修業(後編)




               〔 元旦 ・  の部屋 〕


               ( 恋次と修兵が部屋を出ようとした時、扉が開いた )




                あれ?
                恋次と修兵・・・来てたんだ・・・。

                もう帰るの?
                ボイスレター、聞いてくれた?




           恋次:  ・・・?



           修兵: 修行は・・・??



           恋次: 忘れ物か、何かか?

               まぁいい。
               帰って来たからには・・・もぅ、行かせねぇ。




                修業は・・・止めたの。
                私には、必要ない気がして・・・。




           修兵: 修行・・・きつかったのか?
               大丈夫か? 怪我・・・してねぇか?




                ん?

                あのね・・・
                集合は、昨日だったんだけど、修業は今日からだったから・・・
                まだ何もやってないんだけど・・・・・・。




           恋次: 自分で悟ったのか・・・。

               考えりゃ、分かる事だもんな。
                に修行は必要ねぇって。




                え・・・・・・

                恋次は・・・そう思うの?

                修兵も・・・そう思う?




           恋次: 思う。

               修行なんかしたって、どーにもなんねぇだろ?
               今と、何も変わんねぇんだからさ・・・、する必要なんてねぇ。



           修兵: 俺は・・・努力は買う。
               向上心は、否定しねぇ。

               が・・・、使い道ねぇ事に、命懸ける必要は・・・正直、ねぇと思う。
               



                私が修業しても・・・無駄って事だね・・・。

                どんなに頑張っても、「女らしく」は・・・なれない・・・・・・。




           恋次: 女・・・??



           修兵: らしく・・・??

                ・・・?
               お前さぁ・・・、一体何の修行に行ったんだ?




                花嫁修業。




           恋次: えっ!?



           修兵: 花嫁って・・・・・・
                ・・・まさか、結婚の予定・・・あるのか?



           恋次: あっ、また「見合い」か?

               止めとけョ。

               断われねぇんだったら、俺が断わってきてやるから。




                そんなんじゃないョ・・・。

                いつも恋次達に、「女らしくない」って言われてるから・・・。

                丁度「短期集中 花嫁修業合宿 参加者募集中」ってあったからさ・・・

                行ってみようと思ったの・・・、修業に・・・。




           恋次: 「しゅぎょう」って言うの・・・止めてくんねぇか?
               何かちょっと・・・違う気がすんだョなー・・・。




                えー・・・
                でもね・・・
                皆、愛する人の為に頑張ろーって、凄く気合入ってたし・・・。

                説明は受けてきたけど・・・
                かなり厳しそうだったョ・・・?




           恋次: 心配して損した。



           修兵: 俺達の議論は・・・不毛だったな・・・。



           恋次: 本当だョ!
               バカみてぇだョな。
                の命の心配までして・・・・・・。



           修兵: 「しゅぎょう」って言葉に騙された俺達も悪いんだョ。



           恋次: あれだけ真剣に・・・

               「お正月は、集中して 『しゅぎょう』 して来るから。
                恋次達も、体には気を付けてね。私は、居ないんだから・・・。」

               って、言われたら「本当の修行」だと思うョ。




                嘘じゃないョ?

                本当に行って来たんだョ、修業しに・・・。




           恋次: バーカ!

               「花嫁修業」は、『修行』の中に入んねぇ。



           修兵: 俺達が思っていた「修行」とは・・・全然違うものだからな・・・。




                あっ!?




           恋次: どーした?




                ゴミ箱に・・・ボイスレターが、捨ててある・・・・・・。




           恋次: えっ!

               いや、あ・あれは・・・・・・・・・・・・



           修兵: あぁ。
               あれって・・・ゴミ箱だったの?

               綺麗な箱だったから、小物入れかと思って・・・

               ごめん、俺が入れた。

               決して「捨てる」つもりじゃなかった。



               ( 修兵がゴミ箱からボイスレターを拾って、 に渡した )



           修兵:  ・・・
               次からは、俺達も別々にボイスレター作ってくれ。
               恋次と一緒じゃ・・・嫌だ。



           恋次: 俺も・・・俺だけに話しかけて欲しい。
               短くていいから・・・なっ?




                うん・・・。




           修兵: そーいや・・・まだだったな。
               遅れたけど・・・

                ・・・
               「あけましておめでとう。今年は、俺だけと仲良くしような。」




                うん・・・。




           恋次: 「うん」じゃねぇだろー!!!

               俺とは・・・

               俺とも仲良くしろ!




                恋次?




           恋次: な・何だョ? 聞こえなかったか・・・?

               ・・・・・・

               「あけましておめでとう。

                ずっと俺の傍に居ろ。

                仲良くしてくれ・・・。」




                 良かったね・・・。




           恋次: は?




                好きな人と・・・凄く仲良くなったんでしょ?

                修業に集まった人達が言ってたョ。

                阿散井副隊長・・・「ラブラブ」だって・・・・・・。




           恋次: は〜??




                見たんだって・・・。

                クリスマスの時・・・
                広場のツリーの前で・・・キスしてるところ・・・・・・。




           恋次: えっ・・・・・・




                女の子の方は、顔は全然見えなかったけど・・・
                小さくて・・・明るい感じで・・・
                凄く仲良さそうだったって・・・。

                どっちかって言うと・・・
                女の子の方が「主導権握ってる」みたいで
                阿散井副隊長の方が「メロメロ」だったって言ってたョ。

                結構多くの人達に、見られてたんだね、恋次。

                もっと近くに寄って
                相手の人の顔とか、どんな事話してるのか聞いてみたかったけど
                怒られたら怖いから、傍には寄れなかったってさ。

                恋次・・・

                良かったね・・・。

                恋次は、ず〜っと「その人」の事が好きだったんだもんね。




           修兵: 「キス」って・・・・・・

               恋次・・・お前・・・したのか?



