first K... (後編)




               〔 12月24日・夜  広場 〕



                やっぱり・・・あっちも、こっちも、カップルばかりだね・・・。



               そーだな・・・。
               今日は も・・・独りじゃねぇんだからいいだろ?

               お前さぁ・・・・・・
               「独り」が嫌なら、俺とさぁ・・・・・・付き合う気は・・・・・・




                あっ、恋次!!




               な・何だョ??




                昨日は「こんな事」書いてなかったけど・・・




               ん?




                ツリーに飾ってあるオーナメント・・・
                好きなの一つ、持って帰っていいんだって。




               ふ〜〜ん。

               「一人一個、記念にどうぞ」か・・・。




                恋次、早く・早く!
                いいのがなくなっちゃうョ。




               お前・・・・・・物に釣られて・・・・・・。
               でも、元気になったからいいか。




               〔 ツリーの前 〕




                わぁ〜、昨日より一杯、飾りが付いてる。

                どれがいいかな〜?

                あっ、あれ可愛い〜。
                でも・・・こっちのも綺麗だな〜。




                ・・・・・・
               そんなに目の色変えて選んでるヤツ・・・他に居ねーぞ?

               クリスマスなんだからさー・・・
               もうちょっと・・・こぅー・・・ロマンチックに・・・
               目と目見つめ合って・・・愛を囁き合うとか・・・・・・




                あっ、恋次、ちょっと邪魔。
                そこ退いて!




               ダメだこりゃ・・・・・・。

               いいのあったか?
               上の方の、見えねぇだろー?
               肩車してやろうか?




               (  が振り返り、恋次をじっと見つめた )




               え・・・・・・?

               あっ・・・、あ、いや・・・そのー・・・変な意味じゃなくてな・・・




                恋次〜、そーいう事はもっと早く言ってョ。

                で、どーやって乗るの? 恋次の肩。




               お前・・・あの・・・なぁ〜・・・・・・

               恥じらいとか・・・そーいうのは・・・・・・・・・・・・ねぇな!

               よし! ほら、乗れョ。




                うん。




               ( 恋次がしゃがみ、 を肩車した )




                うゎーー、高い!

                恋次って・・・いつもこんな目線なの?




               いや・・・、そこまで高くねぇだろー。

               俺がちゃんと「足」押さえててやるから・・・・・・・・・・




                うん。




               「足」・・・・・・・。
               これは、 の「足」・・・・・・。

               よ・余計な事は・・・考えるの止そう・・・。




                恋次、ゆっくりツリーを、一周してくれる?




               あ・あぁ・・・・・・。




                あっ、ちょっと待って!

                アレ・・・綺麗〜。




               (  が右手を思い切り伸ばし、オーナメントを取ろうとした )




               
               お前・・・左手で、俺の目塞ぐなョ・・・。

               前見えねぇと、危ねーョ。




                あ・・・ごめんね・・・。
                ちゃんと掴まってないと、怖いんだもん・・・。


               (  が左手を、少し下に下ろした )


                恋次、もうちょっとで取れるから。




               (「 の手が・・・俺の唇に触れてる・・・・・・。」
                「触れてる」というよりは・・・
                 口を塞がれてるって感じだけど・・・

                 紛れもなく・・・
                  の小さくて、柔らかい・・・
                 掌・・・指が・・・俺の唇に・・・・・・。)




                取れた!

                私、コレにする。
                恋次、下ろして。




               (  が、肩車から降りた )




                恋次・・・、随分静かだったね?




                が・・・俺の口・・・左手で塞いでたんだろ・・・?




                えっ!? そーだったの?
                ごめんね、苦しかった?
                早く言ってくれれば良かったのに・・・?




               だから・・・喋れねぇって・・・・・・。

               口開いたら・・・
               お前の指が、口の中に入っちゃいそうで・・・・・・。




                あ・・・そーだね・・・。

                ごめんね・・・。
                手は、キレイにしてるけど・・・口の中に入っちゃったら、汚いもんね。




               汚ねぇなんて、思ってねーョ。

               ただ・・・・・・

               お前を肩車して・・・
               お前の足を、俺が押さえてて・・・

               それだけでも・・・モヤモヤしてきて・・・・・・。

               「いけねぇ、無心に・・・無心に・・・」って、思ってるところに
               お前の手が、俺の唇に触れてきて・・・。

               もし・・・ の指が俺の舌に触れたら・・・
               俺の口内に、 の指の侵入を許したら・・・

               俺・・・
               冷静じゃいられなくなる・・・・・・。




                え・・・

                怒る?

