絶叫マシーン(後編)
〔 現世 ・ 遊園地 〕
うゎ〜、広いんだね〜。
お店もいっぱいあるし、乗り物もいっぱいある・・・。
恋次、どれから乗ろうか?
絶叫マシーンって・・・どれの事かな?
ねぇ・・・、恋次?
(
が振り向いた )
あれ?
・・・恋次??
恋次・・・何処行っちゃったんだろ〜・・・?
恋次ーーー・・・・・・・?
どーしよう・・・・・・・・・
(
が、キョロキョロしていると・・・ )
何、情けねぇ顔してんだョ?
あっ・・・。
もぅー・・・恋次、何処行ってたの?
ん?
コレ買いに。
も一つ食え、ほら。
( 恋次が
に、買ってきた物を一つ渡した )
俺・・・コレ大好きなんだョ。
「たい焼き」。
入り口入ったら、売ってんの見えたから、我慢出来なくなってな。
買いに行くなら、そう言ってから、行ってョね・・・?
こんなに広い所で、はぐれちゃったら
二度と会えなくなっちゃうじゃない・・・。
大丈夫だョ。
俺には、
がずっと見えてたし、このくらいの範囲内だったら
お前の気配、辿って行けるョ。
俺がお前を、見失う訳ねぇだろ?
心配すんな。
そんな事より、早く食え。
美味いぞ。
恋次・・・
あんまり食べない方がいいョ?
これから、絶叫マシーンに乗るんだからさぁ・・・
気持ち悪くなったら・・・悲惨だョ?
「モグモグ・・・」
うめぇ〜〜!
もっと買って来っかな。
恋次・・・・・・
・
・
・
・
・
恋次?
特に、絶叫マシーンって書いてないから、全部そうなのかな?
かもな。
まぁ、いろいろ乗ってみりゃ、いいじゃねぇか。
うん。
じゃぁ・・・最初はコレがいいな。
入った時から、見えてたし・・・
大きいから・・・「コレ」絶対、絶叫マシーンだョ。
コレかぁ・・・。
「ラブラブ観覧車」。
じゃぁ・・・乗ってみるか。
うん。
( 「ラブラブ観覧車」に乗った )
恋次・・・、何で隣に座るの?
傾いちゃってるじゃない・・・。
恋次は、向こう側に座ってョ・・・?
いいじゃねぇか。
一人で乗ったら、傾くだろ? 問題ねーョ。
もぅー・・・・・・。
ん?
何々・・・何か書いてあるぞ?
えーっと・・・
「この観覧車の、頂上付近で告白すると、その恋が実る!
・・・かもしれません」
ふ〜〜ん。
・・・お前、俺に「告白」してみろョ。
え・・・・・・・・・・・・?
で、その先は・・・
「頂上でキスすると、その恋は永遠のものとなる!
・・・かもしれません」
( 恋次が
を、見つめた )
な・何・・・?
キス・・・・・・・・・・・・
え・・・・・・・・・・・・?
こういう、書いてある事を全部やって・・・
初めて、ちゃんと「絶叫マシーンに乗った」って事になるんじゃねーか?
だから・・・・・・
でも・・・
これが、絶叫マシーンか・・・分からないし・・・・・・。
だから、やれる事は、全部やるんだョ。
乗り物に、書いてあるんだぞ?
調査に穴があっちゃ不味いだろー。
ほら、もう少しで頂上だぞ!
告白・・・しろョ。
あ・あのさぁ・・・
告白は・・・いいとして・・・キスはさぁ・・・・・・・・
あっ、ほら頂上だ! 早く・・・・・・
え・・・
あ・あの・・・・・・
れ・恋次・・・・・・えっと・・・・・・
す・・・好き・・・・・・
( 恋次が
の額に、口付けをした )
・
・
・
れ・恋次・・・?
もう・・・いいんじゃないの・・・?
恋次?
ほら・・・、下からも見えるしさぁ・・・・・・
もう・・・離れてョ・・・・・・。
ずっと・・・下に着くまで、してようと思ったのに・・・
見えたって、構わねぇだろ?
ココには、俺達の事知ってるヤツなんて、一人も居ねぇんだからさー。
このまま、もう1周するか?
次は・・・もうちょっと下の方に、キス・・・してぇなぁ・・・。
バカな事言ってないで・・・
ほら、降りるョ。
( 二人が、ラブラブ観覧車から降りた )
恋次、どうだった?
ん?
ちょっと物足んねぇなー。
思い切って、唇にしちゃえば良かったョ・・・。
れ・恋次・・・?
