プレゼント



                〔 恋次の副官室 〕

                ( コンコン )


                 ですけど。


                おぅ、入れョ。


                ( 中に入った )


                どーした?


                あっ、これ。


                ん?
                俺にくれんのか?


                うん。
                今日、ちょっと遠くまで出かけてきたんだけどね
                美味しそうなお菓子売ってたから「恋次に〜」って思って。


                そーか。
                ありがとな。


                うん。


                そー言えば・・・俺って、いつも貰ってばっかりだョなー・・・。
                お前・・・何か欲しいもんあるか?
                何か買ってやるョ、何でも言えョ。


                え・・・、いいョ。
                別に、大した物あげてないし・・・。
                そうそう、恋次は・・・水着くれたじゃない。
                あっちのが、全然高いもん。


                いや・・・あれは・・・。
                お前が欲しいもんとは、ちょっと違うだろ〜・・・?
                どっちかって言うと・・・俺の押し付けだからなぁー・・・。
                全然喜んでもくれなかったし・・・。


                え・・・。
                う〜ん・・・、水着だからね〜・・・。
                私・・・プール自体が好きじゃないから・・・。


                温泉で着るんだって、すご〜〜く嫌がったじゃねーかョ。


                うん・・・。
                だって・・・どー見ても、私には似合わなそーなのだったから・・・。


                似合ってたョ。
                でも・・・まぁ、 が気に入んねーんじゃ・・・どーしようもねーョな。
                何か、お前が喜ぶ物・・・あげてーんだョ。
                何がいい?


                う〜ん・・・。
                別に、欲しい物なんてないからいいョ。


                何だョ、つまんねーヤツだなぁ〜・・・。


                あ・・・、気持ちだけ貰っておくョ。
                恋次の気持ち・・・凄く嬉しいから・・・、ありがとう〜。


                え・・・、あぁ〜・・・。
                何か・・・
                俺の気持ちが、初めてストレートに届いたって・・・感じだョなー。

                物はいらねーんだョな〜・・・。
                あーー、じゃあさ〜・・・
                二人でどっか行こーぜ。

                んーー・・・、あっ、温泉がいいョ。
                二人っきりでさー。
                そーしョーぜ、なっ!



                えっ・・・、いいョ・・・遠いしさぁ〜・・・。


                俺・・・結構疲れてんだョなぁ〜〜。
                温泉、行きてーんだけどなぁ〜〜。


                えっ?
                恋次、忙しかったの・・・?
                でも、大変な仕事があるなんて・・・聞いてなかったし・・・。

                それに・・・・・・
                顔色も悪くないし・・・どっちかって言うと、凄くいいし・・・。
                何か・・・すご〜く元気そーだけど・・・。



                お前なぁ〜
                副隊長ともあろう者が、「見るからに疲れてます」って顔・・・
                してられると思ってんのか?
                こんなの、はったりに決まってんだろ。


                え・・・、そーかなぁ〜・・・。
                私は・・・多少は、そーいう事分かるんだけどなぁ・・・。


                え・・・、あ・あのなぁ・・・、それは・・・・・・・。
                俺のカラ元気のパワーが、強ぇーんだョ。
                本当の元気じゃねーんだぞ。


                ・・・・・・パワーが強いって・・・、元気って事じゃないの?


                お前は、ゴチャゴチャうるせーんだョ!
                俺は、疲れてて、元気ねーんだ、って言ってんだから
                それで、いいだろーョ。
                何か文句あんのか!?


                え・・・、別にないけど・・・。
                凄く元気だョね〜・・・。


                 は・・・
                こんなに弱ってるヤツを、一人で温泉行かせるのか?


                え・・・
                そんなに疲れてるんならさぁ〜・・・
                あんなに遠くまで出かけるのは、かえって良くないョ。


                 は・・・
                本当に話が通じねーヤツだョなぁー・・・。
                俺は・・・
                お前と二人で、温泉行きてーって言ってんだョ。


                恋次・・・・・・
                本当に疲れてる時は、あんまり無理しない方がいいョ・・・。


                じゃあ、疲れてなきゃ・・・行ってくれんのか?


                え・・・、うん・・・。
                まぁ・・・いいけど・・・恋次って、そんなに温泉が好きだったの?