           恋次: い・いや・・・

               俺からは・・・してねーョな?
               なっ?  ・・・?




                ん??

                私は、見てないもん。
                そんな事・・・知らないョ・・・。

                あのツリーの前には、恋次と行ったけど・・・
                あの時は、私と恋次が一緒だったんだし・・・・・・

                あっ!?

                もしかして・・・
                前の日に、ツリーの前でキスしてたのって・・・恋次だったの?




           恋次: 違うョ!!

               俺は としか、あそこには行ってねぇ!



           修兵: じゃぁ、どーいう事だョ?

               恋次は・・・誰とキスしたんだョ?

                ・・・?
               恋次に・・・無理矢理キスされたんじゃねぇのか?




                えっ???

                あー、おでこにね。




           修兵: 恋次!
               俺には、頭の天辺でもダメだって言っておきながら・・・。

               でも・・・まぁ・・・
               「おでこ」なら・・・許せる範囲・・・だな。



           恋次: 修兵に許してもらう必要はねぇだろ?

               大体・・・
               あの時の「キス」は・・・・・・
                が・・・してくれたんだから・・・・・・。



           修兵: ん??



           恋次: 何でもねーョ。

                ・・・
               皆が見たのは・・・俺とお前だョ。

               周りからは、俺達「ラブラブ」に見えるんだな。

               まぁ、当然だョな。

               キス・・・したんだし・・・・・・。



           修兵: 何、ゴチャゴチャ言ってんだョ?

                、恋次なんて置いて、初詣行こうぜ?
               団子奢ってやるョ。
               腹減っただろ? いっぱい食べような。




                うん!



           恋次: 俺も行く。

               その前に・・・
               さっきの返事・・・

                ・・・、俺と・・・仲良くしてくれ・・・?




                あっ、そーだった・・・。
                まだ、ちゃんと言ってなかった・・・。


                修兵様・・・
                あけましておめでとうございます。今年も・・・・・・




           修兵: 仲良くしような!




                はい。

                えっと・・・


                恋次様・・・
                あけましておめでとうございます。
                今年も、よろしくお願い致します。




           恋次: ・・・仲良くは?




                仲・・・良いつもりだけど・・・?




           恋次: え・・・・・・

               まぁ・・・、そ・そーだョな。

               でも・・・俺にも言ってくれ・・・。
               自信・・・ねぇから・・・・・・。




                恋次様・・・
                私と・・・仲良くして下さいね?




           恋次: あぁ、当然だ。 今以上にな!




                ありがとうございます。




           恋次: そんなに改まんなくていいぞ?
               「様」なんて、いらねーョ。




                修業に来た人達でね・・・




           恋次: 「しゅぎょう」じゃねぇっての。




                修業 だもん・・・。
               
                じゃぁ・・・
                「花嫁修業」に来た人達で、結婚決まってる人達は・・・
                相手の方の事・・・「・・・様」って呼んでたの。

                それが普通みたいだったし、相手の事を尊敬してたみたいだし・・・

                私も・・・普段は「恋次」「修兵」って呼ばせてもらってるけど・・・
                二人の事は尊敬してるし・・・
                だから、お正月くらいは・・・




           修兵: 尊敬か・・・。

               嬉しい。
               凄く嬉しい・・・けど・・・

                には・・・名前だけ呼んでもらいたい。
               
               今も・・・結婚してからも・・・ずっと・・・
               俺は、名前だけで・・・呼び捨てでいいからな。



           恋次: 修兵となんて、結婚しねーョ!

               なっ!  ・・・?




                私は・・・貰ってくれる人がいたら・・・・・・




           恋次: はい! 俺。



           修兵: 俺が幸せにしてやる。
               俺のところに来い。




                ありがとう・・・。

                そんな風に言ってくれる人が・・・
                死ぬまでに一人でいいから、居てくれる事を・・・
                初詣で、お願いしてこよ〜っと。




           恋次: 居るじゃねーか、俺が。



           修兵:  ・・・、俺と一緒になろう。 なっ?




                はいはい。

                そんなに心配してくれなくても、私だって一人くらい・・・
                そーいう人が現れてくれる・・・筈だから・・・・・・。

                ダメかな?

                まぁ・・・いいや。

                私は・・・
                今の・・・14番隊の仕事を続けられて・・・

                恋次か修兵を助ける為に死ねれば・・・それでいい・・・。




           修兵:  ・・・・・・。



           恋次: なら、 は死なねーョ!

               俺達が、ドジ踏まなきゃいいんだからな。

               その為に、俺たちは「修行」する。

               誰かの為にじゃなく・・・

               ただ・・・

                だけの為に・・・。

                                                          fin                                     2007,1,15 up  

 

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あとがき

今回のお話には、「first K...」での出来事(キス)が話題になっております。

駄文ばかりですが・・・
これからの、この3人の恋模様(笑)・・・お暇がありましたら、読んでやって下さいませ。

長文、最後までお読みいただき、ありがとうございました☆

今年も、どうぞよろしくお願い致します。