聖夜(後編)



               〔 目的地到着 〕


           恋次:   、やっと着いたぞ。


                うん。
                今までは、ただの山道だったけど、急に視界が開けて・・・

                雄大で・・・、綺麗だね〜。


           恋次:  そーだろ〜。
                あ、あそこが小屋な。
                あとなー、この道・・・もうちょっと入って行くと・・・
                すごくいい所があるんだョ。

                あとで行こうな。
                出来れば・・・二人で・・・がいいけどな・・・。



                恋次・・・修兵、さっきからずっと黙ってるけど・・・
                まだ、怒ってるのかなぁ〜・・・?


           恋次:  怒ってる訳じゃねーんだョ。
                 に・・・ちょっと話しかけ難くなっちゃったんだョ。
                さっき、 の事「無神経だ」なんて言っちゃったからさ。

                ほっときゃいいョ。
                どーせすぐに、元に戻るからさ。
                心配いらねーって。



                え・・・、でも・・・。


           恋次:  まぁ・・・俺としては・・・
                このまま、おとなしくしててくれてた方がいいんだけど・・・。
                変に暗いヤツと、一緒に居ても楽しくねーしな。

                ちょっと「目」覚ましてやっか。
                 、協力しろョ。

               ( 恋次が の肩に、手を回した )

           恋次:  修兵ー、
                俺達二人で、この先行ってくるからさー
                お前「お疲れ」みてーだから、鳳と小屋に行ってろョな。


           修兵: え・・・・・・。


           恋次:  じゃあな。


           修兵: ちょ・ちょっと待てョ・・・・・・。
               俺も・・・行くョ・・・。


           恋次:  お前はいいョ。
                何もしゃべらないで、後ろからくっついて来られたって
                気味悪いだけだし。

                小屋で、ゆっくり考えてろョ。
                 に、何て謝るかをさ。


           修兵: え・・・・・・。

                ・・・・・・・・・。
               さっきは・・・ごめんな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


           恋次:  それだけかョ。


                修兵・・・・・・・。
                私は、別に何とも思ってないョ・・・。

                謝るのは、私の方だからさ・・・・・・ごめんね・・・・・・・。
                もし・・・
                日にち過ぎちゃってからでもよければ・・・
                プレゼント・・・したいんだけど・・・・・・・。



           修兵: いや・・・
               別に俺は、物が欲しくて・・・言った訳じゃないから・・・。


           恋次:  そんな事ねーだろー。
                自分もプレゼント、欲しかったんだろ?


           修兵: え・・・・・・
               そりゃー・・・欲しいョ・・・・・・ からのプレゼント・・・。

               恋次は、欲しくねーのか?

               好きなヤツからのプレゼントは・・・誰だって・・・欲しいだろー・・・。



           恋次:  俺は、この二日間・・・
                 が、仲良〜〜くしてくれるって言うから
                それが、 から俺へのプレゼントだな。


                え・・・・・・
                そんな事・・・言ったっけ・・・?


           恋次:  「協力」だョ。
                修兵、元気にさせてーんだろ?


                え・・・・・・、うん・・・。


           修兵: 恋次!!!
               何、ヒソヒソやってんだョ!

                が、仲良くするなんて・・・言うはずねーんだョ。
               脅してんのか!?

               大体、くっつき過ぎだろーー!
               離れろョ。
               その手、離せ!



           恋次:  ホラな。
                元気になっただろ?


                ・・・そーだね・・・。


           修兵: いつまでくっついてんだョ。
               早く離れろョ。


           恋次:  お前に指図されること、ねーだろー。
                 だって、嫌がってねーんだし。

                それに・・・この辺は、凄く寒いからなー。
                俺が、 を暖めてやってるんだョ。
                風邪、ひかねーようにな。


           修兵: え・・・、まぁ・・・寒いには、寒いけどな・・・。

               じゃあ、帰りは俺が暖めてやるからな。
               それでいいョな、



                え・・・、寒いけどさぁ〜・・・一人で大丈夫だョ。

                恋次もさぁ〜・・・もう、いいんじゃないの?・・・協力・・・。


           恋次:  協力はいいけどさぁ・・・、このままで・・・いいだろ?

