絶叫マシーン(前編)
〔 医療所近くの広場 〕
あっ、恋次〜〜〜。 待った?
別に。
お前待たせる訳には、いかねぇからな。
そんな事より・・・急用って・・・何だ?
うん。
あのね〜・・・・・・
私・・・調査の為に、明日・・・現世に行く事になったの。
え・・・・・・
そんな話、聞いてねぇぞ・・・?
は・・・
医療所以外での活動は・・・出来ねぇはずじゃ・・・・・・
それは、医療活動としてでしょ?
怪我人が出るような場所は・・・
戦闘地域だったり、危険な場所だったりするから
私達には、無理なんだけどさぁ・・・。
特に危ない場所じゃなければ、私だって行けるもん。
そーだけど・・・・・・
何の調査だ?
一人じゃねーョな? 行くの・・・?
ん? 一人でもいいって。
えー・・・
一人じゃ、危ねぇじゃねぇか。
ダメだョ・・・絶対。
大丈夫だョ。
「一人で行く」って事で、上からの許可も出たんだもん。
危険なら・・・許可なんて出ないでしょ?
ダメだ!って言ったら、ダメだ!!
一人でなんて、俺が行かせねぇ。
一人で行くなら・・・三席のヤツにでも、行かせとけョ。
なっ、そーしろ。
恋次・・・・・・
上からの最終決定は、「自分が行きたくない」とかじゃ・・・
止められないでしょ?
んーーー・・・
じゃぁ、病気になれ・・・って・・・
お前んとこは、仮病効かねぇもんな・・・、厄介だなぁ・・・。
私は、行くからね。
行く事は、決定事項なんだから・・・
そんな事でゴチャゴチャ言ってる暇はないの。
あのね・・・恋次に来てもらったのはね・・・
私が、現世で着る服を、お店に頼んだんだけど・・・
あそこのお店に行く途中って・・・
ちょっと怖そうな人達が、たまってる場所があるでしょ?
だから・・・一緒に行ってもらいたいなぁ・・・って思って。
お前なー・・・
ココん中が怖いって言ってるようじゃ、現世なんて行けねぇぞ!?
無理だョ、お前一人でなんて。
止めろ、止めろ!
一人で出来る調査なんて、どーせ大した事ねぇんだろ?
・・・・・・
分かった・・・・・・。
(
が歩き出した )
お・おい・・・何処行くんだョ?
おい!!
医療所・・・。
えっ?
恋次の言う事は、正しいョ・・・。
私なんて・・・
何の能力もないし・・・何の役にも立たない・・・。
そんな事・・・言ってねぇだろー!
呼び出しちゃって・・・すいませんでした・・・。
じゃぁ・・・・・・。
(
が、走って行ってしまった・・・ )
!!・・・・・・・・・・・・
違うだろー・・・・・・。
俺は・・・お前が心配なんだョ・・・・・・。
仕事が無理なんじゃなくて・・・一人で行く事が・・・・・・・・・
俺の目の届かねぇ所に行かせる事が・・・
嫌なんだョ・・・。
・
・
・
・
・
〔 その日の夜・
の部屋 〕
・・・・・・、入ってもいいか?
居ないからダメ。
そーかョ。
居ねぇんだな?
居ねぇんなら、勝手に入るからな。
文句言うんじゃねぇぞ。
( 恋次が、部屋に入った )
ほらョ!
( 恋次が大きな袋を、
の前に置いた )
・・・何?
現世で着る服だろ?
お前・・・靴頼んでなかったから、
店の者に「服に合いそうなの適当に入れとけ」って、言っておいたぞ。
え・・・・・・
バカじゃないの?
私・・・現世に行かなくなったの。
恋次が「無理だ」って言ったんでしょ?
なのに、服なんか・・・・・・
ほら。
( 恋次が
に、書類を渡した )
何?
靴の請求書?
(
が、書類を見た )
え・・・・・・、何で・・・・・・?
私・・・
さっき、明日の現世行き・・・断ってきたのに・・・?
「 十四番隊副隊長
現世での調査を命ず 」って・・・
その先も、読んでみろ。
えっ?
あっ・・・・・・
「 補佐として、六番隊副隊長 阿散井恋次 の同行を許可する 」
・・・どーいう事?
俺とお前で、現世に行くんだョ。
でも・・・私、断わってきたのに・・・・・・?
が断わったのを、俺が断わってきた。
えっ?
昼間・・・お前、怒って帰っちゃっただろ?
