Dream (後編)

               



               
                一回目のは、人工呼吸で、二回目のは、お姫様の口付けです。

                どちらも、治療の一環です。



                治療ね〜・・・・・・、「口付け」が・・・?



            −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−




                ・・・・・・



                あっ、恋次!
                良かった〜、やっと・・・目が覚めた・・・。



            宝生: 阿散井副隊長・・・・・・
                出来れば、あと5分寝ててくれたら・・・
                「もう1回」出来たのに・・・。




                宝生さん!



            宝生: ・・・すみません。



                ココ・・・何処だ?



                医療所だョ。



                医療所?



            宝生: 憶えてないんですか?
                阿散井副隊長・・・酷い怪我で・・・・・・・



                えっ・・・? 怪我?



                ( 恋次が、起き上がろうとした )



                あっ・・・、まだ起きちゃダメ。
                もう少し、横になってて。



                あ・あぁ・・・・・・。



                ( 恋次が、寝たまま手足を動かした )



                別に、どこも痛くねぇぞ?



            宝生:  副隊長が、もの凄いパワーで、素早く治したんです。
                だから、体のダメージも、最小限にすんでるはずですョ。

                「だるさ」だとか・・・「疲れ」みたいなのも、殆どないでしょ?




                え・・・・・・

                 ・・・・・・

                そーいえばお前・・・顔色最悪だな・・・・・・。
                無理すんじゃねーョ。
                俺なんか、適当に治しときゃいいんだョ。




                うん・・・。




                「夢」だったのかぁ・・・・・・。



                恋次・・・「夢」見てたの?



                ん? まーな。



                「良い夢」だったんだ〜?



                んー・・・、悪かねぇな。



                あっ、分かった。
                「隊長」になった「夢」でしょう?



                えっ? 隊長かぁ・・・・・・。

                俺が隊長になれば・・・
                「阿散井副隊長が二人」って事もなくなるし・・・

                頑張らねぇとな。




                えっ?



                いや、何でもねぇ。

                でも、「夢」にしちゃ・・・しっかり感触・・・あったんだョな〜。
                「唇」に触れた感覚・・・・・・。




            宝生: あっ、それ・・・人工呼吸ですョ。



                えっ・・・・・・?

                人工呼吸って・・・あの、「口移し」のやつか・・・?




            宝生: はい。



                まさか・・・・・・
                お前がやったんじゃねぇだろうなーーーーー?



            宝生: やりましたョ、2回。




                え・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




                れ・恋次・・・大丈夫?




                 !!
                何で、お前じゃねぇんだョ!

                何で・・・止めねぇんだョ!




            宝生:  副隊長は・・・
                阿散井副隊長の傷治すのに、必死でしたからね。

                他の事に気を回す余裕なんて、ありませんでしたョ。




                恋次・・・・・・ごめんね・・・・・・。
                注意は、したんだけどね・・・・・・。



            宝生: 私も・・・阿散井副隊長を助けようと思って・・・しただけです。




                余計な事すんじゃねぇ!
                セクハラで、訴えてやるからな!




                恋次・・・、あんまり怒らないで・・・・・・。
                まだ、完全に回復した訳じゃないから・・・体に障るョ・・・。




                まぁ・・・
                済んじまった事だから・・・
                何言っても、取り返しつかねぇけど・・・・・・。

                お前・・・出てけョ。
                当分、お前の顔は、見たくねぇ。




                宝生さん・・・
                六番隊に、報告に行ってきてくれる?

                「阿散井副隊長、ほぼ回復致しました。明日から任務可能です」って。




            宝生: え・・・でも・・・
                まだ、阿散井副隊長の看病が・・・・・・




                行ってきて。

                私が行ければいいんだけど・・・体力的に無理だから。




            宝生: はい・・・、分かりました。




                気をつけて、行ってきてね。



            宝生: はい。



                ( 宝生が、出て行った )




                恋次・・・・・・ごめんね・・・・・・。

                私の、監督不行き届きだね・・・。




                お・お前・・・大丈夫か?
                今にも、倒れそーじゃねぇか・・・?