                どっちかって言うと・・・
                 を暖めるっていうよりは・・・俺が暖まりてーんだョ。
                俺の事・・・暖めてくれョ・・・な・・・。


              
                うん・・・。
                でも・・・そんなに暖かくないでしょ〜・・・。


           恋次:  そんな事ねーョ。
                凄く・・・暖けーョ。
                 より暖けーもんなんて・・・この世にはねーからな。


           修兵: じゃあ、行こーぜ。


                え・・・、あの・・・鳳君は・・・?


           恋次:  ヤツは、もう小屋に行っちゃったから、いいョ。
                疲れただろーし、ゆっくり休ませてやれョ。


                え・・・、鳳君・・・疲れたって言ってたの・・・?
                大丈夫かなぁ〜・・・。
                ちょっと、見てきた方がいいんじゃないの?


           修兵: 体力的に、疲れた訳じゃねーんだョ。
               これっぽっち歩いただけで、疲れてる様じゃ
               使い物になんねーだろー。


           恋次:  そーいう疲れたじゃなくてさー・・・
                「平」のヤツが、副隊長三人とずっと一緒にいりゃー、疲れるさ。

                普段、 にだって・・・相当気遣ってんだろ?
                さらに、俺と修兵が居んだからさー。


           修兵: そうそう。

               その上、 と恋次のそんなところ見せられたんじゃ
               たまんねーョなー。
               いくら頭で「恋次のもの」だって理解してても・・・
               目の前で、見せつけられちゃなー・・・。

               少し、一人にさせといてやれョ。
               俺達居なきゃ、 から貰ったプレゼント・・・・・・
               開けて見たりも、出来んだろ?



                大丈夫なら、いいんだけど・・・。


           恋次:  大丈夫だョ、行こーぜ。

                          ・
                          ・
                          ・
                          ・
                          ・

           恋次:  ここだョ。


                わぁ〜、綺麗だね〜。
                木が・・・凍ってるの?
                キラキラしてるョ・・・。


           修兵: そーだな。
               この辺一帯だけ、他とは空気の質が違うみたいなんだョ。
               その分、凄く寒いけど・・・見る価値はあるョな。


                うん。


           恋次:  ここは、どの季節のいつ来ても、それなりにいいんだけどさー
                冬の・・・夜が最高なんだョ。

                暗いんだけどな・・・でも、月の光だけで見るこの景色って・・・
                綺麗なんだぜ。



                へぇ〜。
                恋次は・・・この景色を、好きな人に見せてあげたかったんだね。
                あ・・・、ちょっと違うか・・・。
                二人で一緒に・・・見たかったんだョね?


           恋次:  え・・・・・・・・。
                あぁ・・・。


                確かにクリスマスって、一番いいだろうけどさー・・・
                他の日でも・・・いいんじゃないの?
                連れてきてあげれば?


           恋次:  え・・・・・・・・。

                じゃあ・・・今度は二人で来ような、ここに。


                えっ?


           修兵: 二人はダメだョ・・・、三人で来ような。


           恋次:  それじゃぁ、今と変わんねーじゃねーかョ。

                お前には、分かんねーように準備しねーとな。
                今回は、俺の一生の不覚だョ・・・。
                お前にバレるなんてな・・・。


           修兵: 俺をみくびるなって。
               あっちこっちに、アンテナ張り巡らしてあるからさ
               恋次如きの考える事なんて、すぐ引っかかってくるんだョ。
               諦めな。


           恋次:  修兵は、本当に邪魔だョ。

                でも・・・俺にも、引けねーところがあるからなー。
                修兵ー・・・、今夜だけは、譲れねーからな。
                俺と ・・・二人だけで、ここに来るからな。

                お前だって、分かってるョな。
                いつも・・・必ず三人一緒って訳には、いかねーって事くらい・・・。


           修兵: まぁ・・・しょーがねーか・・・。
               ここ寒いし、そんなに長い時間居る訳じゃねーだろうし・・・。

               別に、恋次と を、認めた訳じゃねーからな。
                は、恋次の事なんて好きじゃねーって事・・・
               よ〜〜く覚えとけョな。


           恋次:  そんな事、言われなくても分かってるョ。


           修兵: あ、じゃあ・・・ 、俺の方に来いョ。
               今度は、俺を暖めてくれョな。

               どけョ、恋次。

               ( 恋次が から離れ、同じポジションに修兵がついた )