あ・あのね・・・絶叫マシーンに乗って、どうだったかを聞いてるの。
だから、イマイチだって、言ってんだろ?
の告白も・・・
俺のキスも・・・・・・中途半端だったろ?
・・・何か、趣旨が違う気がするんだけど・・・・・・。
次は・・・どれに乗ろうか?
あっ、
この線路みたいのがくねくねしてて、高い所から落ちてくるやつ・・・
皆、「キャー」って言ってるし・・・
コレ・・・乗ってみようか?
「ジェットコースター」っていうみたいだね。
ん・・・?
あー・・・、それはいいョ。
何で?
だって・・・
一人ずつ、肩から押さえつけられてて・・・
に、くっ付けねぇじゃねーか。
そんなの、つまんねーョ。
でも・・・色んなの乗らないと・・・。
調査なんだし・・・。
乗りたいのだけ、乗りゃいいョ。
これはパス。
恋次・・・・・・。
あー、あっちのやつのがいいョ。
馬に乗って、回ってるやつ。
あれ、乗ろうぜ!
うん・・・。
じゃぁ・・・あれにしようか・・・。
・
・
・
これは・・・
「メリーゴーランド」っていうんだね。
絶叫マシーンかな?
そーだろ。
じゃぁ・・・どれに乗ろうか?
あの、馬車みたいなやつ。
あれ、綺麗だから・・・あれにしようョ?
何言ってんだョ。
あっ、今、目の前通ったやつ。
あの、大きい方の馬に決まってんだろ?
あれは、大人二人で乗っていいみたいだからさ。
前に
が座って、その後に俺が座る。
掴まる所は・・・
前に付いてる棒だけだから・・・
は、そこに掴まって、俺は
に掴まる。
いいョな、コレ。 ぴったりくっ付けるもんな。
え・・・、あ・あのさぁ・・・・・・・・・・・・
何だョ?
私・・・
このスカート短いから・・・馬にまたがるのは、ちょっと・・・。
ん・・・?
それもそーだな。
じゃぁ・・・横向きに座れョ、なっ?
それならいいだろ?
うん・・・でも・・・・・・恋次が前に座ってョ。
私が、恋次に掴まった方が、安定性あると思うんだけど・・・?
分かった。
俺が前で、
が後な。
うん。
よし、じゃぁ乗ろうぜ。
( 「メリーゴーランド」に乗った )
恋次・・・・・・?
何で、こっち向いて座ってるの?
前向いて座ってョ・・・。
棒に掴まらないと、危ないでしょ?
そんなのに掴まらなくたって、俺は全然平気だから、心配すんな。
そーかもしれないけどね・・・・・・
こっち向いて座られても・・・困るョ・・・?
困る事ねぇだろ?
早く、俺に掴まれョ。
は、何処にも掴まんねぇと、危ねぇぞ?
そーだけど・・・
周りの人・・・見てるョ?
だから何だョ?
構わねぇだろ?
( メリーゴーランドが、動き出した )
「キャッ」
( 恋次が
を、しっかり捕まえた )
何やってんだョ!
落ちるぞ!?
だって・・・
恋次が、こっち向いてるんだもん・・・・・・。
まっ、これでもいいや。
お前・・・
もっと俺に、ぴったりくっ付けョ。
離れてると、安定悪いョ。
む・無理だョ・・・
メリーゴーランド、動いちゃってるんだもん・・・。
移動なんて、出来ないョ・・・。
( 恋次が
を、引き寄せた )
こ・怖いョ、恋次・・・・・・
急に、動かさないでョ・・・、落ちるかと思った・・・。
絶叫マシーンなんだから、多少は怖いんだろ?
そーじゃなくて・・・
今、私の事・・・動かしたでしょ?
あぁ。
俺の胸に、すっぽりはまった。
いい感じだな。
安定性もいいし・・・快適だ。
( メリーゴーランドから降りた )
絶叫マシーンって、いいな。
次は、どれに乗る?
あっ、お化け屋敷もあるぞ!?
入ってみるか?
え・・・・・・
お化け屋敷は、絶叫マシーンじゃないでしょ?
いや、ココのは、乗り物に乗って行くみてぇだから
絶叫マシーンなんじゃねーか?
お化け屋敷は・・・いいョ・・・。
お化け屋敷入るなんて、思ってなかったから
心の準備出来てないし・・・。
調査に来たんだから、選り好みはいけねぇなー。
こんなの怖くねぇから・・・
ほら、行くぞ!