                俺はもういいから、お前が横になれ。

                ココじゃ・・・
                また、あいつが戻ってくるから、 の部屋行くか?

                俺が付いててやるから、ゆっくり休め。




                大丈夫だョ・・・。

                患者さんに、看病なんて・・・させられません・・・。




                どっちが患者だョ・・・。

                悪かったな。
                そんなになるまで・・・力、使わせちまって・・・・・・。




                ううん・・・。

                これが私の・・・仕事だもん・・・。

                患者さんが恋次だったから・・・ちょっと、頑張っちゃったけどね。




                 ・・・・・・



                ( 恋次が起き上がり、 を抱き上げた )



                恋次・・・
                まだ、無理しちゃダメだョ・・・。




                俺はもう大丈夫だ。
                どこも、何ともねぇ。




                本当に?



                あぁ。
                 のお蔭だ。



                良かった・・・。

                恋次・・・、宝生さんの事・・・許してあげてね。



    
                え・・・・・・
                何か・・・気分悪くなってきた・・・。

                あの感触が・・・あいつだと思うと・・・・・・


                




                ん?




                お前は・・・何とも思わねぇのか・・・?
                俺があいつに・・・キスされても・・・・・・?




                え・・・・・・

                何とも・・・思わないように・・・した。

                だって、恋次の傷治す方が、先決だもん・・・。
                気が散ってたら、とても治療なんて出来ないから・・・。




                まぁ・・・
                怪我した俺が・・・悪いんだョな・・・。

                でも・・・
                少しは、気になったんだョな?・・・なっ?




                うん・・・。




                そーか。

                じゃぁ、上官である に、責任とってもらわねぇとな。
              
                俺は・・・大切な唇・・・奪われたんだからな。




                責任?




                あぁ。
                責任っていうか・・・俺の保険だな。

                お前・・・もう、体力残ってなさそうだけど・・・
                まだ、正気だョな?
                判断能力・・・あるョな?




                うん。




                よし、じゃぁ・・・・・・・・・・・・


                 ・・・
                俺が、隊長になったら・・・・・・
                俺と結婚してくれ。




                えっ?




                別に・・・今日でも明日でも・・・俺はいいんだけど・・・

                 は・・・そうはいかねぇみてーだし・・・。

                待つのは、構わねぇんだ・・・。
                俺だって・・・自信ねぇ訳じゃねぇ。
                自分の力で・・・「 を振り向かせてぇ」って思ってる。

                でも・・・
                お前って・・・・・・
                突拍子もなく・・・いきなり誰かと・・・好きでもねぇヤツと・・・
                結婚決めちゃいそうだろ・・・?

                だから・・・一応、俺の保険。

                俺とお前の、最終ゴールライン・・・決めときてぇんだ。
                俺が隊長になったら・・・ と結婚出来るってさ。

                その前に・・・何とかしてぇけどな。




                恋次には、「保険なんていらない」と思うけどな・・・?

                誰とも結婚出来なかったら・・・
                しょうがないから、私と結婚するって・・・事でしょ?

                まぁ・・・
                恋次が、「そんな事」で安心出来るなら、私は「いい」けどさ。

                でも・・・
                恋次と結婚したい人なんて、いっぱいいるから、心配いらないョ。




                今・・・「いい」って言ったョな?

                もう一度聞くから・・・
                簡潔に、返事だけしろ。 いいな?




                うん・・・。




                『俺と結婚してくれ』




                え・・・、「隊長になったら」・・・じゃないの?




                「返事だけしろ」って、言っただろ!?




                そーだけど・・・
                質問が、違うじゃない・・・?




                隊長になったら「いい」って事は・・・
                今でも「いい」って事だろ?
                同じだョ。




                そーかなぁ・・・?




                そーだョ!

                で・・・返事は?




                え・・・・・・

                恋次・・・、もしかして、頭も強く打ったの?

