幸せの瞬間(前編)





               〔 2月14日・夜   の部屋 〕

               ( 扉が開き、恋次が入って来た )



                !!
               何で今日来なかったんだョ!?

               俺・・・
               ずっと待ってたんだぞ!?




                え・・・・・・
                「行く」って、約束してたっけ?




               してねぇけど・・・

               今日は・・・何の日・・・だ?




                何の日って・・・
                2月14日だけど・・・何かあったっけ?




               ふ〜〜ん、そーいう事か。

               仲良いと思ってたのに・・・
               冷てぇヤツなんだな、お前って・・・。




                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




               まぁ・・・
                が、誰にチョコあげようが、あげまいが・・・
               勝手だけどさー・・・。

                からチョコ貰えなかったからって・・・
               俺が、どぅこぅ言う権利・・・ねぇけどさー・・・。

                が、誰を好きになっても・・・・・・

               良かねーんだョ!!!


               でも・・・
               バレンタインデーに、知らん顔されちゃなぁ・・・・・・

               俺には見込みねぇって事か?




                恋次?




                が、チョコ買い込んでたの・・・知ってんだョ。

               誰にやった?
               親睦会の連中か?




                うん・・・。




               あと・・・
               14番隊の連中・・・隊長、鳳、それから・・・修兵・・・か?




                うん・・・。




               そーか。
               それがお前の気持ちか。
               俺の事なんて、眼中にねぇって事だな?

                の気持ちは、良〜く分かった・・・。

               じゃぁ・・・な。




                恋次・・・?

                あ・あの・・・・・・
                お世話になってるお礼は・・・近いうちに、ちゃんとするから・・・。

                チョコじゃなくても・・・いいでしょ?




               俺は・・・
               「礼」や「チョコ」が欲しい訳じゃねぇんだョ。

               俺の事が嫌いなら・・・
               俺に関心・・・ねーんなら・・・
               俺の所には、もぅ来ねーでくれ。

               情けねぇけど・・・
               俺から突き放す事は・・・出来ねぇから・・・。

               頼むから・・・
               俺の前から消えてくれ・・・。



               (  の目から、涙が溢れた )



               泣きてぇのは、俺の方だョ・・・。




           修兵:  ・・・。



               ( 修兵が、部屋に入って来た )



           修兵: あ、恋次。

               ほら、コレ。



               ( 修兵が恋次に、包みを渡した )



           恋次: 何だコレ?



           修兵: チョコレートケーキ。

               俺からじゃねぇぞ。
                からだ。



           恋次: えっ・・・?



           修兵: 恋次・・・・・
               泣かせたのか?

               しょうがねーヤツだなー・・・。
               チョコ貰えなかったくらいで、そんなに怒るなョ!?



           恋次: ・・・?



           修兵:  ・・・、遅くなっちゃって、ごめんな。

               なるべく、 が注文したのに近づけようとしたら
               時間掛かっちゃって・・・

               全く同じのは出来なかったけど・・・
               かなり好い線いってると思うョ。




                修兵・・・?

                チョコレートケーキ・・・作ってくれたの?




           修兵: ん?

               俺じゃなくて・・・
                が注文したお店の人に頼んで、作ってもらったんだ。

               何とか、「今日中にお願いします」って頼み込んでさ。




                修兵・・・ありがとう・・・。




           修兵: いいんだョ。

               それよりも・・・手・・・大丈夫か?
               ちゃんと治療してもらったんだろうな?




                え・・・・・・




               ( 修兵が、 の腕を見た )




           修兵: 何だ・・・
               何にもしてねぇじゃねーか・・・・・・。

               こんなに色変わっちゃって・・・痛いだろ?




                ううん・・・、大丈夫・・・。




           修兵: 痛くない訳ないだろー。

                は、医療所に居るんだから、治療くらいしてもらえョ。
               とりあえず・・・今、薬持って来てやるから。



           恋次: お・おい・・・?

               何がどーなってんだ?

                ・・・怪我したのか?



           修兵: 何にも聞いてねぇのか?



           恋次: あぁ・・・。



           修兵: ココまで来て・・・
               「チョコくれなかった」って、怒っただけか?



           恋次: 怒ってねぇ・・・つもりだけど・・・・・・。



           修兵: ったく・・・。

               今日は恋次のせいで、 は1日中泣く事になって・・・。



           恋次: は?



           修兵:  はなぁ・・・

               俺と恋次の為に、特別に俺と恋次の名前を入れた「チョコレートケーキ」を
               注文してくれたんだョ。

               で・・・
               今日は「それ」をお店から受け取って、2つ持って・・・
               まずは、恋次の所へ行こうとしたんだ。



           恋次: え・・・・・・



           修兵: で、
               恋次の副官室の前まで来たところで・・・
               中から出てきた、何人かの女とぶつかって・・・
               っていうか・・・突き飛ばされて・・・
               転んで・・・
               恋次のケーキは、そいつらに踏まれて、ダメになって・・・
               更に、 の手も踏まれて・・・怪我したんだョ。

               俺のケーキも、原形とどめてなかったんだけど・・・
               でも、とりあえず・・・箱の中に納まってたから・・・
                は、廊下を掃除して、それから俺の所に来て・・・・・・

               ずっと泣いてたんだ・・・。



           恋次:  ・・・・・・



           修兵: 俺は、崩れたケーキを快く受け取った。

               形はどーであれ、本当に嬉しかったから、素直に喜んだ。

               手の怪我も・・・
               そんなにずっと泣く程の痛さじゃねぇと思うし・・・

               なのに・・
                は・・・
               俺の所に来て・・・
               泣き続けてた・・・。

               だから理由は・・・・・・

               「恋次にケーキが渡せなかったから」・・・って事になるだろ?

               あ、勘違いするなョな?
               「好きだから」って事じゃねーからな。



           恋次: あぁ・・・。



           修兵: だから俺は・・・
                をココへ送って来て・・・
               その後、恋次のケーキを作ってもらいに、お店へ行って頼んできたんだ。

               恋次のせいで、俺は大変だったんだぞ!?



           恋次: 俺のせいって・・・・・・



           修兵: じゃぁ・・・俺は、薬を取りに行ってくるから。

                の医務室から取ってきていいか?




                うん。

                修兵・・・ごめんね・・・。




           修兵: いいんだョ。

               俺は・・・ の涙・・・見たくなかっただけだから。

               あ、治療したら、一緒にケーキ食べような。
               恋次の頼むついでに、俺から へのケーキも作ってもらったんだ。

               こっちは、真っ白なケーキ。

               二人で食べような。




                うん。




           修兵: 良かった・・・。

               やっと・・・笑顔になった・・・。

               じゃぁ・・・、行ってくるから。


               ( 修兵が、部屋から出て行った )

                                                        To be continued             2007,2,14 up 

 

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