                もぅ・・・怒ってる?

                ごめんなさい・・・。
                私・・・恋次の口押さえてたなんて、全然気が付かなくて・・・。

                ごめんなさい・・・、怒らないで・・・?




               お前が、そんなんだから・・・助かってるんだョな・・・。
               俺が・・・暴走しないで・・・。

               すぐに、我に返れる。
               お前の言葉で・・・現実に引き戻されるから・・・。




                許してくれるの?




               あぁ。
               元々、怒っちゃいねーョ。




                良かった。
               
                恋次は・・・どれにするの?




               えっ?




                オーナメント。




               んーーー、そーだな〜・・・・・・


               ( 恋次がオーナメントを選び・・・ )


               コレなんかどーだ?


               (  の方に、少し屈んで振り向いた時・・・ )




                アレ、可愛いーー!


               (  が、思い切り背伸びをして、オーナメントを取ろうとした )






                     『 チュッ 』






               (  と恋次の唇が・・・きれいに重なり合った )




               わ・わ・悪ぃ・・・・・・・・・・・・。

               わざとじゃねぇから・・・・・・・・・・・・。




                うん・・・。




               今のは別に・・・

               キ・キスとか・・・そんなんじゃねーからな・・・・・・?




                うん・・・。




               い・いいか、落ち着けョ・・・。
               今のは、不可抗力・・・事故だ。

               そーだョ、事故みてーなもんだ。
               な・何でもねぇから・・・気にすんな。




                うん。

                恋次・・・大丈夫?
                照明のせいかもしれないけど、顔・・・真っ赤だョ・・・?

                あっ・・・
                もしかして・・・怒ってるの?

                ごめんなさい・・・、私の不注意で・・・。




               お前・・・冷静なんだな?




                そんな事ないけど・・・

                でも・・・ただ、ぶつかっただけだもん。
                気にしても、しょうがないでしょ?




               そ・その通りだ。

               今のはキスじゃねぇから・・・ノーカウントだ。
               いいな?




                ん?
                ノーカウント?




               だから・・・
               キスとして・・・1回とは、数えないって事・・・だろ?

               ファーストキスじゃねぇ・・・って事だョ。




                ファーストキスかぁ・・・。
                恋次は、ファーストキスじゃないでしょ?




               だ・か・ら、今のは「キスじゃねぇ!」って言ってんだろー!!

               それに・・・
               俺だって、 との初めてのキスは・・・
               記念すべき「first Kiss」。

               だから、こんなカタチじゃなくて・・・ちゃんと・・・

               ちゃんとしてーんだョ。

               今のはナシだ。
               もぅ・・・考えるな。




                「ちゃんとしたい」・・・・・・? 何を?




               え・・・

               な・何でもねーョ。
               早く忘れろ。
               いつまでも、考えてんじゃねぇ!




                恋次の方が、気にしてるみたいだけどなぁ?




               バ・バカ言うな。
               俺は、何とも思ってねぇ。
               お前と唇が触れ合ったくらいで・・・
               だ・誰が動揺なんてするか!




                本当に?




               当たり前だろ!




                なら・・・良かった・・・。




               えっ?




                恋次・・・凄く否定してるから、嫌がってるのかと思ってさ・・・。

                「汚いものに触れちゃった」って・・・。

                何とも思ってないなら・・・良かった・・・。




                ・・・・・・

               俺は・・・嬉しかった。

               嬉しかったんだョ!!

               ほら、コレ・・・


               ( 恋次が、自分で取ったオーナメントを、 に渡した )




                ん・・・?




               お前にやるョ。
               それでいいか?
               嫌なら、他のと取り替えるけど・・・?




                恋次・・・、記念だから・・・自分で持ってれば・・・?




               いらねーョ、「こんな物」。

               どれがいい? 好きなの言えョ。




                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (  が下を向いた )




               ・・・?? どーした?




                恋次は・・・「こんな物」いらないんだョね・・・。

                今日・・・
                クリスマスイブに・・・
                私と二人でココに来た・・・記念のオーナメントなんて・・・。




               ・・・えっ?




