好きだ!(前編)





               〔 薬屋からの帰り道 〕



               あっ、

                ・・・?

               おい、 ーー! 待てョ・・・・・・




                ・・・ん?
                修兵・・・、どーしたの?




               今日は一人・・・な・の・か・・・?

               どーしたんだョ?
               顔色・・・真っ青じゃないか・・・?

               医療所・・・忙しいのか?





                ううん。
                忙しくないし、私も至って健康。
                顔色も普通だョ。




               病気や、疲れてるんじゃないならいいけど・・・

               どー見ても、普通じゃないけどな・・・?

               元気もないし・・・。




                修兵・・・?




               ん?




                この指輪・・・
                恋次に渡してくれる?

               (  が、自分の指にはめてあった指輪を外し、修兵に渡した )




               これって・・・恋次から貰った物だろ?




                うん・・・。




               恋次からのプレゼントっていうのは、気に入らないけど
               でも・・・
                の体には、良い指輪なんだろ?
               ずっと、はめてたし・・・。




                うん・・・
                私の回復を、早めてくれる効果があるんだけど・・・でも・・・




               はは〜ん。

               恋次とケンカでもしたのか?
               それで、元気ないんだな?




                ケンカなんてしてないョ・・・。

                恋次が・・・

                「もう、俺の前にその面出すな!」って・・・・・・




               えっ??




                じゃぁ・・・返しておいてね・・・?
                お願いします・・・。

               (  が、歩き出した )




               ちょっと待ってくれ。

               話し・・・聞かせてくれないか?




                話す事なんてないもん・・・。

                恋次が一方的に・・・

                「 俺は、 の事なんか、絶対好きになんねぇ!
                  お前見てると、腹が立つ。
                  二度と再び、俺の所には来るな!
                  もう、俺の前にその面出すな!

                  失せろ! 」

                って・・・。




               恋次が・・・?




                うん。




                に・・・?




                うん。




               聞き間違いじゃないのか?

               恋次が に、「そんな事」言う訳ないョ・・・?
               何があっても、絶対に・・・。




                ううん・・・
                ハッキリ、そー言った・・・。
                凄く怖い顔して・・・。




               んーー・・・・・・

               多分・・・売り言葉に買い言葉だったんだろうけど・・・

               きっと恋次・・・
               今頃、 の100倍はヘコんでんな。

               あっ、
               あそこの団子屋。
               あそこで団子でも、食べようぜ?・・・なっ?




                うん・・・。




               よし。
               じゃぁ、荷物は俺が持ってやるから、行こう。


               ( 修兵が の荷物を持ち、二人で団子屋に入った )






               〔 団子屋 〕




                ・・・、食べないのか?
               他のにするか?




                食べたくないの・・・。




               もしかして・・・
               恋次とケンカしてから、何も食べてないのか?




                ケンカなんて、してないもん。
                一方的に、私が嫌われただけだから・・・。




               事の発端は、何なんだョ?
                が恋次に、何か言ったんだろ?

               何て言ったの?




                別に・・・・・・。




               じゃぁ・・・
               どんな話し・・・してたの?




                ん・・・?
                どんな・・・って・・・
                あの時は・・・
                恋次が、告白の練習してたの・・・。




               練習・・・・・・?




                うん。

                「俺は が好きだ!」って、何回も何回も・・・。

                でもさぁ・・・
                私に、真剣に言ってもしょうがないでしょ?

                だから・・・
               
                「私に、何回言っても無駄だョ?」

                って、言ったら・・・何か、機嫌悪くなってきちゃって・・・。


                「無駄って・・・そんな言い方ねぇだろ!?
                 俺は、真剣に言ってるんだから、 も真剣に答えろョ」


                って、言われたから・・・

                「好き、好きってしつこいョ。
                 もう、聞き飽きた。
                 私に好きって、何百回、何千回言ったって
                 恋次の恋は、実らないんだからね!?

                 さっさと覚悟決めて、本当に好きな人に
                 1回でいいから、真面目に『好き』って、言ってきなョ。」

                って、言ったら・・・
                凄く怒っちゃって・・・・・・。




               それは・・・俺でもキツイな・・・。




                えっ? 何で・・・?

                からかわれてるのは、私の方なんだョ?

                練習とはいえ・・・
                目を見つめられて、「好きだ」って、何回も言われてみなョ・・・?

                凄〜くバカにされてるみたいで・・・
                涙が出てきそうになった・・・。




                はさぁ・・・

               恋次が「本当に の事が好きだ」とは、思わないの?




                そんな事・・・思える筈がないじゃない・・・。
                修兵まで、私の事バカにして・・・。




               バカになんて、してないョ。

               じゃぁ・・・
               俺が「好きだ」って言っても、信じないんだね?




                ・・・私、帰る。




               分かった、分かった・・・、ごめん・・・・・・。




                もぅ話す事ないから・・・。

                指輪だけ・・・返しておいて下さい。
                お願いします・・・。




               返しちゃっていいの?




