仲良くしてね



               〔 12月31日 夜、 恋次の副官室 〕


               ( コンコン )


                恋次? 入るョ。


               (  が、中に入った )


                あー・・・、ソファーで寝ちゃってるョ・・・・・・。
                いくら宴会だって、こんなになるまで、飲まなくたっていいのに・・・。

                でも・・・しょーがないか・・・。
                皆、命懸けて戦ってきて・・・無事に、一年終わったんだもんね・・・。
                今年最後の打ち上げくらい・・・潰れる程、飲みたくもなるか。


               (  が恋次の傍に行き、診察しようとした時 )


               遅かったじゃねーかョ。


                えっ?
                あ、恋次・・・大丈夫?
                意識は、しっかりしてるみたいだね。


               何で、こんなに時間かかんだョ。
               もうすぐ日付・・・変わっちまうじゃねーかョ。
               お前と一緒に、新年迎えョーって思ってんのに・・・。
               あんまり心配・・・させんなョな。


                えっ?
                あ・あの・・・遅くなっちゃって、ごめんね・・・。

                凄く具合悪い?
                いろいろ薬、持って来たからさ・・・どれがいいかな・・・?

                今、どんな感じ?
                気持ち悪い? それとも・・・頭痛が酷いの?




               俺は、酔ってなんかいねーョ。

               ( 恋次が起き上がり、ソファーに座った )

               そりゃー、他の宴会場も周って、いろいろ挨拶とかもして来たから
               かなり酒は入ってるけど、この程度じゃ俺は酔わねーョ。
               どこも、何ともねーから、薬はいらねーョ。



                えっ?
                だって・・・・・・

                恋次の部下の人が・・・
                「恋次、酔っちゃって・・・凄く具合悪くて・・・宴会に出てられなくて
                 副官室で、一人で休んでる」って・・・。
                そー言って、ここまで送ってきてくれたんだョ・・・?



               そーだョ、それも・・・随分前にな!

               そーでも言わなきゃ、俺も宴会抜けらんねーし・・・
                も、出てこれねーだろ?

               大体・・・
               何で、今日の仕事なんて、引き受けたんだョ。
               お前が休みだったら・・・二人でどっか・・・行けたのに・・・。



                仕事は・・・
                今日は皆・・・やりたくないでしょ?
                皆それぞれ、予定立ててたみたいだし・・・。

                急に上から「一人でもいいから残れ」って、命令がきて・・・。
                皆に頼むの・・・心苦しかったから・・・。
                自分が残るのが、一番楽だったんだもん・・・。



               俺の事も、少しは考えてくれョな。
                だって、予定入ってたじゃねーかョ・・・。
               俺と・・・どっか行こーって・・・。
               俺より仕事選ぶなんて・・・ひでーじゃねーかョ。



                恋次・・・・・・ごめんね・・・・・・。


               んー・・・、まぁ・・・いいョ・・・。
               仕事じゃ・・・しょーがねーョな。

               でも・・・来んの遅かったじゃねーかョ。
               俺は・・・凄く具合悪いって・・・
               部下のヤツ、言ってなかったのか?



                言ってたョ・・・。


               じゃぁ、何ですぐ来ねーんだョ!
               重病人こんなに待たせて・・・
               もしもの事があったら、どーすんだョ。
                は・・・俺なんかどーでもいいのか!?


                恋次・・・・・・、どーしちゃったの・・・・・?
                凄く機嫌悪いョね〜・・・・・・。
                ちょっと、興奮しちゃってるみたいだし・・・・・・。

                あー・・・、そーだョね〜。
                酔ってるんだもんね〜、当たり前かー。
                じゃあ・・・ちょっとコレ飲んで。
                すぐ、落ち着くと思うから。

               (  が恋次に、薬を手渡した )


               こんなのいらねーョ。


                いいから、飲んで。
                飲まないなら、帰るョ。
                私が居ても、しょーがないもんね。


               え・・・・・・。
               分かったョ・・・・・・。


               ( 恋次が、薬を飲んだ )


                遅くなっちゃったのは・・・。
                恋次の所には、早く来たかったんだけど・・・
                医療所にも、酔って具合悪い人・・・結構来てたの。

                来てる人、置き去りにして・・・
                ここに来る訳には、いかなかったの・・・ごめんね・・・。



               どんな理由があっても、許さねーからな。


                え・・・・・・、ごめんね・・・・・・。

                あとさぁ・・・・・・
                恋次の部下の人・・・ずっと手伝ってくれて
                最後ここまで連れてきてくれて・・・
                恋次からもお礼・・・言っておいてくれる?



               あぁ、それは言っといてやるョ。


                うん・・・・・・・・・。


               何だョ・・・、どーかしたのか?
               まさかヤツ・・・お前に何かしたのか?