                えっ?
                あのなぁー、温泉が好きなんじゃなくて・・・・・・
                 の事が・・・好きなんだョ・・・。
                お前と居られるんなら、何処でもいいんだョ。


                え・・・
                恋次・・・やっぱり疲れてるのは・・・本当なんだ・・・。
                疑っちゃって、ごめんね。


                ん? いいョ。

                本当の事言うと、疲れてるって思われるんだからなぁ〜・・・。
                 と話すのは、難しいョなー・・・。

                大体・・・
                こんなんなら、最初から疲れてるなんて・・・
                言わなきゃよかったんじゃねーのか・・・?



                えっ?


                いや、じゃあ・・・
                すぐ、疲れてんの解消すっから・・・ちょっとこっち来いョ。


                うん・・・でも私・・・・・・
                疲れてるのは、治せないョ・・・?


                いいから、来いョ。


                (  が、恋次の座ってる前に立った )


                あっ、恋次・・・ちょっと手・・・貸して・・・。


                えっ?
                あぁ。


                ( 恋次が手を差し出し、 がその手をとった )


                一応、診とくね。
                凄く元気そうだから、心配ないと思うけど・・・
                恋次が自分から「疲れてる」なんて言うの・・・あんまりないしさぁ〜。


                 ・・・。


                ( 恋次が手を掴み返し、そのまま の体を引き寄せ、抱きしめた )


                れ・恋次・・・、あのさぁ〜・・・まだ、診終わってないんだけど・・・。


                大丈夫だョ。
                俺、どこも悪くねーから。


                え・・・でも、案外自分じゃ分かんないもんだョ・・・。
                どこか悪い時ってさぁ〜。


                じゃあ、後で診てくれョ。
                今は・・・こーしていてーんだ・・・。いいだろ?


                え・・・で・でもさぁ〜・・・
                誰か来たら・・・困るでしょ・・・?


                何で困るんだョ。
                俺達、何か悪い事でもしてんのか?


                悪い事じゃ・・・ないかもしれないけど・・・
                でも・・・仕事中だし・・・。


                もう、仕事の時間は終わってるョ。
                お前、遠くに行って来たんだろ?
                お前が来た時点で、もう仕事は終わり頃だったョ。


                あ・・・、そーだった・・・。
                じゃあ・・・恋次、早く帰った方がいいんじゃない?
                帰って、ゆっくり休んだ方がいいョ。


                嫌だョ。
                こーしていてーって言ってんだろ!
                こーしてれば、良くなるからさぁ〜。
                俺に元気、くれョな。


                うん・・・恋次がいいなら・・・いいけど・・・。

                恋次?


                ん?


                恋次の好きな人って・・・背高い?


                えっ? 何だョ・・・いきなり・・・。
                あー、俺の好きなヤツに、興味出てきたのか?


                そーじゃなくてさ・・・。
                まぁ・・・言いたくないなら、いいけどさ・・・。


                低いな。
                 と同じ位・・・じゃなくて、同じだな。


                同じな訳ないだろうけど・・・
                やっぱり・・・そーなんだ〜・・・。


                えっ?


                恋次ってさぁ〜・・・
                私を、その人の「代わり」って思ってるところ・・・あるんじゃないの?
                こうやって、抱きしめちゃえば・・・顔なんて見えないでしょ?


                え・・・まぁ・・・そーだけど・・・・・・。


                大きさ的なものは、私で我慢して・・・
                顔とか、中味とかは・・・全てその人の事、想ってるんだョね、きっと。

                じゃなきゃ、私なんて抱きしめて・・・
                元気・・・出るはずないもんね〜。



                お前はさぁ〜・・・
                まぁ、良く考えてはいるんだろうけど・・・
                出す結論は・・・的はずれもいいとこだョなーー・・・。

                 ・・・
                俺は、好きでもねーヤツ、抱きしめたりしないぜ。



                まぁ・・・そーだろうね〜・・・。
                恋次は「その人」だと思ってるんだろ〜からね〜。


                じゃあ、お前はどーなんだョ。
                身代わりだって思われて・・・・・・
                俺に抱きしめられて・・・嫌じゃねーのか・・・?


