一番(中編)
〔 翌朝 ・ 帰路 〕
恋次・・・?
修兵・・・おいてきちゃったけど、いいの?
いいんだョ。
教官が、
の事・・・
「安静で、まだ動かしちゃダメだ」って、うるせぇから
修兵と教官、話させてるうちに、
今、こーやって俺が、
を連れ出してきたんだから。
修兵も分かってるし、すぐに追いつくョ。
それよりも・・・
「手」、大丈夫か?
教官は、自信持って「治った」って言ってたけど・・・?
うん。
凄いョ、教官。
私も、初めて見た・・・っていうか、身を以って体験した・・・。
教官の、封印してた力・・・。
昨日、私が手術室に運ばれて、私は気を失ってたけど・・・
教官が「すぐに治してやるからな」って言ったのは
何となく聞こえて・・・
そーしたら・・・
「あっ」っという間に、治してくれて・・・。
「あっ」っという間って・・・
丸々一晩、かかったじゃねーか・・・?
ううん。
手は、「あっ」っという間に・・・ほんの一瞬で治ったんだョ?
お前、眠ってたんだろ?
目が覚めた時に、治ってたから・・・一瞬って感じたんだョ。
凄いパワーだったから・・・
手を治し始めた時に、私の意識も戻って・・・。
えっ・・・?
その後、他の傷も治してくれたの。
一瞬って・・・本当に、一瞬だったのか?
うん。
じゃぁ・・・
何で朝まで・・・手術室に居たんだョ・・・?
ん?
あー、教官がね・・・
「今、手術室から出ると、『うるさいの』が居てゆっくり出来ないだろうから
朝までは、ココで二人っきりで静養しような」
って言って・・・。
「うるさいの」って・・・誰の事だったんだろぅ・・・?
あっ、そーか。
教官の凄い力・・・皆、気になるもんね。
質問攻めになるから・・・だからだね。
あの野郎ー!!
キャンキャンうるせぇのは、教官の方だろーが!
腹立つなー!
俺達は、一睡も出来ずに、ずっと
の事心配して待ってたんだぞ!?
手が治るか・・・心配で、心配で・・・・・・。
それなのに・・・
恋次・・・?
ん? どーした?
どこか痛いか?
ううん・・・。
養成所に、連れて行ってくれて・・・ありがとう・・・。
えっ?
教官が言ってたョ・・・。
早く連れて来てくれたから、早く治せて良かった・・・って。
治す自信はあったけど、来るのが遅ければ、遅い程・・・
治すのも、大変だっただろう・・・って。
恋次と修兵には・・・いつも助けてもらっちゃって・・・
本当に、ありがとう・・・。
礼なんか、いらねーョ。
俺達は、自分がしたい事を、したまでだ。
礼はいらねーから・・・
もぅ・・・無茶な事はするな。
目の前で、怪我しそうなヤツがいたら・・・
「助けたい」って思うのは、分かるが・・・
人にはそれぞれ、向き不向きってもんがあるだろ?
が助けるべきなのは・・・
病気や怪我で、苦しんでるヤツなんだ。
危険な所に、飛び込んで行くのは・・・二度とするな。
うん・・・。
かえって迷惑かけちゃうもんね・・・。
私って・・・本当に何も出来ないんだね・・・。
迷惑とか、そんなんじゃなくて・・・
これは、俺のエゴ・・・我が儘だ。
他の誰が怪我しようとも・・・
だけには、怪我して欲しくない・・・。
惚れたら誰でも・・・そー思うだろ?
こいつだけは・・・特別なんだ・・・ってさ。
恋次に好かれてる人は、幸せだね・・・。
私にも・・・そーいう人・・・現れるかな・・・?
いるョ、目の前に!
それはそうと・・・
あいつ・・・何か言ってきたか?
あいつ・・・?
教官だョ。
手術室に二人っきりで居て・・・何か、話たんだろ・・・?
まさか、あいつ・・・
余計な事、しなかっただろうな!?
余計な事って?
だから・・・
キ・・・・・・キ・・・・・・・・・・・・(ス)
き?
キ・・・・・・キモノ!
その着物・・・着てきたのと違う・・・・・・?
ん?
あー、これね。
これは、教官が用意してくれてたの。
私がいつ来ても良いように、幾つか用意してあるんだってさ。
着替えさせたって事は・・・・・・
あいつ・・・・・・
見たのか?
(「何かされたって事は・・・ねーョな・・・?
