匂い
〔 恋次の副官室 〕
( コンコン )
ですけど・・・。
入れョ。
(
が、中に入った )
恋次!!!
な・何だョ??
抱きしめて!!!
えっ???
(
が、恋次の目の前に立った )
抱きしめて!
あ・・・あぁ・・・・・・。
( 恋次が
を、抱きしめた )
恋次・・・?
ん?
嘘でいいから、私の事・・・「好き」だと思って、抱きしめてョ・・・。
じゃないと、効果ないから。
えっ??
まぁ・・・好きだからなぁ・・・・・・。
いつでも、そう思ってるョ。
恋次・・・、ちゃんと「好き」だと思って!
相手が私だなんて、思わなくていいんだからさー・・・。
何とか・・・お願いだから・・・
少しの間・・・「好き」だと思って抱きしめて!
思ってるョ!
に言われなくたって・・・
俺は、
が好きだから・・・・・・
お前が好きで、抱きしめてる・・・、いつもな。
これ以上、挑発してきたら・・・
俺・・・・・・
自分を、止められなくなるぞ・・・・・・。
やっぱり恋次じゃダメだ・・・・・・。
もういいから、離して。
ハァ?
どーいう事だョ?
とにかく離して。
( 恋次が渋々、
を離した )
訳、分かんねーなー!
ちゃんと説明しろョ。
うん。
あのね・・・・・・
最近、女の子達の間で「好き反応試薬」っていうのが、流行ってるの。
何だソレ?
聞いた事ねぇなー?
うん、男性は・・・あんまり知らないと思う。
女の子達も、教えないように、してるしね。
あっ、
恋次も、他言無用だからね。
秘密厳守してね。
秘密・・・なのか?
うん。
で、どんな物かって言うと・・・
香水の様な、液体でね・・・
それを、自分に振り掛けて、好きな人と会ったり、デートしたりするの。
あぁ・・・・・・。
その液体は、そんなにきつくないけど、香がついてて・・・
ホラ、私・・・匂うでしょ?
言われてみれば・・・・・・
あぁ、いい匂いがするョ。
この匂いがね・・・
ある条件を満たすと、その場で消えるの。
ふ〜ん・・・。
そんなのが、あるんだ。
で・・・、条件って?
自分の好きな人に、抱きしめてもらうの。
で、その人が、自分の事を「好き」だと・・・匂いが消えるんだ。
へぇ〜、凄いのがあるんだなー。
うん。
ちょっと、怖いけどね・・・。
相手が、自分の事・・・好きかどうか、分かっちゃうんだもんね。
あー・・・、そーだなー・・・。
口で「好き」って言ってても・・・
本当は、「好き」じゃなかったら・・・・・・
匂いは、消えないんだョ。
怖ぇーなー。
あっ、それは・・・男の考えだね。
好きだなんて、嘘ついて・・・
よっぽど、そっちの方が、怖いじゃない・・・。
んーーーーー、その通りだけど・・・・・・
お前・・・その「試薬」、振り掛けてきたのか?
えっ?
あー・・・、振り掛けたんじゃなくてね・・・・・・。
その「試薬」が、どんな成分で出来てるのか
「14番隊で、調べてみよう」って事になって
大量に、買ってきたんだけどね・・・・・・。
私の医務室に、保管する事になって
宝生さんが買って、運んできた時に・・・
つまずいて・・・ぶちまけて・・・
殆ど、私にかかっちゃったの・・・・・・。
着替えたり、洗い流したり、してみたんだけど・・・
「薬品」だけあって、体についた分は、全然落ちないの・・・・・・。
普通なら、この位の匂いは、気にならないと思うけど・・・
私、医療従事者だからね・・・。
香水・・・ぷんぷんさせてる訳にも、いかないでしょ?
それも、そーだなー。
で・・・
「匂い」を、消すには・・・
誰かに、抱きしめてもらわないと・・・って思って・・・。
でもね・・・
恋次は、私の事・・・
嘘でも「好き」だとは思えないみたいだし・・・・・・。
どうしようかなぁ〜・・・・・・。
誰か、他の人に抱きしめてもらうしか、なさそうだなぁ〜・・・・・・。
修兵に、頼んでみようかな?