                縁起悪いもんね・・・、このオーナメント・・・。

                こんなの持ってたら、「さっきの事」思い出しちゃうかもしれないしね。

                私は・・・
                恋次とココに来た記念だから、一番綺麗なのが欲しかったし・・・
                宝物にしようと思ってたけど・・・

                訂正しなくちゃね・・・。

                恋次は・・・今、傍に居るけど・・・一緒に居る訳じゃない。

                私独りで、クリスマスにココに来た・・・記念品なんだね、コレ・・・。




               ( 恋次が、自分の渡したオーナメントを、 から取り戻した )




               ごめん。
               俺・・・何も考えてなくて・・・。

               2人で来た記念・・・なんだョな、コレ・・・。

               俺も宝物にする。




                無理しなくていいョ。

                そんなの持ってると・・・また、「嫌な事」が起こるョ?




               ( 恋次が を、抱きしめた )




               嫌な事って・・・ とキス出来るって事か?




                キ・キスじゃないでしょ?

                さっきのは・・・キスじゃないもん。




               そーだな。
               でも、コレ持ってると・・・ とキス出来そうな気がしてきた。

               肌身離さず持ってようかな。




                恋次がそれを?




               あぁ。




                ・・・似合わない気がする。

                そんな可愛い物・・・恋次が持ち歩くなんて・・・。




               だな。
               これは宝物として、大切に仕舞っておくョ。

                とキスさせてくれた・・・大切な物として。




                キスじゃないでしょ?
                恋次が言ったんじゃない・・・。




               唇と唇が触れ合う事は・・・簡単に言えば「キス」だろ?

               さっきのは・・・
               キスじゃねぇけど・・・キスなんだ。

               俺の中でも、ちゃんと区別してるから、そんなに気にすんな。




                気にしてないョ。

                あんなのキスじゃないもん・・・。

                いきなり恋次がぶつかってきて・・・少し痛かったし・・・

                恋次のバカ・・・。

                避けてくれれば良かったのに・・・。




               ごめん・・・。

               痛かったか? 本当にごめん。

                が、背伸びしてるなんて、思ってもいなかったから・・・
               「あの高さ」に、お前の顔があるなんて・・・。

               ごめんな?

               俺・・・勢い良かったもんな。
               気が付いたら・・・重なり合ってた・・・、唇同士が。

               切れたりしてねぇか?

               ちょっと見せてみろ。


               ( 恋次が、抱きしめてる手を緩めた )




                え・・・、いいョ。
                大丈夫だから。
                何ともなってない。




               いいから・・・

               俺の方向けョ。




               (  が恋次を見上げ・・・二人が見つめ合った )




               メリー・クリスマス・・・。




                     『 チュッ 』




               ( 恋次が の額に、口付けをした )




               俺と居れば・・・寂しくねぇだろ?
               お前は・・・「独り」なんかじゃねぇからな。

               俺が を想う気持ちは・・・
               「最強」且つ「永遠」なんだ。

               よ〜く憶えとけ。




                恋次・・・・・・。




               んじゃ、 の番な。

               お返しくれ。

               どこでもいいぞ。




               ( 恋次が、 と頭の高さを同じにした )




                え・・・・・・・・・・・・




               恥ずかしがるなョ。
               キスした仲だろ?




                キス・・・じゃないもん・・・。




               お前にはな。

               俺にとっては・・・
               神様がくれた「最高のクリスマスプレゼント」。

               名付けて「キス」なんだョ。




                恋次・・・目瞑って・・・。




               ん?
               何だョ、本格的だな。
               期待しちゃうぞ?




                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




               ・・・冗談だ。

               ほら、いいぞ。




                     『 チュッ 』




               ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
               ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?




                恋次・・・寒くなってきたから、帰ろう?




               お前・・・今・・・・・・




                早く帰って、ケーキ食べようョ?




               今・・・さぁ・・・・・・




                恋次?
                何、「ボーッ」としてるの?

                先に帰るからね。




               どこに・・・キスした・・・・・・??


               あれ?

                ?? 何処行った?

               ( キョロキョロ )

               あいつ・・・

               あっ、あんな所で、手振ってる・・・・・・。


               オイ、待て!


                ーー!


               今のって・・・もしかしたら・・・




               俺達の・・・「first k...






                恋次〜〜〜、今日はありがとぅ〜。


                メリー・クリスマス〜〜〜!

                                                             fin                               2006,12,23 up  

 

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あとがき

ヒロインちゃんは・・・一体、「何処」にキスしたのでしょうか?(笑
言わずと知れた「場所」。
「Kiss」ですからね〜(笑

恋次にとっては、良いクリスマスイブになったのでは・・・?

長文、最後までお読みいただき、ありがとうございました☆
お時間ありましたら、また遊びに来て下さいませ。