                えっ? 嫌じゃないョ。
                恋次が元気になってくれるんだったら・・・全然嫌じゃないョ。
                私がしてあげられる事なんて・・・何にもないしさ・・・。

                でも・・・
                恋次は・・・私なんかじゃ、嫌なんだョね・・・きっと・・・。



                 ・・・・・・。
                お前は、身代わりなんかじゃねーからな。
                俺は、 が良くて・・・こーしてるんだからさー。
                お前以外の女なんて、考えらんねーんだョ。


                うん・・・。
                まぁ・・・私位の背の人なんて、そんなにいないもんね〜。
                私で代われるんなら、力になるからさぁ〜。
                恋次、元気出してョね。


                お前と話してると、本当に疲れるョな。
                何を、どー話していいんだか・・・分かんなくなってくるしなー・・・。

                まぁ、いいや。
                今は、俺の腕ん中に居るんだしな。
                 、お前の事・・・身代わりだって思っていいんだョな?



                ん?
                だって、そー思ってるんでしょ?


                あぁ。
                じゃあ、それが・・・どーいう事かって、分かってるんだョな?


                えっ?
                どーいう事って・・・・・・どーいう事?


                俺は、お前の事が「好き」って事だろ?


                えっ?


                俺は、好きなヤツの事・・・大好きなんだョ。
                当たり前だョな。


                うん・・・。


                じゃあ、身代わりの事も・・・大好きって事だろ?


                え・・・、ちょっと違うんじゃないの?


                違くねーョ。
                だから結論は・・・
                俺は、「 の事が大好きだ」って事だろ?
                合ってるョな。


                え・・・、全然違うでしょ・・・。


                どーして?
                だって、身代わりの事・・・
                好きだって思わなきゃ、抱きしめらんねーんだろ?
                お前、そー言ったじゃねーかョ。


                うん・・・・・・でも、身代わりは、身代わりで・・・・・・。
                好きな訳じゃないでしょ〜・・・。

                恋次・・・
                やっぱり疲れてるから、あんまりいろんな事、考えない方がいいョ。

                錯覚起こしてるんだョね・・・。
                私の事が、好きだなんてさぁ・・・。



                好きだから、好きって言ってんだョ。
                何が「錯覚」だョ、バカにすんなョな。


                ・・・うん・・・、分かったョ・・・・・・。
                恋次が、今思ってる通りでいいョ・・・。

                恋次・・・、私の事・・・好きなの?



                え・・・・・・。
                あ・あのなぁ〜・・・お前・・・・・・・・。
                急に・・・真面目に・・・そんな事聞くなョ・・・・・・・・。



                恋次?


                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
               
                あー、好きだョ。



                私も恋次が好きだョ。


                えーーーー!!!???


                って、本人が言ってくれたら・・・いいのにね〜。


                な・何だョ・・・・・・。
                お前・・・驚かすなョ・・・・・・・・・・・・・。




                私は・・・恋次が好き・・・。


                えっ・・・?




                私は・・・恋次が大好き・・・・・・。

                恋次が・・・大好きだョ。




                私は・・・恋次を・・・




                もう、いいョ・・・・・・・・。
                止めてくれ・・・・・・。

                そりゃー・・・
                 に、嘘でも「好き」って言われたら、嬉しいけどさ・・・。
               
                でも・・・
                そーやって、冗談まじりに・・・連発されたって、ちっとも嬉しくねーョ。
             
                バカにされてるよーで・・・・・・
                逆に「好きじゃねー」って・・・烙印押されてるみてーで・・・
                辛くなるだけだョ・・・。




                恋次・・・・・・・・・・。
                やっぱり私じゃ・・・・・・・ダメだョね・・・・・・・。
                そんな事・・・分かりきってた事だけどさ・・・。

                それでも・・・
                恋次が、身代わりでもいいって・・・言ってくれたから・・・
                恋次の事・・・・・・・・・・・・。

                でも・・・私じゃね・・・・・・・・。
                ごめんね・・・、何か変な夢・・・見ちゃったョ・・・。




                えーー!!??

                それって・・・どーいう事だョ?



                ん? もういいの。

                ちょっと、勘違いしてみただけだから・・・。

                バカだョねー、私。
                身代わりは、身代わりでしかないのに・・・。
               
                恋次の事・・・
                好きになってもいいのかなぁ〜・・・なんて・・・
                本気で、好きになりそうになっちゃったョ・・・。
                おかしいョね。




                えっ? えーー!!?? えーーーーーーーーー。

                あ・あ・あのなぁ・・・・・・・・・・


                いいョ!