           修兵: やっぱり は、暖けーな。
               心の底から、暖まるョ。

                ・・・、さっきは・・・本当にごめんな・・・・・・・。
               俺・・・・・・
               自分の事しか、考えてなかったョ・・・。
               自分が腹立たしかった・・・・・・・。
                に・・・認めてもらえねー自分が・・・・・・。



                ううん・・・あれは・・・全部私が悪いョ・・・。
                一人だけにプレゼントするなんて・・・本当に無神経だと思う・・・。

                ごめんね・・・。


           修兵:  ・・・。
               このまま・・・誰にも渡したくねーなー・・・。

               あ、そーだ。
                、気をつけろョな。

               恋次も、普段はいろいろ我慢してんだろーけどさ〜・・・。
               クリスマス・イブの・・・夜に・・・
               綺麗な場所で二人っきり・・・そして、寒い・・・だろ?

               寒いからとか、何とか言ってきて・・・くっついてきて・・・・・・・
               危ねーョ・・・。

               恋次も、我慢出来なくなるかもしんねーからなー・・・。


           恋次:  何言ってんだョ。
                お前じゃねーんだョ。
                そんな事、コレっぽっちも考えてねーョ。

                大体、「普段はいろいろ我慢してる」って何だョ。
                いつも「そんな事」ばっかり考えてるみてーじゃねーかョ。
                お前と一緒にすんなョな!



                恋次・・・?
                何か我慢してるの?


           恋次:  えっ・・・・・・。
                いや、別にな・・・我慢なんて・・・してねーョ・・・。

                そりゃー・・・ は、無防備だから・・・
                すぐ手の届くところにいるし・・・
                男としてはだなぁ〜・・・・・・
                そーいう衝動に駆られる事が・・・全くねーとも言えねーけどな・・・。

                でも・・・
                俺は絶対、 を傷つけたりしねーから。
                何も心配しなくて、大丈夫だョ。
                安心してて・・・いいからな。



                何を我慢してるのかなぁ〜・・・?

                あ・・・・・・、分かった。


           恋次:  え・・・・・・・。
                あ・あのなぁー・・・・・・
                だから・・・我慢なんてしてねーって・・・。

                我慢っていうかさー・・・
                そーいう事・・・考えてもいねーから・・・な、誤解だョ。


           修兵: 考えてない訳ねーだろー。
               これだけ、 の事好きなんだしさー
               クリスマスの夜、二人っきりになれば・・・
               いろいろ考えてんじゃねーのか?


           恋次:  お前!
                余計な事言うなョ。

                 が、必要以上に心配して・・・
                俺の事・・・信用出来なくなったら、どーすんだョ。

                そりゃー俺は・・・聖人君子じゃねーョ。
                そこら辺の男と、何も変わんねーョな。
                普通に、いろんな欲はあるョ。

                でも・・・
                本気で惚れた相手って・・・少し違うんじゃねーのか?
                少なくても、俺の中では違うんだョ。

                自分の・・命懸けてもいいって思える相手なんて・・・
                きっと・・・ が、最初で最後だョ。

                その大切な相手が望まねー事・・・してーなんて、思わねーョ。

                修兵だって、そーなんじゃねーのか?
                 なんて、いつでも手出そーと思えば出せんのに・・・
                そうしねーで、 の心・・・大切にしてんだろ?


           修兵: まぁ・・・そーだな・・・。
                に好かれて・・・望まれて・・・・・・・
               初めて一歩、踏み出せるんだろーな〜。

               好かれてねーのに、いくら先に進んでも・・・・・・
                の心、此処に在らず・・・じゃなぁ・・・。
               罪悪感のが、強ぇーだろうからなぁ〜。


           恋次:   ・・・、そーいう事だからな・・・。
                俺は本当に・・・お前を傷つけたりしねーョ・・・誓うョ。

                まぁ・・・何も考えてねーって言ったら、嘘になるョな。
                俺は・・・・・・
                 と仲良くなりてーって、いつも思ってんだからな・・・。

                でも、変な事は考えてねーし、我慢なんてしてねーからな。
                俺の事・・・信じてくれョな。



                うん。
                恋次の事は信じてるけどさぁ・・・、我慢はしてるでしょ?



