今日は俺の誕生日(前編)





               〔 8月14日 ・ 広場 〕



                修兵〜〜〜〜〜!

                ごめんね、待った?




               ん?
               30分位・・・待ったかな・・・?

               でも、気にしなくて良いョ。
               無理言ったのは、俺の方だし・・・。

                ・・・・・・
               今日は、俺の誘いに乗ってくれて、ありがとう。
               仕事・・・大丈夫だった?




                うん。
                仕事は、代わってもらったから、心配いらないんだけど・・・
                オーブンがね・・・
                ちょっと調子悪くて・・・・・・。




               オーブン?




                修兵・・・
                私が、「お誕生日のプレゼント何がいい?」って、聞きに行った時・・・

                「一緒に出かけて欲しい。
                 誕生日の日・・・一日一緒に居てくれれば、他は何もいらないから」

                って言って・・・
                欲しい物、言ってくれなかったでしょ?




               んーーーーー・・・・・・
               欲しい物を言ったつもりだけど・・・?




                えっ!?
                そーだったっけ??

                ごめんね・・・。
                私・・・聞き逃したみたいで・・・・・・
                本当にごめんなさい・・・。
                折角、言ってもらったのに・・・用意してないの・・・・・・。




               そんな事ないョ。
               欲しい物は目の前に・・・・・・
               俺・・・今・・・凄く嬉しいからさ・・・。

               で?
               オーブンが、どうしたの?




                修兵に・・・
                何かプレゼントしようと思って・・・。

                でも私・・・聞こえなかったから・・・
                「きっと修兵は、私からのプレゼントなんていらないんだ」って思って。

                何か買って渡しても、嫌がられちゃうだろうし・・・

                どうしようかな〜? って思ってたら・・・
                丁度、お菓子の作り方の本を見つけて、それで・・・
                クッキーでも焼こうかな、って・・・




               俺の為に?




                うん。

                オーブンは、研究で使うから、元々あったし
                特殊な材料は、使わなくても作れそうだったから・・・。

                でも・・・
                どーいう訳か、昨日からオーブンの調子が悪くて・・・
                やっと今朝直って、それから作り始めたから遅くなっちゃって・・・

                ごめんね・・・、遅刻しちゃって・・・・・・。




               手に持ってるのがそう?




                うん。




               ありがとう。
               俺が持つョ。




                あ・・・、ハイ。

                「修兵、お誕生日おめでとう」




               ・・・・・・・・・・・・・・・・・・




                修兵?




               ・・・・・・

               あっ、ごめん・・・。
               ちょっと、殺気を感じて・・・・・・。




                えっ?




               隠れてないで、出て来いョ。




                誰か居るの?




               恋次。




                え・・・・・・?


               ( 恋次が、二人の前に現れた )


                恋次・・・・・・?
                どーしたの?




           恋次: どーもしねーョ。
               言っとくけど、隠れてた訳じゃねぇからな!



           修兵: 
               恋次に聞かれなかったか?

               「8月14日、何処で、誰と、何するか?」とか・・・?




                何回も聞かれた。

                「修兵と広場で待ち合わせて河原に行く」
                って決まったのは2日前だったでしょ?

                それよりも、ずっと前から、恋次は・・・

                「14日、修兵と会うのか?
                 何処行くんだ?
                 まさか、泊りがけじゃねぇだろうな?
                 何て言われた?
                 お前が欲しい・・・なんて、言われなかったか?」

                って、しつこくて・・・。

                その頃は、まだ何も決まってなかったから
                「別に?」って言ってたら・・・
                「隠すんじゃねぇ!白状しろ!!」って怒鳴られた・・・。




           恋次: そ・そんな事、言ってねーョ!

               い・今・・・ココで会ったのも・・・ぐ・偶然だろ?




                言ったもん・・・。




           修兵: 恋次は『偶然』・・・
               俺と の居る近くの木の陰で・・・
               霊圧を出来る限り消して、息を潜めて・・・
               何やってたんだろうな?



           恋次: う・うるせー!
               俺が、何処で何しようが勝手だろ!?



           修兵: そーだな。

               じゃぁ・・・
               俺と が、何処で何しようと勝手・・・なんだな?



           恋次: そ・それは・・・・・・



           修兵: これから俺と は、「デート」なんだ。
               ついて来るなョな!

                、行こう!




                デ・デート・・・?


               ( 修兵が と手をつなぎ、歩き出した )






                修兵・・・?




               ん?