てっきり、一人で現世行くんだと思ってさ・・・
どんな内容なのか、調べに行ったんだョ。
そーしたら・・・
「自分には能力がないから」って・・・
断わりに来たっていうからさぁ・・・・・・。
ごめん・・・。
俺・・・傷つけたョな・・・。
本当の事だもん。
に、能力ねぇなんて・・・思ってねーョ。
役に立たねぇなんて・・・一度も思った事ねぇぞ?
フォローなんて・・・いらないョ・・・。
一番私の事知ってる、恋次に言われて・・・目が覚めた・・・。
私は・・・ココでは、不用なんだョね・・・。
辞めて・・・養成所に、行こうかな。
養成所なら、少しは必要としてくれてるみたいだから・・・。
恋次だって・・・それの方が良いって、思ってるんでしょ?
引っ叩いていいか?
え・・・・・・
いいョ・・・、好きにすれば?
お前は・・・・・・
( 恋次が
を、抱きしめた )
気が強ぇな・・・・・・。
強くなんて・・・・・・ないョ・・・・・・。
フォローされるより、殴られた方が・・・ココ辞める決心がつくもん。
恋次が・・・私の事なんて大嫌いなんだ・・・って、分かった方が・・・
そんな事・・・分かってるけどさ・・・・・・。
恋次は、上からの命令で、私に優しくしてくれるから・・・
分かってても、優しくされると・・・
恋次の傍に、居たくなる・・・。
恋次から、「能無しの、役立たず」って、思われてるのにさ・・・
バカだョね・・・私って・・・・・・。
バカ・・・だな、本当に・・・・・・。
まっ、その「能無しの役立たず」は、全て俺が引き受けるから・・・
辞めるなんて、絶対言うな!
冗談でも、「そんな事」口にすんじゃねぇぞ!
いいか!?
・・・引き受けるって?
お前の全てに、俺が責任を持つョ。
早ぇー話が・・・・・・
ほら・・・、あれだョ・・・。
まぁ・・・なっ?
俺の・・・そのー・・・・・・嫁さんにさ・・・なるだろ?
だから・・・ココに居てもらわなきゃ困るんだョ。
何?
ハッキリ言ってくれないと、分からないョ?
今、何て言ったの?
全然聞こえないョ・・・?
とにかく明日、俺達は現世に行くんだョ!
でー・・・、調査って・・・何すんだ?
えっ?
恋次・・・私が何しに行くか、調べてきたんでしょ?
そんな暇、なかったんだョ。
が断わったのを、なしにすんのは、大変だったんだからな。
で・・・
早くしねーと、店閉まっちゃうしさー・・・。
服・・・必要だろ?
何の調査か? なんて、調べてる暇なかったョ。
あっ、服・・・どんなのがきたのか、見てみたいな?
何だョ? お前、知らねぇのか?
うん。
一応ね、「黒」か落ち着いた色でって・・・色だけ言ったの。
あっ、恋次・・・黒い服持ってる?
えっ?
まぁ・・・黒のスーツならあるけど・・・。
じゃぁ、恋次はソレ着てね。
えー・・・・・・何で?
だって・・・
ココでは、仕事の時はいつも「黒」でしょ?
だから・・・「黒」がいいかな〜?って思ってさ。
まぁ・・・いいけど・・・。
( 恋次が
を放し、
が袋から服を出した )
え・・・
お前・・・そんなの着るのか?
ん?
ダメかな〜?
黒いのは、コレだけだし・・・。
あれ?
こんなのも付いてる。「ヘッドドレス」だって。
頭に着けるのかな?
恋次もバンダナする?
お前さー・・・
まぁ・・・似合うと思うョ・・・、人形みてーで・・・。
でも・・・
そんな格好で歩いてるヤツ・・・見た事ねぇぞ?
えっ? そーなの?
じゃぁ・・・最近流行ってるんじゃないの?
そんな事・・・ねぇと思うけどなぁ・・・・・・。
まぁ、コッチでも手に入るんだから・・・需要はあるんだろうけどな。
ちょっと・・・着てみてもいい?
あぁ。
買っちゃったんだもんな・・・着てみろョ。
俺、出てるから。
うん。
( 恋次が部屋から出た )
恋次、いいョ。
( 恋次が部屋に入った )
どうかな?
・・・・・・
止めとけ。
が、気に入ったんなら・・・この部屋でだけ着てろ。
え・・・・・・
似合わない?
う〜〜〜ん・・・・・・・、似合わなくはねぇ。
でも・・・ヒラヒラし過ぎてるし、動きにくそうじゃねぇか・・・?
そんなに動かないョ?
他は・・・ねぇのか?