           恋次:  何言ってんだョ。
                お前・・・俺を、そんな男だと思ってんのか?
                俺が の事・・・
                いつもそんな目で見てると・・・思ってんのかョ・・・。



                いつも・・・?
                そーなんだ・・・。
                今回だけじゃなくて・・・いつも・・・我慢してるんだ・・・。



           恋次:  違うョ!!
                もーー、何て言えば、分かってくれんだョ・・・。

                俺はなー・・・
                今のところ、そんな事考える余裕なんて、ねーんだョ。

                俺は・・・自分の気持ちを、 に伝えョーって・・・・・・
                ただ、それだけで・・・精一杯なんだョ。

                何でこれだけいつも、いつも、伝えョーとしてる事が
                全然伝わらねーで・・・・・・
                事実じゃねー、全く俺の気持ちと反してる事だけ
                そーすんなり受け入れんだョ。

                俺は・・・たとえ、クリスマスの夜に・・・
                 と二人っきりになったって・・・
                 に、何かしようなんて・・・
                全然、全く、コレっぽっちも、思ってねーョ!!
                信じてくれョ。




                うん・・・、そんな事・・・分かってるョ・・・。
                そこまで・・・否定しなくたって・・・・・・・
                恋次が、私になんて全然興味ないの・・・分かってるもん・・・。

                ごめんね・・・・・・。
                クリスマスに・・・私となんて一緒で・・・・・・。

                すご〜く嫌だったんだね・・・私と居るの・・・・・・。
                我慢・・・しなきゃならない程さ・・・・・・。



           恋次:  えっ・・・・・・・・?
                お前の言ってた「我慢」って・・・・・・?


                えっ?
                だから・・・
                クリスマスなのに、好きな人と一緒にいられなくて・・・
                我慢して・・・私と居てくれてるんでしょ・・・?

                でも・・・そーだったんだ・・・・・・。
                いつも・・・・・・
                私と会うのって、嫌なのに・・・我慢してたんだ・・・。

                好かれてないのは、分かってたけど・・・・・・
                こんなにはっきり言われちゃうと・・・ショックだな・・・・・・。
                恋次・・・私の事・・・・・・嫌いなんだね・・・・・・。



           修兵: 恋次、撃沈だな。

               好感度、マイナス100 いや 1000 もう、落ちようがねーかもな。
               ここから復活するのは、大変そうだな〜。
               お前の気持ち・・・察するに余り有るョ。


           恋次:  修兵ーーー!!!

                お前のせーだろーーー!!!

                お前が「いろいろ我慢してる」なんて言うから
                こんな事になったんじゃねーかョ!

                どーしてくれんだョ・・・。

                 はなぁ〜・・・・・・
                悪い方に考えるのは、一秒もかかんねーけど・・・
                いい方に・・・
                「俺が の事、好きだ」って方に上げんのは・・・至難の業なんだョ。

                これじゃ・・・・・・・
                今夜二人でここに来たって・・・・・・
                「我慢して来てる」って思われて・・・終わりじゃねーかョ・・・。


           修兵: まぁ、100% そーだろうなー。
               こうなる運命だったんだョ、諦めな。

               あー、ついでに・・・今夜ここに来るの、俺に譲るか?
               それのが、いいんじゃねーのか?



           恋次:  冗談じゃねーョ。
                誰が、お前になんて譲るかョ。

                俺は・・・絶対這い上がってみせるョ。
                たとえ・・・一歩でも・・・な・・・。


           修兵: 随分小せぇ目標だな。
               クリスマス・イブの・・・ロマンチックな夜に・・・
               マイナス無限大から、たった「一歩」しか這い上がれねーのか?

               それじゃぁ、諦めた方が・・・いいんじゃねーのか?
               一生かかっても「0」には到達しねーョ。


           恋次:  うるせーなーー!!
                「0」には、到達しなくたってなー、お前には負けねーョ。
                俺は「0」なんて、目標にしてる訳じゃねーからな。

                数字なんて、どーでもいいんだョ。
                要するに・・・
                 が、俺の事好きになってくれりゃー、いいだけの話だからな。


           修兵: 恋次、頭おかしくなったのか?
               好感度がマイナスなんだぞ。
               好きになんて・・・なる訳ねーだろー。


           恋次:  何でマイナスなんだョ。
                それは、お前が勝手に決めた事だろー。

                さっきの話は・・・
                内容が、かみ合ってなかっただけなんだから・・・
                ちゃんと話せば・・・ にだって・・・通じるはずだョ。


           修兵: 無理だと思うけどなー。
               話なんて、いつもかみ合ってねーじゃねーか。

               それに、恋次が思ってた「我慢」の内容・・・
               どーやって話すんだョ、説明・・・出来んのか?