                ううん。
                あの部下の人が来てくれて・・・助かったから・・・・・・。
                凄く感謝してるョ。


               そんなに忙しかったのか?

               そりゃー皆、飲むけどなー。
               でも、ちょっと酔ったくらいで、一々医療所になんて・・・・・・・・

               まさか・・・・・・・・・
               お前、目当てってことか・・・?
               患者で来たヤツに・・・何かされたのか?



                え・・・・・・。
                「された」って程じゃないけどさ・・・。

                男の人って・・・酔っちゃうと、皆あんな感じなのかなぁ・・・・・・。
                ちょっと・・・怖かったんだ・・・。
                恋次の部下の人が居てくれて・・・本当に助かったョ・・・。



               何処の誰に、何されたか言ってみろ!
               どんな些細な事でもいいからな。


                え・・・、誰かなんて、分かんないョ・・・。


               んーーー、
               じゃあ・・・後で、今日治療に来たヤツの名簿見せろョな。
               俺の方で、調査するから。
               俺の部下が、憶えてるかもしんねーしな。

               で・・・・・・
               どんな事・・・されたんだョ・・・。
               それなら、憶えてんだろ?



                うん・・・。
                でも、いいョ・・・。
                大した事じゃないし・・・早く忘れたいからさ・・・。


               いいから、言えョ。
               気になってしょーがねーだろ。
               今、1回言ったら、すぐ忘れていいからさ・・・。
               そんなに酷い事じゃ・・・ねーんだろ・・・?


                うん・・・。


               嫌な思い、したんだろ!?
               俺が仇取ってやっから・・・いや、そんな甘いもんじゃねーョな。
               俺の仇だョな。
               息の根、止めてやるョ。



                え・・・恋次・・・、暴力はダメだョ・・・。
                皆、酔ってした事なんだからさぁ・・・。


               皆・・・って・・・!?
               一人じゃねーのか??


                うん・・・、皆同じような事・・・・・・。
                だから・・・
                酔うと皆・・・あんな風になっちゃうのかなぁ〜って・・・思って。


               何されたんだョ。
               ちゃんと言ってみろ!


                うん・・・。
                あのね・・・・・・、抱きついてきたの・・・・・・。


               え・・・・・・・・・・・・・・・。
               そんな事したのか!!
               何番隊のヤツとか、分かんねーのか!?

               あ、いいや。
               俺の部下に聞けば、少しは分かんだろ。

               ちょっと行ってくるからな、ここで待ってろ。


               ( 恋次が立ち上がり、行きかけた時 )


                あ・・・、恋次・・・。


               (  が、恋次の腕を両手で掴んだ )


               何だョ、すぐ帰ってくるから。
               お前は、心配しなくていいから、少しだけ待ってろな。


                恋次・・・、行かないで・・・。


               すぐだから・・・待ってろョ・・・。
               このまま、ほっとく訳にはいかねーんだョ。

               あのなぁ・・・
               本当に酔って、凄く具合悪いヤツは、抱きついたりなんてしねーんだョ。
               そいつらは、故意にやってんだョ。
               許す訳には、いかねーョ。



                恋次・・・・・・。


               だから・・・すぐ戻ってくるから・・・。


                だって・・・・・・
                あと5分位で・・・年明けちゃうョ・・・・・・?

                私・・・恋次と一緒に、年越したいな・・・。
                折角・・・今、一緒に居るんだもん。

                恋次・・・ダメ?
                私と居るの・・・嫌?




               え・・・、あっ・・・そーだったョな。
               頭に血が上って、一番大切な事・・・忘れるところだったョ。

               他の日とは、違うからな。
               俺が出てっちゃったら、何の為に 呼んだか、分かんねーもんな。

               じゃぁ・・・
                に、酷い事したやつらには、後でゆっくり話しつけてくるから・・・
               それで・・・いいか?




                そんな事しなくていいョ。
                もう、忘れたから。


               よくねーョ。
               俺は、はらわた煮えくり返ってるんだョ。
               俺の部下いなかったら・・・もっと酷い事してたって事だろ?
               生かしちゃおけねーョ。


                恋次・・・、皆・・・酔ってただけだから・・・。

                あっ、あと4分だね〜。

                別に、年が明けたからって・・・
                何が変わる、って訳でもないんだけどね〜。
                でも・・・この瞬間って、何かが違うョね。
                寂しい気もするし・・・ワクワク、嬉しい気もするし・・・。



               そーだなぁ〜。


                恋次・・・
                今年は、本当にいろいろお世話になりました。

                もし・・・嫌じゃなかったら・・・
                来年も、今まで通りでいてくれる?



