毒キノコ(前編)





               〔 医療所 ・  の医務室 〕



                ・・・助けてくれ・・・
               俺・・・まだ・・・死ぬ訳にはいかないんだ・・・・・・。


               ( 修兵が、フラフラになりながら医務室に入ってきた )




                修兵!?
                ど・どーしたの?
                怪我?・・・それとも病気?




                ・・・頼む・・・
               俺を助ける事が出来るのは・・・ だけなんだ・・・。




                大丈夫だョ、私がなんとかするから。
                とりあえず、そこの診察台に横になって。




               あ・あぁ・・・。


               ( 修兵が、診察台の上に横になった )




                怪我?




               いや・・・違う・・・。

                ・・・助けて・・・・・・。


               ( 修兵が、 の手を握った )




                今、調べるから。

                う〜ん・・・・・・

                神経がちょっと麻痺してるけど・・・
                命には別状ないョ?
                少し安静にしていれば、治るんじゃないかな?




               そんな事無いだろ!?

               俺は今、瀕死の状態で・・・

               息苦しくて・・・
               体に力も入らなくて・・・
               目も翳んで・・・

               死の崖っぷちに、立たされてるんだ!!

               重体なんだョ!

               死にそうなんだってば!!!




                それにしては、随分元気そうだけど・・・?




               一緒に食ったヤツらは・・・
               バタバタと倒れていったんだ!

               俺も・・・早く処置しないと・・・

               うっ・・・く・苦しい・・・・・・。




                修兵・・・?
                何食べたの?




               猛毒キノコ!




                えっ!?




               部下のヤツらが採ってきたキノコを・・・皆で食べたんだ・・・。
               色、形とも、何処にでもあるようなキノコだったから
               問題ないと思って・・・。

               そーしたら・・・

               一人・・・また一人って・・・
               何も言わず、倒れていったんだ・・・。

               俺は・・・九番隊にあった「キノコ大図鑑」を見てみた。

               結果は・・・

               ほら、コレだョ・・・。


               ( 修兵が、持ってきた「キノコ大図鑑」を開いて に見せた )


               コレ・・・
               猛毒キノコ・・・これだったんだョ・・・。




               (  が、図鑑の説明を読んだ )


                致死率 99.9% ・・・

                現在の医療では、治せる術なし・・・かぁ・・・。




                ・・・・・・




                あ、ごめんなさい・・・。
                患者さんを不安がらせるような事言っちゃって・・・。




               いいんだョ。
               それ・・・俺も読んだし・・・。

                ・・・俺を助けてくれ・・・。




                うん・・・。
                出来る限りの事はします。

                ただ・・・
                この「猛毒キノコ」の、毒の種類が分からないから・・・
                どの薬草を使ったら良いのか・・・。

                間違った選択をしちゃうと・・・
                さらに症状が悪化し・・・死期を早めちゃうかもしれないし・・・。

                あ!ご・ごめんなさい・・・。

                修兵は・・・死なないから・・・・・・。




               あぁ。
               俺は、 を信じてるョ。




                うん。

                あ、そのキノコ・・・まだ九番隊に残ってる?
                私、持って来て、分析してみるョ。
                ちょっと待っててね。




                !!


               ( 修兵が、 の腕を掴んだ )


               薬は必要無い。




                えっ??




               今読んだ説明の下の方に・・・
               「伝説」って書いてあるだろ?




                ・・・うん。




               そこに、「治し方」が書いてある。




                えっ!?




               文章長いから、「要点」だけを言う。
                は・・・その通りしてくれればいい。
               分かったか?




                う・うん・・・。




               要するに・・・だ・・・

               この猛毒を無効化出来るのは・・・

               「最愛の人の口付け」だけだって、書いてある。




                え・・・・・・?

                そ・それは・・・
                お伽話か何かじゃないの?

                あ、「伝説」って書いてあるもんね。




               確かに「伝説」・・・かもしれない・・・。

               でも、他に治す方法が無いんだから・・・
               これを試すしか無いんだョ・・・。

               違うか?




                そーかもしれないけど・・・

                じゃぁ、私はキノコの分析をするョ。

                えっと・・・
                最愛の人って・・・誰を連れてくればいいの?

                修兵が好きな人?
                それとも・・・修兵の事を好きな人?




               猛毒キノコを食べたヤツが・・・
               この世で一番好きな人・・・だョ。




                じゃぁ、修兵が好きな人だね。

                えっと・・・
                守秘義務は守るから・・・修兵が好きな人教えて?

                うちの子達じゃ間に合わないから・・・
                十一番隊の人達に頼んで、連れて来てもらうから・・・。




                が・・・

                がしてくれればいいョ。

               それで・・・多分・・・いや、絶対治る!




                こんな時に、何言ってるの!?

                伝説とはいえ・・・
                信じるしか無いのなら・・・
                書いてある事を、忠実に守らなきゃ!

                修兵の一番好きな人は誰?




               こんな時だから、説明してる暇は無いんだョ。

               どーせ・・・何言っても信じねーんだろ?


               何でもいいから、早く俺に口付けしてくれ!!!


               そーすれば、俺は絶対治るから!

               その後に・・・
               キノコの分析でも何でも、 のやりたい事やればいい。




                え・・・??




               早くしてくれョ!

               じゃないと、俺が死んじゃうョ!!!




                わ・分かった・・・。

                で・でも・・・修兵・・・何か元気じゃない・・・??

                今すぐにでも死にそう・・・って、感じじゃないし・・・
                むしろ・・・いつもより、元気一杯のような気がするけど・・・?




               何言ってんだョ!
               最後の力振り絞ってるだけだろー!
               
               確かに・・・
                からの口付けは嬉しい・・・。
               気が昂ってるのも・・・事実だけど・・・
               俺は、猛毒キノコを食ったんだ!
               元気な訳ないだろー!

               とにかく早く・・・

                ・・・。




                う・うん・・・。

                今・・・するから・・・。


                あ・あのさぁ・・・

                とりあえず・・・

                目・・・瞑ってくれるかな・・・?




               えっ?

               あ・・・

               そ・そーだな・・・。


               ( 修兵が、目を閉じた )




                ・・・・・・。

                しゅ・修兵・・・?

                やっぱり・・・私じゃダメなんじゃないの?




               ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。




                修兵の好きな人じゃないと・・・?

                修兵??




               ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。




                ど・どうしよぅ・・・・・・。

                あっ!
                恋次に聞けば、修兵の好きな人は分かる・・・ョね?

                修兵、まだ・・・全然死にそうじゃないから・・・
                恋次の所へ行って来る。

                ちょっと待っててね。




               

                は・・・俺を見捨てるのか・・・?

               俺なんか・・・
               どーなっても・・・死んでも・・・構わないんだな・・・。




                そんな事無いョ。

                治す為に・・・
                修兵の好きな人を、連れてこようと思ってるんじゃない・・・。




               じゃぁ・・・

               行く前に、俺にキスしてけョ!

               俺は・・・それで治るんだからさ・・・。

               俺だって・・・
               そんなに強い訳じゃないんだ・・・。

               もし、 が居ないうちに・・・
               毒が回ったらって考えると・・・怖いんだョ・・・。


                ・・・

               頼む・・・

               俺に口付けを・・・・・・。




                わ・分かった・・・。

                じゃぁ・・・・・・・・・・・・

                                                           To be continued              2008,1,31 up

 

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