                ザッと調べて・・・
                脳には異常なかったから、そのままにしちゃったけど・・・

                おかしいもんね・・・。
                こんなに「結婚、結婚」なんて、言い出して・・・。

                しかも・・・
                私になんてプロポーズしちゃって・・・・・・
                相当、重症だョね・・・?




                「夢」じゃ・・・とっくに結婚してんだョ。




                えっ?




                何でもねーョ。
                どう思っててもいいから・・・返事くれョ。

                「隊長になったら」・・・でいいから・・・

                俺と・・・結婚してくれるか?




                保険なら・・・いいョ。

                でもさー・・・
                保険掛けるなら、もっと可愛い人にした方が、いいと思うけどなー?

                どーせ私なんて・・・
                いつまでも、売れ残ってるから・・・保険にする必要ないョ。




                俺は、 がいいんだョ。

                じゃあ、いいんだな?




                うん。




                本当に?




                うん。
                恋次も、頑張ることだね。
                好きな人・・・ちゃんとゲットしなね。
                ボーっとしてると、私と結婚する破目になっちゃうからね。




                ボーっとしてりゃいいのか。
                簡単だな。




                えっ?




                いいんだな、俺と・・・結婚するって事だぞ?




                恋次が「隊長」になれたらね。




                え・・・・・・・・・・・・




                私と結婚するよりも・・・
                隊長になる事の方が、ずーーっと大変なんじゃないの?




                ・・・・・・そーかも・・・・・・・・・・・・・・




                頑張ってね。




                ・・・・・・あぁ・・・・・・・・・・・・・・・


                あ・あのさー・・・・・・
                隊長にならなきゃ・・・絶対ダメか・・・?




                うん。




                今のままでも・・・俺は、俺なんだから・・・いいだろ?




                ダーメ!




                え・・・・・・何で・・・・・・?




                恋次・・・、頑張ってね。
                恋次なら・・・絶対、隊長になれるョ。
                私、応援してるから。




                 ・・・・・・




                恋次・・・、ごめんね・・・・・・・
                私の体力・・・そろそろ限界みたい・・・・・・・・・・・・




                えっ?

                あー・・・、謝る事なんてねーョ。
                ゆっくり休め。
                部屋に寝かせとくから。




                うん・・・。

                恋次のお嫁さんになる夢でも、見てくるね。




                え・・・?




                恋次が・・・早く、隊長になれますように・・・・・・・・・




                 ・・・それって・・・・・・

                俺と・・・
                「早く結婚出来ますように」って・・・事か?

                 !?・・・・・・って・・・・・・眠ったか・・・。




                 ・・・、俺・・・頑張るョ。

                でも、絶対・・・その前に、お前を娶(めと)る。

                一緒に「阿散井副隊長」名乗ろうな。


                「夢」じゃ終わらせねぇ。

               
                 ・・・

                早く来いョ。

                俺の・・・許へ・・・・・・。

 

                                                                fin                              2006,7,21 up  

 

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♥ あとがき ♥

ほぼ、恋次しかいない 『Aveu passione』 も、1周年を、迎える事が出来ました。
これも偏に、読んで下さる方が、いらっしゃるからでして
皆様には、感謝の気持ちで、いっぱいです☆

文才も想像力も・・・何もない私なので・・・
いつまで続けていけるかは、分かりませんが、
「一話」、そしてまた「一話」と・・・
先を考えず、少しずつ頑張っていきたいなぁ・・・と、思っております。

「長い駄文」と・・・最悪のパターンですが・・・
もし、気が向きましたら、是非また遊びに来て下さいませ。



さて、今回のお話ですが・・・

いいんでしょうかね〜・・・?
恋次の唇が・・・奪われてしまいました(笑)

許せないお方も、いらっしゃるかもしれませんが・・・
恋次も諦めたようなので(笑)&番外編という事で、どうか、お許しを・・・。

長文、最後までお読みいただき、ありがとうございました☆
これからも 『Aveu passione』 を、どうぞよろしくお願い致します。



大感謝!!