           恋次:  え・・・、それはちょっとなぁ・・・・・・。
                今更、蒸し返す話じゃねーからなー・・・。

                 が、全く気付いてねーんだから、話す必要はねーョ。
                とにかく俺は、「我慢」なんかしてねーって事を
                分かってもらうように、するだけだョ。


           修兵: 恋次の悪足掻きか。
               ギブアップしたら、教えろョな。
               そーしたら俺・・・攻勢かけるからさ。


           恋次:  ギブアップなんて、死んでもしねーョ。

                とにかく小屋に戻ろーぜ。
                 放したら、寒くなってきたョ。

                          ・
                          ・
                          ・
                          ・
                          ・

               ( 小屋 )


            鳳: あ、お帰りなさい。
               どーでした? 綺麗でしたか?


                うん、凄く綺麗だったョ。
                鳳君、行った事ないの?


            鳳: はい・・・、俺なんかが、行く場所じゃありませんから・・・。


                そーなんだ・・・。

                あっ、じゃあさー・・・、今度一緒に来ョーか。
                冬はちょっと寒いからさー・・・
                春とか、夏にでも・・・どの季節もいいらしいョ。


           恋次:  それはダメだ。


                えっ? 何で?


           修兵: 鳳と二人で、来ョーとしてるんだろ?


                うん。


           恋次:  絶対ダメだ。


           修兵: 鳳、景色見てーのか?


            鳳: あ・・・、いえ・・・・・・・、別に・・・・・・・。


           修兵:  、鳳は景色なんて、どーでもいいってさ。

               見たきゃ、これから一人で行けば、いい事だしな。


            鳳: ・・・・・・はい。



                鳳君・・・・・・。

                あ、じゃあさー・・・
                これから一緒に行こーか?
                近いしさぁ〜、急いで行ってくれば、暗くなる前に帰ってこれるョ、ねっ。


           恋次:  ダメだって言ってんだろ!!!


                え・・・・・・恋次・・・・・・何で・・・・・・?


           恋次:  俺でさえ、まだ二人で行ってねーんだぞ。
                いや、行ったとしても
                他の男と二人でなんて、行かせる訳にはいかねーョ。

                ダメだって言ったら、絶対ダメだ!!!



                恋次・・・、何かちょっと怖くなってない?


           修兵: 気合い入ってんだョ。
               何せ、我慢してんだろ?
               相当、気合い入れねーとなーー。


           恋次:  修兵!!!
                お前、もう帰れ!!!

                お前なんて、連れてくんじゃなかったョ。



           修兵: 俺は、恋次に連れてきてもらったなんて、思ってねーからな。

               まぁ、何とでも言えョ。
               俺は、来て良かったって思ってるからさー。

               恋次が、落ちてく姿も見れた事だしー・・・っていう事は・・・
               このクリスマスは、俺と の「始まり」になる可能性「大」だもんなー。


           恋次:  何寝ぼけた事言ってんだョ。

                俺は、落ちてなんていねーからな。

                 は、修兵なんて選ばねーョ。
                お前と始まる可能性は、永遠にねーな。

                 、ここに居たんじゃ、うるせーのが居るからさー
                今から二人で、さっきの所・・・行ってくれョ・・・。
                向こうで・・・暗くなるの待ってさ〜・・・。



                え・・・、いいけど・・・。
                じゃあ、鳳君も一緒に・・・・・・・


            鳳:  副隊長・・・俺は本当にいいですから・・・。
                副隊長に、声かけて頂けただけで・・・十分です。
               阿散井副隊長に、優しくしてもらって下さいね。


                え・・・恋次はさぁ・・・、嫌々だからね・・・。
                無理に優しくは、してくれるだろうけど・・・。

                あっ、恋次・・・行くの・・・止めようか?
                もう・・・一回連れてってもらったし・・・・・・
                嫌々なんでしょ?
                我慢なんて、する事ないョ・・・。


               ( 恋次が無言で の手を掴み、そのままドアの方へ歩き出した )



                い・痛たたた・・・・・・・れ・恋次・・・・・・。


               ( 恋次が手を離し、そのまま を抱き上げ、外に出た )



                れ・恋次・・・? どーしたの?


