




           恋次: 全く・・・・・・
                は、全然分かってねぇんだな・・・。

               まぁ、いいや。
               3人で行こうぜ。




           修兵: 飽くまでも、 と俺がカップルで・・・
               恋次はただの湯治客だからな。



           恋次: 傍に居られりゃ、何でもいいョ。




                やっぱり・・・仲良いんじゃない・・・。

                私をカップルの相手として・・・カモフラージュして・・・
                本当は、二人で行きたいんでしょ?




           修兵: 冗談は、止めてくれ。



           恋次: 「傍」ってのは・・・「 の傍」だからな。



           修兵: 恋次なんて、誘うなョ・・・・・・。

               俺は・・・ と二人で行きたいんだからさー。




                じゃぁ・・・

                修兵は、好きな人誘って、温泉に行ってきなョ。

                で・・・、恋次と好きな人は、違う日に行けばいいでしょ?
                恋次達の分は、私がプレゼントするから。

                あとは・・・好きな人が行ってくれるかどうかは・・・二人次第。

                頑張ってね。




           修兵: 好きなヤツ誘えばいいんだな?




                うん。




           修兵: じゃぁ・・・・・

                ・・・、俺と温泉行ってくれ。



           恋次: 俺とは・・・修兵と行く前に行こうな。




                ん・・・・・・?




           恋次: 修兵とは、一泊だろ?

               俺とは・・・二泊、いや・・・三泊しようぜ。

                の言う通り、俺・・・ここのところ、ずっと頑張ってきたから
               休みも取れると思うし・・・
               一層の事・・・一週間くらい行ってるか。

               湯治だもんな。
               一ヶ月くらい行ってても、おかしくねーョな!




                修兵は・・・誰と行くの?




           修兵: 




                恋次は・・・?




           恋次:  !!




                 って・・・何処の・・・




           修兵: 十四番隊の・・・



           恋次: 

                                                 fin                                                2006,12,6 up  

 

戻る

 

あとがき

ヒロインは・・・二人と温泉へ行ったのでしょうか?
多分・・・恋次と修兵・・・お互いが邪魔をし合って
結局、3人で行きました〜という落ちかな?(笑

長文、最後までお読みいただき、ありがとうございました☆
お時間ありましたら、また遊びに来て下さいませ。