               えー・・・、どーするかなー・・・・・・。


                ・・・・・・・・・・ごめんね、変な事・・・聞いちゃったね。
                嫌に決まってるもんね・・・。


               何言ってんだョ。
               そーじゃなくて・・・。
               「今まで通り」っていうのがなぁ・・・。



                えっ?
                あー・・・、私・・・甘え過ぎちゃってるもんね・・・。
                来年は・・・なるべく迷惑かけないようにするから・・・。


               そーじゃなくてさぁ〜・・・。

               あー、言っとくけど、俺は全く酔ってねーからな。
               さっき、薬まで飲んだしな。
               酔ってて、抱きつく訳じゃねーからな。
                、ちょっと手・・・離せョ。



                うん。


               (  が両手を離し・・・恋次が、 を抱きしめた )


                ・・・
               俺は・・・今まで通りじゃ・・・嫌なんだョなぁ〜・・・・・。
               助けたり、守ったりっていうのは、今まで通りでいいんだけどさー。
               お前との距離・・・もう少し、縮めてーなー。


                距離?


               あぁ・・・、仲良しの距離・・・な。

               まぁ・・・そーすぐに変わるのなんて、無理だろうけど・・・
               特に・・・ はな。

               だから、今まで通りは、今まで通りでいいョ。
               今まで通り、仲良くしョーな。




                うん。


               ただ一つだけ・・・これだけは、分かってて欲しいんだ。

                は、すぐに・・・
               俺が の事「好きじゃねー」とか「嫌ってる」って言うだろ?
               それは、全然違うんだからな。

               今の・・・ の中では・・・
               俺が、 の事・・・「好きじゃねー」ってところから始まってんだろ?
               その始めの部分をさー・・・スタートラインを・・・
               「好きじゃねー」から「好き」に・・・して欲しいんだョ。

               別にさー、深い意味まで考えなくてもいいョ。
               友達としてでも・・・何でもいいからさー・・・
               俺は、「 が好き」って・・・思ってくれョ・・・。




                あ、あと1分だ。


               え・・・・・・。
               まぁ・・・カウントダウンも、大切だけどさー・・・。
               俺の話も・・・・・・


                じゃあ恋次・・・来年も今まで通り、仲良くしてね。


               え・・・・・・、お前ってヤツは・・・・・・。
               手強過ぎて、手に負えねーョ・・・。


                恋次? 仲良くしてくれるの?


               するョ!
               仲良くして、いいんだな!
               仲良くしていいなら・・・何するか分かんねーぞ、それでもいいのか!?


                うん、いいョ。
                恋次がしたいようにすれば?
                何するの?


               ダメだこりゃ・・・。

               お前さぁ・・・、俺だからいいようなもんだけど・・・
               他のヤツには、絶対そんな事言うなョな。
               いいか、絶対言うんじゃねーぞ!!




                あと5秒・・・・。

                          ・
                          ・
                          ・
                          ・

                恋次、あけましておめでとう〜!
                今年もよろしくね。


                ・・・・・・。
               俺の話って・・・全然聞いてねーのか・・・?


                えっ? 聞いてるョ。

                私は、恋次以外の人と、仲良くするつもりないもん。
                だから・・・
                さっきみたいな事、他の人になんて絶対言わないョ。

                恋次もさぁ・・・
                今は、酔ってて私の事・・・抱きしめてるんだろうけど・・・
                全然嫌じゃないもん。

                でもね・・・
                さっき・・・他の人が抱きついてきた時・・・・・・
                凄く・・・嫌だったの・・・。
                嫌で・・・嫌で・・・・・そして、怖かった・・・。




                ・・・・・・。

               俺が明日・・・あ、今日か・・・ちゃんとケリつけてきてやるから。
               やっぱり来年・・・あ、今年か・・・は、
               大晦日の仕事なんて入れんじゃねーぞ。
               もう、今から予定入れとけョな。
               俺と・・・出かけるって・・・、いいな。



                うん・・・。

                じゃあ、私そろそろ帰るね。
                恋次と一緒に、年も越せたし・・・。

                恋次・・・
                今年も、恋次にとって「良い年」になるといいね。
                じゃあね。




                恋次・・・放してョ・・・。


               嫌だョ。
               帰んなくたっていいだろー。
               ここに、一緒に居てくれョ・・・。
               仕事は、0:00 までって事だったョな。
               なら、もーいいじゃねーか。



                うん・・・、仕事はもういいけど・・・。
                私さぁ・・・何か、凄く疲れちゃったから、早く帰って寝るョ。


               このまま、ここで寝ちゃっていいョ。
               お前が寝ちゃうの、俺慣れてるし。
               お前の悪い様には、しねーからさ・・・、信用しろョ。