                どーもしねーョ。
                お前と二人で、さっきの場所に、行くんだョ。




                恋次・・・・・・・・・。

                ごめんね・・・、今ここに居るのが、私で・・・・・・。


               (  の上に、一滴の「水」が落ちてきた )


                ん?


               (  が見上げると・・・ )


                ・・・・・・・・恋次・・・泣いてるの・・・・・・?


            


                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


                恋次・・・?


                泣いてなんかいねーョ。


                でも・・・・・・。


               (  が、恋次の頬の「濡れた一筋」に触れた )


                情けねーョな・・・。
                何で、俺の気持ちが、伝わんねーんだろうなぁー・・・・・・。

                こんなに・・・・・・
                こんなに好きなのに・・・何で・・・・・・。



                恋次・・・・・・・・。
               
                そんなに心配しなくてもさぁ〜・・・
                恋次はこんなに「ステキで強くて優しい」んだから・・・大丈夫だョ。

                きっとその人・・・
                自分の隊のパーティー、抜けられなかったんだョ。
                重要な役割、任されてたとかさぁ〜。



                お前・・・今、何て言った?


                えっ?
                だからさー、きっと自分の隊のパーティー・・・・・


                じゃなくて、その前だョ。
                俺の事・・・・・・何て言った?


                ん?
                あー、恋次は、ステキで強くて優しい・・・・・・?


                お前・・・本当にそー思ってんのか?


                うん、思ってるョ。


                本当に、本当か?


                うん・・・、何で?


                何でって・・・・・
                普通、そんな風に思ってたら・・・結構好きって・・・事じゃねーのか?


                うん、そーだろうね〜。


                「そーだろうね〜」って・・・
                じゃあ・・・ は、俺の事・・・・・・・・・好きって事か・・・・?

                あーー、いいや。
                墓穴掘りそーだからなー、その手前で止めとくョ。
                「ステキで強くて優しい」・・・で十分だョ。

                お前の「好き」は、Loveじゃねーもんなー。
                聞かねー方が、俺自身の心の為だョな。

 

                あぁ、着いたな。 どーする?


                どーする?って・・・・・?


                このままでもいいけど、寒いからなー・・・・・・。
                下りて、俺が抱きしめてやるョ。
                そっちの方が、暖けーョな。


               ( 恋次が を下ろし、そっと抱きしめた )


                恋次・・・もう、大丈夫?


                えっ?


                さっき・・・泣いてたでしょ・・・?


                泣いてねーョ。
                誰が、泣くかョ。

                でも・・・
                辛かったのは・・・確かだな・・・。

                お前のあの言葉・・・・・・・・・。
                「ごめんね・・・今ここに居るのが、私で」って・・・・・・・・。

                俺の想い・・・全く届かねーんだもんな・・・。
                涙も、どーしていいか分かんなくなって・・・
                勝手に溢れたのかもな・・・。

                でも今日はお前・・・珍しくフォローがあったもんな。
                 が、少しでも俺の事・・・ステキって思ってくれてんなら
                望みはあるョな。


                「何で届かねーんだ」なんてウジウジ考えてるよりも・・・

                届くように、前進あるのみ! だョな。



                恋次・・・元気出たみたいだね、良かった〜。


                「良かった」って・・・原因はお前・・・・・まあ、いいか・・・。

                もうちょっと暗くなったら・・・お前、向き変えョーな。
                これじゃあ、何も見えねーもんな。



                恋次・・・?


                ん?


                恋次もさー・・・
                好きな人に、クリスマスプレゼントってするの?
                あー、もうあげた?


                ごめんな。
                忙しくて、買いに行ってる暇なかったョ。
                近いうちに、一緒に買いに行くか?
                それのがいいョな。


                恋次・・・・・・誰と話してるの・・・・・?


                えっ?
                 に決まってんだろ。
                他に、誰か居んのか?


                居ないけど・・・。
                あ、そうか。
                好きな人にあげるプレゼント・・・一緒に見に連れてってくれるんだ。


                え・・・、まぁ・・・言ってる事は100%合ってるけどなー・・・。
                でも・・・違うんだョなーー・・。

                 にやるプレゼントを、一緒に買いに行くんだからな。



                恋次・・・私にもプレゼントくれるの?