こんな事頼めるのって・・・後は、修兵ぐらいしか、いないもんね。
( 恋次が
を、抱きしめた )
俺が、消してやるョ。
俺で消えねー訳ねーョ。
え・・・、恋次・・・・・・。
でもさぁ・・・・・・
確か、説明書には・・・・・・
「嫌いの度合いが大きい人が、抱きしめると、匂いが強くなる」
って・・・書いてあったんだけど・・・。
医療所出た時よりも・・・
今の方が、匂い・・・・・・強い気がする・・・・・・。
え・・・・・・・・・・・・
そんな事ねーョ。
気にしてるから、そう思うだけだ。
でも・・・消えねーって事は・・・・・・・・・・・・???
有り得ねぇ!!
俺は、
の事・・・「嫌い」じゃねーぞ!!!
恋次・・・・・・
ちょっと、離れてみて・・・・・・。
匂い・・・凄く、きつくなってきた・・・・・・。
何か・・・クラクラしてきたョ・・・・・・。
・・・・・・。
( 恋次が、
から離れた )
おかしいョ!!!
絶対、おかしい!!!
お前の言ってる事って・・・本当に・・・合ってるのか?
説明書、あるんだョなー。
今、持ってねーのか?
えっ・・・・・・?
あっ、そー言えば・・・・・・
まだ全部読んでないからって思って・・・
さっき落ちたの拾って・・・・・・・・・確かココに・・・・・・
あ、あった。
ちょっと、見せてみろ。
うん。
はい。
(
が恋次に、説明書を渡した )
えっと・・・・・・
商品名は・・・・・・
ん??
「嫌い反応試薬」・・・・・・???
お前が言ってたのと、違うんじゃねーか?
えっ!?
「好き反応試薬」・・・じゃないの?
「嫌い」だ!!!
え・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「本品は、自分の事を嫌いな人を、確かめたい時に、お使い下さい。
抱きしめられなくても、なるべく近くに寄るだけで
相手が、あなたの事を嫌いなら、匂いが消えます。」
だとョ。
お前なぁー・・・・・・
薬関係は、専門だろー?
こんな間違い、するんじゃねーョ!
「好き」と「嫌い」じゃ・・・全然違うだろ!!
・・・ったく、
驚いたじゃねーかョ・・・。
え・・・、じゃあ・・・・・・
宝生さん・・・間違えて、買ってきちゃったんだ・・・・・・。
「嫌い」じゃねーんだから・・・
「匂い」が消えねーのは、当たり前だな。
説明書の先は・・・・・・
「もし相手が、あなたに好意を持っている場合は、匂いは消えず
その好意が、強ければ、強い程、匂いも比例して強くなります。」
その通りだな。
で・・・
「匂いが強くなり過ぎると、気分が悪くなる場合がありますので
十分注意して、御使用下さい。」
かぁ・・・・・・。
大丈夫か?
・・・?
そして最後に・・・
「姉妹品の【好き反応試薬】と、よく似ておりますので
くれぐれも、間違わないように、ご注意下さい。」・・・・・・。
全く・・・、本職が間違えて、どーすんだョ!
でもこれで・・・
俺が
を「大好きだ」って事が、証明された訳だ。
そーだろ?
?
れ・恋次・・・・・・
気持ち悪いョ・・・・・・・・・・・・。
この匂い・・・何とかして・・・・・・・・・・・・。
え・・・・・・
でも俺じゃ・・・その匂い消せねーしなぁ・・・・・・。
恋次・・・・・・
早く、何とかしてョ・・・・・・。
恋次が匂い・・・強くしちゃったんだからね・・・・・・。
お・俺のせいか?
そーだョ・・・。
恋次・・・酷いョ・・・、こんなに匂い、強くしちゃって・・・。
気持ち悪いし・・・頭痛くなってきた・・・・・・。
え・・・・・・、ごめんな・・・・・・。
でも・・・
試薬名間違えてたのは・・・
の方なんだからな・・・・・・
俺が責められても・・・・・・。
恋次、早く!
もう、限界・・・・・・。
この匂い、嫌だから・・・・・・何とかして・・・・・・。
「何とか」って・・・言われても・・・・・・
「嫌い」って思って、抱きしめればいいんでしょ?
抱きしめるのが嫌ならば・・・
「大嫌い」って思って、傍に寄れば・・・多分消えるョ。
簡単でしょ?