                好きになれョ。
                俺、ちゃんと受け止めてやるからさぁー。

                なっ!
                好きになれって。

                好きになってくれ!

                お願いだから、好きになってくれョ。

                好きになって下さい。

                頼むョ〜〜〜〜!!!




                もう、いいって。
                好きな人に、もっとアタックしてきなョ。 それがいいって。
                好きな人とうまくいけば、身代わりなんて必要ないんだし。
                温泉も、その人と行きなョねっ。



                嫌だョ。
                温泉は、 と行くからな。
                俺からのプレゼントなんだから・・・受け取ってくれョ・・・。



                うん・・・いいけど・・・。
                本当に、私と行くのでいいの?
                プレゼントも・・・好きな人に、いっぱいした方がいいんじゃないの?



                だって・・・お前・・・欲しいもんないんだろ?
                何でもいいんなら、手当たり次第買ってきて、お前にやるョ。



                恋次・・・、私にじゃなくてさぁ〜・・・。



                あーーー!!! もうーーーーー!!!

                 、ちょっとだけ時間戻してくれョ。



                えっ?



                えっとさぁー・・・
                あー、 が「私の事好きなの?」って言ったところ。
                なっ、あそこから、やり直しな。



                えっ?
                やり直しって・・・?



                あそこから先は、なかった事にして・・・
                今から、あの先を始めるんだョ。

                いいだろ?
                嫌だなんて言ったら、今日帰さねーからな。



                え・・・・・・。



                早く言えョ、「私の事好きなの?」って。



                何か変じゃないの・・・?



                いいから、早く言えョ。



                うん・・・。

                恋次・・・私の事好きなの?



                あー、やり直し。
                ちゃんと、俺の目見て言えョ・・・いいな。



                恋次・・・、遊んでるの?



                そんな事言えって、言ってねーだろ!

                遊んでねーョ。
                正真正銘、本気だからな。

                ホラっ、こっち見ろョ。




                うん・・・・・・。
                恋次・・・もうちょっと、手ゆるめてョ・・・。



                えっ・・・、あぁ・・・。



                ( 二人の目と目が合った )



                お芝居かぁ〜。
                さっき・・・何て言ったんだっけ・・・?



                芝居じゃねーだろー。
                本気で・・・言った言葉も・・・あったんだろ・・・?



                え・・・、どーだったっけかなぁ〜・・・。
                もう、忘れたョ・・・。



                また、それかョ。
                まぁ・・・いいョ・・・。




                恋次?


                (  が、微笑みかけた )


                え・・・・・・・・・。
                お・お前・・・・・さっきと・・・違うじゃねーかョ・・・。

                そんな顔で見られたら・・・俺・・・・・・・・・・・・・。




                恋次・・・私の事好きなの?



                え・・・・・・・・・・。

                ちょ・ちょっと・・・待て・・・・・・・・。


                ( 恋次が、きつく抱きしめた )


                れ・恋次・・・痛いョ・・・。



                 が悪いんだョ・・・。

                何でそんな可愛い顔すんだョ・・・・・・・。
                反則だからな。

                あ、お前・・・。
                その顔、誰にも見せんじゃねーぞ。


                その顔も・・・
                この髪も・・・
                この肩も・・・ そして・・・

                お前の心も・・・
                お前の全て・・・

                全て全部、俺のもんだからな。

                絶対離さねーョ。
                 は、俺の大切な宝物だからな。


                あっ、そーだ。

                プレゼントな。

                 にも、俺の全てをやるョ。
                ちゃんと、受け取れョな。

                世界一 の事が好きな・・・俺の全てをな。

                                                                     fin                 2005,12,13 up  

 

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あとがき

恋次夢 7777 hit ありがとうございました〜☆

ヒロインちゃん・・・
「私は・・・恋次を・・・」の後に、「好きになってもいいの?」
って言おうとしたのに・・・
恋次・・・残念でしたね〜(笑)

そしてヒロインちゃんは、「恋次の全て」をもらって
どーするのでしょうかね〜?
でも、きっと・・・
「いいョ」「いらないョ」って・・・
恋次には、きつ〜い言葉が返ってきそうな気が(笑)

長文、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
お時間ありましたら、また遊びに来て下さいませ。