え・・・・・・、恋次・・・・・・・・・・・・
( お化け屋敷の乗り物に乗った )
れ・恋次?
ん?
私さぁ・・・
目・・・つぶってるから、恋次・・・よく見ておいてね。
ダメだョ、そんなの。
一人で、調査来る気でいたんだろ?
なら、全部自分の目で、確かめるべきだろ?
遊びじゃねぇんだぞ!?
一人だったら・・・こんなの乗らないもん・・・・・・。
随分、いい加減な調査だなー。
・・・・・・
恋次だってさっき・・・
ジェットコースター乗らなかったじゃない・・・?
あんなの、乗らなくたって「面白くねぇ」っての、分かってるからな。
( 恋次が、
の肩を抱き )
乗るなら、こうやって「くっ付いていられる方」のが、良いに決まってる。
それって・・・
調査とは、違う気がするんだけど・・・?
違わねぇだろ?
遊園地なんだから、面白いか、面白くねぇかってのは
最も重要な事じゃねぇか。
そーいう調査に、来たんじゃないんだけど・・・・・・
「絶叫マシーン」に乗ってね・・・酔うか・・・・・・・
だから、乗ってんだろ!?
ちゃんと任務果たしてんだから・・・
その中で、面白いの選んで、何が悪いんだョ?
そーかなぁ・・・?
そーだ。
お前さぁ・・・
こうやって話してれば、怖くねぇんだな? お化け屋敷。
あっ・・・
もうすぐ出口だョ。
やりゃぁ出来んじゃねーか。
え・・・・・・
で・でも・・・・・・
何も見てなかったから、目をつぶってたのと、変わらない・・・。
じゃぁ、俺の方向いて、目・・・つぶれョ・・・?
えっ?
今度こそ・・・唇に・・・・・・・・・・・・
「キャーーーーー!!!!!」
(
が恋次に、しがみついた )
・・・・・・ダメか。
先に、目・・・つぶらせるべきだったな・・・。
( お化け屋敷から出た )
・・・・・・そんなに怖ぇか?
まぁ・・・
そーやって、しがみついててくれるのは、嬉しいっちゃ、嬉しいけどな。
怖いョ・・・。
だって・・・最後の、一番怖いの見ちゃったんだもん・・・。
恋次のせいだョ・・・。
あのまま、調査の話してれば、何事もなく出てこれたのに・・・。
それじゃぁ、お化け屋敷入った意味、ねぇんじゃねーか?
お化け屋敷なんて、入る気なかったの!
そーですか!
全く・・・俺には強気なくせして・・・
俺より、人形のお化けが怖ぇヤツなんて、そうそう居ねぇぞ!?
で・・・
次はどうする?
少し、休むか?
うん。
あっ、一番奥の方に「綺麗な鐘」があるって、書いてあったから
そこに行って、休もうョ。
了解。
・
・
・
・
・
あれだな、「鐘」って。
うゎ〜、凄く綺麗な場所だね〜。
そーだな。
ん? 何か書いてあるぞ?
「恋人の鐘」だってさ。
ふ〜〜ん。
二人で一緒に「鐘」鳴らすみてーだぞ?
俺たちも、やろぅぜ。
えっ?
恋人同士の人達だけでしょ?
そんな事、書いてねーョ。
嫌じゃなきゃ・・・一緒に鳴らして、いいんじゃねーか?
俺と・・・「恋人の鐘」鳴らすの・・・嫌か?
ん? 別にいいけど・・・。
じゃぁ・・・一緒に鳴らそう。
の・・・初現世の記念にもなるだろ?
うん。
あっ・・・・・・
あー・・・、先、越されたな。
あいつらの、次だな。
うん。
あっ!!!
成る程な。
鐘鳴らした後に、キスするんだな。
じゃぁ、俺達の番だ。
行こぅぜ。
え・・・・・・
れ・恋次・・・・・・?
あの人達は、恋人同士だからキスしたんだョね?
私達は・・・「鐘鳴らすだけ」だョね?
心配すんな。
に、恥かかせたりしねぇから。
えっ?
ココで、キスされなかったら・・・
お前、好かれてねぇみてーで、恥かくだろ?
キスくらい、幾らでもしてやるョ。
さっきのやつらより、長くしような。
れ・恋次・・・?
鐘鳴らすの・・・止めようョ?
やっぱり・・・恋人同士じゃないとさぁ・・・・・・。
俺達は、その辺の恋人同士より・・・ずっと、仲良いって。
は、ぴったり俺にくっ付いてる訳だし・・・
どっからどー見ても、恋人同士だろー?