恋次・・・私の事・・・好きじゃないんだし・・・。
何言ってんだョ。
好きだから・・・
大好きだから・・・「匂い」強くなっちゃったんだろ?
薬は、正確な筈だからな。
あれは・・・
私が、頼んだから・・・無理にそう思ってくれたんでしょ?
今度は「嫌い」だから・・・さっきより簡単だョ。
早く・・・恋次・・・・・・。
無理だョ・・・・・・。
俺・・・
の事「嫌い」だなんて・・・絶対思えねぇ・・・・・・。
まして、抱きしめちゃったら・・・・・・・
愛しくなっちゃうし・・・・・・。
じゃあ、他の人に頼みに行くからいいョ。
恋次の意地悪。
もしかして・・・
私が苦しんでるの見て・・・喜んでるんでしょ・・・・?
そんな訳ねーだろー!
俺だって、何とかしてやりてーョ。
でも・・・「嫌い」って・・・・・・
どう思えばいいんだか・・・分かんねーんだョ・・・・・・。
他の女相手なら、何でもなく、すぐに出来んだろうけど・・・
お前の事、「嫌い」に思うって・・・どうしていいか・・・分かんねぇ。
でもなぁ・・・・・・
他のヤツに、抱きしめさせる訳には、いかねーから・・・
ココから出す訳には、いかねーョ。
えっとー・・・説明書には・・・・・・
試薬の有効時間は・・・振り掛けてから約1日・・・かぁ・・・。
お前、試薬かぶって・・・すぐにココへ来たのか?
え・・・・・・
着替えたりしたから・・・
ココに着いた時点で、2時間以上経ってると思うけど・・・・・・。
じゃあ・・・後、21時間位だな。
今日は、ココに泊まり決定。
俺・・・傍に居てやるから、我慢しろ。・・・なっ?
えーーーーーー、嫌だョーーーーーー!
恋次の部下の人・・・誰か連れて来てョ。
こういう時は、知らない人の方が、やりやすいと思うし・・・・・・
お願い・・・・・・。
ダメだ!
可哀そうだけど、ソレは出来ねぇ。
毒じゃねーんだろ?
うん・・・・・・。
じゃあ・・・その匂いで、死ぬ事はねーんだから、我慢しろ。
それにしても・・・
俺には、そんなに匂わねーんだけどなぁ・・・?
うん・・・。
これは・・・
振り掛けた人にだけ、匂いが強く感じるようになってるの・・・。
周りの人には、最初の匂いと、そんなに変わらないと思うョ。
じゃないと、相手にバレちゃうでしょ?
変な試薬使ってるのが・・・・・・。
匂い消えた時も・・・
周りの人には、少し余韻があって、匂いが残ってるの。
「パッ」と消えたって分かるのは、振り掛けた本人だけ。
ふ〜〜〜ん。
やっぱり・・・変な試薬だョなー。
そんなの、やたらに使われたら、堪んねーョ。
あっちこっちで、男女のいざこざが、多発するんじゃねーか?
お前の権限でさー、使えなくしろョ、この試薬。
劇薬指定か何かにして、「危険だから絶対使うな」ってさー。
え・・・・・・・・・・・・。
現に、
だって・・・今、凄く気持ち悪いんだろ?
無害とは、言い切れねーョな?
そーだけど・・・。
薬で、相手の気持ち知ろうなんて・・・俺は、嫌だな。
でも・・・
嫌だって思ってても、そんな薬があるって知ったら・・・
使ってみたくもなるョ。
特に、好きな相手が・・・お前みたいに、掴み所ねぇとなー・・・・・・
どう思われてんのか・・・知りてーもんなー。
えっ?
勝手に、相手の気持ち知るなんて・・・
しちゃいけねーんじゃねーかなー?
俺には、いい事だとは、思えねーョ。
そーだね。
じゃあ、今から帰って、隊長とよく相談してみるョ。
そーだ。
隊長にでも、抱きしめてもらえばいいや。
隊長なら、理由分かってるし・・・ちょっと抵抗あるけど・・・
この際、そんな事言ってられないもんね。
帰るな!!
隊長でも嫌だ!!
えっ???
俺が・・・何とか、試してみる・・・。
( 恋次が
を、抱きしめた )
俺は・・・
が・・・・・・嫌いだ・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
恋次・・・・・・効果ないョ・・・・・・。
うるせーなー!!!