・・・いつもと変わらねぇし・・・・・・。
怪我・・・治ったばかりだもんな。
が目の前で寝てたとしても・・・
手、出したりしねーョな・・・?」)
ん?
見たのか?って・・・何を?
何を?って・・・
だ・だから・・・
の・・・・・・す・素肌?
お医者さんだもん、当たり前じゃない?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私も、恋次の見た事あるョ?
えっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?
怪我を治す為なんだから、しょうがないでしょ?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
恋次?
恥ずかしいの?
顔、真っ赤だョ?
普通、恥ずかしいだろー!?
冷静に・・・「見た」なんて言われたら・・・・・・。
怪我して、情けねぇ姿・・・お前に、さらすだけでも・・・
「みっともねぇ、恥ずかしい」って、思ってるのに・・・
その上・・・
知らねぇうちに、そんなところまで見られてたなんて・・・・・・。
見られるのが嫌なら、怪我しない事だね。
私だって、見たくないョ・・・弱ってる恋次なんて・・・。
もっと、もっと訓練して・・・
怪我なんかしないように・・・強くなってさ・・・・・・
・・・・・・
でもさぁ・・・
温泉やプールだと、見られても全然平気なのに・・・
治療だと・・・恥ずかしいの?
温泉やプールは、素っ裸じゃねぇだろ?
ん・・・??
お前って・・・
温泉行っても、水着・・・着ろ、着ろって、うるせーョな?
って事は・・・
が見たのって・・・俺の・・・・・・
胸の辺り。
恋次・・・
よく、肩口から胸の辺りにかけて、怪我してくるじゃない・・・。
心臓に近いから・・・傷浅くても、いつも心配なんだョ・・・?
怪我しないように・・・もっと、精進してね。
なんだ・・・・・・。
それから・・・
恋次が、変な想像してると嫌だから、ハッキリ言っておくけど・・・
今回、教官に診てもらったのは、腕だけ。
背中の傷は、教官が私の頬に、そっと手を添えてくれただけで、治ったの。
それと・・・
教官の名誉の為に・・・
教官は、私の着替えてるところなんて、見てないからね。
そ・そーか・・・。
って・・・
鈍いフリして・・・俺で、遊んでねぇか・・・?
私は、鈍くないもん。
鈍いフリも、した事ないョ?
・・・だョな。
「お前の鈍さは本物だ」って、俺には確信が持てる。
あっ、そーだ・・・。
私・・・恋次に謝らなくちゃ・・・・・・。
ん?
あのね・・・
教官が・・・
向こうは危ないから・・・このまま養成所に残れって・・・・・・。
えっ!!??
人助けなら、養成所でも出来るし・・・
養成所の方が、色んな研究も、私のやりたいように出来るから・・・って。
謝るって・・・
まさか・・・・・・
俺、残して・・・養成所に、行っちまうんじゃねぇだろーなー!?
私は・・・
「14番隊で、仕事がしたい」って、言ったんだけど・・・
それじゃ、聞いてもらえなくて・・・。
養成所の方が、何するにも充実してるからって・・・。
だから・・・・・・
行くな!!!!!
行かないでくれ・・・・・・。
恋次・・・・・・。
が、行きたい訳じゃねーんだョな?
なら、行かせねーョ。
うん・・・。
私は・・・恋次や修兵の傍に居たい・・・。
だから・・・・・・
「向こうには、好きな人がいるから・・・
好きな人の傍に居たいから・・・
14番隊に戻りたい」
って・・・言っちゃったの・・・。
・・・「好きな人」って?
恋次。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ごめんね・・・、嘘ついちゃった・・・。
嘘・・・・・か・・・・・・。
うん。
でも・・・
教官の前で、大演説打ってきちゃった・・・。
「恋次の事が大好き、恋次の傍から離れたくない」って・・・。
「私の片想いだから、誰にも言わないで」って言ってきたから・・・
許して・・・?
嘘じゃなけりゃ・・・許す。
えっ?
・・・・・・許す。
ありがとう〜。
教官が何か言ってきても、放っておいていいからね。
飽くまでも、私の片想いって事で・・・
両想いでもいいだろ?
えっ・・・?
は・・・俺の事が大好きなんだろ?
うん。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
どーしたの??
い・いや・・・
「うん」って・・・良い響きだな〜って思って・・・。
はっ?
お〜〜〜い、
ーーーーー!
あっ、修兵だ。
修兵・・・教官と何話してきたのかな?
修兵:
!!
何?
修兵: どーいう事だョ!?
恋次の事が「好き」って・・・・・・?
To be continued 2007,5,22 up