                お誕生日のプレゼント・・・何が欲しかったの?
                明日・・・買って、持って行くから・・・教えて?




               んーーーーー・・・・・・

               「 の手作りクッキー」が欲しかったんだ。
               ちゃんと聞いてたじゃないか?
               ありがとな。




                修兵・・・・・・
                もしかして・・・怒ってる?




               何でそう思うの?

               俺・・・
               このクッキー、凄く嬉しいョ。




                だって・・・
                絶対、言ってないもん・・・。
                「クッキーが欲しい」なんて・・・。




               何で分かるの?
               聞いてなかったんでしょ?




                ・・・
                ごめんなさい・・・。




               謝る必要なんて無いョ。

               俺は今・・・一番欲しい物を、手にしてる・・・。


               ( 修兵が の手をギュッと握りなおし、 の目を見つめ・・・ )


               一番欲しい物・・・

               ほら、このクッキー ( クッキーを顔の前にあげ )

               最高の贈り物だョ。




                修兵・・・・・・。




               ハァ・・・・・・。
               いつまで、ついて来るんだョ?




                えっ?
                恋次・・・ついて来てるの?




               あぁ。


               (  が、辺りを見回した )




                誰も居ないョ?




               居るョ。
               結構、近くに・・・。




                え・・・・・・・・・・・・




                ・・・
               悪いんだけど、目にゴミが入っちゃったみたいで・・・
               見てくれるか?




                あ、うん。


               ( 二人の顔が近づき・・・ )


                どっちの目?




               ん・・・?

               ちょっと失礼。


               ( 修兵が、 の腰に手を回した時・・・ )




               痛ッ!!

               もぅいいだろー!
               この馬鹿力、早く離せ!


               ( 恋次が、修兵の腕を捻りあげた )




                恋次・・・?
                何やってるの?
                本当に、ついて来てたんだ・・・。




           恋次: 悠長な事言ってんじゃねーョ!
               お前・・・何されそーになったか、分かってんのか!?




                えっ・・・?

                何って・・・
                私は、修兵の目に入ったゴミを、取ってあげようとしてただけだョ?

                あっ、恋次・・・
                早くその手、離しなョ。
                修兵の腕が折れちゃうョ・・・。




           修兵: 恋次を、誘き出そうとしただけだ。
               早く離してくれ!


               ( 恋次が、修兵の手を離した )


           修兵: もぅいいだろ?
               ついて来ないでくれ。

               今日は・・・俺の誕生日なんだ。

                に祝ってもらえれば・・・
               傍に居てもらえれば・・・それだけでいいんだ。

               恋次の心配には及ばねーョ。

                は、俺を信じてくれてる。
               そんな を、俺がどーにかする訳ないだろー?

               帰ってくれ。




                あっ! 分かった!

                修兵・・・?
                河原に行くの・・・3人じゃダメ?

                恋次は・・・修兵のお誕生日、祝いたいんだョ。

                だから、しつこく・・・
                ねっ、そーでしょ? 恋次?




           修兵:  ・・・・・・
               また、頓珍漢な事言って・・・・・・。

               恋次は・・・
               俺と の邪魔をしたいだけなんだョ・・・?




                えっ・・・、そーなの? 恋次・・・?

                そんなに、修兵と二人で出かけたかったんだ・・・。
                それならそうと、初めから言ってくれれば良かったのに。

                分かった!
                二人で行ってきなョ。
                私は、一人で帰るから。




           恋次: ちょ・ちょっと待て。

                の「分かった」は・・・全然分かってねーんだから・・・。



           修兵: 恋次が、しつこくついて来たりするからだろ?



           恋次: 気になるんだから・・・仕方ねぇだろ・・・。



           修兵:  ・・・?
               今日は、俺と のデートだろ?
               恋次は関係ないんだ。




                でも・・・
                恋次は・・・
                修兵のお誕生日の事、ずっと気にしてたし・・・。

                ココで「帰れ」って言っても、帰らないんでしょ? 恋次・・・?




           恋次: 気になって、帰れねぇ・・・・・・。



           修兵: 恋次!!!!!




                隠れて、ついて来るんなら・・・一緒に行こうョ?

                修兵・・・、いいでしょ?

                恋次は、修兵のお祝いしたいんだョ・・・。




           修兵: 今日は俺の誕生日なのに・・・
               恋次のせいで、最悪だな・・・。

               勝手にしろ。

               俺は、3人で行く気はない。


               ( 修兵が、先に歩き出した )

                                                        To be continued                  2007,8,8 up

 

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