嫌いだって、言ってんだろ!!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
匂い・・・・・・さらに強くなってきた・・・・・・。
嫌いだって言ったら、嫌いなんだョ!
なんか・・・大嫌いだ!!!
恋次・・・・・・。
試薬には・・・言葉は通じないョ・・・?
心から、思ってくれないとさぁ・・・・・・。
そんな事、分かってるョ!!!
バカにすんな!
嫌いなんだョ!
効いてくれョ!!!
あーーーーー!!!!! もぅーーーーーー!!!!!!
俺は、
が、「大嫌い」−−−−−−−−−−な訳ねーだろ!!!!!
無理だ!
大好きだョ・・・、
が・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
匂いで死ぬ事はねぇ!!
因って、俺はお前を離さねぇ!!
匂いにだって、上限はある筈だ。
俺が、これだけ抱きしめれば・・・とっくに上限に達してる筈だし・・・
・・・・・・、我慢してくれ・・・・・・。
俺には、無理だョ。
を「嫌い」って思う事なんて・・・・・・。
だから・・・
恋次じゃなくて・・・他の人・・・・・・
それは、絶対ダメだ!!!
許す訳にはいかねぇ!
俺の目の前で・・・
が、他の男に抱きしめられるなんて・・・・・・。
あ・あのさぁ・・・?
ん?
ちょっと、考えたんだけど・・・。
男の人じゃなくても・・・いいと思うんだけど・・・。
えっ?
だって・・・
試薬には、抱きしめてる相手が、男か女かまでは、判断できないでしょ?
女の人で、いいんじゃないかなぁ?
・・・・・・・・・・・・そーだなぁ・・・・・・・・・・・・・・・。
うん。
だから・・・誰か、恋次の部下を・・・・・・
女かぁ〜・・・。
でも・・・
匂い消えたら・・・帰っちゃうんだろ?
うん。
じゃあ、やっぱりダメだ。
このままでいいョ。
良くないョ〜〜〜!!
恋次の意地悪〜!
ちょっと、離してー!
諦めろ。
俺と
は、明日のこの時間まで一緒だ。
仕事の事は、心配しなくていいぞ。
誰かに、報告行かせるから。
恋次・・・おかしいョー。
私の事・・・苛めてるの?
どーかなぁー?
普通、苛めてたら「嫌い」って事だろ?
なら、匂いも消えるんじゃねーか?
え・・・・・・
匂い・・・凄くきついョーー・・・・・。
恋次の意地悪!!!
だな。
意地・・・悪いョな、俺。
お前が、苦しんでるのにな。
まぁ、これも・・・
「可愛さ余って、憎さ・・・マイナス百倍」ってところだな。
お前が可愛くて、しょうがねーんだョ。
明日まで・・・一緒に居ようぜ!
いいョな!?
が苦しい時は・・・俺が、ずっと傍に居るから・・・。
苦しみは、二人で分かち合おうな。
恋次・・・・・・。
何か楽しそうだね・・・、喜んでない?
そんな事ねーョ。
お前の苦しみは、俺の苦しみ。
お前が辛い時こそ、傍に居てやらねーとな。
あのね・・・・・・
その「傍に居る事」こそが、この苦しみの原因なんだけど・・・。
恋次が傍に居ると・・・匂いが・・・強くなる一方なんだもん・・・。
そーか。
この試薬は、本当に正確だなー。
俺の気持ち、ちゃんと反映してるんだ。
も認めろョ。
俺が
を、大好きだって事。
恋次・・・・・・・・・・・・
もう・・・冗談は・・・止めて・・・・・・。
本当に、気持ち悪い・・・・・・。
目が回ってきた・・・・・・。
冗談なんかじゃねーっての!
でも・・・
このままじゃ・・・可哀そうだな・・・。
誰か、女呼んで来るから・・・少し待ってろ。
匂い消してから・・・ゆっくり話そうな。
今日は、帰さねぇ!
それが、条件だ。
いいだろ?
「いい」って・・・言えョ・・・・・・。
fin 2006,5,24 up
あとがき
恋次夢 15,000hit ありがとうございました☆
これからも、ヒロインに振り回される 恋次(&修兵)の
楽しいお話を、書いていければなぁ〜・・・と、思っております。
長いだけの、駄文ですが・・・
お時間ありましたら、また、遊びに来て下さいませ。
長文、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
♥ 感謝 ♥