え・・・
こ・これは・・・さっきのお化け屋敷が、凄く怖かったからで・・・
(
が、恋次から離れた )
恥ずかしがるなって。
さ、行こー。
( 恋次が
の手を取り、歩き出した )
え・・・れ・恋次・・・、止めようョ・・・・・・?
ねぇ、恋次?
(
が足を止めた )
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
( 恋次が
を見つめた )
ど・どーしたの?
あっ、最初から・・・冗談だったんだョね・・・?
もぅー・・・恋次、からかわないでョね〜。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
恋次? どーしたの?
表情が・・・凄く暗い・・・・・・。
気分でも悪い?
大丈夫?
にとって・・・・・・
俺って・・・何なんだろうな・・・・・・?
えっ?
( 恋次が
の手を離し、来た道を引き返した )
恋次?
戻ろう。
次の絶叫マシーン・・・・・・乗るか・・・・・・。
( 恋次が振り向きもせず、歩いて行った )
( 「 キーン コーン カーン コーン 」〜〜〜 )
えっ??
( 恋次が振り向いた )
恋次〜〜〜〜〜!
一緒に鳴らそうョ〜〜、鐘〜〜!
きっと・・・二人で鳴らした方が・・・
もっと良い音出るョ〜〜!
(
が一人で、鐘を鳴らしていた )
・・・・・・
恋次〜〜〜!
早くおいでョ〜〜!!!
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・今・・・・・・、行くョ・・・・・・。
( 二人で、鐘の紐を持った )
鐘・・・・・・
鳴らしたら・・・・・・・・・・・・
ん?
おでこにキス?
おでこ・・・か・・・・・・。
もうちょっと・・・下がいいんだけど・・・・・・。
え・・・・・・
じゃぁ、頬。
そのまま・・・もうちょっと真ん中よりに・・・・・・
あ、次の人達が待ってる。
じゃぁ、鳴らすョ?
あぁ。
( 綺麗な鐘の音が、鳴り響いた )
やっぱり、二人の方が、良い音だね。
そーだな。
じゃぁ、行こうか?
え・・・・・・
ちょ・ちょっと待てョ・・・。
何か・・・忘れてねぇか?
ん・・・?
忘れてないョ。
恋次・・・ちょっとしゃがんで・・・。
あぁ・・・。
「 チュッ 」
(
が、恋次の頬に口付けをした )
恋次・・・
いつも、ありがとう〜。
え・・・・・・
あ・あぁ・・・・・・。
あ・あのさぁ・・・・・・もうちょっと・・・真ん中・・・・・・
じゃぁ、次の絶叫マシーンに、乗ろうね。
(
が恋次の手を握り、歩き出した )
真ん中が良かった・・・・・・・・・
鼻が良かったの?
恋次は、変わってるね〜。
じゃぁ・・・今度機会があったら・・・鼻にするからね。
いや・・・鼻じゃなくてさー・・・・・・
恋次と現世に来れて・・・良かった。
次も・・・
もし、現世に来れるなら・・・また、恋次と来たいな〜。
それは、俺も同じだ。
が来る時は・・・俺が、必ずついて来る。
・・・じゃなくてさ〜・・・・・・
・・・キス・・・・・・
・・・唇にさ〜〜〜・・・・・・・。
私にとって、恋次は・・・・・・
よく分かんないけど・・・でも・・・・・・
「 恋次・・・大好き〜〜 」
だったら唇にさー・・・・・・。
fin 2006,9,28 up
あとがき
鈴美様、如何でしたでしょうか・・・?
「現世でデート」ということでしたが・・・
ちょっと、デートとは違っちゃいましたね・・・(汗
服装は・・・
ヒロインは、「仕事だから『黒』が良い」と、思ってまして
恋次は、遊園地に「黒のスーツ」で登場!と、なりました。
(場違いですが、それなりに格好良い(笑)つもりです )
ヒロインの方は・・・
シンプルな服装という事で・・・
(自室で、ゴスロリ体験(笑)しました)
ご自分のお好きな感じを、ご想像していただけると、ありがたいのですが・・・。
そして、内容は・・・
遊園地にある乗り物は、全て「絶叫マシーン」だと思っている二人(笑
あの後、ちゃんと絶叫マシーンに乗れたのかな?
不安ですね・・・。(笑
鈴美様、リクエストありがとうございました。
お気に召していただけたか、分かりませんが・・・
私なりに、一生懸命書きました。
こんなので、お許し下さいね。
長文、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
お時間ありましたら、また遊びに来て下さいませ。