                え・・・、信用はしててもさぁ・・・・・・。
                立ったまま寝るのって・・・寝にくいョ・・・。


               ちゃんと支えてるから、大丈夫だョ。
               俺・・・このいままで居てーんだョ。
                の事・・・抱きしめて居てーんだョ。
               俺の腕の中で・・・眠れョ。


                うん・・・・・いいけどさぁ・・・・、何か、寝にくいなぁ〜・・・。


                は・・・本当に可愛いョな。
               でも・・・この可愛さ・・・無防備さが・・・
               他のヤツに、つけ込まれる原因でもあるんだョ。

               俺もちょっと迂闊だったョな・・・。
               お前が一人で診察してるって、知ってたのにな・・・。
               ごめんな・・・、嫌な思いさせて・・・。
               これからは、もっと気をつけるョ。

               それよりもさー・・・
               さっき・・・お前・・・・・・
               凄い事、言わなかったか?

               俺以外のヤツと、仲良くするつもりねーって・・・・・・
               確かに・・・そー言ったョな?

               オイ!

                ・・・・・・!?


               もう・・・寝ちゃったのか・・・・・・。

               早すぎるんじゃねーか・・・?
               少しくらい・・・一緒に新年迎えた余韻・・・楽しみたかったのに・・・。

               まぁ、俺を信じて・・・安心して、眠ってくれたんだョな。
               いつもの、力使い果たしてぶっ倒れたのとは、違うもんな。
               頬もピンク色だしな・・・。
               寝顔・・・可愛いョ・・・。


                ・・・今年も、仲良くしョーな。
               「仲良くしてくれ」って言いたいのは・・・本当は、俺の方なんだョ。

               お前が、思ってくれてるのより・・・
               ずっと、ずっと強く・・・俺は、そー思ってる。
                と・・・仲良くなりてーって。

               さっきのは、お前からの「お年玉」だョな。
               「俺以外のヤツとは、仲良くしねー」って・・・。

               俺は、ちゃんと受け取ったからな。
               変更も、取り消しも・・・認めねーぞ。

               俺とだけだからな・・・、仲良くするの・・・。
                が・・・心許していいのは・・・俺だけだからな。


               そーいえば・・・
               俺・・・まだ言ってなかったョな・・・。

                が起きてから、また・・・ちゃんと言うけどな
               でも・・・
               今、言いてーから、今言うョ。
               寝ててもちゃんと・・・聞いてろョな。



                ・・・、あけまして おめでとう。
               今年も、よろしくな。

               今年が、お前にとって「良い年」になるように
               俺・・・お前に、全てをかけるョ。

               願わくば・・・いつも の隣に居るのが、俺でありますように・・・。
               俺が、 の為に生きてるように・・・
                も・・・俺だけを・・・見ててくれョな。




                恋次?


               えっ??


                私・・・もう、限界だから・・・寝ちゃってもいい?


               お前・・・とっくに寝てたじゃねーかョ・・・。


                寝てないョ。
                ちょっと、うとうとしてた、だけだもん。


               寝てました。


                嘘だョ、そんなの。
                ずっと起きてました。


               そーですか。
               じゃあ、もう眠いんだろ? 寝ていいョ。


                うん・・・。
                でも、私やっぱり・・・立ったままじゃ、寝れないョ・・・。


               よく言うョ。
               「アッ」と言う間に、ぐっすり眠ったくせに。

               じゃあなー、

               ( 恋次が を抱き上げ、そのままソファーに座った )


               どーですか?
               これなら、眠れますか?


                え・・・、まぁ・・・さっきよりはいいけど・・・。
                ソファーに下ろしてくれた方のが、いいのに・・・。


               ゴチャゴチャ言ってねーで、眠いんだろ? さっさと寝ろョ。


                うん・・・。

                恋次・・・・・・?



               ん?


                仲良くしようね。



               えっ?
               お前・・・寝ぼけてんのか・・・?

               まぁ・・・何でもいいや。

               仲良くするョ!
               メチャクチャ仲良くするからな!
               べったりくっ付いて、絶対離れねーからな!
               覚悟しとけョ!

                ・・・?


               眠ったのか・・・。
               早ぇーョな・・・寝るの・・・。


                ・・・・・・、仲良くしョーな!

               二人で絶対・・・「良い年」に、しョーな!!

                                       fin       2006,1,3 up

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あとがき

新年、あけましておめでとうございます。

ちょっと遅くなりましたが・・・「年越し夢」(のつもり)です。
今年も、「鈍い」ヒロインちゃんの活躍する(?)
『恋次夢』を、どうぞよろしくお願いします(ペコリ)
・・・って、いつも長くて、大した「夢」じゃなくて・・・
すいませんです〜(滝汗)

もし、お時間ありましたら・・・
また読んでやって下さいませ。

では
今年も、皆様にとって「愛と夢」あふれる1年になりますように〜☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。