                はい。




               そっ、じゃぁ・・・


               ( 修兵が、団子屋のゴミ箱に指輪を捨てた )




                あっ!・・・・・・

                修兵・・・?




               ん?




                何で捨てちゃったの?
                あれは、恋次に・・・・・・




                は、要らないんでしょ?
               恋次だって、あんな物いらないョ。
               返されたって、受け取らないと思うョ。




                あんな物って・・・・・・

                あれは・・・
                恋次が、一生懸命作ってくれた物なのに・・・・・・




               そーだね。

               あれは、恋次が の為に・・・
                を想って、作った物だョね?

               でも、 は要らないんでしょ?
               恋次の想いなんて、要らないんだョね?




                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

               (  の目から、涙が溢れた )




               ごめん・・・。




                要らないんじゃなくて・・・辛いんだもん・・・。

                恋次には、二度と会えない・・・。
                すれ違う事は、あるかもしれないけど・・・無視されるだろうし・・・。


               (  が立ち上がり、ゴミ箱から指輪を拾ってきた )


                この指輪・・・
                他の人にも、効くかもしれないでしょ?

                「作るの大変だった」って、言ってたし・・・
                だから、恋次に返して欲しいの・・・。




                は・・・どーしたいの?

               恋次と、仲直りしたい?

               恋次じゃなきゃダメかな?

               俺も・・・いるんだけど・・・?




                えっ?




               一人いれば・・・いいんじゃないかな・・・?
                の事・・・命懸けで守っていける男・・・。

               信じないだろうけど・・・

               俺・・・

                が好きだョ。

                の事を守りたい・・・。
                の傍に居たいんだ・・・。

               ダメかな?




                えっと・・・・・・




               恋次の事は、忘れろョ。
               俺だけの になって欲しい・・・。

               俺が、命を懸けて を守っていくから・・・・・・

                の身も心も・・・

               俺にくれ。




                修兵・・・?

                泣いたりして・・・心配かけちゃってごめんね・・・。


                でも・・・
                大丈夫だから・・・。

                そんなに、慰めてくれなくても・・・私は、大丈夫。




               大丈夫って・・・
               恋次がいなくても大丈夫・・・って事?




                ・・・うん。



               そう。

               じゃぁ・・・
               俺だけのものに・・・なってくれる?




                えっ・・・?




                が、まだ俺に・・・
               愛情抱いてくれてないのは、分かってる・・・。

               ただ・・・
               今のまま、何となく、漠然と・・・
                の事を、見守っていくのは、嫌なんだ。

               俺が、 だけを見ているように・・・
                にも・・・俺だけを見てて欲しい・・・。




                あの・・・・・・?




               今、俺の気持ちを告白しても
               多分、聞き入れてもらえないだろうから・・・


               そーだな〜・・・・・・


               こういう時は、普通・・・


               「友達から始めよう」


               って・・・言うのかな?



               俺達は・・・
               俺の思い違いでなければ、すでに友達だと思う。

               だから・・・
               もう少し「上」の段階から、始めたいんだけど・・・
               どーかな?




                もう少し上って・・・「仲の良い友達」?




               んーー・・・・・・。

               俺達って・・・仲良くないか?




                じゃぁ・・・「凄く仲の良い友達」?




               飽く迄も「友達」なんだね・・・?

               もう一歩上の段階には・・・思ってもらえないんだ・・・。

               出来れば・・・
               友達以上の関係を・・・
               俺からじゃなく、 の口から言ってもらえる事を、期待したんだけどな。




                あっ!

                「親友」!?




               ・・・親友も、友達なんじゃないのかな?

               まぁ・・・いいか。

               じゃぁ・・・「親友から始めよう」?




                はい。




               ・・・受け入れてくれるの?
               俺の言ってる意味・・・分かってるのかな?

               名称は「親友」でも、関係は・・・「恋人」みたいなもんだョ?

               俺は・・・
               ある程度、 を束縛できる男・・・。
            
                は・・・
               「俺以外の男とは、親しくしちゃいけない」って事だョ?




                私が親しく出来るのは、恋次と修兵くらいだから・・・。




               じゃぁ、俺達の「親友関係」成立だね。




                うん。




               団子屋じゃ、ムードないけど・・・
               告白は、改めてするからさ。

               一応、今から「俺達の始まり」。

               もぅ・・・、離さないからな。




                修兵・・・
                あのー・・・、この指輪・・・・・・。




               分かった。
               それは、恋次に返してきてやる。

               それから・・・これだけは、約束して欲しい。

               「二度と、恋次の事は考えない」
               「『恋次』って、口に出して呼んだりしない」って。




                え・・・・・・・・・・・・




                は、恋次と一切関係無くなったんだ。

               そーだろ?




                うん・・・・・・・・・・・・




               じゃぁ、約束してくれ。

               「恋次の事は考えない」って。




                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

                                                                    To be continued    2007,6,28 up

 

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