                「私にも」じゃなくて、 にしかやんねーョ。


                え・・・、どーして?
                日にち過ぎちゃうから?


                 にしか、やりたくねーからだョ。


                え・・・。
                あー・・・、私・・・変な事聞いちゃったョね・・・ごめんね。
                プレゼントするの?なんて聞いちゃったらねー・・・
                催促してるみたいだもんね〜・・・。

                恋次・・・私は、そんな意味で言ったんじゃないからね・・・。
                気にしないでね。



                お前が催促してくれたら、どんなに嬉しいか・・・。

                あー・・・、今日はさぁ〜・・・クリスマス・イブだろ?
                だから、こういう押し問答は、やめよーな。

                本当は「我慢」の件も、ちゃんとしときてーし
                俺が の事好きだって事も・・・伝えてーけど・・・・・・。

                そーいう話すると・・・言い争いみてーになって・・・
                最終的には「俺がおかしい」ってなっちゃうもんなー・・・。



                 ・・・。
                たとえ強引だろうが、何だろうが・・・
                今日、そして今ここに・・・こーして二人でいるって事は・・・
                少なからず、運命だと思うんだョ。

                だから・・・この二人っきりの時間・・・俺は、大切にしてーんだョ。

                余計な雑音抜きにして・・・俺は、お前だけの為にありてーな。

                今はさぁ〜・・・、せめてここに居る間だけでいいからさー・・・
                俺が好きなのは「 」って事で・・・いいじゃねーかョ。
                今だけでいいから、俺の言う言葉・・・
                そのままの意味で、受け取ってくれョ。



                うん・・・。


                ありがとな。
                今、お前とここに居られて・・・俺は幸せだョ。
                あー、 と会ってる時は、いつも幸せだけどな。
                でも・・・、今日は・・・特別な気がするョ。


                私も幸せだョ。


                えっ??


                別に、今日ここに一緒に居られるから・・・じゃなくてね・・・
                恋次と知り合えた事・・・自体がね。
                だから私も、恋次と会ってる時は・・・いつも幸せだョ。



                あ・あのさぁ・・・・・・。
                お前の言葉って・・・何処まで・・・どー信じていいのか・・・・・・
                ちょっと分かんねーんだけどさー・・・・・・。

                でも・・・冗談じゃ・・・ねーョな〜・・・?



                うん。
                あー、でも・・・私の言葉なんて、信じなくてもいいョ。
                私に、いい事言われたって、嬉しくないだろうし・・・
                迷惑だろうからね・・・。



                じゃあ・・・
                お前の言葉は・・・全部信用して・・・いいんだな・・・?


                うん。


                俺と居ると・・・本当に幸せ・・・か?


                うん。


                今も・・・・・・・幸せ・・・・・・・・・・か?


                うん、とっても。


               ( 恋次の腕に力が入った )


                れ・恋次・・・・・・な・何か・・・苦しいョ・・・・・・・。


                えっ?
                あー・・・・・、ごめん・・・・・・。


               ( 恋次が力を緩め、二人の目と目が合った )



                恋次?


                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


                恋次・・・?
                どーかしたの?


                ん? 別に・・・・・・・・・。

                お前からいい言葉・・・言ってもらえると・・・・・
                俺も・・・もろいな・・・。

                「我慢なんてしてねー」って言ったけど・・・・・
                ここは・・・「我慢」だョな・・・。



                恋次・・・嫌なら戻ろうョ・・・寒いしさぁ〜・・・。


                何が嫌なんだョ。


                だって・・・「我慢」してるんでしょ・・・?


                それは・・・・・・
                お前が、可愛すぎるから・・・我慢してんだョ。

                俺も男だし・・・しょーがねーョな・・・。
                変な気・・・起こしてる訳じゃねーけど・・・

                大好きなヤツ・・・目の前にしてんだもんなー・・・
                何とも思わねー方が・・・おかしいョ・・・。


                あー、そろそろ暗くなってきたから・・・向き変えてみろョ。



                うん。

               (  が向きを変えた )


                どーだ?
                綺麗か?