ん? まだあるョ。
あ、何か但し書きが入ってる。
えっと・・・
「落ち着いた色という事で、幾つか見繕ってみました。
スポーティーな感じ、ピュアな感じ、そして、ゴスロリ」・・・
ゴスロリって・・・何?
俺に聞くなョ。
きっと・・・
今、着てんのがそーなんだろ?
スポーティーでもピュアでもねぇもん。
コレかぁ・・・。
じゃぁ・・・コレ、恋次にあげるョ。
私・・・似合わないみたいだから。
いらねーョ、そんなの。
俺が貰って、どーすんだョ?
「好きな人」に、着せてあげればいいじゃない。
凄く可愛い人なんでしょ? きっと、似合うョ・・・コレ。
似合ってるョ。
でもなー・・・・・・
外に着て歩くって感じじゃねーョ。
可愛いから・・・皆、振り向きそうだし・・・・・・。
えっ?
仕舞っとけョ。
俺が見たくなったら・・・着てもらうからさ。
いいョ。
今度、フリーマーケットにでも出しちゃうから。
自分の部屋でしか着れない服なんて・・・持っててもしょうがないから。
じゃぁ・・・
こっちのシンプルなワンピース着て行こっと。
これなら、いいでしょ?
んー・・・・・・。
これもダメ?
私って・・・服似合わないかな?
でも、似合わなくてもいいョ。
仕事で行くだけだもん。
い・いや・・・似合うんじゃねーか?
可愛いと思うョ。
ただ・・・・・・
ただ?
丈が短けぇ・・・・・・。
えっ?
な・何でもねぇ・・・。
それでいいョ。
絶対、似合うから。
うん。
じゃぁ・・・元のに着替えようかな。
恋次・・・悪いけど・・・出ててくれる?
そのままでいいョ。
見納めだろ?
いつもと全然雰囲気違うけど・・・
それは、それで・・・可愛いからさ。
えー、またバカにしてるんでしょー?
俺のお姫様は・・・喋らなきゃ最高なんだけどな・・・。
まぁ・・・声も可愛いし・・・
たまに・・・いい事言うけどさ・・・。
恋次は・・・
訳分かんない事言って、ごまかして・・・。
でも・・・
恋次・・・いろいろありがとう・・・。
一緒に現世・・・行けるんだね。
あぁ。
あのさぁ・・・
明日は忙しいし・・・もう寝たいから・・・今日はこれで・・・・・・
あぁ、そーだな。
ところで・・・、明日・・・現世行って、何すんだ?
それだけ聞いたら、帰るョ。
うんとね・・・
する事は、「乗り物に乗る」の。
それだけだョ。
・・・?
お酒飲むと、酔うでしょ?
・・・あぁ。
現世ではさぁ・・・「乗り物酔い」っていうのがあるんだって。
乗り物に乗ると、酔うみたいなんだョね・・・。
それが、ピンとこないからさー・・・。
酒酔いと、どう違うのかな〜?って・・・
「ちょっと調べてみたい」って言ったら、許可が下りたの。
ふ〜〜〜ん。
でね、少し調べたところによると・・・
車や電車、船とか・・・いろんな乗り物で酔うらしいんだけど・・・
一番興味をひいたのはね・・・
「絶叫マシーン」っていうのがあるんだって。
それは一種類じゃなくて、いろんなのがあるらしいんだけどさー。
それってね・・・
少しの時間しか乗らないのに、
酔ったみたいに、気持ち悪くなる人もいれば・・・
爽快で、気分良くなる人もいるんだって。
同じのに乗って、全然違うでしょ?
だから、どんなのかな〜?って思ってさ。
今回は、「絶叫マシーン」に絞って、乗りに行くの。
それだけだョ。
そーか。
それって・・・何処にあるのか、分かってるのか?
うん。
遊園地に行けば、あるみたいだョ。
調べてもらって、場所も分かってるから、心配いらないョ。
悪かったな・・・。
ちゃんと調べて、行く気でいたのに・・・水さしちまって・・・。
ただ・・・
俺の気持ちも、分かってくれョ・・・。
が、医療所以外に行くのは・・・心配なんだョ・・・。
「医療所に居る」って・・・分かってる時でも・・・
俺は・・・心配なんだ・・・
の事がさ・・・・・・。
恋次・・・・・・
じゃぁ・・・明日な。
うん。
恋次・・・
能無しで、申し訳ないけど・・・よろしくお願いします・・・。
もうそれは言うなョ・・・・・・。
じゃあな。
To be continued 2006,9,21 up
鈴美様からのリクエスト夢です☆