                うん。
                幻想的で・・・・・・凄く綺麗・・・・・・・。


                なら、良かったョ。
                少〜〜し、心配したんだョなー。
                 って・・・凄く鈍いだろ?
                こーいうの見ても・・・綺麗って思わねーんじゃねーかも・・・ってさ。


                え・・・・・・・・。


                冗談だョ。

                この景色・・・
                 と一緒に見てーって、ずっと思ってたんだョ。

                俺の願い・・・一つ叶ったな。
                これからも・・・きっと、俺の願いは叶っていくョな。

                 ・・・
                俺も、お前と出会えて・・・幸せだョ。
                こんなにいい事・・・お前に言ってもらえるなんてな・・・。

                きっと・・・聖夜の力だろうな。


                陽が落ちて・・・正真正銘の聖夜・・・。

                 と・・・・・
                俺の知ってる、一番綺麗な場所で・・・こーして居られるなんて・・・。
                やっぱり俺達は・・・目に見えねー何かで、繋がってるんだョ。

                今はまだ・・・その繋がりが、凄く細いんだろうけどな・・・。
                たまに、切れそーになったり・・・な・・・。

                でも、俺は・・・
                この繋がりだけは、絶対切らさねーからな。
                何が何でも死守して、そして・・・
                太くて強い・・・切るのが不可能な、繋がりにしてみせるョ。



                恋次・・・、やっぱり寒いから・・・小屋に戻ろうョ・・・。


                ん?
                そーだな、そろそろ限界だな・・・・・って言うか
                お前、俺の話し・・・聞いてたのか!?


                聞いてたけどさー・・・、寒くて・・・・・・。


                しょーがねーなーーー。
                じゃあ、戻るか。


                うん。

                恋次・・・、寒いのに連れてきてくれて、ありがとう〜。

                私・・・この景色、一生忘れないョ。

                恋次と一緒に・・・クリスマスに二人だけで見た、この景色・・・。




                え・・・・・・・・、 ・・・・・・・・・。

                忘れてもいいョ。
                だって・・・
                来年も、再来年も、その先も・・・・・ずっと・ずーっと・・・
                聖夜は、 と二人で・・・ここに、こーして居るんだからさ。

                毎年来ョーな、ここに。
                ちょっと・・・寒いけどな。



                それは無理でしょ〜?
                来年は・・・恋次は・・・好きな人と来るんでしょ?


                あぁ、絶対な。「来年も」。


                うん・・・。


                来年も、 と来るからな。
                24、25・・・空けとけョな。
                あー・・・、そんな事言わなくても
                来年は恋人同士・・・は無理としても・・・
                もうちょっと、仲良くなってるョな・・・いや、絶対なってるョ。


                恋次・・・戻った方がいいョ・・・。
                寒すぎて、何言ってるのか・・・分かんないんでしょ〜?


                それは、ナシだって言っただろ!
                俺の言葉・・・素直に全部聞けョな。


                うん・・・・・。


                来年も、 と来るぞ、いいな!


                うん・・・。


                この先、永遠に・・・聖夜はここで一緒だぞ。


                うん・・・。


                俺は、 が大好きだからな。
                 も絶対、俺の事・・・好きになれョな!


                え・・・・・・・。


                返事は!?


                うん・・・。


                良し!

                じゃあ・・・戻るから・・・
                その前に、一言・・・言っておくョ。

                こっち向けョ。


               (  が恋次と向き合い、恋次が の頬に両手を添えた )


               


                 ・・・。
                俺は、改めて、今日、ここに、誓うョ。

                何があっても、俺は を守る。

                可能な限りの、全身全霊をかけて・・・ を守り

                永遠に・・・ だけを愛すことを。  
                                                            
             Merry Christmas 

                                                                                                 fin      2005,12,24  up

 

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あとがき

すいませ〜〜ん、長いです〜・・・(滝汗
クリスマス夢にしては・・・甘さが足りないかなぁ〜・・・とも思いますが・・・(汗

今回は、恋次のヒロインに対する想いを、ちょっぴり書いてみたかったのですが・・・
表現力・文章能力等がない為・・・うまく書けず・・・。
少しでも・・・恋次がヒロインの事を「大切」に思っている・・・
と、感じていただけたら・・・いいのですが・・・。

長文・・・最後までお読みいただき、ありがとうございました。
お時間ありましたら、また遊びに来て下さいませ。